http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/665.html
Tweet |
安倍首相によるNY証取での講演
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52513387.html
2013年09月26日 在野のアナリスト
今日の日本株市場は、大活況を呈しました。配当権利落ち分の80円を、即日埋める展開であり、強気のサインともされます。ただし上昇の原因が定かではありません。日経が経済対策に法人税減税を明記、との記事をアップしたことともされますが、新規の材料でもありませんし、まだまだ紆余曲折もある話です。NY証券取引所での、安倍首相の講演が好感されたにしては、時間差があります。朝方の大きな下落は配当権利落ち、日経平均採用銘柄の下落、等もありますが、切り返したのは10時です。昨晩未明の講演が、そんな時間帯でじわじわ好感されるはずもありません。
先物の動きをみると、昨日大きく売り越した日系の日経225先物への買戻し、が観測されます。TOPIXは海外勢がタマを打ち合った。一部、日本年金機構(GPIF)の運用見直しへの思惑とも語られますが、今日すでにGPIFの買い観測が語られるなど、何だか眉唾です。恐らく安倍氏がNY証取で、大々的に「Buy my Abenomics」と発言したその日に、大幅下落では恰好がつかない。日経、GPIF、それに一部の民間資金などで、今日は大幅な上昇を演出したかったのではないか? そうみています。
実際、現物株式の売買高はこれだけのジェットコースター相場にも関わらず、やっと2兆円です。本格的な買い観測はありません。一部、配当の再投資分、という話もありますが、大体、昨日の引け後か、今日の立会い前に処理してしまうことが多かった。それをずらしたり、昨日計画的に売っておいて、それを買い戻したり、といった形で今日は上昇させる。安倍氏の講演という日程にむけた、官民あげての演出。財務省離れ、経産省寄り、とされる首相への援護射撃を入れたのが、一体どの主体かは今後分かってきますが、今日のテクニカルな動きに正当性はないのでしょう。
安倍氏のNY証取での講演で、「規制改革こそが突破口」と発言しました。しかし、小泉路線で行われた規制改革は、軒並み失敗しました。競争型になった途端、過当競争に陥り、しわ寄せが労働者にかかり、経済成長には寄与しなかった。安倍氏が語らない、かつての小泉路線にあった言葉は「公から民へ」です。経産省と結びついた安倍政権では、規制改革により、実は公的な関与を強めたいのが本音です。新規産業、既成の市場への参入、という話はすべて経産省の利権と結びついた話です。
それにしても安倍政権では、海外の発言によって事実上公約化し、国内の反対分子を抑えこむ動きが多い。それでいて、米国にいるにも関わらず日米首脳会談は開催されません。国内の支持が高いので、米国も大胆には動いてきませんが、中韓との関係が悪化を続ける限り、米国も安倍政権に協力するつもりは皆無なのでしょう。唯一、会談できたのが米国がシリア攻撃する、支援要請ということであり、日本からの要請には見向きもされていない。それが現実の、安倍外交です。
これまでも海外勢は、安倍ノミクスの提唱から、大きな買いを入れてきました。これ以上の資金を日本においておくには、成長戦略がカギになる。それでいて、第3の矢は未だに飛んでいないとみられています。安倍氏のNY証取での発言が「Bye-bye Abenomics」と聞こえたのは、私だけでしょうか? 海外でも、思ったほど日本の異次元緩和が、世界に対して貢献していないと、一時好調を示した経済指標も、最近では低調なものが目立つようになりました。安倍ノミクスなんて効果ない、世界がそう判断するようなら、海外勢がBye-byeと去って行く日も近くなってくるのでしょうね。
関連記事
安倍首相 ウォール街で「バイ・マイ・アベノミクス」の笑止 (日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/13/senkyo154/msg/310.html
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。