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〔焦点〕米政府機関閉鎖やデフォルトリスク、米国債価格を支援へ(ロイター) 
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/748.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 9 月 30 日 15:38:33: AtMSjtXKW4rJY
 

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0HQ10M20130930
2013年 09月 30日 14:55 JST


[ニューヨーク 28日 ロイター] - 米政府機関の閉鎖や連邦政府のデフォルト(債務不履行)など、米経済を脅かす政治的リスクを受け、今後数日間はリスク回避の動きから米国債の価格が上昇する可能性がある。

政府機関の閉鎖が長引いた場合や特にデフォルトが発生した場合、米国債は打撃を受ける可能性があるものの、短期的には安全資産としての魅力が保たれるとみられる。

米議会で予算案をめぐり政治的な対立が続くなか、10月1日に政府機関の大部分が閉鎖され、連邦政府職員や請負業者への給与支払いが滞る可能性が高まっており、投資家はリスクの高い資産を売却し、低リスクの安全とされる資産に資金をシフトする従来のリスク回避策を取る見通しだ。

政府機関の閉鎖が長期化し、多くの職員の一時帰休や無給休暇が続く事態となれば、政府との契約に依存する事業などには直接影響が出るだろう。そうなれば、信頼感に打撃を与え、企業・消費者の高額支出が手控えられる可能性がある。

しかし、こうしたことは経済成長を阻害しかねず、米連邦準備理事会(FRB)が債券買い入れプログラムを縮小する可能性が低くなり、米国債価格を一段と支援するとみられる。

米議会はまた、借り入れ手段が尽きる10月17日までに連邦債務の上限を引き上げなければならない。これができなければ、デフォルトに陥る可能性があるが、多くのアナリストは政府がデフォルト回避に向け歳出削減を行うとみており、米国債は少なくとも短期的には比較的影響を受けない見込みだ。

アナリストによると、投資家のリスク回避の動きによって10年債利回り は2.50%を下回る水準に押し下げられる可能性がある。9月上旬につけた2年ぶり高水準の3%強を0.50%ポイント以上下回る水準だ。27日終盤の10年債利回りは約2.63%。

ジョン・ハンコック・フィナンシャル・サービシズのチーフエコノミスト、ビル・チェイニー氏は「政府機関の閉鎖や債務上限に達することが米国債の支援材料になるとは逆説的だが、質への逃避から米国債に資金が流入する可能性が高い」と指摘する。


<投資家の信頼感>

米国債価格は、FRBの量的緩和縮小見送りに支援され、夏場の低調な取引から回復しており、今月5カ月ぶりに上昇する見通し。

10年債利回りは、政府機関閉鎖の可能性をめぐる懸念を背景にした逃避買いからすでに6週間ぶりの低水準に低下している。

それでもなお、長期的な政府機関の閉鎖やデフォルトは米国債市場に打撃を与える可能性がある。

バイニング・スパークスの首席経済ストラテジスト、クレイグ・ディスミューク氏は「米国債投資家の信頼感を損なうことは望ましくない」とした上で、「質への逃避買いが見られたとしても一時的なものだろう」と指摘した。

<過去の教訓>

これまでに政府機関が閉鎖されたのは1995年11月の5日間と同年12月中旬から1996年1月上旬まで。

この年、10年債利回りは年初の7.88%から5.76%に低下して終了した。利回りは7月にFRBが利下げを開始したことを受けて夏に低下し始めた。

それから15年以上経った2011年、共和党とオバマ大統領が連邦債務の上限引き上げをめぐって対立した際、連邦政府のデフォルトが懸念されるなか、10年債利回りは7月下旬から8月上旬の3週間に3%強の水準から0.6%ポイント低下した。

マークイットによると、デリバティブ市場では米国のデフォルト懸念の高まりを背景に、同国の期間5年のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)コストが62ベーシスポイント(bp)に上昇、世界的な金融危機の最悪期以降で最も高い水準をつけた。

27日時点の米CDSコストは約32bpで、5月以来の高水準。

今後数日間に何が起こるかを予測するのは難しい。

ジョン・ハンコックのチェイニー氏は「過去を振り返ると、明確なパターンはない」と指摘する。

1995年の政府機関閉鎖はS&P総合500種 の続伸に影響を及ぼすことはなく、指数はこの年34%上昇した。

一方、2011年夏には連邦債務上限引き上げをめぐる与野党の対立と米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)による米国債のトリプルA格引き下げを受け、S&P総合500種は14%下落。株式市場から大量の資金が米国債市場に流入した。

TDセキュリティーズの金利・通貨・コモディティ調査部門責任者、エリック・グリーン氏は、難航する議会の財政協議について「土壇場での合意を見込んでいるものの、予断は許されない」と警戒感を示した。

アナリストによると、政府機関の閉鎖が回避された場合、10年債利回りは2.75─2.80%に上昇する見通し。また、米金融市場は米経済動向とFRBの緩和縮小時期に再び焦点をシフトするとみられる。

チェイニー氏は「FRBの量的緩和が縮小されるかどうかの方がはるかに重要な問題だ」と指摘した。

(Richard Leong記者;翻訳 佐藤久仁子;編集 宮崎亜巳)


 

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コメント
 
01. 2013年9月30日 15:46:41 : v2I12zLN6c
米政府機関閉鎖の公算、市場への影響は:識者はこうみる
2013年 09月 30日 11:20 JST

[東京 30日 ロイター] - 30日の東京市場では、米財政問題の深刻化で米政府機関が10月1日から閉鎖される可能性が高まったとの思惑が広がり、リスクオフ心理を背景に株価が大幅下落し、ドル売り/円買いが強まった。米議会での紛糾が長期化すれば、米国債のデフォルト観測も高まると予想され、市場の不透明感は急速に高まりつつある。

寄り付きの日経平均.N225は大幅続落。下げ幅は一時前日比300円を超え、心理的節目の1万4500円を割り込んだ。

ドル/円が97円台後半まで円高方向に振れていることで、輸出株中心に売りが先行した。東証33業種中、電力・ガスを除く32業種が下落。銀行、証券など金融株や海運、鉄鋼などが安い。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●米政府機関閉鎖の公算大、日本株は荒い値動きに

<大和証券 投資戦略部 チーフストラテジスト 成瀬順也氏>

実際に米政府機関が閉鎖される可能性は高い。逆に閉鎖までいかないと与野党が妥協できず、暫定予算案は決定されないだろう。ただ世論調査で議会が悪いとされるなか、来年の中間選挙で不利にならないように、重要な機関が止まる前には予算が組まれるだろう。今週末までには解決するイメージだ。

