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輸出主導型ではなくなった日本経済 リーマンショックから5年、世界はどう変わったか (週刊東洋経済) 
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/863.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 10 月 07 日 09:54:00: igsppGRN/E9PQ
 

輸出主導型ではなくなった日本経済 リーマンショックから5年、世界はどう変わったか
http://toyokeizai.net/articles/-/20873
2013年10月07日 野口 悠紀雄 :早稲田大学 ファイナンス総合研究所顧問 東洋経済


リーマンショックを境として、世界経済は大きく変わった。何がどのように変わったのか?以下では、これをマクロ経済の観点から分析しよう。

大きな変化は、主要国の国際収支において生じた。

まず米国について、経常収支の推移を見よう。1990年代の初めには、米国の経常収支はほとんど均衡していた。その後、金融緩和によって消費と住宅投資が増加し、図に示すように、経常収支の赤字が増大した。2004年から08年においては、年間6000億ドルを超える規模になり、06年には8000億ドルを超えた。GDP比で見ると、06年は5.99%にまで達した。これは、歴史的な大規模赤字である。

ところが、金融危機によって赤字は急減し、10年以降は4000億ドル台となった。12年においては、赤字は4750億ドル、対GDP比は3.0%だ。ピークから3200億ドル強減少したことになる。

「減少はしても依然として大きい」とも言える。しかし、米国経済に対する信頼が揺るがない限りは資本収支の黒字(他国からの資本流入)がこれをファイナンスする。問題は、他国から見て、経常赤字減だけの需要減が生じたことだ。これによって特に大きな影響を受けるのは、米国を主要輸出先とする日本と中国である。

日本の経常黒字の対GDP比は、01年には2.1%だった。その後継続的に上昇し、07年に4.9%まで達した。額では2121億ドルだ。ところがリーマンショック後の輸出急減で経常黒字は急減し、09年に2.9%、11年に2.0%となった。12年においては、GDPの1.0%、額では590億ドルだ。

中国の経常黒字の対GDP比は、01年には1.3%だった。その後、継続的に上昇し、07年に10.1%というピークに達した。額では3532億ドルだ(額の最高値は、08年の4206億ドル)。ところがリーマンショック後は継続的に減少し、12年には対GDP比が2.6%、額では2017億ドルになった。

図に示すように、日中の経常黒字の合計は、05年頃までは、米国経常収支赤字の4割程度であった。06年には約半分になり、07、08年には約8割になった。

ただし、このことは、米国の経常赤字の大部分を日中両国だけで賄ったことを意味するものではない。米国は日中以外の国との関係もあるし、日中から見ても米国以外の国との関係があるからだ。以上で述べたことは、単に数字が対応しているというだけのことだ。もっとも、日米中は経済規模が大きいので、この3国だけを取り出しても、全体の傾向をおおまかには見たことになる。

■GDP需要構成比が変化した

以上で見た対外経済バランスの変化は、GDPの国内需要項目の変化と対応している。

日本の名目GDPの各項目構成比を06年度と12年度で比べると、純輸出が3.6%減少した一方で、民間最終消費支出は3.5%増加した。

他の項目も変化している。すなわち、民間住宅と民間企業設備の構成比の和が2.17%減少したのに対して、政府最終消費支出が2.4%増加して補っている(なお、公的資本形成が0.6%増)。つまり、輸出と投資に主導される経済から、消費に主導される経済へと、需要構造が大きく変わったのである。

米国のGDP構成比も変化した。純輸出の対GDP比は、06年のマイナス5.5%が、12年にはマイナス3.4%に縮小した。

ところが、日本の場合とは違って、個人消費支出は目立った変化を示していない。対GDP比は、06年に67.1%だったものが12年には68.6%と、むしろわずかではあるが、増加している。

大きな変化があったのは、住宅投資だ。対GDP比は、06年には6.0%であったが、12年には2.7%にまで低下した。この変化がほぼ純輸出の変化と対応している。

なお、中国のGDP統計では需要面が公表されていないので、以上のような分析ができない。

■世界の総需要の変化で日本経済は縮小した

ところで、以上のデータを見るだけでは「さまざまな変化のどれが原因でどれが結果なのか」、つまり、「どれが主体的に動いた項目で、どれがそれへの受動的な対応や自動的な調整で結果的に変化した項目か」は分からない。統計データから分かるのは、事後的な相関関係だけであって、因果関係ではない。因果関係は、ストーリーを組み立てることでしか分からない。それは、およそ次のようなものだったと考えられる。

