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ユーロの恩恵でメルケル氏圧勝 ドイツ栄え欧州債務危機再燃 高橋洋一(ZAKZAK) 
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/721.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 9 月 29 日 12:13:42: AtMSjtXKW4rJY
 

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130929/dms1309290724004-n1.htm
2013.09.29 「日本」の解き方


 ドイツの総選挙でメルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が圧勝したが、これが欧州の財政問題や景気にどのような影響を与えるだろうか。

 メルケル首相の3選続投(任期を全うすれば在任12年)が確実になった背景として、ドイツ経済の好調さが後押ししたのは間違いない。メルケル政権下で、10%を超えていた失業率は半減した。輸出も昨年、過去最高額を更新した。

 こうした経済の堅調さは、政権の努力も大きいが、見逃せないのは、ドイツがユーロ圏の恩恵を十分に受けている点だ。

 ノーベル経済学賞を受賞したロバート・マンデル氏の「最適通貨圏理論」からみると、今のユーロ圏は多種多様でそれぞれ問題を抱えた国の集まりであるにもかかわらず、一つの通貨しかなく、金融政策は各国ともに共通なので、各国の問題解決に対応できない。つまり、今のユーロ圏が、政治的な拡大志向に抗せず、本来は加盟すべきでない周辺国が多くなり、最適通貨圏を超えているわけだ。

 その結果、ユーロは、ドイツなどの中心国にとっては「割安」になる一方で、ギリシャのような周辺国では「割高」になってしまった。すると、中心国から周辺国への輸出が高まり、中心国は貿易好調で経常収支黒字、周辺国は不況のしわ寄せで経常収支赤字となってしまった。

 こうした不均衡に対する経済学的な解は2つある。1つは財政統合であるが、これには中心国から周辺国への所得移転が必要になってくる。もう1つは周辺国のユーロ圏からの離脱である。そうすれば、周辺国は独自通貨を復活させて、その通貨安を通じて自国経済の再建も容易にできる。

 ただし、ドイツはどちらもやろうとしない。周辺国への所得移転はとてもドイツ国民の感情が許さない。また、ドイツの経済堅調はユーロ圏において最適通貨圏からはみ出た周辺国があるおかげなので、その金の卵をみすみす失うこともしない。さらに周辺国のユーロ圏離脱は、政治的にはユーロ圏の崩壊を意味するもので、メルケル首相は決して認められないものだ。

 こうした立場のドイツがユーロ圏で指導力を握り、今のユーロ圏を政治的に維持しようとすると、周辺国での経済危機はまた起こるだろう。その場合、ドイツは問題が起きた周辺国に経済支援するが、再びその条件として過度の緊縮財政を強いてくるだろう。その結果、周辺国の景気回復は遅れるという悪循環になるに違いない。

 今のユーロ圏の最大の利益享受国であるドイツが欧州でパワーを持てば、通貨が1つしかなく最適通貨圏の範囲をはるかに超えているという構造問題はいっこうに解決されないだろう。すなわち、ユーロ圏における財政統合も進まず、周辺国のユーロ圏からの離脱も行われないと思われるので、近いうちに、2010年の欧州債務危機が再現する可能性は高いだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)


 

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01. 2013年9月30日 21:28:33 : niiL5nr8dQ
ロンドン外為:円上昇、米政府機関閉鎖が濃厚−イタリアも不安 

  9月30日(ブルームバーグ):ロンドン時間30日午前の外国為替市場で円は全面高。米国の予算協議が難航し政府機関閉鎖の可能性が高まっていることで、安全資産の需要が増した。イタリアではレッタ政権崩壊のリスクが生じており、ユーロを売りスイス・フランを買う動きにつながった。
ロンドン時間午前10時13分現在、円は対ドルで0.4%高の1ドル=97円88銭。アジア時間朝には97円53銭と、8月29日以来の円高水準を付けた。対ユーロは0.5%高の1ユーロ=131円17銭。ユーロは対ドルでほぼ変わらずの1ユーロ=1.3503ドル。対スイス・フランは一時0.3%安の1ユーロ=1.2214フランと5月3日以来の安値を付けた後、1.22191フランで推移している。
原題:Yen Rises as Looming U.S. Shutdown Boosts Safety Bid; EuroFalls(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:エディンバラ Lukanyo Mnyanda lmnyanda@bloomberg.net;シドニー Candice Zachariahs czachariahs2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Rocky Swift rswift5@bloomberg.net
更新日時: 2013/09/30 18:41 JST