日本株式市場には大きな影響はない。実際に政府機関が一部閉鎖された場合には円高圧力がかかり、日本株の下げにつながるが、予算が決定されれば値を戻すとみられる。

一方、1日には消費増税とセットで出される経済対策に評価が高まりやすい。プラスとマイナス両方の材料が想定され、荒い値動きが見込まれる。

●日米政治リスクでドル95円割れの可能性も

<JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長 佐々木融氏>

米国では10月1日から始まる2014会計年度予算が成立せず、1995年12月―1996年1月以来となる米国政府機関の一部閉鎖となる可能性が高まっている。上院での審議はきょう東部時間午後2時(日本時間明日午前3時)から開始される予定だが、このまま妥協が成立しなければ米政府機関の一部は10月1日から閉鎖され、4日の雇用統計の発表も延期される可能性がある。

こうした事態が回避されたとしても、その後には米政府債務の上限問題も控えている。JPモルガン・チェース銀では、米国債務は10月17日に上限に達し、10月24日にはキャッシュが底をつくと見ている。

一方、日本サイドでは、明日、消費税増税に関する決定と、補正予算・経済対策の発表が控えている。

消費税については既に法的なフレームワークがあり問題はないが、法人税減税を含む景気対策については、今後、臨時国会を開催して議論される事項であり、明日の時点で首相が明確に表明できるものではないだろう。また、環太平洋連携協定(TPP)交渉と並行して進める日米2国間交渉の第2回会合も始まっている。

こうした日米両国の政治的リスクに鑑みて、ここ1―2週間の間は、市場がリスクオフに傾きやすい地合いが続くと考えられ、ドル/円相場が95円割りこむ水準まで下落する余地があるとみている。

●債務上限引き上げ問題がバトルのピーク

<JPモルガン証券 チーフ債券ストラテジスト 山脇貴史氏>

米財政協議の難航はある程度予想されていたので、サプライズはない。ただ、米政府機関閉鎖をめぐる懸念に加え、民主党、共和党のバトルのピークは債務上限引き上げ問題で、政治的な不透明感はさらに強まるだろう。10月半ばまで政府部門の状況を警戒しながら各マーケットは動くと思われる。債券マーケットへの直接的な影響よりは、株式相場への影響が大きくなりそうだ。基本的に株安/債券高に向かいやすい。今まで積み上げてきたポジションの巻き戻しが起きる可能性がある。もっとも、債務上限が引き上げられなければ、米国は債務不履行(デフォルト)に陥る可能性があるため、米債金利は上昇することも想定できる。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE98T01F20130930?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0


02. 2013年9月30日 18:41:35 : niiL5nr8dQ
肥田美佐子のNYリポート2013年 9月 27日 12:03 JST
廃虚と化したデトロイト(前編)─銀行の住居差し押さえが打撃

Misako Hida
ダウンタウンの中心から車で15~20分走った所にある住宅地には、撮影しきれないほど多くの廃屋が並ぶ
 窓ガラスが割れたまま放置されているビルの数々。見るも無残な廃虚と化した旧ホテル。さびれたシャッター通りが続くダウンタウンの中心部。そして、ドアや窓ガラスが跡形もなく消えて壁も崩れかかった廃屋の数々。かつて米国の繁栄の象徴ともなっていた自動車の街は、すっかり朽ち果てていた──。

 リーマンショックから5年余り。米国では、緩やかな景気回復が続き、早くも年末商戦の好調さを予測する報道も出始めたが、そんな楽観的ムードとは無縁の街がある。7月18日、米国の地方自治体としては最大規模の財政破綻を宣告したミシガン州デトロイト市だ。

 先日、同州カラマズー市で開かれた米反格差運動「ウォール街を占拠せよ」(OWS)の第2回年次集会に駆け付け、デトロイトにも足を伸ばしたが、メディアの報道が控えめすぎると感じられるほどの荒廃ぶりに言葉を失った。

 カラマズーから列車で東に移動すること3時間。到着したデトロイト駅は、拍子抜けするほど小さく、さびれていた。ガランとした待合室を通り過ぎ、ドアを開けて外に出た瞬間、目に飛び込んできたダウンタウンの街並みには、かつての「モーターシティー(自動車の都)」の栄華など、かけらも残っていなかった。路上生活者の多さで知られ、不況期には貧困率がデトロイトを上回った小都市カラマズーでさえ、街にはもっと活気があった(2012年の米国勢調査では貧困率が34.7%と、デトロイトを1.5ポイント下回っている)。

 米自動車産業の衰退とともにサバーバニゼーション(郊外化現象)が起こり、中流層流出で減り続ける人口。税収減による公共サービスの低下、警官・消防士の人員削減で進む治安の悪化、企業や店舗の撤退による雇用喪失、15%を超える高失業率が生む貧困化──。デトロイトの苦境を挙げたら切りがない。

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Misako Hida
かつては出張客などがせわしなく行き交ったミシガン中央駅も、1988年1月を最後に運行を停止。廃屋のまま放置されている
 そんな同市の没落を象徴するのが、ダウンタウンの一角にそびえる18階建ての廃屋、かつてのミシガン中央駅(写真左)だ。往時は出張客などがせわしなく行き交っていたが、1988年初頭を最後に列車の運行がストップし、閉鎖に追い込まれた。

 デトロイトには、こうした廃屋化したビルや住居が7万8000軒もあり、財政再建や治安改善、住宅市場回復の最大の障害となっている。ゼネラルモーターズ(GM)本社が入ったダウンタウンの高層ビルやカジノ、ホテルなどを除き、「デトロイトの90%は荒廃している」。デトロイトにあるウェイン州立大学で経済学を教えるマリック・マスターズ教授は、こう指摘する。

 当局が債権者向けに発表した報告書(6月14日付)によれば、このうち「危険」とされる廃屋は3万8000軒に上り、主にサブプライム問題に端を発したフォークロージャー(住居差し押さえ)によって増加の一途をたどっている。住宅差し押さえ件数は今年8月だけでも2079件に及び、依然として全米で最多の件数を数える都市の1つだ(米不動産情報会社、リアルティトラック調べ)。また、差し押さえ率も現在は低下したものの、不況の最中には全米で最も高い率を記録していた。