まず、米国において、金融緩和とサブプライムローン証券化商品によって住宅投資が促進され、住宅価格バブルが生じた。証券化商品への投資は、海外からも行われた。日本からは、円キャリー取引を通じる資金の流入があった。こうして財の面では国内需要が拡大して経常収支赤字が拡大した。資本収支の面では、資金流入で黒字が拡大した。

バブルが崩壊して住宅投資は減少し、動きが逆転した。すなわち、純輸出の赤字が縮小したのだ。すでに見たように、06年と12年を比較すると、住宅投資の減少は対GDP比約3.3%で、これが純輸出の対GDP比の減2.1%にほぼ対応している。

リーマンショックは世界経済に大きな負のインパクトを与えたが、中国はこれによる経済の落ち込みを回避するため、4兆元(約6000億ドル)の経済刺激策をとった。この額は、07年から10年への米国経常収支赤字の減少(4187億ドル)より大きい。中国の経常収支黒字が08年から09年にかけて1773億ドル減少したのは、このためだ。

つまり、世界経済全体として見れば、中国の景気拡大策のために大きな需要減を免れることができたのだ。それによってとくに大きな恩恵を被ったのが日本経済である。

ところが、それが11年頃に終了した。これは、中国の経常収支黒字がほぼ一定のレベルになり、12年から13年にかけては若干増加したことに表れている。

以上のような世界経済の需要変動に、日本は積極的な政策対応をせず、受動的に対応した。

まず、米国の赤字が拡大していく過程では、自動車を中心として輸出が増えた。このメカニズムは、円キャリー取引および円安の進行と対をなしている(これについては、拙著『経済危機のルール』東洋経済新報社、第5章を参照)。

ところが米国金融危機で、自動車を中心に輸出が減少した。資本収支の面では、円キャリー取引の「逆戻し」現象が生じ、円高が進行した。

日本の政府支出は増加しているが、このうち政府消費は主として医療費であり、政策的な拡大というよりは自然増的な性格が強い。また、民間消費は、他の項目が減少しているために受動的に構成比が上昇しただけであり、名目ではむしろ減少している(実質消費は、デフレーターの低下により増大している)。

日本経済の対応は、主として、経済の停滞ないしは縮小によってなされた。12年の実質GDPは、07年より約1%少ない。

(週刊東洋経済2013年10月1日号)


 

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コメント
 
01. 2013年10月07日 15:53:15 : niiL5nr8dQ
コラム:「ものづくり大国」再生に必要な発想転換=熊谷亮丸氏
2013年 10月 7日 13:40 JST
熊谷亮丸 大和総研 チーフエコノミスト(2013年10月7日)

「アベノミクス」の成果もあり、日本経済は2012年11月を底に、着実な景気回復軌道をたどっている。ただ、中長期的なタイムスパンで考えると、日本経済再生には「ものづくり」の復活という視点が欠かせない。

周知の通り、近年わが国では大手電機各社が大幅な赤字決算を強いられるなど、「ものづくり」は苦境に立たされている。円安効果で一息つけた企業は多いとはいえ、海外勢、特にサムスン電子(005930.KS)をはじめとする韓国勢に対する劣勢は続いている。問題は、価格競争力もさることながら、なにより世界の消費者へのアピール度で負けていることだろう。

もっとも、筆者は「マーケティング力」を強化すれば、まだまだ「ものづくり大国」復活の余地はあると見ている。日本企業の根本的な問題点は、「消費者が本当に欲しいものを適正な価格で作っていない」ことにある。これは、日本企業では伝統的に社内で製造部門の発言力が強く、マーケティングが軽視されてきたためだ。

社長を中心とする企業幹部を輩出するのが製造部門であれば、発言力が強くなって当たり前だ。製造部門主導で品質の高い製品を作っているのは確かであるが、こだわりが強すぎて、最終的に「オーバースペック(過剰装備)」の商品となる傾向が強い。

分かりやすく言えば、日本企業は「ほら。技術の粋を集めて、こんなに立派なものを作りましたよ。欲しいでしょう」という「上から目線」で新商品を開発しているのだ。その結果、消費者から見ると、完全にピント外れの新製品が少なくない。

<英ダイソンの人気に学ぶ>

これに対して、海外に目を向ければ、マーケティング力をテコに、存在感を強めているメーカーは多い。韓国勢だけではない。たとえば、英国のダイソン社は、吸引力の強いサイクロン式掃除機を初めて開発するなど、わが国でも人気の家電メーカーである。日本勢が多機能化競争(「しゃべる」機能まで装備)に明け暮れている間に、基本機能の強化とデザイン性を徹底追求し、消費者へのアピールに成功した。日本企業は「技術で勝って、商売で負ける」と言われる。掃除機は、その分かりやすい例ではないだろうか。

