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2013年10月05日 世相を斬る あいば達也
今回の「米国債務上限問題」は“いつものこと”とスル―してしまうのは、どうも楽観的過ぎる感じだ。米国債のデフォルトの危機と言うほどでないのもたしかだが、米国債の格付の格下げは充分考えられる。米国債の格下げがあれば、世界経済に大きな打撃を与えるのは確実だ。痩せても枯れても、世界経済のコアに位置する、米国債の行き詰まりによる混乱は、想像を超えるものになるのだろう。アベノミクスなどと云う、演出好景気劇など、一遍で吹き飛ぶに違いない。
オバマ大統領と共和党の債務上限問題は年中行事なので、“いつものこと”いずれ何処かでおさまるだろうと云うのが、大方の見方。しかし、今回は中間選挙を意識した攻防なので、お互いの歩み寄りの機運探しが難しい状態に陥っている側面も無視できない。その点は、TPP交渉の年内妥結に“前のめり”だったオバマが、出席をキャンセルした事態から推量っても、想像がつく。TPPよりも、予算問題の目処がまったく立っていない喫緊の状況が、今のアメリカに存在すると云うことだ。早い話、TPPの年内妥結が表向きの妥結で、内容の乏しいものになっても仕方ない、と決断させるほど、今回の債務上限問題と10月からの新年度予算の行方が、方向感を失っている。
本来であれば、日本はTPPの本格妥結が先延ばしされる方が、交渉時間が稼げるから、儲けものなのだが、どうも担当者らの話を総合してみると、早期妥結に“前のめり”になっている。早い話、アベノミクスの好景気演出劇のネタ不足を補うつもりのTPP、と云う図式が見えてくる。どうせ、国民などはTVコメンテータの話やNHKニュース以外、状況をキャッチアップする能力も、情熱もないのだから、第四の矢とか第五の矢など、将来への幻想を惹起させるものであれば、何でも構わないくらいの、大衆洗脳プロパガンダになっている。
インフレ政策とデフレ政策を同時並行的に行うなど、前代未聞であり、過去にも未来にもあり得ない、出鱈目な煽りプロパガンダの連続に過ぎないのだから、答えは、ズタボロになる日本経済を数年後に見る確率は、非常に高い。関係省庁の統計データを見る限り、如何にも景気の好循環が明確になっていると、各マスメディアは喧伝するが、実物経済には、その兆候はまったく見られない。そこで、来年度からは消費税が3%アップするのだから、下手をすれば、来年度中にも、アベノミクス破綻の全貌が見られるかもしれない。不幸な出来事だが、出鱈目な経済政策で、息の根を止められるよりはマシだろう。
しかし、それ以上にヤバそうなのが、米国の“債務限度危機”、“予算不成立の危機”であり、尚且つ米国経済そのものの、のっぴきならない行き詰まりと、今まで強行に行ってきた、マネーじゃぶじゃぶ政策のリセットを、アメリカが画策するリスクだ。つまり、意図的な米国債のデフォルト宣言だ。米国の財政問題、製造業を中心とするグローバリズム・金融型経済の崩壊なのだが、アベノミクスは完全に、その米国型をなぞっているし、且つ米国債券をしこたま抱えているのだから、瞬時に日本国債の大暴落まで見えてくる。こうなると、大袈裟に言えば、日銀が一番初めに倒産する(笑)。勿論、日本国民の生活も預貯金も紙切れのようなペラペラなものになるどう。
アメリカの議会と政府の話し合いの余地を見出せない場合、もうデフォルトしか道がないのか、と云うとそうでもないようだ。日本の場合なら、そこで“万時窮す”なのだが、アメリカには、大統領に“国家の非常事態宣言”する手が残っている。民主主義国家としては、抜いてはならない“伝家の宝刀”だが、デフォルトを回避する最後の手段は、ないことはない。まぁ日本と異なり、世界の金と云う金を掻き集めた、世界一の債務国家なのだから、“伝家の宝刀”である“国家の非常事態宣言”よりも、借金を御破算にして、リセット。新しいアメリカに生まれ変わります、と云う方が魅力的でもあるだろう(笑)。今の米国の財政の危機と大統領の非常事態宣言について触れているブログ(マスコミに載らない海外記事さん)があったので、参考に以下に添付する。
≪ 本当の危機は、政府機関の閉鎖ではない