 「大半の場合、家具はそのままで住人だけが追い出される。家は荒れ放題。財政難や高失業率でにっちもさっちもいかないデトロイトには、そんな廃虚がいたる所にある」

 デトロイト在住弁護士、バネッサ・G・フルーカー氏は、ダウンタウンの中心にほど近い古びたビルの一室で、こう話す。同弁護士は、銀行による理不尽な差し押さえや、サブプライムローン(信用力の低い低所得層向けの住宅ローン)など、変動制金利型ローンの高額返済に苦しむ人たちのために闘うデトロイト有数の市民派弁護士だ。

 今回の取材では、GM本社のあるダウンタウン中心部からかなり離れた住宅街も回ったが、小道の1ブロックの間に、黒く朽ち果てた内部が丸見えになった家屋がいくつもあるのを目の当たりにし、「ここが米国なのか」と絶句した。

荒廃するデトロイト─財政破綻の傷跡

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街灯の40%が故障―財政破綻した米デトロイト市
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 大きな穴が空いた外壁の向こうにベッドやイスやおもちゃなどが散乱している家。雨ざらしになった家具が庭に所狭しと散らばっている家。何より驚いたのは、そうした空き家の隣に人が住んでいることだ。ある廃屋の隣家の小さなベランダでは、小学生くらいの女の子たちが楽しそうにおしゃべりしていた。

 だが、廃屋は、麻薬の密売など、犯罪の温床と化しやすく、火事も起こりやすい。デトロイトの年間火災件数の約60%は、廃屋で発生している。近隣住民への健康被害のリスクも深刻だ。住宅価格の押し下げリスクにもなる。

 また、家を失い離散した人たちの行方も懸念される。フルーカー氏によれば、家を差し押さえられる人たちの25〜30%が、70代や80代の高齢者だ。デトロイトでは、高齢者の路上生活者が増えているという。いったん差し押さえに遭えば、信用力にキズがつき、部屋を借りることも難しい。

 同弁護士は、一人でも多くの人が助けを得られるよう、所得に応じて弁護士料を決めるスライド制を採用している。「『たぶん、君ほど貧乏な弁護士はいないね』と同僚から言われる」。フルーカー氏は、そう苦笑して言う。

 支払いが滞るのは失業が主な原因だと考えがちだが、「真実ではない」(同弁護士)。金利の低い通常のローンを組む資格があるにもかかわらず、サブプライムローンに誘導された人たちは、アフリカ系米国人や中南米系などのマイノリティー層が多く住む低所得地域に集中している。デトロイト市民の82.7%はアフリカ系米国人だ(2012年・米国勢調査)。

 昨年の秋、ハリケーン「サンディ」が米国東部を襲った際、米住宅都市開発省(HUD)と米連邦住宅金融局(FHFA)が、ニューヨークなど9州で、差し押さえや立ち退きのプロセスを90日間猶予する措置を講じた。「(デトロイトの現状は)人災によるハリケーンだ」。当局の支援強化の必要性を訴えるフルーカー氏は、こう語気を強めた。

 彼女が憤るのには訳がある。オバマ政権は、09年、住宅ローン借り換えプログラム(HAMP)に着手し、3年間で400万人の住宅所有者のローン条件の変更を目指したが、その恩恵を受けたのは110万人にとどまっている(ダウ・ジョーンズが発行する金融情報サイト「マーケットウォッチ」の6月19日付記事)。銀行は、政府に救済されたフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)やファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)に、住宅ローンを証券化した不動産担保証券(MBS)を保証してもらえるため、差し押さえ実行に何らのためらいはないといった批判は根強い。

 金融危機のさなかに、HAMPの下で借り換えを手伝う非営利団体のニューヨーク支部を取材したが、「変更申請の書類をファクスしても銀行から届いていないと言われるなど、遅々として進まない」という苦情を耳にした。

 なかでも、米銀2番手のバンク・オブ・アメリカは、住宅ローンの組成や扱いなどをめぐり複数の訴訟を起こされているが、今年6月、元社員複数の証言で、条件を満たした借り換え申請を故意に却下し、できるだけ多くの貸し手を差し押さえに持ち込むよう指導していたことが明るみに出ている。一定数以上の差し押さえを達成した社員には、金一封やギフトカードが贈られたという(前出「マーケットウォッチ」)。

 銀行側は否定しているが、元社員らによれば、「書類を紛失した」「届いていない」とウソをついたり、長期間、トライアルとして返済金を受け取ったあげく申請を却下し、金利の高い自行の借り換えプログラムを勧めたりした。銀行の方針に異議を唱(とな)える社員は解雇されたという。

 フルーカー弁護士の顧客のなかにも、似たような経験を持つ男性がいる。ある銀行に対し、変更の可否を審査される90日間のトライアル期間を超え、約2年間、返済し続けたにもかかわらず、「トライアル契約書にサインをした覚えはない」として、家を競売にかけられた。

 「フレディマックやファニーメイも銀行寄りで、差し押さえ前に十分な監督がなされていない」(フルーカー氏)。

 2年前の9月17日、救済されたメガバンクへの庶民の反発や就職できない大卒の若者の怒りをバネにウォール街近くのズコッティパークから全米へと拡大したOWSは、「ミドルクラス(中流層)」の苦境を代弁する市民運動だった。

 だが、デトロイトで目にしたものは、こぶしを振り上げて立ち上がる力さえない人たちが直面する、「99%対1%」などというスローガンではひとくくりにできない「超格差」の現実だった。

*********************

肥田美佐子 (ひだ・みさこ) フリージャーナリスト

東京都出身。『ニューズウィーク日本版』の編集などを経て、1997年渡米。ニューヨークの米系広告代理店やケーブルテレビネットワーク・制作会社などに エディター、シニアエディターとして勤務後、フリーに。2007年、国際労働機関国際研修所(ITC-ILO)の報道機関向け研修・コンペ(イタリア・ト リノ)に参加。日本の過労死問題の英文報道記事で同機関第1回メディア賞を受賞。2008年6月、ジュネーブでの授賞式、およびILO年次総会に招聘され る。現在、『週刊東洋経済』『週刊エコノミスト』『ニューズウィーク日本版』『プレジデント』などに寄稿。ラジオの時事番組への出演や英文記事の執筆、経済・社会関連書籍の翻訳も行う。翻訳書に『私たちは"99%"だ――ドキュメント、ウォール街を占拠せよ』、共訳書に 『プレニテュード――新しい<豊かさ>の経済学』『ワーキング・プア――アメリカの下層社会』(いずれも岩波書店刊)など。マンハッタン在住。 www.misakohida.com