 


 

 

ユーロ圏消費者物価指数速報値、3年半ぶり低水準
2013年 09月 30日 19:26 JST
[ブリュッセル 30日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が発表した9月のユーロ圏のEU基準消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比1.1%上昇と8月の1.3%上昇から伸びが鈍化し、市場予想の1.2%上昇を下回った。CPI上昇率は2010年2月以来約3年半ぶりの低水準。

欧州中央銀行(ECB)に、域内経済支援に向けた金融緩和措置を継続する余地を与える内容となった。

ECBは今週2日に政策理事会を開催し、政策金利を過去最低の0.5%に据え置く見通し。また、長期間にわたって低金利を維持するとみられており、正当化されれば利下げに踏み切る可能性もある。

CPI上昇率の鈍化は主にエネルギー価格の下落が背景。食料・アルコール・たばこ製品の価格上昇率が2.6%と8月の3.2%から大きく鈍ったことも要因となった。

記録的な高失業率や緊縮財政に直面するユーロ圏諸国では、今年インフレ率が大幅に低下。ギリシャはデフレに直面している。

スペインでは昨年の消費増税の効果が薄れ、CPI上昇率は8月に約4年ぶりの低水準に鈍化した。

ドイツも9月のCPI上昇率が1.4%に鈍化した。


 

 

ユーロ圏:9月インフレ率1.1%に低下、予想以上の減速 

  9月30日(ブルームバーグ):ユーロ圏の9月のインフレはエコノミスト予想以上に減速した。エネルギー価格などが下落した。インフレ率は8カ月連続で、欧州中央銀行(ECB)が目安とする2%弱の水準を下回っている。
欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が30日発表した9月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)は前年同月比1.1%上昇。インフレ率は8月の1.3%から低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト34人の予想中央値は1.2%だった。食品とエネルギーを除いたコアインフレ率は1%となった。
ECBは今年のインフレ率を平均1.5%、来年を1.3%と見積もっている。ドラギ総裁はインフレ見通しの弱さなどを理由に長期にわたる低金利維持を表明している。
IHSグローバル・インサイトの欧州担当チーフエコノミスト、ハワード・アーチャー氏は統計発表前に、「欧州の景気回復は徐々に定着しつつあるようだが、依然として相当脆弱(ぜいじゃく)だ」とし、低インフレは「必要だと考えれば行動する余地をECBに与える」と指摘した。
9月のエネルギー価格は0.9%下落。8月は0.3%の値下がりだった。食品とアルコール、たばこは2.6%値上がり(8月は3.2%上昇)。
原題:Euro-Area September Inflation Slows More Than Forecast onEnergy(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Eshe Nelson enelson32@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Craig Stirling cstirling1@bloomberg.net
更新日時: 2013/09/30 18:40 JST


 

 

イタリア国債・株式に売り、閣僚辞任による政局混乱で
2013年 09月 30日 17:30 JST
[ミラノ 30日 ロイター] - 30日の欧州金融市場でイタリアの国債と株式が売られている。連立政権の一角を担う中道右派政党・自由国民の5閣僚が辞任を表明したことが背景。

イタリア10年国債の利回りは30日序盤の取引で4.73%と27日の4.42%から上昇、6月以来の高水準をつけた。ただ、デフォルト懸念が生じていた2011年終盤の7.5%は大幅に下回っている。

イタリアのFTSE・MIB指数.FTMIBは2.5%安。銀行株の下げが目立っている。

ベルルスコーニ元首相が所有するテレビ局グループ、メディアセット(MS.MI)は5%近く下落している。

 

 

ベルルスコーニ氏率いる右派閣僚が辞意、伊首相は2日に信任投票
2013年 09月 30日 09:49 JST
[ローマ 29日 ロイター] - イタリアのレッタ首相は29日、連立政権の一角を担う中道右派政党・自由国民の5閣僚が辞任表明したことを受け、10月2日にも議会で信任投票を求める方針を示した。