Paul Craig Roberts
2013年10月2日
本当の問題に取り組む上でのマスコミと政治家連中の無能力さにずっと驚かされている。
“債務限度危機”は本当の危機ではない。政府機関の閉鎖は、共和党がオバマケアの実施を妨害しようとして、債務限度を利用した結果に過ぎない。もし閉鎖が続き問題化すれば、様々な“対テロ戦争”支配の下、オバマには、国家の非常事態を宣言し、大統領令で債務限度を上げるのに十分な権力がある。国民を無期限に拘留し、正当な法の手続き無しに殺害する権限を有する行政府なら、政府を脅かす債務限度を無視することは確実に可能だろう。
本当の危機は、アメリカ大企業による雇用の海外移転が、消費者の所得となりえたはずのアメリカのGDPと税基盤を、賃金と生活費が比較的安い中国やインドや他の国々に移し、アメリカの税収入を恒久的に引き下げたことだ。支出では、12年間の戦争が毎年の歳出を膨張させた。その結果が歳入と歳出との間の巨大な赤字だ。
現在の状況下では、赤字は解消するには大きすぎる。連邦準備金制度理事会は、米国債や不動産担保金融商品を購入する為、毎年1兆ドルを印刷して、赤字を補填している。これほど大規模な印刷機の利用は、アメリカの力の基盤である準備通貨という米ドルの役割を弱体化させる。債務限度を上げても、本当の危 機を継続させるだけだ。歳入と歳出の差異を埋めるのに必要な新国債を購入すべく、より大量の金が印刷される。
外国によるドル供給、ドル建て資産は膨大だ。(四半世紀以上蓄積された社会保障制度の膨大な余剰金は財務省が借りて使ってしまった。代りに残されたのが、市場で売買できない財務省債務だ。結果として、社会保障はアメリカ政府の最大債権者の一つだ。)
もし外国人がドルへの信頼を無くしてしまえば、ドル交換価値が下落すれば、高いインフレとなり、連邦準備金制度理事会が金利を支配出来なくなろう。ドルの交換価値の下落は、アメリカ国内におけるハイパーインフレーションを引き起こしかねない。
本当の危機は、もっと良い雇用をもたらす“ニュー・エコノミー”になるのだからアメリカの雇用の海外移転など心配するなと、20年間言い続けて来た経済学者や為政者連中に知性が欠如していることにある。
毎月私が報じている通り、こうした“ニュー・エコノミー”雇用の何一つ、就業者数統計や、労働省雇用見通しに登場していない。経済学者と為政者連中は、大企業の利益を増やす為、アメリカ経済の大部分を手放してしまったに過ぎない。その結果の一つとして、全先進国と多くの発展途上国中、アメリカが最も 所得分配が不平等な国となっている。
世の中の仕組み上、利潤の向上は短期的なものなのに、雇用の海外移転が、消費者収入の成長を止めて、アメリカの消費者市場を破壊してしまったのだ。 最近のコラム記事で私が書いた様に、9月19日、ニューヨーク・タイムズは、私が長年主張してきたことを報じた。アメリカの平均家計所得は、四半世紀、増えていない。消費者所得成長の欠如こそ、5年間の大規模な金融・財政刺激策によっても、景気回復が実現しない理由なのだ。
雇用をアメリカ国内に戻し、戦争を終えない限り、本当の危機に対処するのは不可能だ。強力な既得権益集団が、そうしたあらゆる対策に反対するので、議会は新たな債務限度を成立させ、本当の危機は続くだろう。
マスコミが本当の危機について触れるのを目にされたことがおありだろうか? 私は今日、あるイギリス主要新聞の金融記事編集長と、25分の国際TV番組に出演した。彼が善意で知的な人物であることは疑いようはないが、既成概念にとらわれずに考える能力は皆無だった。彼は私の説明を理解することが出来ず、マスコミの無知やら、アメリカ政府プロパガンダへの追従という論を繰り返す手にでた。
彼が繰り返したものの中には社会保障削減による“解決”があった。主要なイギリス新聞の金融記事編集長は、過去四半世紀にわたって、社会保障歳入が社会保障支払いを越えていたことも、財務省が、市場で売買できない借用証書を、社会保障年金信託基金に対して発行し、その剰余金を政府の毎年の経常経費につぎ込んでいたことも知らなかった。
金融記事編集長は、社会保障支払い削減が、消費者支出、総需要をも減少させ、経済を更に低落させ、赤字/債務問題を拡大させることも理解できなかった。
