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米FOMC、量的緩和の縮小見送り:識者はこうみる (ロイター) 
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/540.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 9 月 19 日 09:51:00: igsppGRN/E9PQ
 

http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTJE98H03820130918
2013年 09月 19日 08:47 JST


[ワシントン/東京 19日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は18日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、これまで行ってきた月額850億ドルの資産買い入れを当面継続する方針を表明した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●緩和縮小には一段と強い指標が必要

<BNPパリバ証券 日本株チーフストラテジスト 丸山俊氏>

米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和縮小を見送った背景として、緩和縮小に前向きだったサマーズ氏が次期議長を辞退し、政治的に縮小を手掛ける必要性が薄れていたことが挙げられる。米経済指標については、捉え方次第で縮小を開始する理由にも見送る要因にもなり得るが、今回見送られたことで一段と強い経済指標が出てこないと緩和縮小できないということになる。緩和縮小のタイミングを逸した可能性があり、年内に加え、バーナンキFRB議長最後のFOMCとなる年明け1月の実施も難しくなってきた。縮小緩和は次期議長に委ねるのではないか。

市場は緩和縮小をだいぶ織り込んでいたが、緩和縮小実施の時期が遠のいたことで株式市場には追い風となる。外為市場はドル安/円高に進んだが、この反応は行き過ぎだ。米量的緩和が続けられることで景気重視の姿勢がより鮮明となった。米景気の回復が続けば株高につながり、為替も最終的にはドル高/円安に進むとみている。

●市場のオーバーシュートに要注意

<みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト 上野泰也氏>

米連邦公開市場委員会(FOMC)が資産買い入れ縮小を見送ったことに関して、財政の緊縮を含む債務上限の引き上げ問題、住宅ローン金利の上昇の悪影響を足場に慎重な安全策をとったと受け止めている。

米株式市場の過去最高値更新はうなずけるが、米長期金利の急低下とドル安に関してはややパニック的な動きで、行き過ぎたところがある。そのため、このまま一方的に金利が下がることにはならないとみている。金融政策の方向としては、資産買い入れ縮小・停止は変わっていない。問題はタイミングだ。今回は慎重に対応したが、白紙撤回されたわけではない。市場のオーバーシュートには要注意という感じだ。需給的に良好な円債市場は米金利が一段低下し、円高のため追い風となりやすい。

10年最長期国債利回り(長期金利)は節目の0.7%割れを試す動きになりそうだ。ただ、需給や一時的な外部環境の好転で金利低下を後押しし続けるとは思っていない。むしろ節目水準では戻り売りも入り、もみあいになることも想定できる。

●サプライズ、株高は反転の可能性

<アクション・エコノミクスのグローバル通貨分析部門マネジングディレクター、ロナルド・シンプソン氏>

あらゆる市場関係者にとってサプライズとなった。ドルは下落し、株式は上昇、債券利回りは低下した。おそらく外国為替市場はドルのショートに傾きかけていたものの、誰も量的緩和の縮小見送りを想定していなかった。

株式市場では反転が見られるかもしれない。何も行動しないことは、経済に関する警告と受け止められる可能性があるからだ。

●不透明感やや強まる、短期的にはハト派維持へ

<シュワブ・センター・フォー・フィナンシャル・リサーチ(コロラド州)のディレクター、ブラッド・ソーレンセン氏>

米連邦準備理事会(FRB)が送りたかったメッセージは明らかだ。政策スタンスは依然として非常に緩和的であり、現時点ではハト派寄りに傾いている、というものだ。きょうの市場の動きが今後も維持されるかは、中・長期的な問題だ。

先行き不透明感が若干強まった。

今後1─2カ月以内に新FRB議長が指名されるという問題もあり、これも市場が嫌う不透明要因となる。

とはいえ、インフレ圧力はなく、FRBは少なくとも短期的には、非常にハト派的な姿勢を維持するだろう。株式を含めリスク資産にとってはプラス要因だ。

●景気の弱さ懸念、超緩和長期維持のリスクを選択

<PIMCOのモハメド・エラリアン共同最高投資責任者>

FRBは依然、経済全般の停滞を懸念しており、早すぎる引き締めリスクでなく、過度に緩和的な政策を過度に長期間維持するリスクの方を選んだ。経済データは、FRB独自の方法に基づく予想を下回り続けている。

●金・石油価格反発へ、FRBは一段のインフレ望む

<アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルドフ氏>

米連邦公開市場委員会(FOMC)が緩和縮小に踏み切らなかった背景には、このところの景気鈍化やさえない雇用増、デフレに対する懸念がある。

特にドル建て商品などの資産に対する金融(政策上の)支援は続くことになる。

米連邦準備理事会(FRB)の資産買い入れ縮小・停止を織り込み、このところ下落していた金や石油の価格は反発するだろう。FRBは一段のインフレを望んでおり、逆の状況を目指していない。

●買い入れ縮小は来年以降に先送り

<レイモンド・ジェームズの債券資本市場責任者、ケビン・ジディス氏>

FRBは依然、今行動を起こすには米経済の成長が安定していないと判断した。これを受け株価は上昇、米債券利回りは8─15ベーシスポイント(bp)低下した。目先は金利低下、株高となるだろう。

バーナンキ議長は会見で、米経済は「緩やかに」拡大、雇用の伸びは引き続き「一様ではない」との考えを示した。財政の逆風が成長を押し下げ、経済指標は資産買い入れの縮小を「正当化しない」とFOMCが結論付けたと述べた。

これは緩和縮小が来年まで先延ばしされることを示している。今後の消費回復や雇用の伸びも鈍い公算が大きい。

●FRB、金利急上昇を懸念している可能性

<グローバル・インカムの副社長兼ポートフォリオマネジャー、エリック・ステイン氏>

縮小のシグナルを出しながら見送ったことは驚きだ。だが、市場や経済状況に縮小を正当化できるほどの大きな変化がない中でFRBが縮小を示唆しているとみえたのはなぜだろう。声明はかなりハト派的だった。

連邦準備理事会(FRB)メンバーの間では利上げ開始の予想時期が後ずれした。買い入れ縮小を見送りながら、文言と金利ガイダンスはハト派的だった。

FRBは、金利が過度に急速に上昇したことを懸念している可能性がある。金利は過去1カ月ほど安定しているが、3カ月ほど大幅に上昇した。FRBは、緩和縮小をフェデラルファンド(FF)金利の見通しから切り離すという難しい課題に向き合ってきた。

●FRBは経済情勢に一層神経質に、政治混乱も懸念

<コモンウエルス・フィナンシャルの最高投資責任者(CIO)、ブラッド・マクミラン氏>

資産買い入れの縮小は見送られた。市場はFRBの刺激策継続を歓迎しており、株式市場での短期的な観点からは、縮小見送りは好材料と受け取られるだろう。

実体経済の観点からみると、FRBは一般に考えられている以上に経済情勢に神経を尖らせていると言えるだろう。

FRBはこれまで一定の水準のインフレ率と雇用を確認することを望んでいるほか、政治的な混乱の可能性をかなり懸念視していると考える。現時点で刺激策の縮小に着手することは、今後数週間で必要となるかもしれない景気支援策を取り除くことになりかねないだろう。

●12月が焦点、縮小規模大きくなる可能性

<ウェルズ・ファーゴ証券のシニアエコノミスト、サム・ブラード氏>

100億ドル(の債券買い入れ縮小)を見込んでいたが、連邦準備理事会(FRB)は縮小を見送った。声明発表前は縮小の時期は問題ではなく、規模が問題だった。何もしないとは驚きだ。

FRBは政策金利の引き上げは段階的になるとしていた。メンバーの利上げ開始予想をみると2015年の利上げ開始を予想するメンバーが前回から2人減った。

今後の焦点は12月だ。バーナンキ議長が縮小について説明する機会になる。きょうは縮小が見送られたことから、縮小のペースは速まる可能性がある。量的緩和に関する表現の変更がない限り、縮小規模は大きくなるだろう。「小幅な縮小」との見方は後退する。