今後、日本企業は「マーケティング力」を従来以上に磨く必要がある。繰り返すが、日本企業の致命的な欠陥は、マーケティングの弱さだ。最大のライバルである韓国勢は、緻密なマーケティングに基づいて、売れる価格の範囲内で最良の製品を作る。この結果、日本企業は価格面まで考慮すると、どうしても韓国企業に太刀打ちできなくなってしまう。

剛速球に一層の磨きをかける(最先端の「技術力」を磨く)ことの重要性は認めるが、それと同時に、コントロールを良くする(「マーケティング力」を高める)ことにも、日本企業はバランス良く取り組む必要があるのだ。

*熊谷亮丸氏は、大和総研経済調査部チーフエコノミスト。日本興業銀行(現みずほFG)、興銀証券(現みずほ証券)、メリルリンチ日本証券を経て、2007年に大和総研入社。2002年―2011年、財務省「関税・外国為替等審議会」専門委員。東京大学法学部卒業、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。近著に「パッシング・チャイナ 日本と南アジアが直接つながる時代」(講談社)。

 


 


 
ドル97円前半、米財政問題懸念と株安で円買戻し
2013年 10月 7日 15:37 JST
[東京 7日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末のニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の97円前半。週末に米財政協議が進展せず、進展に期待していた向きがドル買いポジションを閉じた。

海外ファンド勢は為替市場では目立った動きを見せなかったが、日本株先物でロングの手仕舞いを続け、日経平均.N225も下落したため、全般に円の買い戻し基調となった。

オバマ米大統領のアジア歴訪取りやめで財政協議進展への期待が高まったが、週末に具体的な進展は見られなかった。オバマ大統領と共和党のベイナー下院議長の見解の隔たりはなお大きい。

ドル/円は午前の取引で97.02円まで下落した。大手邦銀の関係者は「どこかで(米財政協議が)落ち着くと思って、十分な準備をしていないからこうなる」と指摘。財政協議が急きょ進展することに期待している向きが多いが、進展しないことにいら立って少しずつドル買いポジションを閉じる参加者がおり、ドル/円のじり安につながっているとした。

海外短期筋は日本株先物でロングポジションの圧縮を続けているとされる。日経平均は前営業日比170.99円安の13853.32円で引けた。株安はドル/円、クロス円など全般的な円買い戻しにつながった。

他方、市場では、ドル/円の下値で公的機関の買い需要があるとの認識が広がっており、東京時間の午後3時までの取引では、ドルは97円を割り込まなかった。

多くの市場関係者は、ドル/円が200日移動平均線(7日=96.68円付近)を割り込むかに注目している。同移動平均線は、昨年11月半ばに野田佳彦前首相が衆院解散を言明して以降、一度も割り込んでいない。

邦銀の関係者は「200日移動平均線でのストップロスはけっこうあると思う。割り込むといったん下を試しにいきそうだ。ただ、そこを守ろうとする動きも当然出てくると考えられ、割れても底堅い感じになってくるのではないか」と話している。

<ユーロ>

ユーロは1.35ドル後半で底堅い値動きとなった。現在のユーロ/ドル相場は今年2月以来、8カ月ぶりの高水準にある。「米国の財政協議をめぐる不透明感から、ユーロが選択的に買われやすい地合いが続いている」(国内銀)という。

4日の欧州マネーマーケットでは、欧州中央銀行(ECB)当局者の発言により、追加の長期資金供給オペ(LTRO)が近く実施されるとの観測が後退したため、欧州銀行間取引金利(Euribor)が小幅に上昇した。

ECBの理事会メンバーであるノワイエ仏中銀総裁は、既に市場には十分な流動性があるため、現時点でECBは追加LTROを実施する必要はないとの見解を示した。

また、クーレECB専務理事は、安易な条件でLTROを実施すれば銀行のリストラ意欲を損ね、ビジネスモデル変革が遅れる可能性があると述べた。同専務理事は「中銀の流動性供給に依存することのコストは高く設定されるべきで、かつ時限的である必要がある。さらに緊急事態のみに対処するべきだ」との考えを示した。

