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自動車部品カルテルが続々摘発されるワケ 巨額の制裁金に戦々恐々とする日本メーカー
http://toyokeizai.net/articles/-/20506
2013年09月28日 中川 雅博 :東洋経済 記者
日本の自動車部品業界が大きく揺れている。米司法省は9月26日、日本に拠点を置く9つの企業が米国で価格カルテルを結んで、販売価格を不正に操作していたことを認め、総額7億4000万ドル(約730億円)超の罰金を支払うことで合意した、と発表した。
今回価格カルテルを認めたのは、日立オートモーティブシステムズ、三菱電機、ミツバ、ジェイテクト、日本精工、三菱重工業、ティラド、山下ゴムの日本企業8社に、仏ヴァレオの日本法人を加えた9社。罰金額の最大は日立オートモーティブシステムズの1億9500万ドル。
このほか、シートベルトメーカーのタカタの社員が14カ月の、タイヤメーカーの東洋ゴム工業の社員が12カ月と1日の禁固刑、さらに両者とも2万ドルの罰金を払うことで個人として合意している。
■不正の期間は10年以上
司法省によると、価格操作が行われた期間は10年以上で、価格操作された部品はエンジン始動用のモーターや空調用のコンプレッサーなど30品目を超える。販売総額は50億ドル超、米国で販売された2500万台以上の自動車に影響を及ぼしているという。
米国では、2011年に2億ドルの罰金を科された古河電工、2012年に4億7000万ドルを科された矢崎総業など、自動車部品メーカーが相次いでカルテルの摘発を受けている。今月に入ってからも、ジーエスエレテック、フジクラ、パナソニックの各社幹部がカルテルに関与したとして起訴されていた。
■リーニエンシー制度で芋づる式に摘発
ではなぜ、日本メーカーがこれほど続けて摘発されているのか。背景には世界各国で導入されている「リーニエンシー」制度がある。これはカルテルへの関与を自主申告すると、刑罰が減免されるというものだ。厳罰を避けたい自動車部品メーカーがこの制度が利用し、芋づる式にカルテル関与者が明らかになっていると見られる。
価格カルテルに関する捜査は、欧州、シンガポールや韓国などアジア各国の競争当局でも並行して行われており、今後それらの国々でも摘発されることが十分ありうる。国際カルテルに詳しい矢吹公敏弁護士によれば「(価格操作による販売総額が同じ規模だった場合)欧州の制裁金は米国より高い」という。米国で罰金を支払って幕引き、とはならない可能性が高い。
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