 

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コメント
 
01. 2013年9月19日 11:01:48 : z5QRTm9FRw
NY原油先物時間外:続伸−米量的緩和縮小見送りを好感
Bloomberg 2013/9/19 09:41

 9月19日(ブルームバーグ):ニューヨーク原油先物相場は19日の時間外取引で続伸。米連邦準備制度理事会(FRB)が月間の債券購入額を維持する方針を示したことを好感した。

原油先物相場は一時、0.5%上昇。前日の通常取引は過去3週間で最大の上げ幅を記録した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は月間850億ドルの債券購入額を維持すると発表した。先週の米原油在庫が2012年3月以来の低水準に落ち込み、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油の受け渡し地点であるオクラホマ州クッシングの在庫も11週連続で減少した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は一時、53セント高の1バレル当たり108.60ドルを付けた。シドニー時間午前9時57分(日本時間同8時57分)現在、108.33ドルで推移。前日の通常取引は2.5%高の108.07ドルで引けた。上昇率は8月27日以降で最大。全限月の取引高は100日平均を約28%下回った。  
原題:WTI Crude Gains a Second Day as Fed Maintains EconomicStimulus(抜粋)

http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130919-00000025-bloom_st-nb


02. 2013年9月19日 11:03:16 : z5QRTm9FRw
円高で日本株の上値重い、金利は4カ月ぶり低水準
ロイター 2013/9/19 09:13

[東京 19日 ロイター] - 米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けた19日午前の東京市場で、日経平均<.N225>は続伸している。量的緩和第3弾(QE3)の縮小見送りによる米株高を好感し、日本株にも買いが先行した。

ただ、外為市場でドルが98円台前半と円高方向に振れており、輸出株などが重くなっている。一方、10年円債金利は米金利低下を好感し、4カ月ぶりの水準に低下した。

日経平均は一時、150円を超える上昇となり、1万4600円台後半まで上値を伸ばしたが、買い一巡後は伸び悩んでいる。金利低下を好感し、不動産やノンバンクなどが買われている一方、円高が嫌気され輸出株はまちまちだ。

ドル/円は98円前半で推移。前日のニューヨーク市場で97円後半まで急落後、値ごろ感からの買いで持ち直したが、戻りは鈍い。市場では「ドル/円は年内の105円、110円というのは相当厳しくなった。本格的なドル高/円安は来年以降になりそうだ」(国内金融機関)との声が出ている。

国債先物は大幅続伸でスタート。12月限の寄り付きは前営業日比21銭高の143円92銭。18日の米債券市場で国債利回りが大幅に低下。この流れを継いで、「円債市場も買いの勢いが強まっている」(国内証券)という。円債金利にも低下圧力がかかり、10年最長期国債利回り(長期金利)は5月10日以来となる節目の0.7%割れとなった。

(伊賀 大記)

http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130919-00000030-biz_reut-nb


03. 2013年9月19日 11:08:36 : z5QRTm9FRw
NY金:上昇、8週間ぶり大幅高−FOMCが緩和縮小見送り
Bloomberg 2013/9/19 04:05

  9月18日(ブルームバーグ):ニューヨーク金相場は8週間ぶり大幅上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)が債券購入の縮小を市場予想に反して見送ったことを受けて、買いが優勢になった。

FOMCは会合後の声明で、資産購入のペースを調整するには景気回復のさらなる証拠が必要だとの見解を示した。これより先には、FOMCが緩和縮小に着手するとの観測を背景に金直物はほぼ6週間ぶりの安値をつけていた。

ペンション・パートナーズのチーフ投資ストラテジスト、マイケル・ゲイド氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「今回の決定は相場の流れを変えるものだ。緩和縮小をめぐる不安を背景に流出していたマネーの一部が戻ってくるだろう」と指摘。「強気なセンチメントが回復している」と述べた。
  
ニューヨーク時間午後2時34分現在、金直物相場は2.3%高の1オンス=1341.03ドルと、7月22日以来の大幅上昇。一時は1.4%安の1292.02ドルをつける場面もあった。

原題:Gold Jumps Most in Eight Weeks as Fed Refrains From QETaper(抜粋)

http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130919-00000010-bloom_st-nb


04. 2013年9月19日 13:13:49 : niiL5nr8dQ
米FRBの緩和縮小見送り、緊縮財政や政治の機能不全も要因
2013年 09月 19日 12:40 JST
[ワシントン 18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は、経済は拡大への確かな兆候を見せていると考えているが、大きな警告も発している。それは、政府の財政赤字削減への取り組みが、状況の改善を大きく阻害しているということだ。

FRBは18日、月額850億ドルの資産買い入れを当面継続する方針を表明。多くの予想に反し、緩和縮小に乗り出さなかった。

FRB当局者が借り入れコストの上昇や労働市場の弱さを懸念し、インフレ率が非常に低い水準にとどまっていることなどが要因だが、政府の緊縮策が景気を損なっているほか、政治的な行き詰まりから政府機関閉鎖や債務不履行(デフォルト)に陥りかねない事態への懸念も背景となっている。

バーナンキFRB議長は連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に行った会見で、「私は、政府が資金を確保して公共サービスを提供し、債務を返済できるように、議会と政権が協力することが特に重要だと考える」と発言した。

議長は、失業率の低下など経済の明るい兆しにも言及したが、現在の増税や連邦歳出削減は、今後何十万人もの雇用を奪いかねないとも指摘した。

緊縮策により、今年の連邦財政赤字は急速に改善したものの、予算関連法案をめぐる期限が月末に迫っており、これが通らなければ連邦政府機関の多くが閉鎖されることになる。さらに、10月中旬の期限までに議会が債務上限引き上げで合意に至らなければ政府のキャッシュは枯渇し、国債のデフォルトに直面する。

そうなれば家計や企業にとって借り入れコストが急上昇し、株式市場も打撃を受け、米経済に多大な影響を及ぼすだろう。

バーナンキ議長は、緩和縮小の見送りを決定した一因は「期限が迫る財政協議」をめぐる不透明感だと指摘。政府機関の閉鎖、あるいは債務上限の引き上げができないという事態になれば、「金融市場や経済に非常に深刻な結果をもたらし得る」と述べた。

一部エコノミストは、財政政策をめぐる懸念から、FRBは債券買い入れ縮小を少なくとも12月までは控えるのではないかと予想。次回のFOMCは10月29─30日となっているが、その際も政界は財政協議をめぐりこう着状態に陥っている可能性がある。

共和党議員は、債務上限引き上げと歳出削減を結び付けたいと考えているが、ホワイトハウスは債務上限引き上げ問題で駆け引きはしないとしている。

TDセキュリティーズ(ニューヨーク)の金利ストラテジスト、ジェナディー・ゴールドバーグ氏は「向こう1カ月間は政治の機能不全を一段と実感することになりそうだ。緩和縮小のタイミングとして10月の会合はあり得ないのではないか」と指摘した。



日銀の追加緩和、あわてることはない=菅官房長官
2013年 09月 19日 12:13 JST
[東京 19日 ロイター] - 菅義偉官房長官は19日午前の会見で、日銀の追加金融緩和について、あわてることはないとの認識を示した。

米連邦準備理事会(FRB)が18日までの連邦公開市場委員会(FOMC)で月額850億ドルの資産買い入れを当面継続する方針を示したことについては、景気回復は緩やかなペースとの認識の下で決定されたものだと思うとの見方を示した。