4日欧州終盤の取引で、指標となる3カ月物Euriborは0.225%で、3日の0.224%から上昇した。

<世銀のアジア経済予測>

世銀は7日、東アジア地域及び中国の経済成長予想をそれぞれ引き下げた。

「東アジアの新興国の成長は、中国が輸出中心の経済から内需中心の経済に移行するなかで、より緩慢なペースになっている」と世銀は東アジア太平洋地域の経済リポートで指摘。「インドネシア、マレーシア、タイを含む中所得国の成長もまた、設備投資の減少、グローバルな商品価格の下落、予想を下回る輸出の伸びなどで低下している」という。

東アジアの成長見通しは、2013年が7.1%、2014年が7.2%とした。前回4月の予想は2013年が7.8%、2014年が7.6%だった。

中国の成長率見通しは、2013年が7.5%、2014年が7.7%。前回予想はそれぞれ8.3%、8.0%。

ただ、世銀の東アジア太平洋地域担当のチーフエコノミスト、バート・ホフマン氏は、東アジアの新興国に対する資本フローの逆流(東アジアからの流出)は、アベノミクスにより相殺される可能性があるとみている。同氏は、成長拡大に向けた日本の政策努力は、銀行貸出の増加や、ポートフォリオ・リバランス、対外直接投資を通して、アジアの新興国にも波及する可能性があるとの見方を示した。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 97.07/09  1.3568/72  131.71/75

正午現在   97.06/08  1.3567/71  131.69/73

午前9時現在 97.27/29  1.3567/71  131.97/01

NY午後5時 97.45/50  1.3557/58  132.10/14

(森 佳子

 


 


 


 
日経平均4日続落、米協議不透明でリスク回避
2013年 10月 7日 15:33 JST
[東京 7日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は4日続落。一時182円安となり、心理的節目の1万4000円を下回った。朝方は前週末の米国株高や短期的な売られ過ぎによる値ごろ感から押し目買いが先行したものの、米財政協議をめぐる不透明感が重しとなり、買いは続かなかった。

円高警戒感が強いなか、リスク回避の売りに押され、軟調な展開が続いた。東証1部の売買代金は9月12日以来の低水準となり、投資家は様子見姿勢を強めている。

米財政協議については、オバマ米大統領のアジア歴訪中止などもあり、週末から週初に進展するとの期待もあったが、具体的な成果はなく、週明けの米国株が売られるとの警戒感が現物・先物への売りを誘った。GLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)では米株価指数先物が弱含んでいる。外国為替市場で1ドル=97円割れ寸前まで円高が進んだことも重しとなった。

多くの投資家は、債務上限引き上げの事実上の期限とみられる17日までには与野党が何らかの合意に至り、債務不履行(デフォルト)が回避されるとみているものの、商いは盛り上がらず、手控えムードはなお強い。また、米企業業績が頭打ちになるのではとの懸念も出始めており、「8日のアルコア(AA.N)から本格化する米第3・四半期決算を見極めたいとのムードもある」(準大手証券トレーダー)との声も出ていた。

半面、10月下旬から始まる国内企業業績への期待感が下支え要因という。野村証券・日本株チーフ・ストラテジストの田村浩道氏は「10月15日から開始される成長戦略実行国会が期待されるほか、国内企業業績の大幅な上方修正が日本株のカタリストになるだろう」と指摘し、2013年末の日経平均予想1万8000円を据え置いている。

またテクニカル面での下値サポートも指摘されている。移動平均線では75日移動平均線(1万4036円46銭=7日)や100日移動平均線(1万3986円51銭=同)などが現値水準に集中しているほか、日足・一目均衡表では抵抗帯上限(1万3827円98銭=同)が下値を支えている。「テクニカル面でのサポートもあり、日経平均がこのまま大きく下げるとは想定しづらい」(マネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆氏)とみられている。

個別銘柄ではユニオンツール(6278.T)が反発。4日に発表した12─8月期決算が好調だったほか、株式分割を発表したことも材料視された。4─9月期利益予想の上方修正を受け、買いが先行した三井住友フィナンシャルグループ(8316.T)は全般相場の下落に押され下げに転じた。日本航空電子工業(6807.T)は大幅続落した。4日、防衛省から2014年7月3日まで9カ月間の指名停止措置にするとの通知を受けたと発表し、嫌気された。

東証1部騰落数は、値上がり249銘柄に対し、値下がりが1449銘柄、変わらずが54銘柄だった。

日経平均.N225

終値      13853.32 -170.99

寄り付き    14057.79

安値/高値   13841.93─14073.23

東証出来高(万株) 233149

TOPIX.TOPX

終値       1147.58 -16.24

寄り付き     1164.52

安値/高値    1147.22─1166.46

東証売買代金(億円) 18119.48

(杉山容俊
 


 