ナポリターノ大統領も29日に事態の収拾に向けて協議を始めた。大統領は総選挙は最後の手段との認識を示している。

自由国民を率いるベルルスコーニ元首相は28日、政府の増税方針に反発して党の閣僚全員を辞任させる意向を示した。

レッタ首相は現在の選挙制度のもとで総選挙を行えば政治的混乱が解消できないとし、「信任投票ではベルルスコーニ元首相を支持しない自由国民からの信任票を期待する」と述べた。

27日の閣議では増税などの財政措置で合意できず、中道左派と右派による連立維持は困難な情勢になっていた。

ベルルスコーニ元首相は脱税の罪で有罪が確定しており、これを受けた議員資格の剥奪問題も右派と左派の対立の要因となっていた。

27日の閣議では、付加価値税(VAT)の21%から22%への引き上げを回避するための措置について協議する予定だったが、何ら合意できなかった。増税に強く反対している自由国民はこれに反発、ベルルスコーニ元首相は、レッタ首相が措置を講じずVAT引き上げの構えをみせたことは「連立政権の協定に違反する」と述べ、閣僚辞任につながった。

これに対しレッタ首相は27日、元首相の発言は「大嘘」とし、自身の有罪問題から国民の目をそらすために増税問題を利用していると指摘した。

レッタ首相の勢力は下院では過半数を維持しており、上院で自由国民あるいは野党の「五つ星運動」などの一部から支持を得られれば、政権維持が可能となる。

しかし上院で十分な支持を得られず、ナポリターノ大統領が暫定政権樹立に動かなければ、総選挙が避けられなくなる。

ベルルスコーニ元首相は総選挙を求めている。ただ元首相が今回の閣僚辞任を党内に諮ることなく決定したことから、党内からは批判の声もでている。
 

 


 

9月末の事業法人の保有株含み益、3割増の15兆円=野村証券
2013年 09月 30日 17:20 JST
[東京 30日 ロイター] - 野村証券の試算によると、上場事業法人の持合い株式の含み益は、2013年9月末時点で3月末比32%増の15.36兆円になった。アベノミクス効果への期待から株価が回復したため、含み益が拡大した。

試算の対象は3月期決算の上場事業会社で、社数は1830社。野村のシニアストラテジスト、西山賢吾氏によると、含み益の水準は22.97兆円だった06年度末に次ぐ高い水準。

ただ、株高という環境の援護があっても、事業会社の政策保有目的の株式の見直しは「あまり進んでいないもよう」(西山氏)という。保有株の削減・圧縮が行なわれないと、株価が下落した際に財務に与える影響が懸念される。このため西山氏は、当面は株高が見込まれるなかで「保有株の見直しや圧縮が13年度下期以降進むことが期待される」と述べている。

(江本恵美)

 

 


 

豪株、四半期で4年ぶりの大幅上昇−低金利で株高続く見込み 

  9月30日(ブルームバーグ):オーストラリアの株式相場 は、四半期ベースの上昇率としては4年ぶりの大きさで7−9月(第3四半期)を終えた。記録的な低金利が企業の利益を押し上げており、AMPキャピタル・インベスターズやエクイティ・トラスティーズは2014年末まで豪株の上昇が続くとみている。
S&P/ASX200指数 は前四半期末比で8.7%上昇し、09年7−9月期以来で最も上げた。エクイティ・トラスティーズのジョージ・ブーブーラス最高投資責任者(CIO)は、同指数が14年末までに12%上昇し5950に達すると予想。AMPキャピタルは豪株式相場が今後1年、米国株のリターン(投資収益率)を上回るとの見通しを示した。
オーストラリア準備銀行(中央銀行)は8月、政策金利を過去最低水準に引き下げ、豪ドル安誘導と景気刺激を狙い追加利下げする意向を示唆した。ブーブーラスCIOは9月23日の電話インタビューで「より長期にわたる利下げと豪ドル安で企業の利益が再び加速するだろう。全てが株式の支えとなる」と説明、S&P/ASX200指数が「来年末までに5950に達するのに何の問題もない」と語った。
ブルームバーグがまとめたデータによれば、同指数の予想株価収益率(PER)は9月27日時点で15.5倍。米S&P500種株価指数は15.4倍。S&P/ASX200指数が四半期ベースでS&P500種を超える上昇率となるのは12年12月以来となる。S&P500種は9月27日現在で前四半期末比5.3%高。
原題:Australian Stocks Post Best Quarterly Gain Since 2009 onRates(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シドニー Adam Haigh ahaigh1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net
更新日時: 2013/09/30 19:24 JST