菅官房長官は米国の金融政策について、日本の立場でコメントすべきではないとする一方で、今回の決定に関して「米国の経済活動は緩やかなペースで拡大している。こうした認識の下で現状維持が決定されたのだろうと思う」と指摘。「先のG20(20カ国・地域首脳会議)において新興国から米国の金融緩和の縮小によって通貨安の加速などに対する懸念が表明された。さらに金融政策のあり方の将来的な変更については引き続き慎重に景気に影響ないようにという形で確認された。そういうことからこのような決定になったんだろうと思う」との認識も示した。

さらにデフレ脱却に向けた日銀の追加緩和の必要性については「日本は4─6月期も3.8%成長した」と指摘し、あわてることなく対応していくことが基本だと語った。

(石田仁志;編集 山川薫)




日経平均が続伸、米緩和縮小見送りを受け全面高
2013年 09月 19日 11:57 JST
[東京 19日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は続伸。米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和第3弾(QE3)の縮小を見送ったことを背景に米ダウ.DJIが過去最高値を更新し、日本株もつれ高した。

安倍晋三首相が、消費増税の前提となる経済対策に法人税率引き下げを明記するよう指示したとの一部報道も買い手掛かりとなった。ただドル98円台前半と円が高止まりしたことで輸出株が伸び悩み、指数の上値は抑えられた。

かざか証券・市場調査部長の田部井美彦氏は「米緩和縮小が先送りされた背景は、8月の雇用統計が弱く、同時に6、7月も下方修正されたことが重視された」としたうえで、「ただ米景況感は上向きであり、向こう2─3カ月で雇用は回復してくる。12月には緩和縮小の道筋をつけるだろう」との見方を示した。米緩和縮小が先送りされたことでリスクオンの環境が続き、株式市場には追い風とみられている。

東証業種別株価指数では全33業種が上昇し、全面高となった。金利低下のメリットを受ける不動産やノンバンクが買われたほか、証券、銀行なども堅調に推移した。米金融緩和の維持が世界的な景気回復につながるとの見方から鉄鋼や海運など景気敏感株も上昇した。

個別銘柄では、丸三証券(8613.T)が大幅高。同社は18日、2013年9月中間期の配当を30円にすると発表した。前期同期実績の2.5円から大幅増配となる。積極的な株主還元を好感する買いが先行した。また日本農薬(4997.T)が続伸。18日、2013年9月期の連結業績予想と期末配当予想の上方修正を発表し、材料視された。

東証1部の騰落数は、値上がり1349銘柄に対し、値下がりが276銘柄、変わらずが128銘柄だった。




バーナンキ米FRB議長の会見要旨
2013年 09月 19日 07:43 JST
[ワシントン 18日 ロイター] - バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に行った会見の要旨は以下の通り。

<この日の決定は予防的な措置>

予防的な措置だった。われわれの意図は、経済がわれわれの一般的な見通しに一致しているか確認できる証拠を得るため、もう少し待つというものだ。

<FRBのコミュニケーション>

6月の時点では、労働市場の状況に有意の進展が見られていた。このためFOMCは、(資産買い入れプログラムを)どのように最終的に終了させるのか、同プログラムがどのように経済変数の進展に結び付けられるのかを検討し始める時期が来たと認識した。

買い入れプログラムを開始した際、労働市場の見通しを大幅に改善させることが目的だと示したが、これらすべてはわれわれが言っていたことと非常に整合性が取れており、どのようにして実行に移されるのか伝達する必要があった。

こうした情報の伝達に失敗すれば、市場の期待、人々の期待、FOMCの意図との間に大きな溝ができるリスクがあった。そしてこれは、将来的にさらに深刻な問題につながる可能性もあった。このため、コミュニケーションは非常に重要だったと考えている。

<新興国市場について>

米国、また他の先進国の長期金利の変動が、新興国市場に一定の影響を及ぼし、一定の資本流出入につながるのは事実だ。特に、為替レートを固定しようとしている国がそうだ。

ただ、資本の流出入に影響を及ぼす要因は他にもある。投資家のリスク選好の変化、成長見通しの変化、また国によって新興市場の制度面の強さについて異なる認識が存在することが挙げられる。

新興国市場の同僚も理解してくれると思うが、われわれが金融政策を通じて行おうとしているのは、より力強い米国経済を生み出すことだ。米国経済の拡大は、新興国経済を支援する上で最も重要なことの1つだ。

<低インフレ時は利上げに消極的>

インフレ率が目標を下回り続けた場合、利上げに消極的になる必要がある。インフレ圧力は見受けられないため、これが、われわれがフェデラルファンド(FF)金利に引き上げに向け非常に辛抱強くなれると考える理由の1つとして挙げられる。

<フォワードガイダンス>

フォワードガイダンスにおいては、インフレ率に下限を設けることは新たな指針となり得るだろう。われわれはフェデラルファンド(FF)金利に関する指針について、これを明確化し得る方法について議論しており、このことも間違いなく選択肢の一つとしてあり得る。

以前にも述べたとおり、委員会はフォワードガイダンスを定期的に見直しており、指針を強化し得る上で複数の手段を持ち合わせている。

また、他の措置として、失業率が6.5%に到達した後のことについて、一段の情報を提供することなどもあり得る。正確な指針を提供できるかぎり、それは望ましいと考える。

<悔やまれること> 最も悔やまれることは、危機を未然に防ぐことができなかったことだ。危機というのは、ひとたび始まると阻止するのが極めて難しいと考えている。われわれが持っていた権限を考えると、可能なことをやったと思う。われわれを動機付けていたのは一般の人々の利益であり、われわれの目的は金融システムの安定化して経済が悪化したり、大量の失業者が発生するのを防ぐことだった、というハンク(ポールソン元財務長官)の意見に賛同する。

<財政協議> 政府機関の閉鎖、あるいは債務上限の引き上げができないという事態になれば、金融市場や経済に非常に深刻な結果をもたらし得る。FRBは、経済が軌道に乗り続けているために、できることはなんでもするという方針だ。そうした事態が経済減速につながるのなら、考慮しなければならない。 したがって、われわれが政策について考える際、着目するリスクの一つだ。 とは言え、これらのショック、特に債務上限引き上げに関するショックを打ち消すわれわれの能力は非常に限られている。わたしは、政府が資金を確保して公共サービスを提供し、債務を返済できるようにし、経済に対する信頼感に少なくとも一時的に顕著な悪影響を与えた2011年のような事態を避ける方策を議会と政権が協力して見出すのが特に重要と考える。

<成長を過度に楽観視>

成長に関して、われわれはこれまで余りに楽観的だった。潜在成長率はリセッション(景気後退)や金融危機の影響により、少なくとも一時的ではあるが多少減速したとみられる。そのことは生産性の数字の低下から読みとれるが、われわれとしては生産性の減速は想定しておらず、それが比較的緩慢な成長を織り込まなかった理由の一つでもある。

しかし、金融政策においては、その影響が潜在成長率や長期成長率ではなく、むしろ循環的な側面に働くことを理解することが重要だ。われわれは経済の緩みの程度を予知することにおいて、多少なりともうまくやってきた。失業率の予想などは、成長に関する予想よりも当たっている。とりわけ今年の失業率見通しについて、われわれは過度に悲観的だったことが目を引く。

<金融市場の引き締まり>

いくつか要因があるが、1つは景気改善だ。それが国内外で金利が上昇している理由の1つだ。金融市場の引き締まりが見通し改善を反映している限りは望まいことで、問題はない。

一方で、金融政策に関する見方も要因だ。だからこそ確実に正確な情報が伝わる必要があり、コミュニケーションが極めて重要となる。

われわれは今後どのように行動し、何に基づいて行動するのか、最善を尽くして説明する必要がある。

<量的緩和縮小にあらかじめ決まった時期ない、特別な数字も設定せず>

量的緩和縮小にあらかじめ決まった予定やスケジュールはない。この点を強調しておきたい。経済指標がわれわれの基本的な見通しを裏付け、見通しへの自信が深まり、先に説明した3つの基本シナリオを満たすと確信することができれば、年内に行動する可能性がある。

