03. 2013年9月25日 20:55:01
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2013年9月25日 消費者心理は悪化〜悪化は限定的で10月以降の改善を予想〜コンファレンスボード消費者信頼感指数 9月 79.7 市場予想 79.9 前月 81.8(改定) ミシガン大学消費者信頼感指数 9月 76.8 市場予想 82.0 前月 82.1 ■共に悪化するも悪化幅に差のある2つの指標 9月の消費者心理を表す2つの指標が出揃った(ミシガン大学消費者信頼感指数は速報値)。 13日に先に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を下回って前月から5ポイント以上の大幅な悪化となり、約5ヶ月ぶりの低水準となった。一方、昨日(24日)発表されたコンファレンスボード消費者信頼感指数は、ミシガン指数同様大幅な悪化が懸念されたものの、約2ポイントの小幅悪化に留まった(グラフ参照)。
2つの指標の悪化幅に差があるため判断は難しいが、調査対象人数が5,000人とミシガン大学の調査(速報値は300人、確報値は500人)より多いコンファレンスボードの調査からすると、消費者心理は大幅ではないものの悪化していると言えそうだ。9月17日付レポートで記したとおり、米国では8月から9月にかけて(1)シリア情勢の悪化と原油高、(2)長期金利・住宅金利の高止まり、(3)株価の下落、といったネガティブな要因が重なっており、それらが消費者心理の悪化につながったと考えられる。
いずれの問題も現在は8月から9月初旬に比べると改善しており、コンファレンスボード調査の今後6ヶ月間の業況見通しでも改善を予想する割合が増加、悪化を予想する割合は減少している(グラフ参照)ことから、消費者心理の悪化は限定的で、10月以降改善に向かうと考えられる。 ■用語解説 コンファレンスボード消費者信頼感指数 コンファレンスボード(全米産業審議委員会)が発表する消費者マインドについてのアンケート調査結果。1985年を100として消費者マインドを指数化したものである。調査対象が5,000人とミシガン大学の調査より対象人数が多いため、より確度の高い調査と言われる。個人消費動向を予測する上で大きな注目を集める経済指標。
ミシガン大学消費者信頼感指数 米国のミシガン大学が発表する消費者マインドについてのアンケート調査結果。1966年を100として、消費者マインドを指数化したものである。消費者マインドの推測する代表的な指標で、景気動向を判断する指数として注目される。対象人数を300人とした速報値と500人とした確報値が発表される。 http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G903/sihyo/index.htm
広木 隆「ストラテジーレポート」
チーフ・ストラテジスト 広木 隆が、個別銘柄まで踏込んだ実践的な株式投資戦略をご提供します。(@TakashiHiroki ) [ プロフィール ] 2013年9月25日 3カ月は長いか - そして、どっちに転んでも上がる クラブM 先日、いきつけの銀座の店に顔を出した。 「広木さん、お久しぶり。今月、初めてじゃない?(ボトルキープのタグを見て)、あら、今月お誕生月ね!フルーツの盛り合わせ、お店からサービスしますね」 「俺さ、前から思ってたんだけど、フルーツの盛り合わせって女の子が喜ぶだけで、酒のつまみにならないんだよね」 「またそんな憎まれ口きいて。じゃあ、お鮨でも取りましょうか?」 「頼むよ。あと、おでんも食いたいな」 「健ちゃん、お鮨2人前、出前お願い。それから『楓』さんからおでん、もらってきてくれる?ところで広木さん、お幾つになられたの?」 「50だよ」 「えー、全然見えない」 「そういうママこそ、○歳にはとても見えないよ」 「あら、お上手ね。お世辞でも嬉しいわ」 「マジで言ってんだけど。でも、ママ、男も女も30を過ぎると、とたんに老けはじめるけど、なんか、女性のほうが歳をとるのがはやいような気がするんだけど…」 「それは当たり前よ。