07. 2013年9月20日 13:34:30
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焦点:米量的緩和縮小見送り、後任議長に重い宿題 2013年 09月 20日 13:04 JST [ニューヨーク/サンフランシスコ 19日 ロイター] - バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が量的緩和(QE)縮小を見送ったことは、後任議長による超緩和政策の正常化をより難しくする可能性がある。バーナンキ議長は6月、QEと呼ばれる債券買い入れプログラムについて、年内に買い入れ縮小に着手し、失業率が7%程度に低下していると予想する2014年半ばまでに終了するとの出口シナリオを示した。エコノミストらは、そのシナリオに則り、9月17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で緩和縮小を決定すると予想していた。 しかし、ふたを開けてみると、月額850億ドルの買い入れは継続。会見でのバーナンキ議長は、買い入れ縮小はおそらく年内に始まる可能性があるとしか言わず、終了時に想定する失業率についても、目安は示したが「マジックナンバー」(目指す特別な数字)はないと述べた。 買い入れ縮小の先送りがFRBのバランスシートに与える影響は軽微とみられる。しかし、QEの出口戦略という難しい問題には多大な不確実性がもたらされ、バーナンキ議長の後任は、有用なロードマップがない状況に置かれる。 イートン・バンスのポートフォリオマネジャー、エリック・スタイン氏は「FRBが何らかの形のテーパリング(買い入れ縮小)にコミットしていると考えていた。FRBは道筋を付けておき、(バーナンキ議長の)後任がそこから逸脱しにくくしたいはず、と考えたからだ。それが理由の一つ」と述べた。 スタイン氏は、特に来年2月1日に新議長が就任する見通しであることを考えると、今回の見送りは、FRBの意図と金融市場の期待との間に一段のずれをもたらした恐れがあると指摘した。 バーナンキ議長の後任は、サマーズ氏が指名を辞退したことで、イエレン副議長の昇格が最も有力視されている。大統領の後任指名は早ければ来週の可能性がある。バーナンキ議長が次回10月のFOMCでQE縮小を発表したとしても、もう「レームダック」状態だろう。 いずれにせよ、後任議長は、膨張したバランスシートと、政策上の今後数年にわたる約束を引き継ぐことになる。期待に沿わない景気回復や高止まりする失業率にも取り組まなければならない。 バンク・オブ・ウェストのエコノミスト、スコット・アンダーソン氏は「次期議長にはより重い任務が残される」と述べ、「新議長が就任した時にテーパリングが始まってさえいない可能性もかなりある」と指摘した。 もちろん、今回の見送りが、QEの出口戦略について新議長に政策運営の裁量を与えたとも言える。前月、デューク理事が退任し、ラスキン理事は財務副長官に指名されている。議長だけでなく、FOMCメンバーも何人か交代する。 金融危機時にFRB理事だったランダール・クロズナー氏は、バーナンキ議長は後任のために、まず5月に緩和縮小の可能性に言及して市場の反応をみて、先のFOMCで維持を決めたとみている。 今後決めなければならないことは、(1)いつ買い入れ縮小を開始するか、(2)どの程度のペースで縮小していくか、(3)国債とエージェンシーMBSのどちらから買い入れを減らすか、がある。加えて新議長は、買い入れ縮小が、利上げが近いという意味ではないと市場を納得させる必要がある。 <市場の関心はイエレン副議長に> 多くの投資家は、FRBが景気支援措置の縮小に踏み切る機が熟したと考えていた。 予想外の決定を受け、市場では最初の利上げ時期の予想が2015年に先送りされた。QE縮小開始も、プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)の間では12月という予想が多い。 クレディスイスのエコノミスト、ダナ・サポルタ氏は「FRBが買い入れ縮小の機会を見送ったことには、かなり驚いた。