雇用の海外移転と金融規制緩和によって引き起こされたアメリカ経済の深刻な下落の為、社会保障はもはや、剰余金を増やせなくなっている。社会保障費は、財務省の負債への返済歳入に対して補完が必要だ。
社会保障が困難な状態にある唯一の理由は、雇用の海外移転と戦争が、連邦準備金制度理事会にお金を印刷させる以外、アメリカ財務省の借金を返す能力を制限していることだ。海外に移転された雇用は、社会保障やメディケアにふり向ける給与税を生み出さない。
無頓着なアメリカの経済学者連中は、製造業は雇用源として時代後れだと主張するが、中国の製造業雇用は、ウエイトレスやバーテンダーや病院雑役夫を含む、全職業におけるアメリカの総労働力とほぼ等しい。中国経済は、実質7.5%で成長しているが、欧米経済は前進できず、中には退行している国さえある。
人類史上、最も腐敗した組織であるウオール街をなだめる為、そして自分達の企業が、ウオール街から資金を得ている連中に買収されるのを防ぐ為、経営幹部連中は、利益を増やすべく、アメリカの労働力を、安価な外国の労働力に置き換え、アメリカ人の所得を海外移転して、アメリカの消費者市場を破壊したのだ。
私の考えでは、アメリカ経済は、現在の形のままでは救済不能だ。経済は水資源に枯渇しつつある。残された水源は水圧破砕によって潰されつつある。土壌は、GMO農業に必要なグリフォセートによって汚染されている。製造の為の外部費用(大企業が環境や第三者に押しつける費用) は上昇しており、企業の生産活動による価値の増加を越えてしまう可能性がある。経済学者達は自立した思考をすることが出来ず、議員連中は選挙運動の資金を援助してくれる私的権益に頼りきっている。
これ以上悲観的な状況を想像するのは困難だ。
現時点では、経済崩壊が一番可能性が高そうに思える。
おそらく、廃墟の中から新たな賢明な端緒が出現する可能性があるだろう。 もし誰か指導者がいれば。
Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能。 記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/10/02/real-crisis-government-shutdown-paul-craig-roberts/
*Paul Craig Robertsの記事引用終わり
規制改革会議 「日雇い派遣」も検討というが、雇用の海外移転と同じような狙いの施策だろう。一億総日雇い。汚染タコ部屋不沈空母が、この国の現在、そして未来。宗主国政府機関閉鎖、属国庶民にとって好ましい結果をもたらすのだろうか?と、驚かされるニュース。
APEC・TPP会合欠席=政府機関閉鎖、外交・通商に打撃―米大統領
時事通信 10月4日(金)11時20分配信
【ワシントン時事】米政府は3日、オバマ大統領が7、8両日にインドネシア・バリ島で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合と、 9、10日のブルネイでの東アジアサミットなどを欠席すると発表した。野党共和党との対立により予算が成立せず、米政府機関の一部が閉鎖されたのに伴う決 定。バリ島でオバマ大統領は環太平洋連携協定(TPP)交渉の首脳会合も主宰して大筋合意を目指していたが、欠席により外交・通商面で手痛い打撃を被ることになった。
オバマ大統領は3日、インドネシアのユドヨノ大統領とブルネイのボルキア国王に電話し、政府機関閉鎖の影響で欠席すると説明、遺憾の意を伝えた。ケリー国務長官が代理を務めるという。
購読している新聞にも載っているが、「大統領がTPP交渉を先導してくださって、早く進展しないと困る」かのように読める。宗主国・属国の多国籍企業幹部は確かに困るだろう。 テレビでは一体どのような洗脳報道をしているのか見ていないのでわからないが、ともあれ、氏のおっしゃる通り、 本当の問題に取り組む上でのマスコミと政治家連中の無能力さにずっと驚かされている。 ≫(マスコミに載らない海外記事さんのブログより)
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