http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/867.html
Tweet |
中国が買っていなければ、金相場は今頃・・・〔AFPBB News〕
揺れる金相場、投資家が恐れる中国の購入意欲喪失
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38861
2013.10.07 Financial Times
(2013年10月4日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
中国がいなかったら、一体どうなっていただろうか――。これは近年、コモディティー(商品)業界の多くの人が問うてきた疑問だ。だが、こと金に関しては、特別な響きを持つ。
13年間に及ぶ金の強気相場が終わりを迎えた今、世界第2位の経済大国からの現物需要の爆発的な増加は、相場の急落が暴落に発展するのを防ぎ、神経を尖らす投資家に、金に対して前向きでいる理由を与えてきた。
■世界最大の金消費国になる中国
トムソン・ロイターGFMSによると、2013年は近代で初めて、中国がインドを抜いて世界最大の金消費国になる見込みだ。
また、HSBCによれば、今年は史上初めて、世界最大の金産出国が最大の輸入国かつ消費国になるという。
ナティクシスのデータによると、年初来の中国の金の輸入量は前年からほぼ倍増して864トンに達した模様で、今年初めて1000トンを突破する見通しだ。
「我々は中国市場の規模と購買意欲、および、それが国際価格に与える影響を完全には理解していないと思う」。スタンダードチャータードの貴金属トレーディング部門を率いるジェレミー・イースト氏はロンドン地金市場協会(LBMA)が先日ローマで開催した会議でこう語った。
だが、上海黄金交易所のプレミアムが低下し始めるなど、需要が減退し始めている兆候が見られ、アナリストらは、再び相場が下落した時に中国からの貪欲な買いが見込めるかどうか確信を持てずにいる。
■西側は米国の量的緩和縮小を見越して金売り
今年は金市場でバランス調整が進んだ。西側諸国では、金相場を動かす重要な要素である米国の金融政策の転換を見越して、機関投資家が金に裏付けられたETF(上場投資信託)のポジションを削減した。
ETFの金保有高は、年初に記録した2700トンの過去最高水準から2000トン前後まで減少しており、金相場に売り圧力をかけてきた。金の価格は年初から20%下落し、1トロイオンス当たり1316ドルとなっている。
金の売却は、アジア諸国、特に中国の消費者からの現物需要の急拡大により一部相殺されたが、完全には埋められなかった。インドも、規制によって需要が大打撃を受ける前には輸入が記録的な水準に達していた。こうした買いもあって、金相場は4月(1360ドル)と6月(1199ドル)の安値から反発した。
■EFTの金売却はまだ続く
「中国がやって来て金を買い上げていなければ、金価格は今頃いくらだったか」。イースト氏は会議でこう問いかけた。「相場が1050ドルという重要な下値支持線を試していたとしても、私は驚かなかったろう」
今ではETFの金売却のペースが鈍ったが、多くのアナリストはこれが一時的な中休みに過ぎず、米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和縮小のタイミングがはっきりしてきたら、売りが再開すると見ている。
「リーマン・ブラザーズが破綻した時点のETFの金保有高を振り返ってみると、1000トン前後だった」。プレシャス・メタルズ・インサイトのフィリップ・クラプウィク氏は先のLBMAのイベントでこう語った。「再びそんな水準になるとは思えない。だが、さらに200トン、300トン、400トンの清算・売却があるか? それはかなり現実的に考えられると思う」
市場参加者の間では、4月と6月の相場下落がどの程度「弱い保有者」を市場から追い出したかが熱い議論の的になっている。中国の需要の見通しも同様だ。例えばシティグループは、中国は今、金の在庫が非常に潤沢で、年内いっぱいは需要が減少すると見ている。
やはり不透明なのが、中国の購入のどの程度が「公的部門」によるもので、今後も継続的な需要をもたらしてくれるか、という問題だ。アナリストの間には、中央銀行は今年、外貨準備を多様化させるために金を200〜300トン程度購入したとの見方がある。
■持続的な上昇は見込めない
中国は安定化作用をもたらしてきたが、同国が持続的に相場を上昇させられると考える市場参加者は少ない。「問題は、需要の大半が価格下落と関係していたことだ。中央銀行の購入と同じように、こうした買いは高めの下値を設ける助けになったが、それだけでは持続的に金価格を押し上げることはできない」とクラプウィク氏は言う。
実際、米国による政府債務の初のデフォルト(債務不履行)への不安の高まりでさえ金価格を押し上げられず、相場は10月第1週にほぼ2カ月ぶりの安値をつけた。2011年の似たような局面では、金相場は1900ドル台を突破した。アナリストらによれば、これは注目すべき動きであり、少なくとも西側諸国では、量的緩和縮小が視野に入るにつれて金に対する投資家心理がいかに変化したかを物語っているという。
By Neil Hume
© The Financial Times Limited 2013. All Rights Reserved. Please do not cut and
paste FT articles and redistribute by email or post to the web
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。