04. 2013年10月04日 17:33:00
: niiL5nr8dQ
焦点:米デフォルトで投資家に利益も、ボラティリティーに着目 2013年 10月 4日 15:06 JST 10月3日、ポートフォリオマネジャーらによると、米連邦予算と債務上限引き上げをめぐる政治的な対立によって米国がデフォルトに陥った場合でも利益を上げる手段があるという。写真は連邦議会議事堂。9月、ワシントンで撮影(2013年 ロイター/Kevin Lamarque) トップニュース 三井住友FGが13年4−9月当期利益予想を65.5%上方修正 2%目標に向け想定される道筋着実に進んでいる=黒田日銀総裁 中国とマレーシアが関係格上げで合意、2017年までに通商3倍に 来週の日本株は下値固め、米議会の動向は波乱要因だが調整に一巡感
[ニューヨーク 3日 ロイター] - 米連邦予算と債務上限引き上げをめぐる政治的な対立によって米国がデフォルトに陥った場合、投資家は一般的な行動を取れば痛い目に遭う見通しだが、ポートフォリオマネジャーやストラテジストによると、そうした事態を回避し、利益を上げる手段があるという。 モルガン・クリーク・キャピタル・マネジメントのマーク・ユスコ最高経営責任者(CEO)兼最高投資責任者(CIO)は「今後2週間に多くのポートフォリオが打撃を受ける可能性がある」と指摘した。 今週始まった米政府機関の一部閉鎖や、10月17日までに連邦債務の上限引き上げで議会が合意できない可能性に関して、ユスコ氏のような専門家は声をそろえて市場の混乱が拡大する可能性を警告している。 政府機関の閉鎖が続くなか、3日の米株市場は続落。ドルは幅広く売られた。今のところ、市場の売りは秩序立ったものだが、財政協議に合意の兆しがないまま週末を迎えれば、投資家の懸念は強まるだろう。 こうした状況をうまく利用する1つの方法は、株式市場や債券市場の乱高下を乗り切ろうとするのではなく、市場のボラティリティーが一段と高まると予想することだ、とポートフォリオマネジャーらは指摘する。 株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)は3日、17近辺と約2カ月ぶりの高水準で推移した。だが、前回債務上限引き上げで議会の合意が危ぶまれた2011年につけたピークの48は依然として大幅に下回っている。 ユスコ氏は「デフォルトへの妥当な脅威でさえ、ボラティリティーを30の水準にまで押し上げるだろう」と指摘。「短期間で多額の利益を得ることが可能だ」との見方を示した。 同氏によると、投資家は「iPath S&P500VIX(VXX.P: 株価, 企業情報, レポート)」や「ベロシティシェアーズ2xVIX(TVIX.K: 株価, 企業情報, レポート)」を通じてエクスポージャーを得られるという。 また、指数が2011年の水準に近づくと予想するのであれば、コールオプションを買うのが割安とみられ、損失に対するヘッジの得策になる可能性がある。 BTIGのチーフグローバルストラテジスト、ダン・グリーンハウス氏は、同様のことがS&P総合500種.SPXのプットオプションを買うことにも当てはまると指摘。「状況は明らかに異なるものの、政治面で似通った状況であることを踏まえると、なぜボラティリティーがまだ上昇し始めていないのか疑問に感じている」と語った。 <キャッシュも安全ではない> 投資家はパニック売りが起きた場合、キャッシュでさえも安全ではないことを2008年の信用収縮から学んだ。 多くのマネー・マーケット・ファンドは短期証券(Tビル)などの現金等価物に投資しており、米政府がテクニカルデフォルトに陥った場合、こうした短期資産のデフォルトリスクが最も高くなるからだ。 現在、投資家は10月半ばから下旬、11月上旬にかけて期限を迎えるTビルを敬遠している。これを受けて1カ月物Tビルの利回りは3日、昨年11月以来の高水準となる0.13%に上昇、3カ月物の利回り0.02%を大幅に上回った。 スタンダード・ライフ・インベストメンツのグローバル戦略担当責任者、アンドリュー・ミリガン氏は、支払いができなくなれば非常に大きな打撃だが、数年前にアルゼンチンのデフォルトリスクが高まったときとはまったく異なると指摘。その上で「徐々にドルの地位が損なわれる。取引ができない日が1日でもあれば人々の記憶に長く残り、リスクの分散化を促すことになるだろう」との見方を示した。 リスク分散化の恩恵を受けるのは日本やドイツ、スイス、英国など先進国の政府債とみられる。 ソシエテ・ジェネラル(ソジェン)のアナリストは顧客に対し、米国債がデフォルトする可能性は低いものの、デフォルトをめぐる市場の懸念の高まり自体がヘッジの対象になるリスクだと助言している。 