年内に(縮小を)開始する可能性はあるが、そうだとしてもその後のステップは経済の動向に左右される。つまり経済指標次第だ。あらかじめ時期を決めているわけではない。6月に説明した基本概要は変わっていない。

資産買い入れプログラムを終了する基準は労働市場の見通しの大幅な改善だ。前回、ある程度感覚をつかんでもらうために目安になる数字として7%の失業率を挙げた。

目指している特別な数字はない。目指しているのは労働市場の全般的な改善だ。

<年内の緩和縮小の可能性>

3つの基本シナリオを想定している。財政の悪影響が弱まり成長が時間をかけて加速し、労働市場の伸びが続く。また、インフレ水準が目標に再び近づくことだ。こうした基本見通しが指標で確認できるのか、向こう数回のFOMCで見ていく。確認できれば、恐らく年内のある時点で最初の1歩を踏み出し、状況の進展が続いて指標と一致する限り(緩和の縮小を)続ける。

<労働参加率>

労働参加率に対しては循環的な要素があると考えられ、その点で経済におけるある意味で本当の失業部分は実態よりも低く評価されているといえる。他方、わが国経済における労働参加率には下方トレンドも見られ、これは高齢化に加え、労働力における女性の割合が低いことなど、長きにわたり存在し、直近のリセッション(景気後退)とはあまり関係ない要因に伴うものだ。

過去1年間で失業率は0.8%ポイント低下しているが、労働参加率は0.3%ポイントの低下となっており、かなりトレンドに近い。過去1年間の失業率の改善は、すべてではないにせよ大部分が雇用創出によるものであって、参加率の低下によるものではないと思われる。

<QE3はあらかじめ決まった道筋ではない、FRBが縮小に踏み切らなかった理由>

資産買い入れプログラムはあらかじめ決まった道筋ではない。

買い入れペースに関するFOMCの決定は引き続き、経済見通しやFOMCが想定する同プログラムの効果やコスト次第だ。

今回の会合で資産購入ペースを小幅縮小することが適切かどうかを見極めるにあたり、資産買い入れの縮小を正当化する基本見通しを経済指標が十分に裏付けていないとの結論に至った。

さらに、ここ数カ月見られる金融状況の急激な引き締まりが成長を鈍化させる恐れがあることが懸念される。状況がさらにひっ迫すれば、懸念はさらに高まるだろう。

<緩和縮小の条件>

労働市場で続く改善やインフレを目標水準に近づけることを支援する十分な経済成長など、中期の景気見通しの概略は6月時点の見方に近いというのが、今日のFOMCの認識だ。

だが、今回のFOMCで資産買い入れペースを若干緩めることが適切かについて、そのような縮小を正当化する基本的な見通しが、経済指標でまだ十分確認できないと結論付けた。さらに、最近数カ月間の金融情勢の急速な引き締まりによって、成長鈍化の影響が出る恐れがあるとの懸念をFOMCでは抱いている。一段とひっ迫すれば、影響が増大するとの懸念だ。

<失業率と成長率>

7.3%という失業率は容認できる水準を大きく上回っている。

成長への下振れリスクは過去1年で緩和した。欧州で経済状況が幾分改善したことや、米国の景気回復が勢いを維持していることを背景に家計や企業の信頼感が高まっていることなど、一連の要因を反映している。

<労働市場>

労働市場の状況は依然として望ましい状況からは程遠いが、FRBが資産買い入れプログラムを実施してから1年間で大きな進展を遂げてきた。

失業率は資産買い入れプログラム発表時の8.1%から7.3%に低下したほか、約230万人の民間雇用が創出された。


05. 2013年9月19日 13:43:46 : niiL5nr8dQ

ロシア国外への投資額 約6兆5400億円


ロシア国外への投資額 約6兆5400億円 〜1-3月期〜 昨年10-12月期比6倍

 ロシア中央銀行がまとめた統計によると、今年の1月〜3月期にロシアから国外に流出した投資額は672億ドル、およそ6兆5400億円で、去年10月〜12月の6倍となりました。

 ロシアとはこんなに正直な国なのかと思うのですが、ロシア人の金持ちはキプロスに金を隠すのが常識でした。しかしその避難先だったキプロスが破綻し、一定額以上の預金はヘアカットされ、金持ちは取られてしまいました。その結果がこの数字に表れているのです。ロシアの銀行もおかしくなっているのでロシアには置いておけない。どこかに逃げたいと思ったけれどもキプロスはもう駄目だとなり、アメリカ人と同じ英領バージン諸島、ヨーロッパ人と同じルクセンブルク、そして英国へということで、キプロスは大きく減少しました。アメリカ人と同じ、世界の金持ちと同じバージン諸島、という流れになっています。

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 これを見逃しているプーチンさんは大丈夫なのか、というのが気になります。今までの傾向からみて突出して出て行っています。先を競って逃げているのではないかと思われます。実はバージン諸島は人気があり、中国の金持ちも盛んに行っていますので、バージン諸島は重くなるのではないでしょうか?

 私は沖縄の一つをバージン諸島のような資金の避難先にすればいいのでは、と思っています。沖縄をバーミューダにと考えますが、ロシアについてはこのまま行くと国が持たない可能性もあるので注意が必要です。



中国銀行全体の残高 約145兆6000億円(6月末)昨年末比28%増

 銀行業監督管理委員会がまとめた統計によると、6月末の中国の銀行全体の理財商品残高は9兆800億元、およそ145兆6000億円と昨年末に比べて28%増加しました。中国の銀行金利も決して高い水準ではないので、どうしてもそれよりも儲けたい人は理財商品に行き、その理財商品が地方政府の傘下にある外郭団体がやっているディベロッパーなどに行きます。いわゆる窓口規制が始まっているのでお金が普通に借りられなくなっているので、みなが押し掛け、8%、ものによっては10%という利ザヤを稼ぐ、国全体が利ザヤ稼ぎのゲームに入り込んでしまったと言えるのではないでしょうか。

 145兆円というのは大きな金額ですから、日本のバブル、アメリカのリーマンショック以前のサブプライムバブルと全く同じ状況になっています。秒読みの状況に入っているのではないでしょうか。



米緩和縮小、月内の確率は75% ピムコCEO「重要なのは縮小する理由」

 アメリカの債券運用大手、ピムコのモハメド・エラリアンCEOがインタビューに答えたもので、エラリアン氏は「重要なのは縮小する理由」、アメリカ景気の順調な回復を映したものであれば問題はないが、実際は緩和長期化によるリスクが増加し、縮小に動かざるを得なくなったと指摘しました。

 10年債の利回りが上がってくるとリスクが大きくなってきます。QE3の縮小についてはたびたび発言がありましたが、縮小されると新興国の方からお金が出て、ドルキャリーで新興国に流れていたものがリバースされてきます。したがってG20ではかなり強いメッセージがアメリカに対して出ています。世界中に安い金をばら撒いておいて、自分の雇用が良くなったからいきなり「さようなら」というのでは、「あなたが風邪をひいたらこちらは肺炎になる」と表現しています。アメリカに対してQE3縮小の仕方を世界とコーディネートするようにと強いメッセージを発しています。これがどう出てくるかということがかなり重要だと思います。

 9月中に何らかの形でQE3の終焉を発表する可能性がありますが、FRBの次期議長がまだ決まっていません。サマーズさんの方が7対3くらいで有利になっていると言われていますが、オバマさんはアナウンスメントができなくなってきているという感じがします。QE3の見通しが立ってからでなければできないので、FRB議長の発表はしばらく伸びるのではないかと思います。

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 なお、ピムコという会社は債券中心の会社なので、まさにFRBが債券を入れたり出したりすることで債券を吐き出すということになると、債券利回りが上がり価格が下落して、ダメージを受けるということで警戒の発言をしている面もあります。
http://www.ohmae.ac.jp/ex/asset/column/20130918_103012.html


