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韓国の対日輸出を支えたギャラクシーは、追い風を失った
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130924/frn1309241811006-n1.htm
2013.09.24
日本の貿易赤字がやたらと騒がれているが、その日本との貿易で赤字を垂れ流し続けているのが韓国だ。赤字額は2000年以降の累計でついに30兆円を突破。主力の工業製品も基幹部品や高機能素材は日本頼みの一方、日本に買ってもらえるものは少ないという構造を抱える。日本市場攻略の切り札だったサムスン電子のスマートフォンも「iPhone(アイフォーン)」人気に埋没しつつあるというのが実態だ。
財務省が19日に発表した日本の8月の貿易統計は9603億円の貿易赤字となった。ただ、赤字の要因は大半が中東からのエネルギー輸入で、対米国では4953億円の黒字、そして韓国も1807億円の黒字を稼ぐ“お得意さま”だ。
韓国では戦後一貫して対日貿易赤字が続いてきた。2000年以降の日本の貿易統計を見ても、韓国は毎年約1兆〜3兆円規模の対日赤字を計上しており、00〜12年の累積赤字額は約28兆6000億円。今年に入ってもアベノミクスによる円安効果もあり、1〜8月の赤字額は約1兆4000億円となった。00年以降、韓国の対日赤字額は累計で30兆円を突破したことになる。
なぜ日本との貿易で韓国は慢性的な赤字なのか。端的にいうと、韓国の主力産業である輸出関連の製造業に、日本のハイテク技術が不可欠だからだ。
「韓国が日本から輸入しているのは鉄鋼板や半導体、プラスチック製品、半導体製造装置などの基幹部品や高機能素材、精密関連の生産設備が上位を占める。こうした品目については韓国は日本から買うしかない」と大手金融機関のエコノミストは指摘する。日本の先進技術をあらゆる手段で取り込もうとしてきた韓国だが、まだまだ技術力の差がある分野も多いという。
今年8月まで19カ月連続の貿易黒字を計上している韓国だが、その実態は日本から部品や素材を輸入して加工し、完成品を輸出するというビジネスモデルが中心であり、日本への依存度は高い。
「貿易黒字の多くを中国向け輸出で稼ぎ出しており、中国経済が減速すれば巻き添えを食ってしまう」(準大手証券アナリスト)というもろさも抱えている。
その半面、韓国から日本への輸出は減少傾向だ。韓国銀行(中央銀行)のデータによると、8月の韓国の輸出額はトータルで前年同月比7・7%増を記録したが、日本向けは13・3%減だった。対日輸出は今年2月から7カ月連続で2ケタ減と大きく落ち込んでいる。「アベノミクスの金融緩和期待で円安が進み、韓国製品の競争力が低下した影響も大きい」(前出のアナリスト)という。
対日貿易赤字の縮小は韓国の長年の悲願だ。1978年には「輸入多角化」を名目に日本からの輸入だけを制限、事実上の対日輸入措置を実施したこともある。最近では、韓国に工業団地を建設して日本企業を誘致することで赤字を減らす計画に力を入れてきた。
日本への輸出拡大については苦戦続きだ。日本を除く海外市場では自動車や電気機器が韓国の稼ぎ頭だが、日本市場では「“安かろう悪かろう”のイメージが根強く残るうえ、日本企業とまともに競合するため食い込めなかった」(前出のエコノミスト)。
難攻不落だった日本の家電市場に食い込んだ数少ない例外がサムスンだ。スマートフォンの「ギャラクシー」は投入当初、国内メーカーのスマホを上回る性能でシェアを獲得。韓国から日本への輸出でも品目別で無線通信機器が石油製品に続く2位に浮上、対日貿易赤字額を昨年まで2年連続で減らす原動力となった。
ところがこの追い風もやみつつある。その要因は“ドコモ・ショック”だ。これまでギャラクシーを主力機種の一つとしていたNTTドコモが新たに米アップルのiPhone発売を始めた。「ドコモの夏商戦の時点で販売台数がソニーに引き離されるなど陰りが見えていた」(電機担当アナリスト)こともあり、今後、シェアを減らす恐れが出てきた。
これ以上、日本が買うものが増えなければ、韓国の貿易赤字は減りそうもない。
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