ソジェンのアナリスト、Eamon Aghdasi氏は、ブラジルレアルやメキシコペソのオプションなどを通じてボラティリティーを買うことを投資家に推奨した。 米資産運用会社ルーミス・セイレスのダン・フス副会長は「米国と、世界における米国の地位低下に関する深刻な懸念がみられている」と指摘した。 (Steven C. Johnson / Jennifer Ablan記者;翻訳 佐藤久仁子;編集 佐々木美和) © Thomson Reuters 2013 All rights reserved関連ニュース 米国のデフォルト懸念、財務省や内外当局者から憂慮の声 米国のデフォルト懸念、財務省や内外当局者から憂慮の声 2013年10月4日 焦点:混迷する米財政問題、解決へのシナリオは 2013年10月4日 米金融政策、政治の混迷で緩和継続必要に=FRB当局者 2013年10月4日 米企業幹部がオバマ大統領と会談、政府機関閉鎖の悪影響指摘 2013年10月3日
情報BOX:米政府機関閉鎖の影響を受けている民間企業 2013年 10月 4日 15:17 JST [3日 ロイター] - 米国では3日、一部政府機関の閉鎖が3日目に入った。議会のこう着状態が長引くことで経済への影響が懸念されており、労働現場にも影響が及び始めている。連邦政府機関の職員や資金に依存している米企業にも波紋が広がる可能性がある。以下に政府機関閉鎖の影響が出ると警告している企業や金融機関をまとめた。 ◎航空機大手ボーイング(BA.N) 航空機の認証を行う航空関連当局で多数の職員が一時帰休となっているため、最新鋭中型旅客機「787ドリームライナー」など一部航空機の納入が遅れる恐れがあると発表した。防衛部門でも、多数のプログラムや製品に影響する可能性がある。 ◎航空機エンジン・機械大手ユナイテッド・テクノロジーズ(UTC)(UTX.N) 軍事製品の製造作業を監督する政府機関の機能が来週も停止した場合、4000人に上る従業員が一時帰休を余儀なくされると発表した。政府機関閉鎖が来月も続いた場合は5000人以上が一時帰休になる恐れも。 ◎小売り大手ウォルマート・ストアーズ(WMT.N) 傘下の会員制倉庫型店舗チェーン「サムズ・クラブ」では、政府機関に近い店舗で先週末の売上高が小幅減少したが、ロザリンド・ブルーワー最高経営責任者(CEO)は軍事施設の売店閉鎖が続いた場合、食料品の売り上げが増加するのではないかとの見通しを示した。軍事関係者の家族は会費なしで、軍事施設の近くにある50の直販店を利用できるようにするという。 ◎ウラン濃縮会社ユーゼック(USEC)(USU.N) ウラン濃縮計画向けの政府資金の拠出を待っており、15日以降も政府機関閉鎖が続く場合、一部従業員の一時帰休や業務の遅延につながる可能性があると発表した。 ◎ゴールドマン・サックス(GS.N)、バンク・オブ・アメリカ(BAC.N)、シティグループ(C.N)、JPモルガン・チェース(JPM.N)、AIG(AIG.N)、モルガン・スタンレー(MS.N)、ウェルズ・ファーゴ(WFC.N) 大手金融機関のCEOらは、政府機関閉鎖が長引き、連邦債務上限引き上げが10月半ばまでに合意できない場合、悲惨な結果を招くと警告した。オバマ大統領との2日の協議でゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファインCEOは、米国のデフォルト(債務不履行)を招きかねない手段を使い、医療保険改革法(オバマケア)を阻止しようとしている共和党を暗に批判した。
2%目標に向け想定される道筋着実に進んでいる=黒田日銀総裁 2013年 10月 4日 16:44 JST [東京 4日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は4日、金融政策決定会合後に会見し、日本経済には前向きな循環メカニズムが働いているとの見解を示し、日銀が掲げる2%の物価安定目標に向けて想定される道筋を着実に進んでいると語った。異次元緩和は経済・物価に着実に効果を発揮しているとし、現行政策で2%の物価安定目標は実現できるとの考えを示した。
また、万一テールリスクが顕在化した場合には「それに対応する金融政策を行う」との考えもあらためて示した。 安倍晋三首相が2014年4月からの消費税率引き上げを決めたことについては、意味のある大きな決断と評価、5兆円規模の政府の経済対策自体は成長率のプラス要因だと言明した。