06. 2013年9月19日 14:38:05 : niiL5nr8dQ
焦点:米緩和縮小見送り、市場では歓迎と困惑が交錯
2013年 09月 19日 13:20 JST
[ニューヨーク 18日 ロイター] - 18日の米金融市場は、米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和の縮小を見送ったことを好感し上昇したが、緩和縮小を織り込んできた投資家の間では困惑が広がっている。

市場ではFRBが17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で月額850億ドルの債券買い入れを小幅に縮小すると予想されていた。

だがFRBは、最近の住宅ローン金利上昇や議会の財政引き締めに向けた動きによる影響に懸念を示し、経済成長の底堅さが確信できるようになるまで買い入れ縮小の判断を先送りする姿勢を示した。

これを受けて18日の米株市場は大幅続伸。ダウ工業株30種.DJIとS&P総合500種.SPXが過去最高値で引けた。

ロックウェル・セキュリティーズの首席市場アナリスト、ウェイン・カウフマン氏は「FRBは経済が弱いというメッセージを送っており、理解に苦しんでいる」と語り、「投資家が緩和縮小に備えられるよう、小幅な縮小が決定されていた方が良かったと思う」と指摘した。

バーナンキFRB議長は当初5月に、景気の改善が続けば年内に債券買い入れプログラムを縮小する可能性があると発言。これを受けて市場は混乱、債券利回りと住宅ローン金利は3カ月間にわたって1%ポイント強押し上げられ、米住宅市場の回復を鈍らせた。

5月初めに1.61%だった米10年国債の利回りは今月、3.0%をやや上回り、2年ぶりの高水準に上昇した。18日は2.69%。

FRBはこの夏にかけての金融状況のタイト化が続いた場合、景気と労働市場の回復ペースが減速する可能性があると警告した。

こうした状況がFRBの景気認識に影響を与えたとみられ、声明と同時に公表されたFRBの最新の経済見通しでは、2013年の成長率予想(中間予想値)が2.0─2.3%と、6月時点の2.3─2.6%から引き下げられた。短期的な見通しとしては過去1年以上で最も大幅な下方修正となった。

アメリプライズ・フィナンシャルの首席市場ストラテジスト、デビッド・ジョイ氏は「(FRBは明らかに)われわれが望むほど経済が強くない」というメッセージを市場に送っていると指摘。「今後の企業決算に影響するだろう」との見方を示した。

<矛盾するメッセージ>

ロイターが最近実施したエコノミスト調査では今年の米経済成長率は2.5%、2014年は3.0%になると予想されていた。

チャップデレイン・フォーリン・エクスチャンジのマネジングディレクター、ダグラス・ボースウィック氏は、こうした予想が今月量的緩和が縮小されるとの投資家の誤った見方につながったのだろうと指摘する。同氏はFRBが緩和を見送ると予想していた少数派の1人。

同氏はまた「FRBは常にデータ次第だとしてきた。しかし、過去1カ月間の指標は良くなかった。米経済の回復はFRBが景気支援措置を解除するほど進んではいない」と指摘した。

一方、FRBのメッセージを手掛かりに今月の量的緩和縮小を見込んでいた債券投資家は異なる見解を示している。

ソシエテ・ジェネラルの米金利戦略担当責任者、メアリー・ベス・フィッシャー氏は、金融状況のタイト化が経済成長を妨げているというFRBの見解を特に疑問視し、「本当にそうだろうか。過去数カ月間にわたって、多くのFOMCメンバーが量的緩和の縮小は引き締めではなく、異例の緩和措置の縮小にすぎないと言ってきたではないか」と顧客向けノートの中で指摘した。

<米財政問題>

米国では議会が新会計年度の予算案と連邦債務上限引き上げについて数週間以内に合意できなければ、来月政府機関が閉鎖される可能性があり、新たな懸念材料となっている。

コモンウエルス・フィナンシャルの最高投資責任者(CIO)、ブラッド・マクミラン氏は「FRBは政治的な混乱の可能性をかなり懸念していると考える。現時点で刺激策の縮小に着手することは、まさに今後2週間に必要とされるかもしれないものを取り除いてしまうことになりかねない」と指摘した。

こうした状況は、量的緩和の縮小見送りを歓迎すべきか、懸念すべきかという悩みを投資家にもたらしている。

マクミラン氏は、緩和継続を歓迎する声が聞かれる一方、「実体経済の観点から見ると、FRBは一般に考えられている以上に経済情勢に神経をとがらせていると言えるだろう」と指摘した。

(Steven C. Johnson記者;翻訳 佐藤久仁子;編集 山川薫)


07. 2013年9月20日 13:34:30 : niiL5nr8dQ
焦点:米量的緩和縮小見送り、後任議長に重い宿題
2013年 09月 20日 13:04 JST
[ニューヨーク/サンフランシスコ 19日 ロイター] - バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が量的緩和(QE)縮小を見送ったことは、後任議長による超緩和政策の正常化をより難しくする可能性がある。

バーナンキ議長は6月、QEと呼ばれる債券買い入れプログラムについて、年内に買い入れ縮小に着手し、失業率が7%程度に低下していると予想する2014年半ばまでに終了するとの出口シナリオを示した。エコノミストらは、そのシナリオに則り、9月17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で緩和縮小を決定すると予想していた。

しかし、ふたを開けてみると、月額850億ドルの買い入れは継続。会見でのバーナンキ議長は、買い入れ縮小はおそらく年内に始まる可能性があるとしか言わず、終了時に想定する失業率についても、目安は示したが「マジックナンバー」(目指す特別な数字)はないと述べた。

買い入れ縮小の先送りがFRBのバランスシートに与える影響は軽微とみられる。しかし、QEの出口戦略という難しい問題には多大な不確実性がもたらされ、バーナンキ議長の後任は、有用なロードマップがない状況に置かれる。

イートン・バンスのポートフォリオマネジャー、エリック・スタイン氏は「FRBが何らかの形のテーパリング(買い入れ縮小)にコミットしていると考えていた。FRBは道筋を付けておき、(バーナンキ議長の)後任がそこから逸脱しにくくしたいはず、と考えたからだ。それが理由の一つ」と述べた。

スタイン氏は、特に来年2月1日に新議長が就任する見通しであることを考えると、今回の見送りは、FRBの意図と金融市場の期待との間に一段のずれをもたらした恐れがあると指摘した。

バーナンキ議長の後任は、サマーズ氏が指名を辞退したことで、イエレン副議長の昇格が最も有力視されている。大統領の後任指名は早ければ来週の可能性がある。バーナンキ議長が次回10月のFOMCでQE縮小を発表したとしても、もう「レームダック」状態だろう。

いずれにせよ、後任議長は、膨張したバランスシートと、政策上の今後数年にわたる約束を引き継ぐことになる。期待に沿わない景気回復や高止まりする失業率にも取り組まなければならない。

バンク・オブ・ウェストのエコノミスト、スコット・アンダーソン氏は「次期議長にはより重い任務が残される」と述べ、「新議長が就任した時にテーパリングが始まってさえいない可能性もかなりある」と指摘した。

もちろん、今回の見送りが、QEの出口戦略について新議長に政策運営の裁量を与えたとも言える。前月、デューク理事が退任し、ラスキン理事は財務副長官に指名されている。議長だけでなく、FOMCメンバーも何人か交代する。

金融危機時にFRB理事だったランダール・クロズナー氏は、バーナンキ議長は後任のために、まず5月に緩和縮小の可能性に言及して市場の反応をみて、先のFOMCで維持を決めたとみている。

