http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130927-00000015-pseven-bus_all
SAPIO　2013年10月号

「異次元の金融緩和」「機動的な財政出動」「民間投資を喚起する成長戦略」というアベノミクスの「3本の矢」はことごとく失敗する可能性が高い、と大前研一氏は指摘する。ここでは「機動的な財政出動」について大前氏が解説する。

　＊　＊　＊

　第2の矢の「機動的な財政出動」は、これ以上は無理だ。もう日本に振れる袖はない。
　
　安倍内閣は「2015年度に赤字国債半減、2020年度までにプライマリーバランス黒字化」という歴代内閣の目標を踏襲すると表明している。すなわち「財政規律の維持」である。しかしそれを守るなら、財政出動する枠はなくなる。安倍首相は限られた予算の中で優先順位をつけて変えていくと言っているが、政治家にそんなことができたら、とっくに無駄遣いはなくなっているはずだ。予算は「票が取れるところ」につけ続けるに決まっている。

　財政規律を維持して国債暴落を回避するためには、消費税を予定通り2014年4月に8％、2015年10月に10％へと引き上げるしかない。それどころか近い将来、20％以上にアップする必要もあるだろう。内閣府の試算では税率を10％にしたとしても、2020年までにプライマリーバランス黒字化を達成することはできないとされている。

　ところが、安倍ブレーンの学者たちは「景気の腰折れを避ける」ため、毎年1％ずつ尺取虫のように引き上げるとか、景気が完全に回復するまで待ってから引き上げるなどと言い始めている。そんな姑息なことをやったら、その途端に世界の投資家が「日本は財政再建する気がない」と判断し、国債は投げ売りされるだろう。

　安倍政権は特例で現在1割となっている70〜74歳の医療費窓口負担を2割に戻すことを検討しているが、そんな小手先の微調整では、財政破綻は回避できない。

　補正予算などで捻出した10兆円以上の財政出動の効果も、今年の年末で切れる。その後は一気に反動がやってくるだろう。

コメント
01. 2013年9月27日 17:13:16 : nJF6kGWndY >2020年度までにプライマリーバランス黒字化」という歴代内閣の目標を踏襲すると表明している。すなわち「財政規律の維持」である。しかしそれを守るなら、財政出動する枠はなくなる どうせ守らないだろ
02. 2013年9月27日 17:26:13 : nJF6kGWndY >消費税　、20％以上にアップする必要 >毎年1％ずつ尺取虫のように引き上げるとか、景気が完全に回復するまで待ってから引き上げるなどと言い始めている >その途端に世界の投資家が「日本は財政再建する気がない」と判断し、国債は投げ売りされる >10兆円以上の財政出動の効果も、今年の年末で切れる。その後は一気に反動がやってくる ここは言ってることが矛盾しているな 財政出動の効果が切れるとインフレ加速（民間資金需要増加＝国債売り）が起こるとでも思ってるのか？ 相変わらずマクロ経済に関しては、言うことがおかしい
03. 2013年9月27日 18:00:28 : bd4GAtKhY6 02様 インフレ加速ということではなく、財政再建の本気度が懸念され国の信用が低下し、金利上昇リスクがあるっていうことじゃないかな。
04. 2013年9月27日 18:19:53 : nJF6kGWndY 　 >>03　財政再建の本気度が懸念され国の信用が低下し、金利上昇 財政出動の効果が切れる（＝景気減速）、その反動？で、 財政再建の本気度が懸念される（＝国債売り、金利上昇） というシナリオは、あまり現実的ではないだろうね
05. 2013年9月27日 18:25:33 : nJF6kGWndY 債券市場から見れば、 政府はQEと財政出動を、断固としてやると言ってたのに、 財政出動の効果が切れて景気減速しているのに、急に無策になって 財政出動せず、赤字国債の発行を減らし始めたら、 当然、長期的な収益源確保のために、国債を買いに動く（国債上昇、金利低下）だろう それが、今、まさに米国で起こっていることだし、PIMCOの日本における戦略でもある
06. 忍穂耳の垢 2013年9月27日 18:40:31 : 5n2KmwfCW10dU : 3elN7FUMDg 今、「財政規律の維持」が問題になったのは、バブル時代以来の仕組みを維持するために、膨大な借金が繰返されたからだ。そのツケをなぜ国民が負わなければならないのか。 つとに有名な話だが、日本には、民の窮乏をみて課税を止めた歴史がある。 記紀ともに収録されるが、日本書紀によると、 第十六代仁徳天皇は、高台に登り、はるかに望み見て、烟気（けぶり：煙）が立たないのを見て、百姓（おほみたから）の窮乏を知り、三年の間その課役（税）をやめよと命じたという。 やがて、宮垣が壊れ、御殿は破れて御衣に雨漏りが滴るような惨状になり果てたにもかかわらず、烟気（けぶり：煙）が立つようになったと喜ばれたとある。 そのとき、こう語られた言葉が、 「今 百姓貧しきは、朕（天皇）が貧しきなり。百姓 富めるは、朕が富めるなり。」。 仁徳天皇の御代のように、宮垣が壊れ、御殿が破れるとは、今に即して言うなら、この肥大した行政組織、サービスを、如何にダイエットさせるかということだ。 これなくして「財政規律」なぞ正常化するはずが無いということ。 そして、ひたすら、民のカマドに烟気（けぶり：煙）が立つのを待つのが、為政者のとる道なのだと教えているのだ。
07. 2013年9月27日 18:41:11 : bd4GAtKhY6 04様 不況で消費税増税による景気の腰折れ懸念があるにも関わらず、増税を実施せざるを得ないのは、実施しないと財政再建の本気度が疑われ国の信用が低下し、金利上昇リスクがあるからじゃないの。同じことでしょ。
08. 忍穂耳の垢 2013年9月27日 18:43:58 : 5n2KmwfCW10dU : 3elN7FUMDg 失礼、訂正する。 >そのとき、こう語られた言葉が、 　　↓　　　↓ そのとき、語られた言葉が、
09. 2013年9月27日 19:06:10 : nJF6kGWndY >>07　 違うよ 計画通り増税しないと、財政への信認が失われて、国債が売られる（金利上昇） は成立するが 計画通り財政出動しないと、財政への信認が失われて、国債が売られる（金利上昇） は成立しないね
10. 2013年9月27日 19:33:50 : EiFtWbWUHw 09様 そうですね。私が論点ずれてました。すみません。

11. 2013年9月28日 13:51:26 : i62SpPkzR2 この大前研一なるおっさん、一見安倍政権を批判するように書いているが、早い話、 消費税増税を予定どうりやれ、と書いているだけ。それ以外に全く内容はない。 まあいつものことだ。
12. 2013年9月28日 17:26:18 : gA92dCAfVo 増税と聞いただけでカネ・カネとハエやゴキブリのように群れてくる賊議員、増税・法人税減税と 言いたいことだけ言って、一向に給料など上げる気がない名前だけの経済団体のジジイどものおかげで 既に増税の意義も財政再建という名目さえも有名無実のものになってしまった今では、第２・第３・・・の 矢の話自体が既に戯れ言。 既に時の人でも注目されている人物でもないのに、それさえわからない大前得意のビッグマウス。
13. 2013年9月28日 19:59:43 : vCQJ5c5taY ＞2＞相変わらずマクロ経済に関しては、言うことがおかしい 大前だよ大前。経済学なんて、全然知らない奴だよ。くだらなすぎる！大前！

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