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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130920-00010640-president-bus_all&p=1
プレジデント 9月20日(金)8時45分配信
一部の統計データは賃金がアップしているように伝えるが、実際には大幅ダウンを強いられている。そうしたなかでビジネスマンの懐事情はどうなっているのか? その実態をデータ面で追っていく。
サイフの中身をどう改善していったらよいのか――。ファイナンシャル・プランナーの藤川太さんが真っ先にアドバイスするのが生命保険の見直しで、「いまだに6割の人は、自分が支払っている保険料が割高であることに気がついていない」と指摘する。特に40代、50代の場合、職場を訪問した生保レディによる「GNP(義理・人情・プレゼント)」攻勢で定期保険特約付き終身保険に加入している公算が大きい。
この保険の落とし穴は契約後10年、15年といった期間が経過すると自動的に更新期を迎え、その時点での年齢で保険料が再計算されること。年齢が高くなるにつれて死亡率もアップし、保険料が高くなるカラクリなのだ。計算すると、一生涯に支払う保険料の総額が1500万円近くになってしまうこともある。
子どもの成長に合わせて生活保障での必要額は低くなるわけで、逓減定期保険への切り替えなどを考えたい。また、高額療養費制度が用意されていることを考えれば、医療保険が必要かどうか、その再検討の余地は十分にあるはずだ。
学費の問題も大きく、「年収1000万円クラスであれば、子ども1人くらいなら余裕を持って中学から私立校に行かせられる。しかし、これが2人目となるとかなり苦しい」と和田さんは警告する。途中で公立校へ転校させるのは親として忍びないはず。それなら進学時にサイフの中身とよく相談しておきたい。また、ピアノやバレエなどのお稽古ごとが身につくことは稀で、親の見栄による無駄遣いに終わらないよう注意しよう。
そして、いま和田さんが最も気にしているのが、サイフの管理を任されている家庭の主婦が無意識のうちに借金をしてしまうことで、「生活費がやりくりできないからと、ついクレジットカードでキャッシングをしたり、リボルビング払いをしてしまう人が増えている」という。それらには借り先によって15〜18%もの高い利子が付いている。そうした場合には、低利の生保の融資制度を活用するなどして、早めの借り換えを進めていきたいところである。
また、いまやどのスーパーでも連日のように特売を行っている。「安いから」と手に取り、すごく得をした気分になって店を後にする。しかし、その特売品が本当に必要なものだったのかというと、そうではないことが少なくないはずである。また、家電量販店のポイントも確かに私たちの節約気分を促してくれる。
だが、結局は余計なものを買い込んでいることが多いのではないか。そうした無駄遣いの積み重ねが、いま触れたようなキャッシングやリボ払いの増加の遠因になっているように思える。あらかじめ買い物リストを作成するなどの自衛策を講じよう。
少しでも生活費を切り詰めるのなら、外食を控えるのは当然。ハンバーガーや回転寿司でも家族4人で行けば、数千円はかかる。だからといって、家で食事を作るときに「手軽だから」と麻婆豆腐や鍋など出来合いの“お手軽料理”を使ってはいけない。
「これらは割高についてしまう。なぜかというと、砂糖や醤油などの基礎調味料は揃っているはずで、それらを使って作れば済む話だから。買ってきた食材はすべて使い切る。細かい話のように思えるかもしれないが、これだけでもかなりの節約につながる」と和田さんはアドバイスする。
ともあれ、サイフの紐をしっかりと締めていくのはもちろんのこと、いま1度ライフプランを見直すことも大切だ。特に年金の受給開始年齢が段階的に引き上げられ、1961年4月2日生まれ以降の男性の厚生年金は定額・報酬比例部分ともに65歳からとなる。
「60歳定年でリタイアではなく、少なくても受給開始の65歳、できることならそれ以降も健康なうちは働いて、収入を得ることを真剣に考えるべきだ」と藤川さんはいう。
伊藤博之=文 PIXTA=写真
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