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財務省が「半分返し」の経済対策!?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37056
2013年09月29日(日)ドクターZ 週刊現代 :現代ビジネス
消費税増税について、安倍総理は10月1日に決めると言っているが、増税はもはや「既定路線」である。全国各地にある税務署が近々消費税増税のための説明会を開くとの予定が、とっくの昔に決められている。
さすがに消費税増税をすると、景気の落ち込みが心配ということで、政府は消費税増税による景気失速の対策として5兆円規模の経済対策を打つという。10月15日頃から予定されている秋の臨時国会で補正予算が成立、財源としては昨年度の余剰金1・3兆円や今年度の法人税収の上振れなど3兆〜4兆円が使われるのだろう。支出の中身は、企業の固定資産税減税、低所得者への現金給付、公共投資などだ。
実際の消費税増税は来年4月からなので、来年度の予算でもそこそこの財政支出がなされるだろう。では、5兆円の景気対策はどのような効果があるのだろうか。
安倍政権になって国家財政の財布のヒモが緩んでいる。今年の1月には10兆円の大型補正を行った。その効果も手伝って、今の景気になっている。金融政策の大転換による分が3分の2、残りの3分の1は積極財政のおかげだろう。5兆円と巨額な景気対策も今年前半の10兆円に比べると半分だから、それほど強力ではない。
もっとも政治家にとっては、こうしたマクロ経済の話よりミクロ経済の話が大事。「増税→バラマキ」は、カネをむしり取られる側の庶民にとってみればとんでもない話だが、カネをばらまかれる大企業などの既得権者にとってはおいしい話だ。
さらに、久しぶりに政権に返った自民党の古いタイプの議員たちは、ここで利権にありつけなければ干上がってしまう。喉から手がでるほど欲しい財政支出である。要は増税対策の財政支出といっても、自民党の古いタイプの議員や官僚が喜ぶだけの話なのである。
そもそもこうした展開になることは、7月27日・8月3日合併号の本コラムで予想した通りである。財務省は消費税増税が悲願であり、財政再建は二の次だから、「増税→バラマキ」の展開は簡単に予想できた。
本来、景気対策を本気で行いたいのであれば、減税するのが効果的なはずである。今回の消費税増税による景気失速を防ぐために、一番いいのは消費税減税。次にいいのは、消費税を払う個人への所得税減税と所得税を払わない人への給付措置となる。
しかし、こうした対策を進めていくと、「そもそも消費税増税をやらなければいい」となってしまう。これを避けるためにも、財務省は予算措置での景気対策にこだわるのだ。
財務省には、昔から「カネで片付くことはカネで片付ける」という考え方がある。財務省でカネとは「予算」を指し、色々と対策が必要ならば、税法改正によるのではなく予算措置にするという意味だ。というのも、財務省にとって減税はありがたみが少ないが、予算なら財務省がつけてあげたと恩に着せられるからだ。
海外でも景気対策はあるが、大体予算措置と減税では前者が3分の1、後者が3分の2と減税のほうが多い。しかし、日本では財務省の「カネで処理する」方針が強いために、景気対策は大体が予算措置になる。財務省が減税を嫌う理由はこんなところにあるのだ。
ドラマ『半沢直樹』の決めゼリフなら、「やられたらやり返す。倍返しだ!」となるが、消費税増税では、庶民はやられたまま、大企業などの既得権者はいただき。財務省は「半分返し」の景気対策。それも恩に着せての半分返しであるのだ。
『週刊現代』2013年10月5日号より
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