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相模ゴム工業本社工場で、製造されるコンドーム(同社提供)
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130921/ecn1309210942001-n1.htm
2013.09.21
【ビジネスの裏側】
2020年東京五輪を受け、国内のコンドームメーカーが脚光を浴びている。五輪の選手村で大量に配布されるコンドームは開催国メーカーの製品が選ばれるケースが多く、相模ゴム工業(神奈川県厚木市)など大手メーカーが最先端の“日の丸”技術を駆使したコンドームの開発に精を出している。果たして、その恩恵はどれほどなのか−。
■「絶好」のPRチャンス!
「日本製コンドームの性能の高さをアピールできる」
日米など約70カ国でコンドームを販売する相模ゴムの担当者は、東京五輪への意欲を見せる。
同社は現在、世界最薄の「0・022ミリ」の製品を販売しているが、今月17日には「0・01ミリ」という超極薄の新製品を発売すると発表した。世界で初めて0・02ミリの壁を突破したコンドームとして注目されている。
担当者は「薄いだけではなく、強度もバツグン。東京五輪の選手村で日の丸技術の素晴らしさを伝えられる」と自信を見せる。
ライバルの国内最大手コンドームメーカー、オカモト(東京)の男性社員も「質の高い製品を五輪で配布したい」と口をそろえる。
相模ゴムやオカモトが、五輪選手村での配布に熱を上げる理由は何なのか?
実は、五輪選手村でのコンドーム配布は“無償”のため、メーカーの直接利益には結びつかず、出費が膨らんでしまう。メーカー側が無償配布の見返りに期待するのは、「グローバルな宣伝効果」という。
相模ゴムは、1994年のリレハンメル(ノルウェー)五輪で、現地企業でないにもかかわらず初めて選手村でコンドームを配布。98年の長野五輪では、約2万個を配布し、“実績”を築いてきた。
現在、日本では避妊用具の8割がコンドームだが、米国では3割にとどまり、避妊薬「ピル」に押されている。
前述の担当者は「多様な人種が一堂に集まる五輪で“自信作”を配布すれば、世界各国から問い合わせが殺到する。その宣伝効果で、ピルよりもコンドームを愛用する外国人が増えるきっかけになるかもしれない」と期待を寄せる。
市場もコンドームメーカーを「五輪関連銘柄」と判断している。東証2部に上場する相模ゴムの株価は東京五輪決定前の292円から、一時364円に跳ね上がった。東証1部上場のオカモトも308円から一時328円まで急騰した。
■選出されない不安も
だが、期待の声ばかりではない。
「正直な話、本当に選ばれるのか分からない」
国内のあるコンドームメーカー関係者は、こんな不安を口にする。「選出基準が不透明」というのがその理由だ。
オリンピックでのコンドーム配布は88年ソウル五輪から開始。2012年ロンドン五輪では参加者1万500人に対し史上最多の15万個が配布されたが、わずか5日で品薄になり話題を呼んだ。
コンドーム配布は、基本的に国際オリンピック委員会(IOC)が開催国のメーカーの中から選ぶとされているが、明確な選定基準は明らかにされていない。
長野五輪時、相模ゴムは、米国での製品販売審査に合格したことを示す書類を提出するようIOCから求められたが、「どのポイントが、選出基準になったのかは教えてもらえなかった」(同社関係者)という。
コンドームを販売するメーカーは日本国内には数社しかないが、オカモト担当者は「いつ配布依頼の声が掛かるのか、全く不明」と戸惑う。同社も長野五輪でコンドームを数万個配った。
■7年後の最先端の避妊用具は?
昨年、世界のコンドームメーカーに衝撃が走った。
米国の研究者が、男性用ピルの開発につながる化学物質(化合物)を発見するなど新しい避妊用具の開発が進んでいるからだ。
万一、選手の身体に影響を及ぼさず、安全で効率性の高い新タイプの避妊用具が実用化されれば、五輪選手村ではコンドームではなく、これらの新製品が配られるかもしれない。
コンドーム業界の関係者が「7年後にコンドームが今ほど使われているのだろうか」と懸念するほど、避妊用具の技術革新はすさまじいようだ。
薄さにこだわる日本メーカーに対し、IOCはエイズ予防などの観点から、破れにくさにこだわっているとの情報もある。そうなれば、海外メーカーもライバルとして急浮上する。
五輪選手村でのコンドーム配布をめぐって、日本の技術力を懸けた戦いが始まろうとしている。
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