だって女の35歳は40歳ですもの」 女性の年齢というのは、ゆるーい「ガイダンス」のようなものと思ったほうがいい。あくまで「参考値」としてとらえるべきだ。しかも、その「レンジ」の幅はとても広い。ストラテジストが出す株価予想のレンジ並である。 FRBのガイダンス 先週開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では量的緩和の縮小開始が見送られた。市場関係者の予想は「今月から縮小開始」一色だったから、市場には大きなサプライズとなった。某著名エコノミストは朝のテレビ番組で、「これから会社に行くのが辛いです」と言っていた。また、別のFEDウォッチャーは、「各方面に懺悔して回ります」と言っていた。彼らの心中、察してあまりある。 ところが、こういう状況になると決まって「全然サプライズなんかじゃない。私は初めからこのタイミングで緩和縮小などできないと思っていた」と言い出す輩が出てくる。そういう連中が必ず持ち出してくるのが、「FRBの言葉を鵜呑みにするなら9月の縮小はない」としていたグレン・ハバード米コロンビア大学教授の言葉である。背景にあるのは、6月のFOMC後のバーナンキ議長の記者会見での発言だろう。量的緩和縮小に踏み切る「条件」として議長は以下のように述べたのだ。
<FOMCが最も可能性が高いと見ている経済的なシナリオは、財政政策やその他の向かい風に起因する短期的な阻害要因が後退し、向こう数四半期にわたり緩やかな成長が加速、こうした動きに支援され労働市場が継続的に改善するというものだ。 また、インフレ率は時間の経過と共に、われわれの目標である2%に向け回帰していくと見ている。 今後発表される経済指標がこの見通しとおおむね一致すれば、毎月の資産買い入れ規模を年内に縮小させることが適切であると、FOMCは現時点で予想している。 さらにその後の経済指標が引き続きわれわれの現在の経済見通しとほぼ一致すれば、来年上半期を通して慎重なペースで買い入れを縮小していき、年央あたりに終了させる。 このシナリオでは、資産買い入れを最終的に終了する時点で失業率は7%近辺となる可能性が高く、堅調な経済成長が一段の雇用創出を支える状況にあるだろう> 「このタイミングで緩和縮小などできないと思っていた」と(後出しじゃんけん的に)言う者の主張は、<FRBはちゃんと量的緩和縮小開始の条件となる「ガイダンス」を提示している、そして経済指標がその条件に達していないのだから、量的緩和縮小が開始されないのは至極当然である>というものだ。つまり、「失業率7%が見えたら」縮小開始、それが見通せない限り縮小はせず、と言っているじゃないか、という指摘である。 ところが、その「ガイダンス」もいい加減なものである。前回のレポートでも引用したが、今回のFOMC後の会見で議長はこう言っている。 <年内に(縮小を)開始する可能性はあるが、そうだとしてもその後のステップは経済の動向に左右される。つまり経済指標次第だ。あらかじめ時期を決めているわけではない。6月に説明した基本概要は変わっていない。 資産買い入れプログラムを終了する基準は労働市場の見通しの大幅な改善だ。前回、ある程度感覚をつかんでもらうために目安になる数字として7%の失業率を挙げた。目指している特別な数字はない。目指しているのは労働市場の全般的な改善だ。> 前回挙げた失業率7%という数字は、「ある程度感覚をつかんでもらうため」であって、「目指している特別な数字はない」というのだ。これでは「ガイダンス」もへったくれもないではないか。 そもそも「ガイダンス」の意味を辞書にあたれば、<不慣れで事情のわからない者に対して、初歩的な説明をすること>とある。過度にFRBのガイダンスに頼るのは、あるいはグレン・ハバード教授流に「FRBの言葉を鵜呑みにする」のは、市場関係者自ら、自分は<不慣れで事情のわからない者>である、というのに等しい。逆に言えば、仮にも「プロ」を自負するなら、「FRBの言葉を鵜呑みに」してはいけないということだ。 どっちに転んでも まさに米国の金融政策の行方は混沌としてきた。しかし、はっきりしていることがある。 [ 折りたたむ ] ひとつは、繰り返しになるが、早期のテーパリング開始はなくなったというものだ。9月のFOMCは何もなかった。しかし、何もアクションをとらなかったことは<中立>ではない。現状程度の経済の状況ではテーパリングを開始できない、ということを市場に示したのである。で、あるならば、米国景気の状況が、明らかに現状から改善していることが認められるまで、テーパリングは行えないということだ。僕は、今回の見送りでFRBはかなり政策発動の柔軟性を失ったと思う。