今後決めなければならないことは、(1)いつ買い入れ縮小を開始するか、(2)どの程度のペースで縮小していくか、(3)国債とエージェンシーMBSのどちらから買い入れを減らすか、がある。加えて新議長は、買い入れ縮小が、利上げが近いという意味ではないと市場を納得させる必要がある。

<市場の関心はイエレン副議長に>

多くの投資家は、FRBが景気支援措置の縮小に踏み切る機が熟したと考えていた。

予想外の決定を受け、市場では最初の利上げ時期の予想が2015年に先送りされた。QE縮小開始も、プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)の間では12月という予想が多い。

クレディスイスのエコノミスト、ダナ・サポルタ氏は「FRBが買い入れ縮小の機会を見送ったことには、かなり驚いた。市場参加者に一段の不透明感をもたらしたという意味で次期議長への移行を複雑にするだろう」と述べた。

バーナンキ議長は18日の会見で「将来のFOMCに対し、われわれが複雑な状況を作っているとは思わない」と述べている。

バーナンキ議長が緩和縮小に着手するために残された時間が少なくなった今、投資家の関心はイエレン副議長に向かっている。

一部FRBウォッチャーは、9月FOMCで浮かび上がった、よりハト派なFRBは、雇用重視のイエレン副議長がすでに金融政策決定における影響力を強めていることを示すとみている。

イエレン副議長は10月1日にニューヨークで講演する予定だ。

(Jonathan Spicer、Ann Saphir記者;翻訳 武藤邦子;編集 内田慎一)
 

 

 

 

 

 

 

 政府による持続可能な財政構造確立、強く期待=日銀総裁
2013年 09月 20日 13:06 JST
[東京 20日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は20日、都内で講演し「政府が持続可能な財政構造の確立を進めることを強く期待する」と述べ、消費増税など財政再建への期待を表明した。

景気・物価は日銀が目標とする2%の物価目標に向け順調に推移しているとの見方を示したが、景気回復が持続するかは海外経済動向が左右すると指摘した。

<緩和効果に「確かな手ごたえ」、新興国を注視>

黒田総裁は共同通信社主催のきさらぎ会で講演の後、質疑に応える形で、「長期金利が落ち着いて推移しているのは、財政再建に向けた政府の取り組みを市場が信用しているため」との見方を示した。

米国の金融政策の出口観測で海外発の金利上昇圧力があっても国内金利が低位で安定しているのは「日銀の国債買入れで、上昇圧力を抑えているため」と指摘した。

講演では、4月に始めた異次元緩和の効果について「これまでのところ確かな手ごたえを感じている」と述べ、「日本経済は2%の物価目標実現に向けた道筋を、順調にたどっている」との認識を示した。

ただ景気回復の持続性は「海外経済の動向がカギを握る」と指摘。海外経済は「一部に弱めの動きがあるが、全体としては持ち直している」とした。中国経済は「不確実性が高いが、堅調な内需に支えられ安定した成長が続く」との見方を示した。

新興国経済は、米国の金融政策運営をめぐる思惑などで「金融市場の動きが実体経済に悪影響を与えるリスクがある」とし、「現時点で深刻な事態にまで至るとはみていないが、引き続き注視する」と強調した。

(竹本 能文、伊藤 純夫)

 

 

 

 

 

 

 
焦点:米FRB、対話力の問題点を露呈
2013年 09月 20日 11:53 JST
[ワシントン 19日 ロイター] - 市場との対話の透明性に誇りを持つ米連邦準備理事会(FRB)はメッセージ伝達に関して明らかに問題がある。

9月の量的緩和策の縮小開始に備えて金融市場を数カ月間にわたり準備させた挙句、FRBが何もしなかったことに投資家は驚愕した。その多くは今後、FRB幹部の言葉をどれほど信用していいのか、疑念を抱いている。

月額850億ドルの債券買い入れ規模縮小を9月に開始する可能性はFRB高官から広く事前に伝えられていた。先週のロイター調査では69人のエコノミストのうち49人が今回緩和策の縮小に踏み切ると見込んでいた。

しかしFRBは今週、自分たちが奇妙な立場に置かれていることに気付いた。FRBの債券買い入れ規模の縮小計画が、景気への悪影響を及ぼす懸念がある金利上昇を招いていたのだ。

現在、トレーダーはFRBが年内に資産買い入れ規模の縮小に着手するかどうかを疑問視しており、FRBの政策見通しに関する市場予測の揺れ動きがいかに大きいかを示している。FRB高官が明確な指標の提示に最善の努力を尽くしているにもかかわらず、である。

さらに重要なのは、FRBが市場との対話に失敗したことで、市場はFRBの送るシグナルに不信感を持つようになるとアナリストの一部が懸念している点だ。金利に影響を与える先行きの政策ガイダンスへの依存を強めてきたFRBにとって問題になりかねない。

RBCキャピタル・マーケッツの金利戦略部門の責任者、マイケル・クロハティー氏は「信頼性に必要なのは一貫性だ。疑問は今やFRBがことし緩和策縮小を開始するかどうかではなく、来年のいつごろ開始するかに移っている」と語る。

バーナンキ議長が近い将来の債券買い入れ規模の縮小を示唆した5月、米国では金利上昇が加速し、回復の兆しが強まっていた住宅市場に脅威を与えた。世界の市場も急落に見舞われた。

続いてバーナンキ議長は6月、年末までに緩和策縮小の開始を見込んでおり、2014年半ばの債券買い入れプログラム終了を視野に入れていると発言した。

わずか数カ月の間に米国10年債利回りは1%超も上昇。金利急騰の衝撃はFRB高官を驚かせ、今回の縮小開始の見送りを思いとどまらせるのに十分だったようだ。

18日の連邦公開市場委員会(FOMC)声明は「ここ数カ月間に金融市場の状況は引き締まりの傾向が観察され、もしこの状況が持続すれば、景気および雇用市場の改善ペースが鈍化する可能性がある」と指摘した。

量的緩和策を現状のまま据え置く予想外の決定を受けた安心感から、世界の市場は一斉に値上がりした。ここ数カ月間、大規模なFRBの量的緩和策が早期に巻き戻されるとの恐怖感から緊張に包まれていた状況が一転した。

FRBの判断の根拠が薄弱だというつもりはない。第3・四半期の経済成長率は第2・四半期の年率2.5%から鈍化し、8月の雇用統計も失望を誘う内容だった。同時に物価上昇率はFRBの目標である2%を大きく下回る水準で、量的緩和政策を継続する余地が十分に与えられたといっていい。

おそらくもっと重要なことは、FRBが成長率予測を大幅に下方修正し、来年は2.9─3.1%と6月時点の3.0─3.5%からに引き下げられたことだ。

<ハト派の合図ミス>

市場がテーパリング(量的緩和縮小)に備えていた理由の一つは、FRB幹部から9月縮小開始の期待形成を抑える発言がほとんどなかったからだ。

バーナンキ議長は7月の議会証言で、金利上昇が景気に悪影響を及ぼさないよう注視する姿勢を強調した。しかし、この発言について、FRBが早期の緩和策縮小に及び腰になっているサインと受け止めた連銀ウオッチャーはまれだった。

実際のところ、FRBで最もハト派とされるシカゴ地区連銀のエバンズ総裁は今月、月内の開始を支持する心構えがあると述べている。

エバンズ総裁はかサウスカロライナ州で記者団に対し、「景気は継続的に前進しており、十分な改善がみられると納得できる」と語った。

ピーターソン国際経済研究所のエコノミストでFRBの勤務経験もあるジョセフ・ギャグノン氏は「FOMCが決定した政策は、緩和策縮小の開始は経済指標次第だとするFRBのガイダンスと矛盾していはいない」と指摘する。

それでもギャグノン氏はFRBの市場へのシグナルの送り方に問題点があったことを認めた上で、「ここ数週間、FRBは9月のテーパリングは確実だという、市場に広まった見方を修正する努力を怠った」と話している。

