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日本の大企業は、この10年で100兆円ため込んでいる
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131008-00000375-playboyz-bus_all
週プレNEWS 10月8日(火)10時10分配信
先月、国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」によると、平成24年分の一人当たりの平均給与額は、正規雇用者が468万円(3,012万人)、非正規雇用者が168万円(988万人)。合算すると給与所得者の平均給与額は408万円となり、平成23年分より1万円減少した。
アベノミクス以前のデータなので、給与が前年より下がっても仕方がないと思いがちだが、反対に日本の大企業の「内部留保」は、年々増え続けているのだ。
駒澤大学経済学部教授の小栗崇資氏が解説する。まず、内部留保とは何か。
「企業は製品やサービスの売り上げから原材料費や賃金などの経費を差し引き、利益を計上します。内部留保とは、その利益から税金と株主への配当金を払って残った利益剰余金などを総計した、要は企業の儲けの蓄積のことです」
利益剰余金のほか、将来の支出や損失に備えるため、主に貸借対照表の負債の部に繰り入れられる「引当金」、新株発行などの資本取引によって増資し、発生した「資本剰余金」、これらを累計した数字が一般的に「内部留保」とされる(出典:財務省「法人企業統計年表」、国税庁「民間給与実態統計調査」)。
「利益剰余金だけを見ると、2011年度は141.3兆円でした(資本金10億円以上、大企業5806社)。10年前(2001年/84.7兆円)の約1.7倍。高度成長期だった30年前(1981年/19.8兆円)までさかのぼると約7倍です」
給与が減り続けている一般庶民からすると、納得しがたい数字だが、いったい内部留保の何がいけないのか?
「内部留保が雇用拡大につながる設備投資や賃金の上昇に使われていれば問題ないのですが、そうはなっていないのです。ちなみに利益剰余金が1.7倍になったこの10年間で、設備投資は1割減でした」
そもそも、膨大な内部留保はどのようにして積み上がったのか?
「ひとつは人件費の削減です。2001年から2011年にかけ、従業員給付は52兆円から51.4兆円に、従業員ひとり当たりの賃金は454万円から409万円に減少しました。私の試算では、仮に2001年の従業員給付が維持されていた場合に必要となっていたはずの資金は10年間で21.1兆円。つまり、同じ10年間の利益剰余金の増加分は56.6兆円ですから、実にその約4割が人件費抑制分から留保されたとみることもできます」
また、もうひとつ内部留保を膨れさせた“財源“がある。
「それは法人税の減税です。消費税が5%になった2年後(1999年)に40%から30%に減税され、企業の税負担は9.6兆円も減りました。大手企業はこの減税分の大半を内部留保に転化させたのです。今回も消費税とセットで法人税減税が検討されていますが、減税されても同じことの繰り返し。内部留保が膨れ上がるだけでしょう」
アベノミクス効果で業績は回復しつつあるのに、企業はなぜ内部留保をため込むのか?
「液晶の工場に莫大な投資をした直後にサムスン電子などとの競争に敗れ、突如、経営不振に陥ったシャープの教訓があります。『投資に失敗すれば経営はあっという間に傾く』という、一種の“投資恐怖症”のような症状が大手企業を中心に蔓延している。アベノミクスが好調とはいえ、企業の投資を促す特効薬にはなっていないということです」
消費増税をのまされ、ガソリンや生活必需品の値上げラッシュに耐え続けている庶民を犠牲に、大手企業は今日もせっせと内部留保を積み上げている。
(取材/興山英雄)
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