FRBの量的緩和策の今後について整理すると、シナリオは以下の4通り以外にはあり得ない。 1.量的緩和が拡大する(QE4) 2.現在の量的緩和(QE3)が当面継続される 3.量的緩和縮小(テーパリング)が開始される。その場合、縮小幅は100〜150億ドル程度の小幅なものにとどまる 4.量的緩和が大幅に縮小される 現状から判断して、シナリオ4というのは一足飛びであって可能性はかなり低い。無視しえるシナリオだろう。シナリオ1も、可能性としてないことは否定できないが、現状、その可能性は相当に低い。結局、シナリオの2か3ということになる。つまり、小幅なテーパリングが開始される時期の問題だろう。 量的緩和継続なら株式市場にとってポジティブである(実際、相場はそのような反応を示している。テーパリング見送りを受けて最高値を更新し、10月にテーパリングの可能性に言及したブラード発言で急落)。 では、シナリオ3ならどうか。これは既に一回、市場が織り込んだシナリオである。 米国株はFOMCの結果が出る直前、史上最高値圏まで戻っていた。緩和縮小が打ち出されても小規模なものにとどまるなら相場への影響は軽微との見方からである。ではなぜ、10月にも縮小の可能性ありというブラード総裁発言に過剰反応して急落したのだろうか。要するに、一旦織り込んだシナリオが白紙に戻り、先行きが不透明になったことを嫌ったのだろう。相場にとってのリスクとは不確実性なのだと改めて思い知らされる。 そうであるなら、テーパリングが開始される状況が明らかとなれば、それはそれで「不透明要因=リスク」の払拭ということで、相場の上昇要因であろう。まして、9月FOMCでのテーパリング見送りという<儀式>を経た以上、テーパリング開始時には、「誰の目から見ても明らかな」米国景気の改善が示されているはずである。(くどいが、そういう状況にならなければ量的緩和を縮小できないように追い込んだのはFRB自身である。)ということは、前回も述べたように、テーパリング開始=米国景気盤石というシグナルであり、ますます株価の上昇要因である。 こう整理すれば、量的緩和が続いても(シナリオ2)、また量的緩和が縮小されても(シナリオ3)、どっちに転んでも株は上がるということである。 FOMC後の会見で、バーナンキ議長の発言がぶれているような批判を書いたが、もう間もなく議長の座を降りるバーナンキ氏の名誉のために、彼の主張が一貫している点も再確認しておこう。それはQE3の行方はあくまでも経済指標次第であらかじめ決められたスケジュールはない、と繰り返し述べている点である。でも、それも当たり前といえば当たり前なのだ。QE3は開始当初からその特徴は「オープンエンド型」にあった。QE1、QE2には購入総額に上限を設けたのに対し、QE3はインフレが抑制される限り、失業率が改善するまで無期限に購入する「オープンエンド型」であるのだ。だから、あらかじめ決められたスケジュールがない、というのはQE3そもそもの特徴を言っているのに過ぎないわけである。 一貫しているといえば、妻は娘から年齢を聞かれると、ずっと32歳だと言ってきた。 年少の時:「ママ、何歳?」「32歳よ」「わー、マミちゃんのママと同じだ!」 年中の時:「ママ、何歳?」「32歳よ」「へー、パパとずいぶん歳が離れてるのね」 年長の時:「ママ、何歳?」「32歳よ」「あれっ、去年も32だったよね?」 娘が幼稚園の時はなんとか誤魔化してきたけど、小学校1年生ともなると、さすがに騙しきれない。 「ママって、何歳だっけ?」「32歳よ」「ふーん。全然、歳をとらないママって、魔女みたいね」 さすがは僕の娘だ。半分、当たっている。
田嶋智太郎の外国為替攻略法 2013年09月25日 ドル/円の「第5波」が終点を迎える時期は?