02. 2013年10月02日 01:16:44 : niiL5nr8dQ
JBpress>海外>The Economist [The Economist]
ドイツの連立協議:アンゲラの葛藤
2013年10月02日(Wed) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年9月28日号)

見事な勝利を収めた後、アンゲラ・メルケル氏は政権の連立パートナーを選ばなければならない。緑の党に目を向けるべきだ。

ドイツ総選挙で保守与党が大勝 メルケル首相、歴史的3選へ
アンゲラ・メルケル首相は9月22日の選挙で歴史的な勝利を収めた〔AFPBB News〕

 5年前に金融危機が勃発して以来、欧州の大半の大国――英国、フランス、イタリア、スペイン――では、指導者が有権者にあっさり捨てられてきた。

 しかし、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は9月22日に地滑り的な勝利を収め、同氏の率いるキリスト教民主同盟(CDU)の得票率は1990年の東西ドイツ統一以降最高を記録した。

 政権を取ってから8年も経った後、これほど難しい時期にこれほど見事な勝利を収めたことで、メルケル氏はドイツのみならず欧州全体にとっても、誰もが認める指導者になった。

 だが、連立相手だった自由民主党(FDP)が1949年以来初めて、ドイツ連邦議会(下院)での議席確保に必要な5%の得票率に届かなかったために、メルケル氏の勝利は色あせてしまった。これは残念なことだ。というのも、FDPはドイツ政界で唯一、自由市場、サプライサイドの改革、減税など、本誌(英エコノミスト誌)が好む経済自由主義を支持する政党だったからだ。

 悲しいかな、外相のギド・ヴェスターヴェレ氏や経済相のフィリップ・レスラー氏を含むFDPの指導者は、政権で力を発揮できなかった。FDPが新しい体制の下で、もっと説得力のある自由主義の提唱者として立て直しを図ることが期待される。

SPDとの大連立が望まれているが・・・

 CDUが絶対多数を確保できなかったため、メルケル氏は2つの中道左派政党のどちらかを新たな連立パートナーに選ばなければならない。連立協議は何週間も続き、ドイツの新たな推進力を切望する欧州の人々を苛立たせる可能性がある。

 2005年の首相就任時と同様、メルケル氏が最初に選ぶのは、社会民主党(SPD)との大連立だ。この大連立は、有権者と、CDUの大半が望んでいるものだ。中道左派は既にドイツ連邦参議院(上院)で多数を占めているため、大連立となれば、強力な政府が誕生することになる。

 だが、SPDはメルケル氏には以前ひどい目に遭わされたと思っている。2009年、メルケル氏と連立を組んで4年経った後の選挙で、SPDの得票率は戦後最低を記録したからだ。

 再びメルケル氏と組む場合、SPDが求める対価は大きい。メルケル氏は、高い最低賃金、富裕層に対する新税導入、大半の改革の却下など、SPDが掲げる政策の中でも特にひどいものも飲まねばならないだろう。

 SPDの一部議員は、連立協議から離脱し、緑の党と極左政党と一緒に「赤・赤・緑*1」連合を組む衝動に駆られるかもしれない。

*1=ドイツでは一般に政党カラーで連立・連合が示される。赤・赤・緑は、社会民主党(SPD)と左翼党、緑の党の連合を指す

 これを未然に防ぐ意味でも、メルケル氏は、下野して8年経ち、権力を切望する緑の党の良識ある人々に働きかけ、連立に引き入れる努力をすべきだ。

 メルケル氏にしてみると、緑の党と話し合う妥当な戦略的理由がある。同党との連立協議は、SPDに馬鹿げた政策を捨てさせると同時に「赤・赤・緑」連合のリスクを排除するための最善の方法だからだ。

それでも緑の党と組むべき理由

 CDUと緑の党の「黒・緑」連立は、扱いが難しい。ハンブルクやザールラントのような小さな州で試された時には成功しなかった。1つには、緑の党の党員と幹部がSPDよりも左に来るほど左傾化したためだ。だが、左寄りの指導部はこのほど辞任し、後任は緑の党のリアロ(現実主義)派から出てきそうだ。また、メルケル氏が突然決めた脱原発も、両党の環境政策を近づけた。