肥田美佐子のNYリポート バックナンバー

・シリア攻撃に反対する9・11テロの遺族─米国の反戦ムードを象徴

・シカゴ連銀上級副総裁に聞く─労働市場の改善には時間がかかる

・デトロイト再生のカギは産業の多様化―ピッツバーグを見習え

・国連科学委議長に聞く(後編)=小のう胞と甲状腺がんの関係は未解明

・国連科学委議長に聞く(前編)=低線量被ばく論議はさらに半世紀続く

・米サンオノフレ原発が廃炉を決定―福島の教訓で変わる米原発事情
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304250704579098834091888494.html?mod=trending_now_1

・米専門家「小さいが発がんリスクある」―影響なしとの国連原発調査受け

・米テクノベンチャーCEO、長山大介氏が挑む世界初の時間単位広告

・米銃規制派が全世帯銃保有条例を違憲と提訴―過熱する銃論議

・米ノマド界のカリスマでベストセラー作家のティモシー・フェリス氏に聞く

・「眠らない街」NYの地下鉄終夜運行を検証―「東京24時間都市」構想で

・米中流層受難の時代―IT化で減るパイに学歴インフレで競争激化


03. 2013年9月30日 20:29:21 : sUpHQ8Q75g
政府機関の閉鎖を余儀なくされてるのに
ちょっと前までシリアを攻撃しようとしてたんだろ?

オバマやケリーは算数が苦手なのか?

それともシリアを攻撃したらどっかの国が資金を持ってくれることになってたとか?

もちっと身の丈に合った行動をせんと世界中が迷惑する罠


04. 2013年9月30日 21:22:09 : niiL5nr8dQ
<Vol.300:金融危機以降、
膨らみすぎた世界金融の行く末(1):プロローグ部>

テーマの領域:金融資産は、別の人の金融負債
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
バックナンバーはHPで: http://www.cool-knowledge.com/
(過去の有料版も、抜粋し載せています)

 著者への感想等    ⇒ yoshida@cool-knowledge.com
無料版の登録/解除: http://www.mag2.com/m/0000048497.html
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  著者:Systems Research Ltd. Consultant 吉田繁治
43597部

おはようございます。2013年、14年の経済は、2008年9月に勃発し
た金融危機以降のものです。20年後になると・・・歴史的には、
「Post-Crisis経済」と言われるでしょう。2013年の9月で、もう5
年も経ちました。

▼量的緩和が、5年後も、まだ続いているという異常(9月で5年)

米国FRBのドル増発(量的緩和第三弾:QE3)は、起こった金融危機
に対する対策です。金融危機とは、金融機か抱えた不良債権の、大
きさの問題です。

量的緩和は、08年9月の危機の5年後も、毎月、
・国債を$450億(4.5兆円)、
・不動産ローン担保証券(MBS:Mortgage Backed Security)を$4
00億(4兆円)、
・合計で$850億(8.5兆円)買いながら、続いています。

中央銀行の量的緩和(=マネーの増発)は、その国の金融が普通の
時は、決して行いません。インフレを生むためです。

【量的緩和の実行】
最後の貸し手である中央銀行がお金を出さないと、金融危機になる
ときに、銀行にマネーを供給するものが量的緩和です。逆から言え
ば、08年9月のリーマン危機以降の、米国の金融危機は、まだ続い
ています。

【公表されたバランスシートでは、回復だが・・・】
金融機関は、利益を出すようになって、利益の蓄積により自己資本
を回復したと言われ、金融機関の株価も上がっています。金融機関
は、公表されたバランスシートでは、全部、正常になっています。

「金融機関の資本の正常」が本当なら、FRB(連邦準備銀行)が、
危機対策である量的緩和を続ける理由は、ないはずです。

(注)経済マスコミやエコノミストは、なぜ、こんな当たり前のこ
と指摘しないのでしょう。これも、不思議に思えます。

 中央銀行は、量的緩和を続ける理由を言わない

量的緩和とは、
・金融機関の債券を中央銀行が買い上げ、
・金融機関に、決済に不足する現金を、供給することです。

中央銀行は、企業に対しマネーを供給することはしません。銀行に
対して行う。銀行に行うことを、「経済に対して」と言っています。
本当は「銀行に対して」としか思えないのですが・・・

米国の金融機関の、公表されたバラスシートに見れば、自己資本比
率が10%以上にもなっています。つまり、厳しくなった新しいBIS
規制(バーゼル3:自己資本比率11%基準)を満たすくらい正常化
したのなら、FRBがマネー供給を続ける理由は何か?

なぜFRBは、毎月8.5兆円のドルを、金融機関に対して増発し続けて
いるのか? 理由が分かりますか?

そしてなぜ、13年9月に、バーナンキの明らかな「ほのめかし」に
よって予定されていた量的緩和の縮小を、先延ばしにしたのか?

 公式の理由を聞けば、笑うしかない

【0.02%の雇用という理由】
「13年8月は、雇用の増加が16万9000人だった。メドを20万人台の
増加とすれば3万1000人少なかった。米国は、雇用の回復が十分で
はない。・・・だからFRBは量的緩和を続ける」と言っています。
これを聞いて「笑えました」。

FRBが雇用目標の達成に、金融政策によって、責任をもつというの
が、まず、変です。雇用は、政府の責任でしょう。

次に、人口3億人の国で、その1万分の1の、統計誤差以下の3万1000
人を問題にしたことです。

3万1000人は、全米の雇用総数1億5000万人に対し、5000分の1です。
%で言えば0.02%でしょう。5000人のうちの1名です。5000人の会
社の中の1名は、数時間で雇用が変わる数字でしょう。これより、
雇用統計の、月次誤差が、はるかに大きい。ところがこれを理由に、
量的緩和を続ける。こんなことが、本当の理由であるはずもないで
しょう。

【住宅価格指数では、変動の大きな1ヶ月で0.6%と0.9%】
住宅価格の評価でも、実に、変です。

「全米20都市の住宅価格指数(ケース・シラー指数)は、13年7月
は、前年比で12%上昇した。ただし前月比で見ると、指数の上昇は
0.6%と前月の0.9%から縮小した・・・だから、住宅価格は弱含み。
このためFRBは、住宅ローン担保証券(MBS)を、1ヶ月に4.5兆円、
額面価格(100%)で買って、マネー供給を続ける」