8月経常黒字は5490億円の見通し、円安効果で所得収支の黒字持続 2013年 10月 4日 15:30 JST [東京 4日 ロイター] - ロイターが集計した民間調査機関の事前予測によると、財務省が8日に発表する8月経常収支は中央値で5490億円程度の黒字となった。貿易収支は赤字予想が引き続き大勢だが、円安などの影響で所得収支が高水準の黒字となる見込み。 経常収支上の貿易収支も、先に発表された通関統計と同様に赤字を計上する見通し。足元の輸出増を見込んで赤字幅の縮小を予想する声もあったが、第2次オイルショック以来の14カ月連続赤字を計上した8月貿易統計が示した姿から、大きな変化はなさそうだ。 所得収支が経常黒字を支えるとの専門家の見方は、今回も変わらず。証券投資収益の受け取り増に加え、外国人旅行者数の増加でサービス収支の赤字幅が縮小するとの分析もあった。 関連ニュース 首相が消費増税判断、経済対策で落ち込み回避 首相が消費増税判断、経済対策で落ち込み回避 2013年10月1日 焦点:日銀、展望リポートの上方修正視野に議論へ 2013年10月1日 火種残した消費増税対策 官邸主導で財政再建は後退 2013年10月1日 経済対策5兆円・減税1兆円も、政府の経済対策が判明 2013年9月30日
APEC:7日から首脳会議、TPP妥結目指す-米大統領欠席 10月4日(ブルームバーグ):アジア太平洋経済協力会議(APEC)は来週インドネシアのバリ島で開く首脳会議で、12カ国が参加している環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の進展に弾みをつけたい考えだ。 オバマ米大統領は米政府機関の一部閉鎖を理由にAPEC首脳会議への出席を取りやめた。ケリー国務長官が代わりに米代表団を率いると、カーニー大統領報道官は説明した。主要産業の保護を求める圧力が強まる中、各国交渉担当者の要求は数多く、年内妥結に向け米国は進展を示すことを迫られそうだ。 米国が域内経済政策の土台と呼ぶTPPをめぐる交渉は、日本の農業保護策や、たばこ規制の除外を求めるマレーシアの提案、為替操作による市場への影響といった問題が進展の妨げとなっている。 TPP交渉は当初、バリでの首脳会議が妥結の目標とされていたが、合意の遅れは地域全体を揺るがせている中国とインドの景気減速の影響を増幅させる恐れがある。また、オバマ米大統領の欠席を受けてアジアでは、同大統領が内政課題への対応に追われ過ぎ政権2期目の優先課題として掲げる「アジア重視」政策を堅持できないと懸念が強まる可能性もある。 原題:Asia-Pacific Leaders to Hash Out Trade Deal in Bali:Economy(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:シンガポール Shamim Adam sadam2@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Andrew Davis abdavis@bloomberg.net;Stephanie Phang sphang@bloomberg.net;Rosalind Mathieson rmathieson3@bloomberg.net 更新日時: 2013/10/04 16:17 JST 日本株、TOPIXが昨年7月来の6日続落に−米財政、円高懸念 (15:45) 東京株式相場は、TOPIXが昨年7月以来の6日続落。米国の財政問題の長期化や非製造業景況指数の下振れ、約1カ月ぶりの円高進行などが嫌気された。一部アナリストの投資判断引き下げを受けた住友ゴム工業など、ゴム製品株が業種別下落率でトップ。保険やパルプ・紙、証券、鉄鋼株など幅広く売られた。 金融政策の据え置きを決定、量的・質的緩和の効果見極め−日銀会合 (11:51) 【クレジット市場】野村の信用力、ゴールドマンを逆転−「政策」が支え (16:03) 三井住友FG:中間純利益予想4800億円−アベノミクスで一転増益に (16:57) 【日本株週間展望】調整続く、米議会・経済が不透明−円高も
10月4日(ブルームバーグ):10月2週(7−11日)の日本株は、調整局面が続きそうだ。予算協議が難航する米国の議会動向、政府機関閉鎖による経済への悪影響が警戒され、輸出関連など景気敏感業種が安くなるとみられる。ドルを売る動きから、為替の円高・ドル安基調が続く可能性が高い点もマイナス材料だ。 セゾン投信運用部の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャーは、「米議会に起因する財政の問題はしばらく続き、先行き不透明感から売り優勢になろう」と予想。国内企業の中間決算も円安の恩恵を受けやすい一部セクターを除き、「全体としてはそれほど強くはない」とみている。 第1週のTOPIX は、前の週末に比べ4.4%安の1163.82と続落。米議会の暫定予算協議が期日までにまとまらず、混迷長期化による実体経済への影響が懸念され、日本株市場でもリスク回避の動きが広がった。