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5年ぶりに3大都市圏の商業地の地価が上昇した。
日本の主要5新聞がほぼ同じ活字を踊らせていた。と同時に、アベノミクス効果をどの新聞も強調していた。しかし全体では地価がまだ下がっているのである。
完全におべっかである。強調する場所を間違っている。
これで消費税の引き上げが当然というわけだ。しかし5年振ということは、5年前に何があったかということだ。
リーマンショック前に、日本は円キャリーと言われるほどの過剰な金融緩和をして、世界にばらまいたのである。このことを皆さんお忘れであろうか。
リーマンがリートなどを利用して日本の拠点となる土地を買いあさり、それが点と線となって日本の地価が上昇した。
今と全くそっくりの状況だ、と皆さんは思いませんか。
今は日銀の異次元金融緩和と、東京の地価を基準にするファンドや外国資本によって東京や、名古屋、大阪などの大都市圏の土地を買いあさっているのである。
その後リーマンはサブプライム問題によるバブルの崩壊後あえなく倒産した。
さて同じことをしている日銀は同じ結果を迎えないだろうか。
民間ではないから倒産はしないだろうがその借金はいずれ国民に負担させられることになる。
現在の地価高騰のような主に金融緩和による上昇は、実体経済の土地需要を反映していないため、金融緩和による資金供給が途絶えると、とたんに価格が低下し、バブルの崩壊となる。
本来、土地の価格の上昇は、実体経済が拡大し、企業の設備投資による土地需要や、所得の増大により貯蓄が増大した個人の土地需要が増えたために起こるものである。
しかし現在は、この逆になっており、実体経済が縮小しているため、個人や企業の土地への需要が少ない。
金融緩和による土地の上昇を支える実体経済からの資金の供給が不足している状態では、土地は自律的に上昇せず、金融緩和による資金の供給が枯渇すると同時に地価は低下する。
もうひとつ似ている事がある。1997年の消費税引き上げ前、やはり日本全体で土地価格が低下していたのである。今回も同じく全体で低下しており、いまだ土地を安い値段で換金売りしている状態である。
実質GDPも3%行くかどうかであった。そして消費税を2%引き上げポシャってしまったのである。
土地を売って、お金に変える方が目減りしないからでもある。このような地価が低下している時、我々の担保がどんどん減少しており、銀行はますますお金を貸さない。しかも1997年と比べると2千13年の土地価格はバブル崩壊時以前の値下がりになっている。
大都市圏の地価の上昇は、完全に金融市場のからくりによるもので、実体市場から余剰資金が金融市場や土地に回っている訳ではない。
しかも全体的に地下がまだ下がっているのは、デフレがまだ続いている証拠なのである。ここで消費税を引き上げることは、再び1997年の悪夢がよみがえることになるであろう。
そしてさらに今、日本は最悪の事が重なってしまった。東京オリンピックである。このようなイベントは正常な経済で、不景気の時には非常に有効である。
しかしデフレの時は、開催地の東京の景気が拡大するが、それ以外の地域では、人の流出、資本の流出が続き、沈滞し、全体で下降するのである。
しかしこのようなことを多くの人は知らず、1964年当時とおなじような乗りで、日本全体が沸き上がり、今まで半信半疑であった人々を巻き込み、壮大なバブルをもう一度出現させる可能性が出てきたのである。
東京の湾岸エリアの地価が連動して上昇するであろう。NISAも加わって多くの零細資本がそれに上乗せされるだろう。
そこへ来年2千14年4月の消費税引き上げである。実体経済が収縮し売上が減退している中での不思議な地価の高騰となる。その差がバブルである。
日本は再び、1990年以来の大規模なバブルの崩壊を経験することになろう。早ければ来年2千14年の秋にも起こるだろう。
あまりにも為政者の無能ぶりである。経験を反省できない程の知的レベルということだ。経済一流、政治、学問3流と20年も前から言われていたが、まさしくその通りである。
3流の経済学や政治のレベルが一流の経済や、国民の勤勉さを潰してしまうのである。民間の創意工夫、克己、粘り強さ、繊細なもの作り、台なしにするのである。
オリンピックで明るい話題で沸き立つ、東京のみの地価の高騰と日銀の買い支えが明らかな株高が、外国人の買いをよびこみ、予想以上の大きさとなり、華々しく喧伝される中で、
一向に伸びない輸出、貿易赤字、さらに、消費税増税の実体経済の沈下により、所得が伸びず、消費が減退し、物価が上昇しない。税収が消費税増税にもかかわらずマイナスになることが明らかになった頃、実体経済と株高の差が調整されるのである。
遅くとも2千15年中に第2のバブル崩壊に至るであろう。
その差が大きいほど、バブルが大きく、借金の度合いも大きい。その際に日本の国債がどの程度変動するか予断を許さないだろう。
しかしこの第2のバブル崩壊はなを最悪ではない。
最悪の事態が起こるのは、それを収拾するために行われる政策時である。
小渕政権のような政策を取るような事があれば、危機は深刻になり、破綻することになる。小渕政権は消費税引き上げで陥った大恐慌を、異常な低金利と過剰金融緩和、莫大な公共投資で乗り切ったのである。
しかしそれはデフレ時の政策として間違った手法であるが、それでもまだデフレが今ほど深刻でなかった事が幸いであった。なんとか取り繕ったのであった。
しかし2千14年や2千15年は、同じことができない。してもなんら効果が上がらないのである。
それはそうだ。既に異常な低金利と異次元という金融緩和をしており、公共投資も、東北復興のためとい莫大な公共投資は既に行っており、オリンピックというイベントやインフラ整理にさらなる公共投資をやってしまっている。
もはやこれ以上の公共投資の上積みをしても、それに携わる人も資源も足りない。基金として来年度に回されるのが落ちである。
そして公共投資の分をこなしても、国内の景気は浮揚しない。そこまでデフレが深刻化しているのである。
この時正しいデフレ解消策が取れるかどうかが日本の復活のカギを握るであろう。
それは消費税を即刻再び5%に引き下げることであり、直接消費者の購買力を増やす政策が必要なのである。
一言主。
消費税の引き上げには消費税の引き下げが一番よい方法である。もう一度ここにデフレ解消のための船中八策を掲げよう。
船中八策
1、ガソリン税を下げ、ガソリン価格を引き下げること。
2、雇用保険の満額支給、保険期間の延長。
3、ローン破綻懸念者に対する援助、国がローン返済をする。
4、幅広く税金の物納を認めること。特に不動産の物納を認めよ。
5、個人預金金利を引き上げよ。マル優制度の復活、
6、消費税を引き下げること。
7、最低賃金を引き上げる。その原資は国が出し、企業が負担するのではない。、子供手当、年金、生活保護の充実、増加、少なくとも絶対に下げない。
8、高速代金を全国で3割負担にせよ。
このようなデフレ対策が滑らかなデフレ解消を促すのである。
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