住宅価格の前年比+12%は、大きな上昇です。ここに、月次で0.6%
や0.9%という、これもまた「住宅価格のサンプル集計の統計誤
差」に過ぎないように小さな、しかも1ヶ月の数字を挙げ、「FRBが
住宅ローン担保証券を買い付ける」ための理由にしています。
(注)1ヶ月の価格は、統計誤差が大きい。

ここも、普通の読解力で読めば「変だ」と感じる点でしょう。

以上のように、雇用と住宅価格の、統計誤差より小さい数値を示し、
「量的緩和の継続」の理由付けにするのは、隠れたところで「金融
機関に危機が続いているため」と見ています。

【日銀が、戦後はじめて、金融危機対策とした量的緩和】
「量的緩和:Quantitative Easing」は、世界で最初に、日銀が200
1年3月〜2006年3月まで、国債を買って、金融機関に現金を振り込
むという形をとって行った通貨の増発策でした(金額は約80兆円)。

資産の中の、200兆円規模の不良債権によって、資金が不足してい
た金融機関(金融システム)に、現金を与えることが目的でした。
これを、戦後はじめて、大規模に行ったのが日銀です。

その後、08年9月のリーマン危機のあと、米国FRBと、欧州ECBも、
日銀がはじめた「量的緩和:Quantitative Easing」を踏襲しまし
た。

それまで、量的緩和という言葉も方法も、普通のものではなかった
のです。

本稿のテーマは、<金融危機以降、膨らみ続けてきた世界金融の行
く末(1)>です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<有料版676号:金融危機以降、
膨らみ続けてきた世界金融の行く末(1)>
2013年9月25日分

【目次】

1. 増え続ける金融資産は、次の不良債権危機の準備である
2.ところが、ここに、中央銀行というものがある。
3.金融危機は終わっていない
4. 金融機関の米国型倒産は、株価下落から
5.08年9月の金融危機以降、膨らみ続けてきた世界金融の行く末
6. 2つの事例
7. 600兆円余のマネー増発
8.金融危機の08年のあとも増えた、
米国世帯の金融資産が意味すること

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 1. 増え続ける金融資産は、次の不良債権危機の準備である

最初に、骨子を、端的に示します。

 金融資産が増えるから、債務危機になる。

ここではまだ、「金融資産が増えるから、債務危機になる」と言え
ば、それは変なことに思えるでしょう。

これは、「Aさんの金融資産=Bさんの負債」という金融資産の構造
から来ます。

例えば、銀行への預金が増える。これは、預金という金融資産の増
加です。預金が増えた銀行は、貸付を増やすか、国債などの債券
(債務を証する証券)を買います。つまり、誰かの負債が増える。

金融資産は、どこまで言っても、「金融資産=金融負債」という構
造をもつものです。

◎このため、世帯の金融資産(個人金融資産)が増えた分、誰か
(別の個人、企業、政府)の負債が増えます。国内で増えない時は、
海外で貸付を増やす。

▼金融資産が増え過ぎた結果が、不良債権と金融危機

金融資産が増えることによって、負債が大きくなり過ぎると、借り
た人(個人、企業、政府)が、利払いと返済ができなくなります。

借りた人(住宅ローン、企業借入、国債)が利払いと返済ができな
くなれば、負債は不良債権化します。

●この不良債権化が意味する本当のことは、金融資産も、不良債権
と同じ額、減るべきだということです。

負債は、借りた人(個人、企業、政府)が利払いと返済ができる金
額の価値しかもたないように、減るべきものです。負債を払えない
人は、払えないから、金融資産の価値が減らねばならない。

金融資産1500兆円=借りた人の負債1500兆円=GDPの3倍。
借りた人が、利払いと返済が可能な額は、1000兆円=GDPの2倍
(注)以上は日本ですが、世界もGDPの3倍の金融資産と負債です。

以上なら、金融資産の実質額は、本当は、1000兆円です。

500兆円分、負債者が利払いと返済ができないなら、それは、金融
資産としては無価値です。

金融資産が減ることによって、負債の価値(=金融資産の価値)が
保たれる。これが金融です。

金融とは、お金を融資する(貸す)ことです。貸したお金の価値は、
借りた人が返済と利払いができないと、無価値です。これが「お金
を、融(かす)こと=金融」です。英語ではFinance(=融通)
・・・・・

【後記】
無料版として、有料版のプロローグ部をお届けしています。興味の
ある方は、ぜひ有料版を。最初の1ヶ月は試読期間であり、無料で
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(以上)


05. 2013年9月30日 21:42:45 : niiL5nr8dQ

村上尚己「エコノミックレポート」 2013年9月30日 印刷用PDF
株式市場と米国の政治混乱〜過去2年と同じ展開?
米国議会において、「オバマケア」に対して共和党が強硬な反対姿勢を続けており、政府機関閉鎖の可能性が高まったと先週末報道された。先週、米国議会でのこのゴタゴタが、米国株の押し下げ要因になったが、今週もこれが市場の悪材料になる可能性がでてきた(グラフ参照)。

誰も分からない政治混乱の顛末がどうなるかを予想して、ポジションをとるのはなかなか難しい。ただ、こうした米国議会における混乱は今回が初めてではないので、過去の経緯を踏まえて対処法を考えることができる。

9月24日レポートで、FRBが事前予想を覆す格好で量的金融緩和を維持し、この決断はほぼ1年前の2012年9月に反対意見が根強い中でFRBがQE3を決断した経緯と似ており、同様に今回の米FRBの金融政策の判断が、世界的な景気回復を支えリスク資産の価格上昇をもたらす要因になる、と述べた。

ただ、金融緩和強化の景気刺激効果は即現れない。実は、1年前にFRBがQE3を決断した2012年秋口に、市場の注目はFRBから米国の政治に移り、米国市場はこの要因で揺れ動いた。グラフは、先ほどのグラフを丁度1年間遡ったグラフである。具体的に、昨年11月の大統領選挙を巡り、共和党のロムニー候補が終盤に追い上げ、株式市場では「ロムニー勝利で株高」との期待がかなり高まった。

実際には、QE3直後に米国株は天井をつけた後、米国株はじり安となり、11月にオバマ大統領の勝利で米国株は更に下落した。ビジネスフレンドリーとされた(幻想だったと思うが)ロムニー氏が敗れ、更にはオバマ大統領続投で「財政の崖」問題で政治的に行き詰るとのストーリーがメディアで踊り、大統領選挙後数日間、米国株は売られ米国金利も低下したのである。