 こうした状況はどれも、ドイツとその他欧州諸国との関係を変えるものではない。メルケル氏は間違いなくヴォルフガング・ショイブレ氏の財務相留任を望むだろうし、財政規律とユーロ圏の競争力強化を求める主張を和らげることもなさそうだ。債務の共有化については、SPDと緑の党の一部が支持しているとはいえ、どんな形の共有化もタブーであり続ける。

 また、メルケル氏はドイツの納税者を保護することに従来以上に熱心になるだろう。有権者がその姿勢を支持しているだけでなく、反ユーロを掲げる新党「ドイツのための選択肢(AfD)」が連邦議会で議席を獲得する寸前まで行き、来年行われる欧州議会選挙でも善戦が見込まれているためだ。

 しかし、メルケル氏のパートナー選びは、ドイツ自体に大きな違いをもたらす可能性がある。大連立は、不和で諍いの多い政権になるだけでなく、極右や極左に対する支持を増やしてしまう恐れもある。最小限の共通項で結ばれた政府として、政策は停滞する公算が大きい。これは憂慮すべき展開だ。

 経済成長の見通しは暗い。ドイツが最後に改革を行ったのは10年前だ。ドイツは、労働市場と製品市場の規制を緩和し、サービスとエネルギーに一層の競争を導入し、インフラ投資を増やすために、もっと多くの対策を講じる必要がある。

 すべてを考慮すると、メルケル氏は緑の党と組んだ方が、上記の懸案事項をより多く処理できるかもしれない。これは、欧州の事実上のリーダーがこの先決断を迫られる幾多の難しい選択の最初の選択になる。


 

 


JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
イタリア首相、連立相手に激怒
ベルルスコーニ元首相の策略で政権崩壊の危機
2013年10月01日(Tue) Financial Times
(2013年9月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

伊5閣僚辞意で政権崩壊の危機、来月2日に信任投票
連立政権崩壊の危機に立たされたエンリコ・レッタ首相〔AFPBB News〕

 イタリアのエンリコ・レッタ首相は5カ月前から連立を組む相手に激怒し、共同で運営してきた政権を崩壊させることにしたシルビオ・ベルルスコーニ元首相の決断を「常軌を逸した無責任な行為」と非難した。

 金融市場は9月30日に、ベルルスコーニ氏の最新の策略がイタリアに与えるコストを判断することになるが、事態を動かしているのは、狂気ではなく、ベテラン運動家のマキャベリ的な政治へのアプローチだ。

 9月29日に77歳になったベルルスコーニ氏は、レッタ内閣が27日夜に、10月1日に予定されている付加価値税(VAT)増税を阻止しないことを決定したことに対し、自身の率いる中道右派政党・自由国民所属の5人の閣僚に辞任を命じたと主張している。

 レッタ氏はこの声明を「イタリア国民が見透かす大嘘」と呼び、ベルルスコーニ氏は8月1日に脱税で有罪が確定した結果、上院からの追放と公職禁止に直面する個人的な窮地を免れるために危機の引き金を引いたと非難した。

ベルルスコーニ氏が巧妙に準備した罠

 9月27日の閣議に出席したあるイタリア政府高官は、匿名を条件に、ベルルスコーニ氏は巧妙に準備した罠を仕掛けたと言う。

 レッタ首相は閣議でVATの税率引き上げに代わる代替策を提案した。ガソリン価格の引き上げを含め、VAT以外の負担増を伴う内容だった。だが、ベルルスコーニ氏の配下の閣僚らは、VAT増税を断行することに同意し、連立政権を崩壊させるために必要な口実を作ったのだという。

 「ベルルスコーニはギャンブラーだが、狂っているわけじゃない」と先の高官は言う。「彼は選挙公約には税金問題を据えるしかなく、自分の法廷闘争を争点にできないことを知っている」

 イタリアの財政赤字をブリュッセルと合意した国内総生産(GDP)比3%という上限以内にとどめる方法について与党2党間の困難な交渉にかかわった別の政府当局者も、レッタ首相とファブリツィオ・サッコマンニ財務相がVAT問題で状況を読み誤り、本来は歳出削減のようなもっと大胆な措置を講じるべきだったと見ている。