今回の混乱で、かつてのようにFRBの透明性が一部に限られており、FRBが必ずしも手の内の全てを明らかにしていなかったグリーンスパン前議長の時代を懐かしく振り返るアナリストもいる。当時はFRB幹部自身が持つ将来見通しの不確実性を隠すこともできたのだ。

元FRBスタッフでカンバーランド・アドバイザーズのボブ・アイゼンベイス主席金融エコノミストは「FOMCの対話戦略は、フォワードガイダンスとコミットメントに依拠した洗練された経済モデルに強く影響を受けている。市場の意思決定に伴う不確実性を排除するための主要要素としてガイダンスとコミットメントを位置づけ、政策効果を高める手段とするモデルだ」と指摘する。

しかし、「政策変更とテーパリングは今後の経済指標が前提条件になるとのあいまいな主張からも分かるように、今回明らかになったのはFOMCが何よりも政策決定の上での裁量権を重んじているということだ。経済指標に頼るのはフォワードガイダンスではないし、コミットメントを裏付けるものにはならない」と述べた。

(Pedro Nicolaci da Costa記者)
 

 

 

 

 

 

コラム:米QE維持でクロス円上昇のからくり=佐々木融氏
2013年 09月 19日 17:10 JST
佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長(2013年9月19日)

18日に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は、大方の予想に比べると、かなりハト派的な結果だったと言えよう。

第一に、量的緩和(QE)縮小は行われず、資産購入額は維持された。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見でも、資産購入のコストに関する言及はほとんどなく、FOMCが予想以上に景気回復に対して慎重な見方を持っている様子がうかがえた。また、差し迫る連邦債務上限問題がFOMCを慎重にさせた可能性もある。

第二に、政策金利の予想も控えめなものとなっている。最もタカ派な3名の予想を除いた加重平均値で見ると、6月のFOMC時点での2015年末の予想値は1.03%だったが、今回のFOMCでは0.86%まで下方修正されている。

6月時点で2.0%と予想していた1名の委員が1.5%以下に下方修正し、同1.5%と予想していた3名の委員のうち2名が予想を下方修正したようである。この他、今回初めて示された16年末の予想値は1.88%となった。JPモルガン・チェースはこの数字が2%以上になると予想していたが、先行きの政策金利のパスについてもFOMCは意外に慎重なスタンスのようだ。

バーナンキ議長は資産購入額減少の前に、今後の経済指標(特に労働市場に関する指標)を確認し、金融環境の引き締まり(特にモーゲージ金利)が実体経済に与える影響を評価し、財政問題の進ちょくを確認したいとしている。しかし、現実的には10月29―30日の次回会合までに確認できそうなのは、最後の点に関してのみと考えられる。したがって、資産購入額の減少開始はその次の12月17―18日の会合まで待たなければならない可能性が高そうだ。

<米金利は低下、ドルは下落へ>

筆者は今回のFOMCで資産購入額の減少が決定されると予想していたが、それでも米金利は結局低下するだろうと見ていた。素直に考えれば、QE縮小はFRBによる債券購入額の減少を意味するため、「債券価格下落=長期金利上昇」と捉えられるが、過去2回(QE1、QE2)の例を見ると、米長期金利はいずれにおいても、QE開始直前に低下し、開始後に上昇に転じ、終了するかしないかくらいの時期から低下基調に戻るというパターンを繰り返している。

これは、QEが債券市場に与える影響は、需給よりも期待の方が強いためと考えられる。つまり、QEが始まる前には、実際にFRBは債券の購入を始めていないのに、市場参加者がQEに対する期待の高まりを受けて債券を購入するため金利は低下する。そして、実際にQEが開始される頃には買い持ちポジションが積み上がってしまっているので、市場参加者は債券を売り戻し、金利は上昇するのである。

この時、FRBは債券購入を開始しているが、それでも金利が上昇するほど、市場参加者の売り圧力は強くなる。その後、QE終了が近づくと、FRBが引き続き債券購入を続けているにもかかわらず、QE終了期待で市場参加者が債券を売る力の方が強くなり、金利は上昇するのである。そして、実際にFRBがQEを終了する頃には債券の売り持ちポジションが大きくなっており、買い戻しが始まると考えられる。

事実、今回も米10年国債利回りは今年5月以降、1.6%台から3.0%台まで大幅に上昇している。しかし、この間もFRBは毎月850億ドルの債券を購入し続けていた。つまり、FRBによる債券の大量購入は、需給を通じて米長期金利を低下させておらず、債券市場はむしろQE終了に対する期待の方に反応していたことが分かる。FRBが毎月、日銀を上回る額の債券を購入しているにもかかわらず、結果的に米長期金利が大幅に上昇してしまっていることは、FRBによる債券購入より、市場参加者がQE縮小を見越して債券を売った影響の方が強かったことを意味している。

今回は市場参加者がQE縮小を十分に織り込んだ時点、つまり債券の売り持ちポジションが大きくなっている状況で、予想に反してFRBが債券の大量購入を続けることを発表した。したがって、米金利の低下圧力はかなり大きくなる可能性があり、為替相場ではドル安圧力が強まることが予想される。

<対エマージング通貨では円安が進む可能性>

米金利低下、ドル下落の流れはドル円相場ではドル安・円高に寄与すると考えられるが、クロス円、特に対エマージング通貨ではむしろ円安方向への動きが期待できるかもしれない。

ここ数カ月間の為替市場で目立った動きは「米金利上昇=ドル高=エマージング通貨下落」だった。つまり、ドルは金利上昇で強い通貨となった一方、米金利上昇に対する懸念でブラジルレアル、トルコリラ、インドルピー、インドネシアルピアといったエマージング通貨は大きく売られていた。

米金利が上昇するとの懸念からエマージング通貨が売られるのは、エマージング通貨・資産への投資がドルを調達通貨として行われているからである。米金利が上昇することとなれば、調達コストが上昇してしまうため、投資家は「ドル売り・エマージング通貨買い」のポジションを手仕舞う(つまり「ドル買い・エマージング通貨売り」を行なう)ことになる。

また、円もドルと同じように調達通貨として機能し、エマージング通貨・資産への投資を支えている。したがって、エマージング市場の動揺は円の買い戻しにもつながる。この結果、円もエマージング通貨よりは強くなると考えられる。

しかし、米金利が今後低下することとなれば、こうした流れが反転するだろう。まず、ドルはこれまで買われた反動もあって、しばらく最も弱い通貨になる可能性がある。そして、その反対にエマージング市場は全体的に落ち着きを取り戻し、反発に向かうだろう。米金利が低下傾向に向かえば、エマージング市場には再びドルを調達通貨とした投資フローが戻ってくると予想される。そうなれば、円も再び資本調達通貨としての機能を取り戻し、弱い通貨となるだろう。

つまり、ドルは最も弱くなることが予想されるのでドル円相場ではドル安・円高方向に振れるが、円はエマージング通貨をはじめとするその他の通貨に対しては弱くなると予想されるため、クロス円は円安方向に振れると考えられるのである。

*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の債券為替調査部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。

 


 


 

 

 
ドル99円前半、実需の売りが上値抑える
2013年 09月 20日 12:46 JST
[東京 20日 ロイター] -正午のドル/円は、前日のニューヨーク市場午後5時時点と比べてドル安/円高の99円前半。短期筋の利益確定売りに加え、半期末を前に予定しているヘッジにめどをつけたい輸出企業の売りなどが相場を圧迫した。

<実需の売りが上値抑える>

正午までのドル/円は99.27─99.56円のレンジで取引された。仲値公示付近までは日経平均株価.N225が底堅く推移するなかで、クロス円、ドル/円ともにしっかりとしていたが、その後はジリジリと値を下げる展開となった。

