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レールの異常が放置されていたJR北海道
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20131003/ecn1310030746003-n1.htm
2013.10.03 経済快説
JR北海道で、線路幅が基準値を超えていたにもかかわらず、「放置」されていた箇所が多数あったことが事故によって判明した。特急列車が走る本線にも異常箇所が複数あったという。恐ろしい話だ。杜撰(ずさん)さに、脱力しそうになるが、起きた現象は脱輪だった。
同社の野島誠社長は、「異常を把握していた現場が修復を失念していた」と説明したが、線路の異常以上に緊急性のあるどのような用事があったのか、問題の本筋ではないが興味が湧く。
ともあれ、監督官庁の国交省は事実関係を速やかに明らかにすべきだ。
鉄道でも、さらには原子力発電所でさえ、「放置」、すなわち人間の手抜きによる事故は起こる。
福島第1原発では、津波対策の必要性が国会でも質問されたにも関わらず放置されたし、事故発生後には遮水壁等の汚染水対策の必要性が認識されていたにも関わらず、問題が放置され、現在に至っている。
倫理面でも同様の問題が起こる。みずほ銀行では、関連会社との提携ローンを通じて、反社会的勢力に二百数十件、総額2億円以上の融資をしていたことが、判明した。
こちらも、理解しにくい。2年も前からコンプライアンス担当の役員に報告が上がり、なぜかそこで止まっていたという。みずほ銀行は、母体行の一つである旧第一勧業銀行でかつて反社会的勢力との癒着問題があり、「反社」問題には敏感なはずで、この点も不思議だ。
いずれの事件も(立派な「事件」だ!)、事実関係が正確に分かっていないので、誰に責任があるのかが分からないが、こうした、常識では考えられない「放置」を減らす方策はないものか。
これらの問題が「人間による手抜き」で起きていることを考えると、2つの希望と、1つの諦めが、浮かんでくる。
1つ有効なのは、「個人」のレベルで責任を追及する仕組みを作ることだ。社長がまとめて謝って、しばし減俸でもすれば沙汰やみというのでは、部下、中間管理職には、切迫感がない。関係した個人全ての責任を明確にする仕組みが必要だ。
JR北海道には経営上の問題があり、社長にも十分責任がある。ただし、メディアによる「顔さらし」は公務員や重大犯罪の場合以外不要だ。メディアは民間に対して権力を持つ必要はない。
別の対策は、問題の報告・告発のチャンネルを「複線化」することだ。安全の問題もコンプライアンスの問題も、報告ルートが1本だけだと、責任者がサボッたり、懐柔されて握り潰す可能性がある。複数チャンネルで牽制(けんせい)が効くと信頼性が増す。
しかし、人間がやっている以上、「不都合なことは無視したい」という心理(認知的不協和の無視)は常に働く可能性がある。完全な安心はない。(経済評論家・山崎元)
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