ただ結局、この2012年秋の政治への懸念に起因した株安は、押し目で投資する「おいしいチャンス」だった。その後、年末までずれ込んだ「財政の崖」を巡る協議も、妥協案が成立し最悪シナリオが払しょくされた。そして、FRBの量的金融緩和拡大の景気刺激効果を背景とした米経済を中心に世界経済の復調をうけて、米国株、長期金利は上昇を辿った。

米国の政治混乱がもたらす株安が買い場だったのは、米国政治の停滞がきっかけとなった2011年8月の「米国債の格下げ」がもたらした米国株の大幅下落も同様だった。結局、株式市場の趨勢は、世界の景気動向を反映する米国の企業利益の動きで決まる。2011、12年の米国の政治混乱は、米国経済や政策に決定的に悪影響を及ぼさず、押し目買いの機会を提供したわけだ。

さて、2013年はどうなのか?米国の政治事情がどうかは分からないが、基本的には過去2年と同様のパターンとみて良いのではないか。10月17日までに債務上限引き上げが決まらないと、国庫支払が枯渇すると米財務省が試算を示したが、この状況が10月半ばになり見えるまで、市場はなかなか落ち着かないかもしれない。

一方、政治要因よりも、リスク資産投資において重視すべきは、今年の夏場以降の大幅な金利上昇によって、米国経済が大きく減速に転じることだ。ただ、FRBの緩和継続で金利上昇に歯止めがかかり、また金利敏感セクターである住宅市場の減速も軽微である。現状「真のリスク」については懸念するほど深刻ではない。
http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G903/er/economic.htm


 


 


広木 隆「ストラテジーレポート」

チーフ・ストラテジスト 広木 隆が、個別銘柄まで踏込んだ実践的な株式投資戦略をご提供します。(@TakashiHiroki )

[ プロフィール ]

2013年9月30日
PDF 印刷用PDF
(385KB)
今年度下半期の日本株相場とメガバンクの復活

あまちゃん最終回
先週、大人気を博したNHK連続テレビ小説「あまちゃん」が最終回を迎えた。「あまロス注1」なる言葉も生まれるくらいの盛り上がりを見せたドラマだが、通算の視聴率は昨年の「梅ちゃん先生」に及ばず2位だったとは意外である。

注1:「あまちゃん」を観る楽しみが無くなってしまった時の喪失感。「あまちゃんロス症候群」の略称。

ラストは『潮騒のメモリー』に乗せて主要登場人物を映したあと、トンネル内を進むアキとユイ二人のシーンへとつながっていく。実に鮮やかな最終回のエンディングだった。

もうひとつの大ヒットドラマ「半沢直樹」も一足早く最終回を迎え、その視聴率は今世紀最高を記録したという。あまちゃんの「じぇじぇじぇ」、半沢直樹の「倍返し」 ― ともに今年の流行語大賞の候補にあがっている。それだけ、この二つのドラマが社会に少なからぬ影響を与えたということだ。1年前に書いたレポート「三種の神器 シャープ、パナソニック、ソニーは買えるか?」では、その頃放映されていた「梅ちゃん先生」のエピソードを引いて、テレビの持つ魅力を取り上げた。一時はドラマの不振、テレビ離れなどが叫ばれたりもしたが、まだまだテレビというメディアの存在は大きい。であるがゆえに、赤字のテレビ事業にこだわり続けるソニーの戦略は長い目で見て正しいと思うのだ。

銀行という組織
「半沢直樹」を見て、本当に銀行ってあんな感じなの?と疑問に思ったかたもおられるだろう。本当にあんな感じである。僕はいろいろな会社で働いてきたが、一番長く務めたのは銀行であるからよく知っている。こう見えても昔は銀行員だったのだ。とは言え、銀行に籍を置き、銀行から給料をもらっていたが、入行してから辞めるまでずっと子会社の投資顧問に出向してファンドマネージャーをやっていたから、いわゆる銀行業務の経験はない。(ドラマで「片道切符の出向で俺も終わりだ」などの台詞が出てくるたびに苦笑させられたものである。)

銀行という組織のおかしなところについて書けば、きりがないのだが、その最たるものが形式主義の自己矛盾であろう。例えば、虚礼廃止ということで同じ職場のものには上司であっても年賀状は出さなかった。昔の銀行は大晦日まで営業していたから、ちょっと前に「良いお年を」と言って別れた同僚から元旦に年賀状をもらっても…というわけである。

ところが虚礼廃止と言いながら、期末になると関連部署に挨拶に回る。「いやー、上期は本当にお世話になりました。また下期もよろしくお願いします」などと同じ行内の者同士、挨拶して回るのである。虚礼廃止なのか、やっぱり儀礼的であっても挨拶は大事なのか、どっちなんだ。「潮騒のメモリー」の♪好きよ 嫌いよ〜 ではないが、いったいどっちやねん?(ちなみに♪好きよ 嫌いよ〜は松田聖子「小麦色のマーメード」からのパクリである。歌詞だけでなくメロデイーまでも拝借している。熱烈なオマージュなのだ。)


今日は9月30日。上半期末である。僕が銀行にいたころからはずいぶんと歳月が経っているが、まだどこかのメガバンクでは期末の「ご挨拶」が行われているのだろうか。

銀行の基本的なスタンスは、「晴天の時に傘を差し出し、雨の日には傘を取り上げる」というものだ。顧客第一主義と謳いながら、そのスタンスも大いなる矛盾ではないか。自分さえよければ、というご都合主義の極み、自行の利益最優先なのである。無論、銀行は慈善事業をしているわけでないから当たり前と言えばそれまでだが。「半沢直樹」の劇中、若き日の大和田常務が半沢直樹の父親のねじ工場への融資を断り、傘をさして去っていく雨のシーンは、銀行のこうしたスタンスのメタファー(暗喩)である。

最終回、取締役会での半沢直樹の台詞は、現在の大手銀行の体質をいかんなく言い表している。 「大和田常務。あなた私に仰いましたよね。『メガバンクはこの国の経済を支えている。決して潰れてはならない』。おっしゃる通りです。銀行は決して潰れてはならない。ですが私達はその事に拘るあまりいつの間にか自分達の事しか考えない集団になっているんじゃありませんか?弱い者を切り捨て自分達の勝手な論理を平気で人に押し付ける。問題は先送りされ、誰一人責任を取ろうとしない。下らない派閥意識でお互いにけん制しあい、部下は上司の顔色を伺って正しいと思う事を口にしない。そんな銀行はもう潰れているようなものです」