 ベルルスコーニ氏が解散総選挙を要求するつもりにせよ、その影響力を駆使して今後2カ月間の予算審議で政府の財政政策を意のままに操るつもりにせよ、政治危機の脅威が決して遠ざからないことは、はっきりしている。

 「市場はイタリアの機能不全の政治には慣れっこになったが、今や事態が手に負えなくなりつつある感があり、イタリアとユーロ圏に潜在的に危険な結末をもたらす恐れがある」。ロンドンのソブリン債務アナリストのニコラス・スピロ氏はこうコメントした。

 「しばらく前から、イタリアの問題はもう、切望される改革が実行できるか否かではなく、むしろ、麻痺状態のレッタ政権がクリスマスまで持つかどうかが争点になっていた」

レッタ首相が味わう屈辱、批判派の誤りを証明できるか?

 レッタ氏が抱く屈辱感は目に見えるようだ。47歳の首相は先週ニューヨークで潜在的な投資家を相手に、「若く、高潔で、信頼に足る」国としてイタリアを売り込んだと思いきや、翌日ローマに戻ると、自身の政権がベルルスコーニ氏に人質に取られたことを知る羽目になったのだ。

セックスとジョーク、ベルルスコーニ伊首相の遺すもの
シルビオ・ベルルスコーニ元首相〔AFPBB News〕

 メディアの評論家から善意を抱く弱い政治家と評されるレッタ氏は、ブリュッセルに課せられた財政上の制約と、連立相手の工作の板挟みになっている。連立相手の自由国民は、自分たちの指導者は左派に支配されている司法の手で政治的に失脚させられたと考え、工作に走っている。

 レッタ氏は、断固たる行動を取るよりは、むしろ交渉による妥協に傾きがちなキリスト教民主主義者としての原点に根差しているとの印象を拭いきれないでいる。

 しかし、レッタ氏が譲歩することなくベルルスコーニ氏の威嚇を退け、中道右派や野党・5つ星運動の反乱分子を味方に引き込むことで政権崩壊を回避することができれば、自身が所属する民主党内でも、首相の座を狙うフィレンツェ市長のマッテオ・レンツィ氏からの挑戦を退けられるかもしれない。

 9月30日か10月1日に行われると見られるレッタ氏の議会演説は、批判勢力が間違っていることを証明するチャンスかもしれない。

By Guy Dinmore in Rome


03. 2013年10月03日 02:38:38 : niiL5nr8dQ
世界がメルケル独首相の決断を待つ

2013年10月3日(木)  The Economist


 欧州の指導者たちは、アンゲラ・メルケル独首相が下す決断を固唾を飲んで見守っている。彼らはメルケル首相が勝利を手にすることを待ちわびていた。そしてメルケル首相の再任が決まった今も、連立政権が樹立するまで待つことを強いられている。欧州当局者は草稿を準備し、数合わせに悪戦苦闘し、欧州の将来像について思いを巡らせながら、じっと待っている。まるでサミュエル・ベケットの戯曲「ゴドーを待ちながら」に登場するウラジミールとエストラゴンのように(帽子を矯めつ眇めつしながら、ともにゴドーを待ち続ける)。メルケル首相が登場するまで彼らにできることは何もない。

 意気揚々と政権の座に戻ってきたメルケル首相は、欧州政策に変更はないことを早々と明言した。では、彼らは何を求めているのか。欧州を悲惨な状態から救い出すためにメルケル首相がさらに踏み出すことを、祈りにも似た気持ちで懇願しているのである。まさしく、ひたすらゴドーを待ち続けるウラジミールとエストゴンを彷彿とさせるものがある。

 再選を果たしたメルケル首相は10月、ブリュッセルで開催されるEU首脳会議に出席する。だが、そこではほとんど何も決まらないだろう。何らかの進展が見られるのは、11月の財務相会合か、恐らくは12月のEU首脳会議になりそうだ。

 だが、立法措置に充てることのできる時間は短い。来年5月の欧州議会議員選挙を控え、4月には欧州議会自体が解散になるからである。欧州は「ゴドーを待ちながら」とは違う。この戯曲では結局何も起こらないが、欧州の場合は、指導者たちが何もしなければ事態は悪化する可能性がある。

銀行同盟の姿はメルケル次第

 欧州はまず、銀行を修復する必要がある。南欧諸国の企業は依然として借入コスト高騰の重圧に喘いでいる。だが、設立が決まった銀行同盟がどのような形になるか、欧州はメルケル首相の決断を待つ以外にない。

