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ソフトバンク信用情報誤登録問題、孫社長「重大事故ない」発言直後の発表に批判続出
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2013.10.07 Business Journal
9月に発売されたiPhone 5s/5cのキャリア別販売台数シェアで、ソフトバンクモバイルが4割超のトップとなった。家電量販店の実売データを集計するBCNランキングによると、9月29日までの累計シェアは42.7%と、KDDI、ドコモに10ポイント以上の差をつけた結果となった。BCNランキングはソフトバンクの勝因を「従来からの熱心なiPhoneファンに支持された証し」と分析しているが、10月1日、その支持を裏切るミスが発表された。スマートフォンや携帯電話を割賦契約で購入した一部顧客の支払情報が、「未入金」として信用情報機関に誤登録されていたというのだ。
2日、3日付日本経済新聞記事によると、誤登録の件数は6万3133件。ソフトバンクの入金システムでは顧客の入金情報に誤りはなかったが、信用情報機関に情報を送る際、入金済みの一部顧客の支払状況を「未入金」と誤った。2009年にシステム改修した際の設定ミスが原因で、今年3月に顧客からの問い合わせで判明したという。ソフトバンクは今夏までに信用情報を修正した上で、誤登録されていた顧客のうち、金融機関やカード会社から照会があった1万6827件の顧客にダイレクトメールなどで謝罪している。
ガジェット情報をまとめているEngadget日本版の1日配信記事によると、誤登録があったのは09年10月8日〜13年8月6日までの期間。最大で3カ月分の支払いが滞っていると誤登録され、クレジットカードやローンの審査に落ちた顧客がいる可能性もあるという。
フィナンシャル・プランナーの中嶋よしふみ氏は1日、自身のブログでこの問題について「とんでもない状況だ」と解説。さらに、「発覚から公表まで半年もかかった点について厳しく批判されるべきだろう」と強く非難している。
●発表のタイミングに疑問の声も
ソフトバンクは問題公表の前日、9月30日に冬春商戦向け新型スマートフォンの発表会を行ったが、誤登録問題については触れられなかった。さらに、孫正義社長は発表会で「重大な通信障害を起こしていないのはソフトバンクだけだ」と、他社の通信障害の事例を並べながら、850日間も重大事故がないと、強くアピールしていた。
問題の公表が発表会の翌日だったことについて、10月3日付産経新聞記事は、
「誤登録は通信障害ではないが、まれにみる“重大な事故”だ」
「個人の信用情報を傷つけ、単なる通信障害よりも社会的影響は大きい」
と批判。さらに、「誤登録の発表を翌日に控え、『重大事故はない』とうそぶいた姿勢は孫社長の経営者としての信用も毀損しかねない」と指弾している。
ネットユーザーからも以下のように批判的な意見が目立った。
「新製品の発表会で公表したくない気持ちはわかるが…往生際が悪すぎる」
「そういう姑息な会社という印象を深めますよね。誠意が感じられないというか、芝居がかっているというか」
さらに、個人投資家の山本一郎氏は2日、自身のブログでこの問題が消費税率引き上げ決定のニュースに隠れてしまっていると指摘。「まさにそのタイミングを狙ったというのであれば、その悪ぶりも徹底しているということでしょうか」と、このタイミングでの問題公表の理由を分析している。
ソフトバンクは、今回の誤登録によって顧客の不利益が判明すれば個別に対応する方針を明らかにしている。ただ、前出の中嶋氏は「上場企業のグループ企業ですらこのようなミスがあるのなら、他社でも当然起こりうると考えておいた方が良い」「審査に落ちたら確認、ではなく事前にチェックしておく事をお勧めしたい」と注意を促している。誤った情報で不利益を被らないために一度、自分の信用情報を調べてみてはいかがだろうか。
(文=blueprint)
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