http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/544.html
Tweet |
実験線を試験走行する新型リニア=8月29日、山梨県都留市
リニア 官民一体で技術輸出に弾み 東京五輪開催に間に合わせる声多く
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130919/bsd1309190500002-n1.htm
2013.9.19 05:00 SankeiBiz
リニア中央新幹線が、2027年を予定する品川−名古屋間での開業に向けて一歩近づいた。事業主体となるJR東海は総額9兆円超の建設費の全額を自己負担する方針で、巨額投資に伴う経営への影響をどう抑えるかが課題となる。20年の東京五輪開催に合わせた開業を望む声が経済界にあるが、同社は工期の関係から開業時期の前倒しはできないとの考えを示す。一方、政府がインフラ輸出の強化を掲げる中、同社も海外へのリニア技術の輸出に弾みをつける。
■9兆円を全額負担
JR東海がリニア中央新幹線を建設するのは、日本の大動脈である東京、名古屋、大阪の3大都市圏を結ぶ高速鉄道輸送の「二重化」が狙いだ。東海道新幹線は開業からほぼ50年が経過し線路や施設の老朽化が進む。静岡県や愛知県の太平洋側を通るため南海トラフ巨大地震への備えも必要だ。
品川−大阪間で総額9兆円超に上る建設費は、JR東海が全額を自己負担で賄う。国への資金援助は求めないとしているが、巨額投資は同社の経営に重い負担としてのしかかる。
金利負担が大きい長期債務の残高は、単体ベースで1992年3月期の約5兆4500億円がピークだったが、主力の東海道新幹線の収益などを背景に2013年3月期には約2兆6100億円まで半減した。ただ、リニア中央新幹線の工事が進めば再び増加し、品川−名古屋間の開業時には5兆円規模に達する見通しだ。
同社は品川−名古屋間、名古屋−大阪間と「2段階方式」で開業することで、債務の膨張を抑え、経営の健全性を保ったまま計画を実現できるとはじく。ただ、景気回復が想定以上に加速して金利が上がれば長期債務の金利負担は増す。工期が長期に及ぶだけに、建設資材の高騰や難工事での遅れなども想定される。
バークレイズ証券の姫野良太シニアアナリストは「建設費や金利負担、長期債務残高などが会社の想定範囲内でおさまるのか、市場の不安をぬぐい切れていない」との見方を示す。
■五輪に間に合わず
20年の東京五輪開催が決まってから、経団連の米倉弘昌会長が「リニアに乗ることができれば」と語るなど経済界からリニア中央新幹線の開業を東京五輪開催に間に合わせるよう求める声が出ている。
しかし、18日に名古屋市で会見したJR東海の山田佳臣社長は「急げといわれて急げるものではない」などと語り、前倒し開業に否定的な考えを示した。
品川−名古屋間の場合、東海道新幹線の駅の地下に建設する品川と名古屋のターミナル駅や、長さが約25キロに及ぶ南アルプスの山岳トンネルは「10年以上かかる大工事」(金子慎副社長)。工事に必要な時間を考えると、部分開業も含め東京五輪開催に物理的に間に合わない。
ただリニア中央新幹線は日本の高い技術力を世界にアピールできる。菅義偉官房長官は18日の会見で「東京五輪では海外から多くの人が日本を訪れる。わが国のすばらしい技術であるリニアに、部分的にでも乗っていただければいいと思う」と試乗などを検討する考えを示した。
■米国の受注に期待
安倍晋三政権はインフラ輸出の強化を成長戦略に掲げており、リニア技術について「日本のインフラ輸出の大きな武器になる」(菅官房長官)と期待する。2月には安倍首相がオバマ米大統領との会談で米国へのリニア技術供与を提案した。JR東海は、政府に協力する形でリニア技術の海外輸出を目指す。
期待しているのは米国。「北東回廊」と呼ばれる首都ワシントンDC−ニューヨーク間のうち、ワシントンDC−ボルティモア間の約66キロで高速鉄道の受注を目指している。今月4日には、アジア太平洋経済協力会議(APEC)交通大臣会合のため来日したポーカリ米運輸副長官が、先月末に走行試験を再開した山梨県のリニア実験線で新型車両「L0(エルゼロ)系」に試乗。米国の運輸当局幹部に技術力を直接アピールできた。
バークレイズ証券の姫野氏は「日本の新幹線やリニアは技術的に優れており、政府とJR東海が官民一体で売り込みを強化できるかが鍵」と話す。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。