 EUの指導者たちは、欧州中央銀行(ECB)を中核とするユーロ圏銀行の新たな監督機関を創設した。次の段階はもっと困難だ。次の段階では、破綻した銀行を整理もしくは再生するのに必要な権限と資金を持つ銀行清算機関を設立することと、損失の配分方式を決定することになる。欧州委員会が7月に行った提案に対して、ドイツは違法だと主張している。権限を中央機関に過度に集中させているからだ。ドイツは、各国の銀行清算当局が緩やかに連携する仕組みを望んでいる。

 ドイツの当局者は合意する用意があると非公式にほのめかしているが、ドイツの小規模な銀行の多くを銀行清算機関から除外したい考えだ。だが、ドイツの銀行の大半を銀行清算機関に組み入れないなら、銀行同盟にどのような価値があるのだろう。本格的なリスク・シェアの仕組みがなければ、各国の財政に過重な負担をかけることなく損失処理を進めることは困難だ。何よりも、新たな銀行監督機関に対する信認を、設立当初から損うことになる。

欧州統合強化もメルケルを待たなければならない

 もう一つ焦眉の急となっている問題がギリシャとポルトガルである。両国とも数カ月後にさらなる救済資金(もしくは債務の評価減)を必要としている。これもメルケル首相の決断待ちだ。メルケル首相が社会民主党(SPD)と大連立を組めば、両国の救済策に対する独連邦議会の承認を得やすくなり、両国に求めている財政の緊縮を緩められるとの希望は多少ある。だが、メルケル首相が多額の救済資金の提供に同意するなど、期待しない方がよい。

 これまでのところドイツは、問題を抱えた国に与えた苦い薬は効果を発揮していると主張している。これらの国の単位労働コストや経常収支は正しい方向に向かい始めている。しかしながら経済成長は控えめに言っても低迷しており、失業率が極度に高止まりする懸念すべき事態となっている。数カ国はデフレの瀬戸際に立たされている。仮にデフレに陥れば債務負担は実質的に増加する。

 対照的に、ドイツでは経常黒字がGDPの7%を突破した。ドイツは一段の内需拡大策を打ち出し、南欧諸国がより早く調整を進められるよう手助けすべきだとの声も聞かれる。

 先日、ダニエラ・シュバルツァー氏とグントラム・ウォルフ氏は連名で論文を発表し、3つの内需振興策を提言した。シュバルツァー氏はドイツのシンクタンク、国際政治安全保障研究所(SWP)の研究者。一方のウォルフ氏は、ブリュッセルのシンクタンク、ブリューゲルに在籍している。いずれもEU推進派のドイツ人として知られる。

 3つの策とは、ドイツ国内における公共投資の拡大、ドイツへの欧州人の移民を容易にすること、そしてサービス部門の自由化である。これに代わる南欧諸国の調整支援策は、恐らくもっと受け入れにくいものになるだろう。例えば、救済資金の追加投入、債務減免の拡大、一層の資金補填といった策は導入が難しい。

 さらに、欧州の長期的な将来像についての問題もある。イタリアのエンリコ・レッタ首相をはじめとする欧州の指導者の一部は、来年5月に実施される欧州議会議員選挙で欧州懐疑主義の台頭を許さないためには、統合強化に関するより魅力的なビジョンを示す必要があると警告している。レッタ首相自身の言葉を借りれば、「犠牲は受け入れよう。財政削減もいいだろう。だがその先に約束の地が見えなければならない」。

 だが、レッタ首相も待たなければならない。レッタ首相が期待する豊饒な約束の地においては、ユーロ圏の予算は中央機関により管理され、成長を支援するプロジェクトへの投資資金が借りられる。IMFは25日に公表した報告書で同様の提言を行い、幾つかの選択肢を挙げた。だが昨年、同様の構想がメルケル首相の反対により頓挫している。改革すると「契約」した国に対してユーロ圏が穏やかな金融支援を提供する――を柱とするより限定的な統合モデルでさえ、早期に実現する兆候はほとんどない。