日経平均ダービー
さきほども書いたが今日は9月30日。日経平均の月末値を予想する「日経平均ダービー」の結果が出る日である。日経の記事はこのように僕の予想を伝えた。 <もっとも高い1万4550円を予想したマネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは「日本株の評価としては1万4000円台半ばが妥当だと考えており、相場の夏枯れが終わって9月に相場が動き出せば、7月に下落した分を埋め合わせる動きになる」と読んだ>

先週末までは圧勝かと思われた。ところが!今日の日本株は売り一色で始まった。日経平均の下げ幅は一時300円を超え、1万4400円台前半にまで下落した。しかし、さすがにその水準では押し目買いも入って前引けにかけて下げ幅を縮小、午後は1万4500円台でもみ合いが続いたが、結局日経平均の大引けの値は1万4455円。大引けの15分前までは1万4550円だったのだ。このままいけば、ピタリ賞だ、などと内心、ほくそ笑んでいたのだが...。

さて、10月末の日経平均の予想だが、1万5100円とした。日経平均は今年度に入って、すなわち4月以降、ずっと1万3000円台半ばがレンジの中心だった。月中には大きく上下に動いても、月末の値は1万3000円台に収斂してきた(グラフ1「日経平均の月足」ご参照)。それが9月には1万4000円台半ばで着地した。相場は、ようやく上放れ始めた。東京オリンピックが決まった効果や、4-9月期決算の上方修正見込み、消費税増税決定とそれに伴う景気対策パッケージへの期待などが背景にある。相場の基調は「上」と見ていいだろう。9月に1万4000円台を固め、下期スタートの10月は1万5000円台を固めて終わるというのが僕の読みである。5月23日の高値1万5942円から6月13日の安値1万2415円までの下げ幅に対するフィボナッチ・リトレースメント76.4%戻しの水準が1万5109円だ。


下期の日本株相場
日経平均ダービーなどに夢中になっていると短視眼的になっていけない。明日から下期相場入り。少し長めに下期の見通しを述べよう。この週末に発行された日経ヴェリタスで僕は下期の相場展望を以下のように語っている。


[ 折りたたむ ]
<秋以降はアベノミクスが再びテーマになり、日経平均株価は年度末にかけて上昇するだろう。年内は不動産など脱デフレ関連、年明け以降は自動車株など輸出関連が有望と見ている。

10月上旬の消費増税決定とともに、法人税減税や規制緩和などが出れば、海外投資家からの買いが見込める。4〜9月期決算では企業業績が上方修正される可能性が高いが、年末にかけて証券優遇税制の終了などが重荷で年内の高値は1万6000円と見ている。

米国の量的緩和縮小が決まれば1ドル=100円程度まで円安が進み、自動車など輸出関連株に資金が向かいそうだ。年明け以降は10%増益が予想される来期業績が視野に入り、年度末にかけて1万8000円を目指す展開を予想している>
(日経ヴェリタス9月29日号・特集「株高の鐘を鳴らすのは 下期の見通しを聞く」)

このヴェリタスの取材では、不動産と輸出関連株が有望と述べたが、もうひとつ注目している業種がある。銀行株である。

銀行の復活
マネックスのチーフ・ストラテジストに就任して、初めて書いた業種のレポートが銀行についてだった(2010年10月8日付けレポート「銀行株投資戦略」)。冒頭に結論を要約してある。

<銀行株は割安であるが、買うべきカタリスト(材料)がない。目先の下げは自己資本規制の不透明感によるものだが、デフレ不況の環境下にあって銀行業は根本的に儲からないビジネスモデル。需給面からも「最も売りを仕掛けやすい」銘柄。日本経済がデフレを克服し預貸の利ザヤで稼げるようにならないと本格的な株価の立ち直りはないだろう>

それから3年。ようやくその状況が変わろうとしている。

金融緩和でデフレ脱却できるとするリフレ派に対する反論の多くは、日銀がいくらおカネをばらまいても資金需要がないので貸出は伸びず、結局おカネは債券マーケットに滞留し実態経済に資金が回らない、というものだろう。事実、日銀の当座預金残高は先日ついに100兆円の大台を超えた。日銀の異次元緩和で供給されたマネーがそっくりそのまま積み上がっているわけである。この点だけを見れば反リフレ派の指摘は正しいように思われるが、モノ事には順番というものがある。まず、おカネは当座預金に積まれる。しかし、いずれはその資金はどこかに向かう。以前はほとんどが国債に向かっていた。が、状況は変わりつつある。少なくとも大手行は盲目的に国債を買い進むようなことはしていない。むしろ国債保有を減らしているのだ。

では貸出の状況はどうか。これも少しずつではあるが伸びてきている。全銀協の資料によると昨年9月にはマイナスだった貸出金残高(都市銀行等*注2)は昨年秋には微増に転じ、今年に入ってからは明確に伸びが加速してきている(グラフ2)。直近では前年同月比4%超の増加となった。これは4年3カ月ぶりの高い伸びである。
*注2: 都市銀行等とは 都市銀行(5行:みずほ・三菱東京UFJ・三井住友・りそな・埼玉りそな)、信託銀行(4行:三菱UFJ信託・みずほ信託・三井住友信託・野村信託)に加え、新生銀行とあおぞら銀行である。


銀行の復活は国内に先駆けて海外で顕著である。BIS(国際決済銀行)が9月半ばに発表した四半期報告によると、邦銀の海外貸出の世界シェアは3月末で13%。米銀の12%、独銀の11%を抜いてシェアトップに立ったのだ。BISはThe return of Japanese banks (帰ってきた邦銀)と題する特別レポートを掲載した。邦銀の世界シェアは、バブル真っ盛りの1989年に39%に達し、世界を席巻したが、その後はバブル崩壊、金融危機で衰退の一途を辿った。2007年には8%と最低水準に落ち込んだが、そこから復活した。欧州債務危機や米国の金融規制強化など欧米勢の「敵失」のおかげでもあるが、トップに返り咲いたことは間違いない。国内の資金需要が鈍い中、海外重視の方針を打ち出し、新興国等で積極的に貸出を増やしてきた結果である。