先週17-18日に行われたFOMCで、FRBが量的緩和政策(QE)による債券買い取りの規模縮小開始を先送りすることを決めてから一週間...。市場には先行き不透明感が漂い、方向感の掴みにくい不安定な展開が続いています。よって、ここであらためてドル/円相場の大きな流れをおさらいし、今後の展開を予想してみることとしましょう。 まず、本欄の13年6月19日更新分などでも指摘してきたように、ドル/円は12年2月安値を始点とする5波構成の強気相場を形成しており、そのなかで13年5月高値は「第3波」の終点=「第4波」の始点になったものと見られます(下図参照)。そして、本欄の13年8月28日更新分でも指摘した通り、この「第4波」の修正波は「トライアングル」のパターンを形成しながら(図中の赤点線)徐々に煮詰まった後、そのトライアングルの上辺にあたる強い上値抵抗線を明確に上抜けたことで、ついに「第4波」の局面を脱した(13年9月4日更新分参照)との感触が得られることとなりました。 20130925_Tajima_graph.jpg すでに、ドル/円が「第5波」の上昇局面に入っているとした場合、果たして、この上昇局面はいつ頃まで続くものと考えれば良いのでしょうか。一つ参考にしておきたいと思われるのは、過去に本欄でも幾度か指摘してきたドル/円の「45-50週安値サイクル」です。上図でも確認できるように、過去のドル/円の価格推移には45-50週ごとに主要な安値を付けるパターンが認められています。例えば、09年11月安値から10年11月安値までが50週、11年10月安値から12年9月安値までが46週といった具合で、近過去において12年9月安値を始点とするサイクルが終点を迎えたのは、どうやら13年6月安値(=93.79円)であったと見ることができそうです。 そうであるとすると、13年6月安値を始点とする次の「45-50週サイクル」の終点は、14年4月中旬から5月下旬あたりにかけて訪れるということになり、その間に13年6月安値から一旦は上昇して、どこかでサイクル高値を付けて反落するということになるものと見られます。ちなみに、このサイクル高値というのは、必ずしも始点から23-25週後(安値と安値の真ん中)あたりに付けられるわけではありません。大きな流れが弱気であるときには、どちらかというとチャート上で左側にずれ(=レフト・トランスレーション)、大きな流れが強気であるときには、逆にチャート上で右側にずれる(=ライト・トランスレーション)傾向があるのです。 その実、12年9月安値を始点とする安値サイクルのサイクル高値は13年5月下旬となりました。その終点は13年6月半ばですから、かなりチャート上で右側にずれたことになります。よって、今年6月安値を始点とする安値サイクルのサイクル高値は、始点から大よそ30週ほど経過した後あたりに付けられるのではないかと想定され、計算してみるとそれは来年の1月、あるいはもっと右側にずれて3月あたりと考えられます。 なお、すでに足下で「第5波」がスタートしているとして、この「第5波」が終わったら大きな流れとしてのドル/円の上昇は終わってしまうのかというと、決してそうではありません。現在進行中の5波動というのは、より長期の次元における5波構成の強気相場のなかで考えれば、その「第1波」過ぎないと考えれば良いものと思われます。 コラム執筆:田嶋 智太郎 経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役 前の記事:日経平均株価が5月高値を上抜けたらドル/円は? −2013年09月18日 http://lounge.monex.co.jp/pro/gaikokukawase/2013/09/25.html |