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国際価格が3割以上急落! 金は今買うべきか
http://president.jp/articles/-/10746
PRESIDENT 2013年8月12日号 ジャーナリスト 鈴木雅光
金価格が下げ止まらない。米ドル建て金価格が最高値を付けたのは2011年9月のこと。1トロイオンス=1900ドル超まで上昇した。その後、約1年にわたって1500〜1700ドルで推移していたが、今年4月の急落を機に一気に弱気へと転じ、1200ドルを割り込む展開となった。
なぜ急落したか。その理由は、そもそもなぜ1900ドル超まで金価格が上昇したのかを考えればいい。貴金属アナリストの亀井幸一郎氏は、今回の暴落の背景を次のように見ている。
「金価格が大きく上昇した背景にあるのは、QEI〜IIIまで行われた米国の量的金融緩和だ。それをよりどころにして投資家たちは金を買い進めていたが、今年度に入って量的金融緩和が縮小されるという見方が浮上したため、一気に売りへ回った」
金はインフレの可能性が高まると買われる。「インフレ=モノの値段が上がること」と考えればわかりやすいだろう。金は実物資産であるから、量的金融緩和によって、市中に流通するお金の量が増えれば、お金の価値は下落し、相対的にモノの値段は上がる。つまり、実物資産である金の価値も上昇する。
逆に、量的金融緩和が縮小すればお金の価値が上がり、モノの値段は下がる。結果、金価格も下落する。つまり4月以降の金価格急落は、米国の景気回復期待によって、量的金融緩和がいよいよ終わりを告げるとの見方が広まったからと言えよう。
金を保有している投資家にとって最大の関心事は「どこまで金価格は下がるのか」ということだろう。現状、金市場は売り一色だ。ヘッジファンドなどの投機筋は、ETF(上場投資信託)を通じて金の現物に投資している。なかでも代表的な「SPDRゴールド・シェア」の残高は、昨年末で1350トンだったが、直近では約950トンにまで減少した。
加えて、金の先物市場では、金価格がこの先、さらに下落することを織り込んで、売りから入る投資家が増えている。先物で金を売っておき、思惑どおりに金価格が値下がりしたところで買い戻せば、差額が利益になる。もちろん売り手ばかりではなく買い手もいるが、最近の傾向は、買いがピークの800トンから130トンまで激減する一方、売りが400トン前後と大きく膨らんだ。それだけ先物市場に参加している投資家の間で、金の先安期待が強まっていることを示している。
しかし、現物市場、先物市場ともに売り優勢とはいえ、金に根強い買い需要があるのも事実。
「今後、注目されるのはインドや中国の金買い。例えばインドは、4月5月だけで300トンもの金を買った。結果、貿易赤字拡大の恐れが高まり、インド政府は金の輸入規制を行っている。加えて中国では、バブル崩壊懸念が浮上するなか、信用不安への耐性が強い金が注目されており、需要は旺盛だ」(亀井氏)
また、前述のとおり、金の先物市場で売りが大きく膨らんでいることも、将来の買いにつながる可能性がある。先物取引は一定の期限が到来すると、売ったものは買い戻さなければならない決まりがある。400トンという先物市場の売りは、将来の潜在的な買い要因になるのだ。
今後の予測としては、「欧州危機の再燃、エジプトの地政学リスク、9月には米国政府債務の上限問題が再浮上してくる恐れがあり、金価格が上昇に転じる可能性はある」(亀井氏)。
また円建ての金価格についていえば、為替相場との関係も無視できない。消費税が増税されれば、それだけ値上がりするため、増税前に買って増税後に売却すれば利益が得られるといわれているが、世界的に経済不安が高まり円高が進めば、増税分は簡単に吹き飛ぶ。海外金価格が上昇する局面では、為替の動向にも注意したほうがいい。
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