8月景気動向指数は先行・一致とも2カ月ぶり低下、基調判断は据え置き
2013年 10月 7日 15:07 JST
[東京 7日 ロイター] - 内閣府が7日に発表した8月の景気動向指数速報によると、CI(コンポジット・インデックス)一致指数、先行指数とも2カ月ぶりに低下した。ただ、一致指数の移動平均などから機械的に示す基調判断は「改善を示している」で据え置いた。

景気の先行きを示す先行指数は前月比1.4ポイント低下し、106.5となった。マイナスに最も寄与したのは鉱工業生産財在庫率指数で、化学、鉄鋼、プラスチックなどで在庫率が上昇した。消費者態度指数が3カ月連続でマイナスとなったほか、このところ高水準にあった新規求人数も8月はマイナスとなった。

ただ、すでに9月の数値が確定している4つの指数のうち日経商品指数、中小企業売上見通しDIなど3つはプラスであり、内閣府では「全体の動きが今後どうなるかは注意深くみていくべき」としている。

一致指数は前月比0.1ポイント低下の107.6。所定外労働時間指数、投資財出荷指数、生産指数などがマイナスに寄与する一方、耐久消費財出荷指数、商業販売額などがプラスに寄与した。

CI一致指数を踏まえた基調判断は7月に上方修正し、「改善を示している」としていたが、8月はそのまま据え置いた。

(石田仁志


 


 


 

焦点:米EU自由貿易協定、交渉延期で先行き一段と不透明に
2013年 10月 7日 14:02 JST
[ブリュッセル 6日 ロイター] - 米国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)交渉は目標としていた来年末までの妥結が一段と困難な情勢になってきた。政府機関閉鎖で米側が交渉団を送り込めなくなり2回目の会合が延期になったためだ。

自由貿易交渉には、2回目会合が延期になる前から既に、暗雲が立ち込めていた。フランスは、欧州の映像・音楽サービスを自由化の対象外とすることを勝ち取った。これにより、米国がその代わりに、安全保障を理由に海運業を協定対象外とするよう主張する可能性が浮上した。

7月の初回の交渉では、米当局がEUに対して盗聴など情報収集活動を行っていたことが明るみに出て、EU側が一時、態度を硬化させた。

そして今回の2回目会合延期だ。さらに追い打ちをかけるかのように、協定の最重要部分と言える金融規制をめぐる対立が深まっている。

米国のEU大使を務めた経験を持つスチュアート・アイゼンスタット氏は「交渉の遅れは致命的ではないが、政府機関閉鎖が長引き、文化や金融サービスなどが自由化の対象外となるならば、良いスタートとは言えない」と指摘。「会合延期で、2014年末までに交渉を妥結するというタイムテーブルは、実現が厳しくなるかもしれない」と述べた。

米・EUの自由貿易協定は、正式名称は「環大西洋貿易投資協定(TTIP)」。実現すれば、双方の国内総生産(GDP)を年1000億ドル押し上げ、8億人のマーケットが誕生すると期待されている。

<2回目会合は延期に>

米通商代表部(USTR)のフロマン代表は4日、欧州委員会のデフフト委員に電話をかけ、政府機関閉鎖を理由に2回目会合の中止を申し入れた。デフフト委員は、交渉の延期が「貿易と投資に関する野心的な協定を実現させるという目標達成の妨げにはならない」としている。

USTRのマレーニー代表補が週明け7日にもブリュッセル入りし、2回目会合の仕切り直しを図る見通しとなっている。ただすべては、政府機関閉鎖や債務上限引き上げ問題をめぐる議会の交渉次第だ。

<金融規制めぐる対立深まる>

ここにきて、米国とEUの間では、金融規制をめぐる対立が深まっている。EUは金融規制を自由貿易協定の中核に据えたい考えだが、一方で、金融セクターへの影響力の低下を懸念する米国は抵抗している。

米・EUの金融上の関係はすでに密接であり、世界の銀行活動の約60%に相当する。EUの投資家は2兆7000億ドル相当の米国株式・債券を保有、米国民も欧州に対して、同程度の投資を行っている。

しかし、銀行や保険会社、トレーダーへの規制に対する姿勢には大きな隔たりがあり、その違いはデリバティブ市場について特に顕著だ。

今回の自由貿易交渉でも、米国は金融規制について、米国企業が絡むグローバルな取引に関しては、それが発生した場所に関わらず、米国の規制を適用するよう要求している。逆にEU内では、金融セクターを規制するために米・EU共同の組織新設を主張する声も上がっている。