 このことは、EU条約を修正する構想が後戻りすることを示唆している。言い換えれば、2015年以降に英国が主導権を多少取り戻すための最も明確な手段を失わしめることを意味する。つまり、キャメロン英首相も、EU全体の改革・緩やかな統合が実現することを、メルケル首相が支援してくれるのを待っているのである(訳者注:キャメロン首相は2013年1月23日に行ったスピーチの中で、2015年の総選挙で首相に再選されることを前提に、EUの改革がなされなければ、2017年に英国がEUに残留するべきか否かを問う国民投票を実施すると述べた)。メリケル首相はと言えば、EUと参加国との権限のバランスを見直しすることについて、支持するとごく曖昧に示唆しているだけだ。

昨年のECBの救済措置が切迫感を失わせた

 切迫感が欠けている理由の一端は、2012年末にECBが「いかなる手段を講じても」ユーロ崩壊を食い止めると約束したことにより、市場の危機感が急速に薄れたことにある。ECBが問題国の国債を買い入れる――改革プログラムを受け入れるとの条件付きで――と明言したことは極めて大きな効果をもたらし、一銭も出さずに問題国の利回りを押し下げることに成功した。

 だがドイツの憲法裁判所は今秋末、新たな国債買い入れプログラム(OMT)が憲法に違反しているかどうかを巡って判決を下す予定だ。批評家たちは、同プログラムを政府への直接的な財政支援に等しいと受け止めている。独憲法裁判所がECBの行動の自由を制限する裁決を下せば、市場はECBの決意を試す可能性がある。

 要するに、ユーロ危機は終結したと言うにほど遠い。次のような事態が1つでも起きれば、ユーロ危機はたちどころに再燃する恐れがある。例えば銀行危機、景気の失速、政治的な揺り戻しなどがそうした事態として挙げられよう。さらに、賢明とは言えない司法判断が下されるだけでも、ユーロ危機が再燃する契機となり得る。

 そうなればメルケル首相が再びユーロの救済者として登場することになる。今のところメルケル首相はゴドーのようだ――何事も約束できず、熟考を重ね、そして銀行残高を調べてからでなければどんな行動もとらない。

©2013 The Economist Newspaper LimitedOctober 3th 2013 |From the print edition All rights reserved英エコノミスト誌の記事は、日経ビジネスがライセンス契約に基づき翻訳したものです。英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。

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2013年 10月 02日 19:14 JST
バチカン銀行、初のバランスシート公表
記事
原文(英語)
By LIAM MOLONEY
 【ローマ】ローマ法王庁(バチカン)の財政管理組織「宗教事業協会」(通称バチカン銀行、IOR)は1日、126年の歴史の中で初めて、バランスシートを含む年次報告書を公表した。秘密主義で、スキャンダルに悩まされる同行の透明性向上を求めるローマ法王フランシスコの取り組みを反映している。

 ローマ法王は他にもバチカン銀行の改革方法を模索しており、慈善基金への転換や閉鎖も選択肢として示唆している。

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L'Osservatore Romano/Associated Press
バチカンに到着した枢機卿たち(1日)
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 バチカン銀行は2012年度の純利益が8660万ユーロ(約114億円)となったことを明らかにした。国債をはじめとする債券取引が大きく貢献し、前年度の2020万ユーロから4倍以上に増加した。この利益のために、ローマ法王が自身の選択でカトリック教会の慈善団体に寄付できる教皇庁の財源が5470万ユーロに増加した。

 バチカン市内に位置するバチカン銀行は、本年度の業績は透明性向上や説明責任の拡大努力に関連する法的コストや会計上のコスト、通信費から打撃を受ける見込みだと警告した。

 バチカン銀のエルネスト・フォン・フライベルグ頭取は「年次報告書の公表により、私たちは自らの活動について透明性を提供するという公約を達成している」と述べた。今年の同氏の頭取への指名は、前ローマ法王ベネディクト16世の2月の退任前の最後の公式な任務だった。

 バチカン銀行は数十年に及ぶスキャンダルの克服に努めている。中でも最も悪名高いのは、バチカン銀行が筆頭株主だったアンブロジヤーノ銀行の1982年の破綻だった。当時のアンブロジヤーノ銀行の会長、ロベルト・カルヴィ氏(バチカンとのつながりのために「法王の銀行家」と呼ばれた)はその年、ロンドンのブラックフライアーズ・ブリッジで首をつっているのが見つかった。犯罪の可能性が疑われたが、有罪となった人はいなかった。

 

 

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