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中国の習国家主席と韓国の朴大統領は日本の自壊に笑いが止まらないだろう(共同)
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20131004/ecn1310040728001-n1.htm
2013.10.04 「お金」は知っている
デフレ下での消費増税はデフレを加速する。安倍晋三首相はそう懸念しながら、合わせて打つ経済対策効果に望みをかけて、来年4月から消費税率を8%に引き上げると発表した。
増税分と、円安やエネルギーコストの上昇を合わせると3〜4%も一挙に物価が上がり、需要が落ちる。毎年のしかかる家計負担増8兆1000億円を、復興特別法人税の前倒し廃止など5兆円超の対策でカバーできるはずはない。法人税率引き下げで、企業の税負担が減っても、企業がフトコロにした資金は海外投資資金に回る。企業が国内の雇用や賃金を増やすのは無理というものだ。
需要が減れば生産が減る。その分、個人所得も企業収益も減り、国庫に入るカネも減る。1997年度の消費増税の場合、消費税収増は所得税と法人税の収入減をはるかに下回り、財政収支を悪化させてきた。財務官僚は失敗と認めるどころか、さらなる増税のチャンスと欣喜雀躍(きんきじゃくやく)した。
財務官僚ばかりではない。中国と韓国がそうだ。
日本のデフレは円高を引き起こす。デフレはモノに比べてカネの価値が上がるからだ。これまでの「15年デフレ」の間、円相場はデフレ圧力が高まるたびに上昇してきた。
円高局面で景気拡大に成功したのは中国と韓国である。中国の場合、通貨、人民元をドルに連動させているので、円高はすなわち人民元安となる。円高・ドル安時には日本からの対中投資は増えるし、日本企業は中国の製造拠点からの輸出を増やす。5年前のリーマン・ショック後、日本では円高が加速して生産と輸出が大きく落ち込んだが、中国の輸出の回復は早かった。
ところが、円安・ドル高となると、中国は一転して苦しくなる。ことし前半、日銀の「異次元緩和」効果で円安になると、中国の過剰生産がひどくなってきた。中国の鉄道貨物輸送量はことし、前年を下回り続けている。
韓国経済も円相場に左右される。円高・ウォン安のとき、サムスンなど韓国企業は収益と輸出を伸ばし、株価も上昇する。ところがことし円安になった途端、すべてが逆になった。外国資金に依存する韓国経済は、日銀のような異次元緩和政策をとれない。金利の大幅引き下げに踏み切ると、外資が逃げ出しかねないからだ。
デフレ効果がはっきりしている消費増税は円高要因だが、米連邦準備制度理事会(FRB)のドル札を大量に刷る量的緩和(QE)政策と併せて考える必要がある。QEの縮小は円安要因である。FRBは今回見合わせたが、来年にはQE縮小に踏み切る公算が大きい。そのタイミングで日本が消費増税を実施すれば、円の押し下げ圧力はかなり相殺されるが、デフレが進行すれば、以前のように円高基調が定着するだろう。
増税してまでデフレ・円高にするのはよその誰のせいではない。中韓がそこでほくそ笑むのは、日本の自壊が読み取れるからだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)
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