為替は円高・ドル安方向で推移し、業種ではその他金融や証券など金融株、ゴム製品、鉄鋼、不動産株など幅広い業種が売られた。 米国では、医療保険制度改革法(オバマケア)の実施時期をめぐり、民主党が過半数を占める上院と、共和党が主導権を握る下院との議論がこう着。暫定予算案が議会を通過せず、1日から17年ぶりに一部の政府機関が閉鎖された。4日時点でも目に見える進展はなく、このまま17日までに債務上限の引き上げでも議会がまとまらない場合、米国は債務不履行(デフォルト)に陥る可能性がある。 米財務省は3日、米国がデフォルトに陥った場合、「壊滅的な事態になる恐れ」があるとのリポートを発表。デフォルトは経済に深刻な影響を及ぼす恐れがあるだけでなく、「金利上昇や投資削減、債務返済の増大、さらには経済成長の減速といった打撃が次の世代まで続く恐れがある」と警告した。 円安止まり業績期待後退も SMBC日興証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストは、「過去の傾向も、政策面での不透明感が強まる局面では米国株は調整しやすい」と指摘。また、これまでの長期金利上昇の悪影響が「住宅関連指標を中心に遅効的に表れる可能性もある」とし、米国株の調整リスクに警戒感を示している。 為替の円高基調も、日本株の重しとなりそうだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)が9月に量的緩和の縮小を見送って以降、米長期金利は低下基調。米議会の混迷や弱い経済指標も重なり、一時1ドル=100円台に乗せたドル・円相場は、足元で96円台を付けるなど約1カ月ぶりの円高水準に振れた。月初に発表された日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、9月調査)では、下期の想定為替レートは94円14銭となっており、円が一段高となれば、業績の下振れ懸念につながる。 9日には、米国で9月のFOMC議事録が公表予定。声明では「資産購入ペースの調整を行う前に、情勢の改善が持続的なものになるというさらなる根拠を待つことを決めた」とし、連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は会見で、「今日の労働市場をめぐる状況は、われわれ全員が望むような状態からは程遠い」と述べた。10月のFOMCでの緩和縮小の有無を探る上で、委員の見解などに注目が集まる。 国内では、2月期決算企業の業績開示が始まっており、7日にイオン やファミリーマート 、8日にローソン やJ.フロントリテイリング 、などの発表がある。また、3月期決算企業の業績観測記事やアナリストの事前予想リポートも徐々に出てきそう。上期決算発表時に通期計画が上方修正されるとの期待が一部であることに、ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真代表取締役は慎重姿勢。「円安の恩恵を受けるのも一部の自動車セクターだけで、輸入物価上昇の影響などから、下期は恐らく下振れする」と読む。 日銀短観9月調査では、大企業の13年度経常利益の前期比増益率は前回6月の8.4%から13.9%に改善し、製造業は14.6%から24%に上昇していた。米国でも、アルミニウム最大手のアルコア が7−9月期決算発表の先陣を切る。SBI証券の鈴木英之投資調査部長は、欧州と中国の景気底打ち感が強まっており、「これまで国際企業は苦戦していたが、そこに改善の兆しが見えてくるかどうかが鍵」としている。 下値は限定的に、海外勢買い継続 ただ、相場の下値も限定的となりそうだ。東証が3日に発表した9月4週の投資部門別売買動向(東証、名証の1・2部等合計)によると、海外投資家 は日本株を2538億円買い越し、買い越しは4週連続。政策による国内景気の浮揚期待などを背景に日本株需要は強いもようで、下値では買いが入る可能性がある。 このほか、第2週の日本株に影響を及ぼしそうな材料は、国内で8日に9月の景気ウオッチャー調査、10日に8月の機械受注など。海外では、8日に中国でHSBC非製造業PMI、米国では10日に新規失業保険申請件数、11日に小売売上高の公表が予定されている。また、7−8日はインドネシアのバリでアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議があり、週を通じてノーベル賞各賞も発表される。 記事についての記者への問い合わせ先:東京 岩本正明 miwamoto4@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 更新日時: 2013/10/04 16:07 JST
|