大手邦銀関係者によると、きょうは25日がスポット応答日にあたるため、ここを目指した一部大手輸出企業の売りや、半期末を控え予定しているヘッジにめどをつけたい輸出企業の売りなどが出た。短期筋の利益確定売りも観測された。

ドル/円をめぐっては、米連邦公開市場委員会(FOMC)の量的緩和(QE3)縮小見送りを受け急落した97.76円から1日も経たずにFOMC前の水準まで戻したが、ここからの上値追いには慎重な投資家が目立つ。

個人投資家は押し目待ちのスタンスにあるといい、市場では「押し目を拾って売り抜けるというスタンスに変わりはないが、きのう安値をみているので、98円より上の買いはパラパラという感じだ。一方、上値は100円は重いとみているようで、その手前に大口の売りオーダーが入っている」(上田ハーロー)との声が出ていた。

<ドイツ選挙控え上げ一服>

正午までのユーロ/ドルは1.3528─1.3538ドルの狭いレンジで取引された。約7カ月ぶり高値圏で推移したが、ドイツ連邦議会(下院)選挙を22日に控え、積極的な売買は手控えられた。

市場では「連立相手の支持率がいまひとつで、波乱になる可能性も否定できない。このところリスクオンの動きが激しかっただけに、ネガティブニュースに反応しやすくなっており、注意が必要だ」(外為アナリスト)と警戒する声が出ていた。

最新の世論調査では、メルケル首相率いる中道右派連合の支持率が、野党陣営を引き続き上回っているものの、その差はわずかとなっている。

FGワーレンが実施したポリトバロメーター調査によると、メルケル氏のキリスト教民主・社会同盟の支持率は40%で、前回調査(13日)から変わらず。連立相手の自由民主党(FDP)の支持率は5.5%と、前回から0.5ポイント低下した。

一方、野党陣営は社会民主党(SPD)が1ポイント上昇の27%、90年連合・緑の党が2ポイント低下の9%、左派党は0.5ポイント上昇の8.5%となった。

反ユーロを掲げる政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は4%で前回から変わらず。議席確保に必要な5%を下回っている。

(ロイターニュース 志田義寧)
 

 

 

 

 


日本経済、積極的な金融刺激策の継続がカギに=PIMCO
2013年 09月 20日 06:56 JST  

9月19日、債券ファンド最大手の米パシフィック・ インベストメント・マネジメントは、向こう1年間の世界経済について慎重ながらも楽観的な見通しを明らかにするとともに、日本経済については積極的な金融刺激策の継続がカギになるとの見方を示した。写真は都内の株価ボード(2013年 ロイター/Toru Hanai)

[ニューヨーク 19日 ロイター] - 債券ファンド最大手の米パシフィック・ インベストメント・マネジメント(PIMCO)は19日、向こう1年間の世界経済について慎重ながらも楽観的な見通しを明らかにするとともに、日本経済については、積極的な金融刺激策の継続がカギになるとの見方を示した。

世界経済の今後1年間の成長率見通しは2.25─2.75%とし、今年6月末までの1年間の伸びである2.2%を多少上回ると予想。米経済については同2.0─2.5%とし、6月末までの同1.7%から拡大を見込む。

日本経済については、積極的な金融刺激策が継続されるかにかかっていると指摘。マネジング・ディレクターのサーミル・パリク氏は「成長の足かせにつながるような、政策の変更もしくは方針転換が行われた場合、先行きの日本経済に予想を超える大きな下押し圧力がもたらされるだろう」と述べた。

新興市場国については、中国、ロシア、メキシコ、ブラジルの成長が最も高くなる見通しで、インド、トルコ、インドネシアは今後、国際的な各種バランスシートによる下支えが必要になるかもしれないと述べた。将来の政策決定に関しては特に中国の動きが注目されるとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


法人実効税率下げ、給与増に回る保証なければ困難=麻生財務相
2013年 09月 20日 12:40 JST
[東京 20日 ロイター] - 麻生太郎財務相は20日、閣議後の会見で、消費増税による景気の腰折れを回避するための経済対策をめぐり焦点に浮上している法人実効税率の引き下げについて、コメントできる段階ではないと述べた。

税率の引き下げが設備投資や雇用拡大、給与引き上げにつながる保証がなければ世間で通用しないと慎重な見方をあらためて示した。

政府は復興特別法人税を1年前倒しで廃止する方針を固めており、法人実効税率(東京都)は2014年度に現行の38.01%から35.64%に下がる。さらに政府内では、競争力を強化し成長を底上げする狙いから、さらなる実効税率の引き下げの検討を模索する動きがある。

これに対して麻生財務相は「代替財源を今すぐ見つけることは難しい」とした上で、「実効税率を引き下げた場合に、それによって出た利益が設備投資や雇用の増大、給与引き上げに回る保証を経営者がするか。内部留保がたまるだけなら意味がない」と難色を示し、「簡単に『はい』と言える話ではない」と語った。

その上で麻生財務相は「日本企業が海外と競争していく点から、長期的な課題として検討しておかなければならない問題だ」とし、中長期の課題と位置付けた。

復興特別法人税の廃止に関しては「これを前倒しする話がないわけではない」としながらも、「内部留保に回るだけなら世間で通らない」と注文を付けた。

所得税の復興増税分の扱いについては、25年間で7兆円を見込んでおり、「それに匹敵するものはない」とし、付加分の撤廃について「やりたいという話にはつながっていかない」とはねつけた。

麻生財務相はきょう安倍晋三首相と会談し、経済対策の内容について詰めを行う。焦点の法人実効税率引き下げについてはあらためて慎重な見解を示すとみられる。

(吉川裕子;編集 山川薫)

 

 

 

 

 

 

 
法人減税で賃上げへ好循環つなげる=甘利再生相
2013年 09月 20日 12:50 JST
[東京 20日 ロイター] - 甘利明経済再生相は20日午前の閣議後会見で、経済対策の中に盛り込む復興特別法人税の前倒し廃止について、賃上げなどにつなげて「経済の好循環」を作り上げることが狙いだとし、復興予算は別途確保するとの考えを示した。

再生相は「企業業績は上がったが賃金は上がらない、物価は上がっていくが賃金が上がらないとなれば、アベノミクスは成功しない。その部分を(安倍晋三首相は)非常に心配している」と説明。「いかに政府が環境整備をして好循環を作るか。そうした考えの中での検討項目のひとつだ」と述べた。

政府・与党内では、時限措置の復興特別法人税を廃止することに慎重論も根強いが、再生相は「被災地の予算を取り上げることはない。その予算を確保した上で、1年前倒して行われる」と主張。特別法人税の廃止は「賃金改善につなげていくとの順序で議論されている」としながら、「被災地に迷惑をかけることは微塵もない。名目賃金が上がる姿を早く作り出し、経済が伸びていく実感を持ってもらう取り組み」だと説明した。

法人実効税率そのものの引き下げに関しては「経済産業相を中心に検討してもらうことになる。(日本経済の)中長期の方向性を照らして(考えて)いった方が、海外からの投資を増やすことなどにも貢献する」としたが、実際の引き下げは「いつ、どのくらいできるかは日本経済の回復状況と関連する」と述べるにとどめた。

きょう午後に初会合が開かれる政労使会議に関しては「何か強制的なことを決め打ちする場ではないが、日本が抱える課題と解決に向けての共通認識を、日本経済を支えるすべての者が持つこと」に期待を示した。「企業業績が賃金や下請代金に跳ね返ること、成熟産業から成長産業への失業なき労働移動、そういうスムーズな資源配分を可能にするような知恵を出し合ってもらい、認識を共有していく」ことが狙いだという。

安倍晋三首相が19日、東京電力(9501.T)福島第1原発の5号機と6号機を廃炉とするよう東電に要請したことについては「国民感情と安定的なエネルギー政策の双方を勘案してなされた決断と思う。尊重したい」と話した。

(ロイターニュース 基太村真司:編集 山川薫)

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