こうした邦銀のプレゼンスの高まりは、グローバル・マンデートを運用する機関投資家のポートフォリオにおける邦銀のウェイト向上につながるものと期待される。

メガバンクが買われるカタリスト
3年前のレポートでは「銀行株は割安であるが、買うべきカタリスト(材料)がない」がないと述べた。貸出の増加、世界シェアトップ回復などの材料があっても、最終的には「どれだけ本業で稼げるか」が問われることになるだろう。端的に言えば、預貸金利鞘の拡大だ。現状はむしろ預貸金利鞘は低下し、メガバンク3行では1%をわずかに上回る程度である。預貸金利鞘の改善が見込める状況にならないと銀行株への腰の入った買いは期待できない。

銀行の利鞘拡大が期待できる環境とは、長短金利差が拡大する局面である。債券のイールドカーブが立ってくれば外国人はメガバンクの株に買いをいれてくるだろう。本当はベア・スティープニング(金利上昇でカーブの勾配が急になること)は、銀行が保有する債券が値下がりするので必ずしも手放しで喜べる話ではないのだが、外国人の頭には「スティープニング=銀行株買い」と刷り込まれている。セオリーに即して買ってくるだろう。

グラフ4は10年債利回りと東証銀行株指数の推移である。銀行株のパフォーマンスが長期金利に連動するのが一目瞭然だ。簡単な話である。金利というのは、ざっくり言って、銀行の商品である「おカネの値段」。商うものの価格が高ければ、それだけ儲かるというものだ。


さて、金利は上がるのか?8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比0.8%の上昇と、2008年11月以来4年9カ月ぶりの高さとなった。一方で、10年債利回りは低位安定が続く。しかし、いつまでもこんな水準にはとどまっていないだろう。消費税増税が決まり、成長戦略を加速させ、デフレ脱却が視野に入ってくれば自ずと長期金利は上昇するだろう。金利の急上昇は困るが、景気回復に伴う緩やかな長期金利の上昇ならば、むしろそれが起こらないほうが不自然というものだ。

結局、銀行株の上昇はアベノミクスの成否にかかっている。だから銀行株こそがアベノミクス相場の本命である。デフレ脱却が視野に入り、景況感の改善を織り込んで長期金利が上昇する ? 「良い金利上昇」ならば、株式市場も好感するだろう。そういう相場が示現して初めて、アベノミクスの成功と言える。今はそんな兆候は見えないが、その日はきっと来ると僕は信じている。今はここまでだけど、来年はここから先にも行けるのだと。

「あまちゃん」の最終回。お座敷列車で『潮騒のメモリー』を歌ったアキとユイの二人は、たくさん間違えたと反省する。
「まだまだ完成しなくていいべ」
「明日も明後日もあるもんね」
「明日も明後日も来年もある。今はここまでだけど。来年はここから先にも行けるんだ」
線路の先をみつめるアキにユイが声をかける。 「行ってみようか」
「じぇじぇ?」

トンネルの中を駆け抜ける二人の表情はこのうえなく明るかった。暗いトンネルの先に光が見えていたからである。その先の未来に向かって走っていたからである。
http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G903/strategy/index.htm


廣澤知子のやさしいマネー講座
2013年09月30日
第332回 生前贈与にNISAを活用? 

様々な統計によると、一般に現役世代よりシニア世代の方が、経済的に余裕があって「お金持ち」であるようです。現役世代の30〜50代は、給料が伸び悩み、退職金や年金に不安を抱えつつ、住宅ローンや子供の教育費に追われているという方も多いことでしょう。

豊かで元気、かつ長寿のシニア世代から「生前贈与」という形で資金援助をしてもらう方もいるかもしれませんね。

ただし、いくら親子間、祖父母孫間であってもお金を渡すとなると、一定の金額になれば当然のことながら贈与税の課税対象になります。世の中とケタ違いな「お小遣い」を渡していて世間を仰天させた、某首相経験者一族のことは記憶に新しいですよね。

生前贈与には実は様々な方法があります皆さんも下記のような制度を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

「相続時精算課税制度」「住宅取得資金贈与の特例」
「夫婦間の住宅贈与」「祖父母から孫への教育資金の贈与」

上記を説明するにはとても字数が足りませんので、また別に機会に行うとして、ここではごく一般的な、資金使途を問わない、かつ対象を限定しない、毎年可能な贈与の話をしていきます。

さて、前述のとおり「一定の金額」までの贈与であれば何回行っても課税されないのですが、その非課税の金額は、基礎控除である「年間110万円」です。これは毎年可能な枠ですから、1年ごとに上限投資金額100万円というNISA制度はその非課税枠にピタリとはまり、とても相性がよい組み合わせといえるのです。

自身の財産を配偶者や子、孫に効率よく贈与したい、受け取った方もその資金の利用法を制限されることなく、かつ効率よく増やしたい、と考えている場合、非課税での定期的な贈与はそのニーズに合致しており、また贈与人数分の非課税投資枠を得ることになるため、一族単位で見て投資の非課税枠の拡大とも言えます。

例えば、祖父から祖母(妻)と子2人、孫3人に贈与を行うとして、それぞれに毎年100万円をNISA口座に振り込み、運用するとします。祖父自身のNISA口座の非課税枠100万円の他、非課税贈与する資金を毎年6人600万円分、非課税に投資・運用できるということになります。

NISA口座は日本国内居住の20歳以上の方と限定されるため、贈与したい家族全員が対象にならない場合もあるかもしれませんが、資産の移転と運用を全て非課税で行えるこの組み合わせは効果的な相続税対策の一つと言えるでしょう。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー

CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員

前の記事:第331回 FP的NISA活用術 −2013年09月09日


06. 2013年10月01日 02:05:10 : mDc2WVsLZE
NY株急落、一時171ドル安=ドル、対円で1カ月ぶり安値
時事通信 10月1日(火)1時0分配信

 【ニューヨーク時事】週明け9月30日のニューヨーク株式市場では、米財政問題をめぐる与野党対立で米政府機関が閉鎖に追い込まれるとの懸念が強まり、優良株で構成するダウ工業株30種平均は急落、下げ幅は寄り付き直後に前週末終値比171ドルに達した。午前11時時点では101.60ドル安の1万5156.64ドル。

 一方、ニューヨーク外国為替市場ではドルが売られ、一時1ドル=97円50銭と、対円で約1カ月ぶりの安値を付けた。11時時点では前週末午後5時比12銭円高・ドル安の98円10〜20銭。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131001-00000008-jij-n_ame


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