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http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130929/ecn1309291845002-n1.htm
2013.09.29
【ビジネスの裏側】
ピーチ・アビエーションなどの格安航空会社(LCC)の就航が相次ぎ、いまや「アジアのLCC最激戦区」といわれる日本。そんなおいしい市場を中国勢も虎視眈々と狙う。中国LCC、春秋航空の日本法人が来年5月に日本の国内線に殴り込みを掛ける。同社は、上海空港発着の日中間3路線を就航させ、「片道1円」キャンペーンを展開したこともある“激安エアライン”だ。しかし、尖閣諸島(沖縄県石垣市)問題などで日本国民の間に「嫌中ムード」が広がる中、勝算はあるのだろうか…。
■春秋の狙いは…?
春秋航空は平成22年に日本に就航し、現在は上海発着で茨城、高松、佐賀の日中3路線を展開している。
同社は昨年10月、日本国内路線に参入するため、日本法人「春秋航空日本」を設立した。現在の資本金は15億円だが、認可されれば増資して60億円に引き上げる。
航空法の外資規制があるため、春秋航空本体の出資比率は33%、残る67%は10社程度の国内企業が出資する予定だ。企業名は明らかにしていないが、IT企業や旅行会社などが取り沙汰されている。
座席数189席の米ボーイング製737−800を使用して、成田−高松▽成田−広島▽成田−佐賀の3路線をそれぞれ1日2往復で運航する計画という。
海外の航空各社は、需要の大きい成田空港への直行便を望んでも発着枠に余裕がなく、なかなか乗り入れられないという事情がある。
春秋航空の日本国内線が認可されれば、上海から日本の地方空港を経由して、成田に乗り入れるルートを確保できることになる。
将来的には日本国内線の拡充とともに、中国や台湾など国際線の就航も検討する。
運賃は未定で、「価格競争だけに陥らないようにする」(担当者)が、「乗ってもらえるようなアプローチは検討している」と自信を見せ、“激安路線”の継承もにおわせた。
■「片道1円」…実は中国国民の反発で中止
春秋航空は、上海発着の日本路線を運航して以降、便によっては片道数千円の劇安さが受け、各路線は8〜9割の搭乗率を誇っていた。
ところが、昨年の日中関係悪化が冷や水を浴びせ、搭乗者は激減した。巻き返しを狙って昨年10月には、一部路線で「片道1円」の航空券を販売する“奇策”に打って出た。だが、日本に中国人を利益度外視で送り込むイメージが広がり、中国内で「売国奴」との批判が殺到。結局、数日で中止に追い込まれ、搭乗率が5割を切る月も出たという。
ツアー客が激減する中、春秋航空は、上海から日本の地方空港を経由して成田に向かうネットワークを構築し、日中のビジネス客を取り込もうと考えている。
さらには、上海と関西国際空港を結ぶ路線も来年1月をめどに開設する予定で、ネットワークの拡充を急ぐ。同社は「日本ではまだまだLCCの需要が見込める」と強気だ。
地方空港を抱える日本の自治体にとっても、海外LCCの参入は“大歓迎”だろう。日本航空の経営破綻をきっかけに地方空港に飛んでくる路線はどんどん姿を消し、各空港は採算が取れなくなっていたからだ。
■「嫌中」「反日」どう影響?
懸念は、悪化したままの日中関係と、日本のライバルの急成長だ。
昨年3月には、ピーチが関西空港を拠点に就航し、乗客を増やしている。
成田空港でも外資系などのLCC参入が相次ぎ、“戦国時代”の様相だ。
春秋航空の日本国内線参入に対し、ピーチの担当者は「当社だけでは潜在需要を掘り起こすことはできず、航空業界が盛り上がる」と歓迎する。
「(日中関係の悪化で)タイミングが悪すぎる」(航空関係者)と疑問視する声はある。
それでも、春秋航空側は「民間レベルでの交流は続いている」(担当者)と意に介さない。他のLCCが乗り入れていない地方空港の路線開拓も視野に入れ、差別化を図るとみられる。
岩井コスモ証券の有沢正一・投資調査部副部長は「春秋航空は中国初のLCCで、運航品質は高い。日中関係が悪化しているとはいえ、ビジネスの世界は別。このタイミングでの参入表明は、競争力に自信がある証拠」と分析する。
果たして、日中両国民が抱く「嫌中」「反日」の感情を打ち破って、乗客を取り込めるのだろうか。(中村智隆)
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