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http://bylines.news.yahoo.co.jp/ogasawaraseiji/20130924-00028363/
2013年9月24日 15時8分 小笠原 誠治 | 経済コラムニスト
法人税率の引き下げに安倍総理が大変熱心です。
まあ、それだけのことであれば、それほどムキになって反発する必要はないのかもしれません。
何故かと言えば、消費税率を引き下げることによって、海外から有力な企業を誘致することができるかもしれず‥そして、日本を脱出しようとしてる企業に翻意を促すことができるかもしれないからです。
しかし‥それにしても‥何故、復興特別法人税を予定よりも1年早く終了させるのか?
そうでしょう?
そんなことをする位だったら、復興特別法人税は予定どおり続けて、本体の方の消費税率を引き下げた方がまだ、東北の人にとっては理解できる、否、国民として理解しやすいと思うのです。
何故、復興特別法人税を予定より早めに終了させるのでしょうか?
これが、復興事業が思ったよりも早く終わりそうだとか、或いは事業費が少なくて済みそうだとか、というのであれば、これもまた分かるのです。しかし、安倍総理は、復興のための事業費が削減されることはないと断言しているのです。
だとすれば、その事業費をどこから捻出するというのか?
本当に無責任だと思います。
どこから事業費を出すかは、事務当局が考えることだ‥みたいな。
少々景気がよくなっているから税収が伸びると考えているのでしょうか?
確かに、アベノミクスの効果で税収が増えることは期待できる訳ですが‥しかし、幾ら予想よりも税収が増えるとは言っても、そもそも日本は、とんでもないほどの税収不足に陥っているのです。従って、税収が予想より仮に1兆円ほど増えたとしても、財政再建に果たす効果としては、まさに雀の涙。というよりも、財政状況は益々悪化を続ける、と。
にも拘らず、税収の増加分を、安倍総理は企業に還元すべきだと言うのです。
そもそも東北大震災からの復興は、国を挙げて、そして官民が一体となって取り組まなければいけないと決意したからこそ、企業にも応分の協力を求めたのではないのでしょうか?
それなのに、まだ復興も道半ばというのに、何故途中で方針を転換するようなことをするのでしょうか?
これが、例えば5年前のリーマンショックのようなことが再び起こり、今また企業が苦しい状況に突き落とされたから‥とでもいうような事情の変更があれば、少しは理解できない訳でもない。
しかし、企業にとって不利になるような事情の変化は何も起こってはいません。むしろ、アベノミクスのお陰で恩恵を被っているとさえ言える日本の企業。
全ての企業が恩恵を被っているとまでは言いませんが‥しかし、円安で潤っている企業が多いのでしょ? 株価が上がって、含み益が増加しているのですよね? その上、法人税の減税までプレゼントするのですか?
状況に変化が表れるとすれば、来年の4月から消費税を上げるということだけではないですか?
消費税を引き上げると、企業が苦しくなるのでしょうか?
そんな風には企業は考えないのでしょ? だから、経済界は消費税の増税には肯定的なのです。
本日明らかにされた、日経による企業の社長さんたちに対するアンケート調査でも、消費税引き上げによって景気が悪くなると考える人々は少ないではないですか。それに、消費税を予定どおり引き上げるべきだという意見が多いではないですか?
だったら、何故消費税の引き上げと引き換えに復興特別法人税を廃止するのかと言いたい!
理屈も何もあったものではない!
以上
小笠原 誠治
経済コラムニスト
小笠原誠治(おがさわら・せいじ)経済コラムニスト。1953年6月生まれ。著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」「経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(いずれも秀和システム)など。「リカードの経済学講座」を開催中。難しい経済の話を分かりすく解説するのが使命だと思っています。
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