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2013年09月27日 日刊ゲンダイ
「スマホ時代の覇者になる」。遠大な目標を掲げて宮坂学(45)が社長になったのは2012年6月だ。スピードを重視する経営の姿勢を「爆速」の2文字に込めた。爆発的なスピードで会社を変えていく、という意味だ。「ついてきているのは先頭集団の社員だけ。時間をかけて全社に浸透させる必要がある」と冷静だ。
スマートフォン(高機能携帯電話)の普及で主役はパソコンからスマホに取って代わった。日本のインターネット業界の草分けで、15期連続で増収増益を成し遂げた井上雅博前社長は退くことになった。
ネット環境の変化を察知した親会社、ソフトバンクの孫正義社長が経営陣を刷新し、かつての勢いを取り戻すために白羽の矢を立てたのが宮坂である。
宮坂の通り名は「一番攻める側にいる人間」。鼻っ柱が強く、物おじしない。
ソフトバンクの孫社長から厳しい注文を突きつけられても「孫さん、それは違います」と平然と言い返す姿に社員は「この人、やるなぁ」と感心した。若手社員の宮坂への共感がヤフーを蘇生させた。
宮坂が最初にやったことは1年前にヤフーを退社した村上臣(36)を呼び戻すことだった。スマホ戦略の命運を握る男と考えたからだ。
村上は根っからのモバイル野郎だ。青山学院大学在学中は授業にはほとんど出ず、コンピュータールームに入り浸り、ハッカー級の力をつけた。ヤフーに転職後は、一貫してモバイルの開発に携わったが、ヤフーでモバイルは亜流。ベンチャー企業を立ち上げると決めていた村上を懐刀(執行役員でチーフ・モバイル・オフィサー)にして、第2の創業へと突き進む。役員も入れ替えた。スマホが好きなことが前提条件。変化を求めるタイプばかり選んだ。役員の平均年齢は10歳以上若返った。経営トップになって1年3カ月。「スマホファースト」をスローガンにしてきた。孫は宮坂の会社変革力を買い、今年6月、ソフトバンクの社外取締役に起用した。
「201X年(遅くても19年ということ)3月期末までに営業利益を現在の2倍にする」と“倍返し”宣言をする。
「以前のヤフーは社員5000人が乗る大きな船だったが、今は100〜150隻の高速艇だ。同じ方向にカジを取るのが私の務め」と自覚している。同志社大学経済学部卒。出版社勤務を経てヤフーに入社。マラソン、トレイルラン(山野のランニング)が好き。東京マラソン、ホノルルマラソンを完走した。(敬称略=ジャーナリスト・有森隆)
▽ありもり・たかし 全国紙の経済記者としての豊富な人脈を生かし、「経済は事件だ」をテーマに精力的に活動。最新作は「異端社長の流儀」(だいわ文庫)、10月11日発売
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