フロマンUSTR代表は、9月30日にブリュッセルで、米国とEUは金融規制を統合することはできない、とする米政府の主張を伝達した。米当局者は、EUと金融規制を統合すれば、金融規制改革法(ドッド・フランク法)など一連の規制改革が台無しになると懸念している。

先物オプション協会のベルチャンバース会長は「米国では、連邦政府の強力な規制当局がある」と指摘。「欧州では、監督や法執行は各加盟国の規制当局が担う。これが近く変わるとは思えない」としている。

(Robin Emmott記者、John O'Donnell記者;翻訳 吉川彩;編集 内田慎一)

 


 


 


米国もはや最後の消費国でない、上げ潮でも世界への影響低下

  10月7日(ブルームバーグ):米経済の上げ潮で全ての船が浮揚しているわけではなく、一部は沈む恐れがある。
米経済の加速が見込まれる中で、バンク・オブ・アメリカ(BOA)やモルガン・スタンレーなどのエコノミストは、米国が外国に与える活力が従来よりも低下すると予想。金融危機やリセッション(景気後退)がもたらした変化が一因だと指摘している。今の米国は国内の需要や生産の拡大に重点を置き、エネルギー自給率を高めて輸入の必要性が減っており、1999年以来最小 の経常赤字がこの傾向を映している。
米国が生産強化で新興国にとって消費者ではなく競合相手となれば、同国経済の健全化は新興国の犠牲の上に成り立つ可能性もある。新興国は米連邦準備制度理事会(FRB)による金融刺激策の解除で打撃を受けるリスクもあり、借り入れコストが上昇する中で通貨は復調したドルに対し下落する恐れがある。
BOAのシニア国際エコノミスト、グスタボ・ライス氏は「米国のけん引力は近年ほど強くない兆候がある」と指摘。「世界経済のより力強い成長が求められる場合、米国の成長だけでなく、他国の回復も必要だ」と指摘した。
今週は国際通貨基金(IMF)・世界銀行の年次総会がワシントンで開かれ、各国の財務相・中央銀行当局者が景気見通しを検討する。IMFは8日、最新の世界経済見通し(WEO)を発表する。前回公表の見通しでは、世界経済の成長率を今年が3.1%、14年は3.8%と予測。ラガルドIMF専務理事は先週、成長が「なお抑制されている」との認識を示していた。
弱まる影響力
ブルームバーグ・ニュースが集計したエコノミスト予想の中央値によれば、米経済成長率は今年の1.6%から14年が2.7%、15年は3%に上向く見込みだが、そうした中でも米国の影響力は弱まりつつあり、それが抑制された成長の意外な一因かもしれない。米政府機関の一部閉鎖が目先の障害になると予想され、1週間で成長率が0.1ポイント押し下げられるとの見通しが別の調査で示されている。
ライス氏によると、米国の国内総生産(GDP)伸び率が1ポイント上昇すると通常なら世界の他の地域に0.4ポイントの波及効果があるが、現在は0.3ポイントに向かって効果が縮小している可能性があり、そこに達した段階で、米国の海外への影響力は25%低下すると予想される。
原題:New American Economy Leaves Behind World Consumer of LastResort(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Melinda Grenier mgrenier1@bloomberg.net
更新日時: 2013/10/07 14:18 JST


 


 

世銀:東アジア新興国の13年成長見通しを下げ−中国は7.5%に 

  10月7日(ブルームバーグ):世界銀行は東アジア新興国の今年と来年の成長率見通しを引き下げた。また同地域は先進国の金利上昇の前に、金融の安定確保の取り組みを強化する必要があると指摘した。
世銀は7日のリポートで、東アジア途上国の成長率を今年7.1%、来年7.2%と予想。4月時点では今年7.8%、来年7.6%成長と見込んでいた。中国 の今年の成長率も7.5%と、4月時点の8.3%から下方修正した。
世銀は「米国の予算協議の行き詰まりをめぐる不確実性や先進国での金融刺激策縮小の影響、中国での投資の突然の減速、不安定な中東情勢といった世界的な成長回復へのリスクが依然顕著だ」と分析した。
原題:World Bank Cuts Developing East Asia Growth Forecast onChina(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シンガポール Sharon Chen schen462@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Stephanie Phang sphang@bloomberg.net
更新日時: 2013/10/07 12:04 JST


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