http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/900.html
Tweet |
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE99702H20131008
2013年 10月 8日 12:15 JST
[ニューヨーク 7日 ロイター] - 米国の各銀行は、国内景気が回復して金利が上がり、安全ではあるがリターンは少ない預金からお金が流出していく事態に向けた対策を考えつつある。
こうした預金引き出しの動きは急速に起こって銀行にとって痛みをもたらしかねない。支払いに充てる資金を手元に持っておくか、どこかからか調達するか、あるいは最悪の場合は資産売却を進めなければならないのだ。
銀行は社債発行や連邦住宅貸付銀行(FHLB)からの借り入れなどを通じて準備をしている。ただ現在は、金利が実質ゼロである一方で借り手はインターネットからほんのちょっとの手間で銀行からお金を動かせるという歴史的にみてほとんど例がない局面であるため、金利上昇に備えるのも簡単ではない。
通貨監督庁(OCC)のケリー・コーン市場リスク局長は「金利が上がった際に預金に何が起きるかは大きな不確定要素だ。それがわれわれにとって主な懸念事項でもある」と語った。
OCCは2010年から銀行に対して、あらゆる事業において金利上昇への準備をするよう強く促している。
銀行預金の規模は確かに考慮が必要なほどの大きさだ。金融危機以降は、短期金利が低水準にとどまっているせいで個人や企業にとって銀行に預ける以外にはリスクの低い運用先はほとんど残されていなかった。連邦準備理事会(FRB)のデータでは、2008年9月から今年の9月半ばまでの期間に預金残高は40%も増加した。
しかし短期金利が永遠に低いままであるわけではない。一部の銀行は今から金利上昇の可能性に備えて、後から受ける打撃を最小限にとどめようとしている。例えばフィフス・サード・バンコープ(FITB.O: 株価, 企業情報, レポート)のダニエル・ポストン最高財務責任者は投資家との会合で、同行が債券もしくはそれに類する証券を発行し、予想される預金流出に対応するための新たな資金調達手段を築き上げる方針を表明した。
債券以外の調達先を模索する銀行も存在する。ポーテールズ・パートナーズのアナリストによると、第2・四半期のFHLBからの商業銀行の借り入れ額は400億ドルも増えており、増加ペースは2007年以降で最も急速だった。
もっともフィッチ・レーティングスは8月に公表したリポートで、たとえ金利上昇と預金からの資金流出が始まったとしても、過去の預貸比率の推移に基づけば、銀行は預金の23%が失われるまでは貸出資金に困ることはないとの見方を示した。
<差し迫った脅威にはあらず>
ほとんどの銀行にとって、預金流出というのはバランスシートに対する差し迫った脅威ではない。FRBは9月に量的緩和縮小の開始を見送っており、まして利上げは米経済が持ち直したとの確証が出てきてからの話になる。そして足元では財政協議の停滞で政府機関の一部が閉鎖される事態となり、しっかりした経済成長が訪れる局面は一層遠のいてしまった。
今のところ企業が預金をマネー・マーケット・ファンド(MMF)に移動させるインセンティブも乏しい。
米財務専門家協会のトム・ハント氏によると、法人預金の金利は約0.09%で、財務省証券に投資するMMFの利回りの0.02─0.04%を上回り、よりリスクの高いプライムMMFが提供する0.08─0.12%にほぼ等しい。
つまり銀行はMMFの顧客と同等かそれ以上の金利を支払っていることになり、だからこそ、MMFのデータをまとめているiマネーネットによればMMFの残高がピークだった09年1月の3兆8500億ドルから今年9月時点で2兆6700億ドルまで減少したのだ。
それと対照的に預金は膨れ上がってきた。投資銀行サンドラー・オニールのストラテジスト、スコット・ヒルデンブランド氏は「銀行は04年、05年、06年あたりには預金獲得にしのぎを削ったものだった。だがそれ以降預金は簡単に入ってくるようになり、彼らからは『預金流入を止めることができない』との悲鳴が聞かれる」としている。
こうした中で一部の銀行は預金流入に歯止めを掛ける努力を行ってきた。11年8月に米国の債務上限引き上げをめぐって危機的状況が到来した際に、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンは、一部の法人とファンド会社の顧客に対して限度額以上の預金には手数料を課す計画を発表した。このときは実行されなかったが、同行は昨年、ユーロ圏の混乱が深まった場面でも同じような措置を検討している。
(Peter Rudegeair、Carrick Mollenkamp記者)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。