市場参加者に一段の不透明感をもたらしたという意味で次期議長への移行を複雑にするだろう」と述べた。 バーナンキ議長は18日の会見で「将来のFOMCに対し、われわれが複雑な状況を作っているとは思わない」と述べている。 バーナンキ議長が緩和縮小に着手するために残された時間が少なくなった今、投資家の関心はイエレン副議長に向かっている。 一部FRBウォッチャーは、9月FOMCで浮かび上がった、よりハト派なFRBは、雇用重視のイエレン副議長がすでに金融政策決定における影響力を強めていることを示すとみている。 イエレン副議長は10月1日にニューヨークで講演する予定だ。 (Jonathan Spicer、Ann Saphir記者;翻訳 武藤邦子;編集 内田慎一) 政府による持続可能な財政構造確立、強く期待=日銀総裁 2013年 09月 20日 13:06 JST [東京 20日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は20日、都内で講演し「政府が持続可能な財政構造の確立を進めることを強く期待する」と述べ、消費増税など財政再建への期待を表明した。 景気・物価は日銀が目標とする2%の物価目標に向け順調に推移しているとの見方を示したが、景気回復が持続するかは海外経済動向が左右すると指摘した。 <緩和効果に「確かな手ごたえ」、新興国を注視> 黒田総裁は共同通信社主催のきさらぎ会で講演の後、質疑に応える形で、「長期金利が落ち着いて推移しているのは、財政再建に向けた政府の取り組みを市場が信用しているため」との見方を示した。 米国の金融政策の出口観測で海外発の金利上昇圧力があっても国内金利が低位で安定しているのは「日銀の国債買入れで、上昇圧力を抑えているため」と指摘した。 講演では、4月に始めた異次元緩和の効果について「これまでのところ確かな手ごたえを感じている」と述べ、「日本経済は2%の物価目標実現に向けた道筋を、順調にたどっている」との認識を示した。 ただ景気回復の持続性は「海外経済の動向がカギを握る」と指摘。海外経済は「一部に弱めの動きがあるが、全体としては持ち直している」とした。中国経済は「不確実性が高いが、堅調な内需に支えられ安定した成長が続く」との見方を示した。 新興国経済は、米国の金融政策運営をめぐる思惑などで「金融市場の動きが実体経済に悪影響を与えるリスクがある」とし、「現時点で深刻な事態にまで至るとはみていないが、引き続き注視する」と強調した。 (竹本 能文、伊藤 純夫) 焦点:米FRB、対話力の問題点を露呈 2013年 09月 20日 11:53 JST [ワシントン 19日 ロイター] - 市場との対話の透明性に誇りを持つ米連邦準備理事会(FRB)はメッセージ伝達に関して明らかに問題がある。 9月の量的緩和策の縮小開始に備えて金融市場を数カ月間にわたり準備させた挙句、FRBが何もしなかったことに投資家は驚愕した。その多くは今後、FRB幹部の言葉をどれほど信用していいのか、疑念を抱いている。 月額850億ドルの債券買い入れ規模縮小を9月に開始する可能性はFRB高官から広く事前に伝えられていた。先週のロイター調査では69人のエコノミストのうち49人が今回緩和策の縮小に踏み切ると見込んでいた。 しかしFRBは今週、自分たちが奇妙な立場に置かれていることに気付いた。FRBの債券買い入れ規模の縮小計画が、景気への悪影響を及ぼす懸念がある金利上昇を招いていたのだ。 現在、トレーダーはFRBが年内に資産買い入れ規模の縮小に着手するかどうかを疑問視しており、FRBの政策見通しに関する市場予測の揺れ動きがいかに大きいかを示している。FRB高官が明確な指標の提示に最善の努力を尽くしているにもかかわらず、である。 さらに重要なのは、FRBが市場との対話に失敗したことで、市場はFRBの送るシグナルに不信感を持つようになるとアナリストの一部が懸念している点だ。金利に影響を与える先行きの政策ガイダンスへの依存を強めてきたFRBにとって問題になりかねない。 RBCキャピタル・マーケッツの金利戦略部門の責任者、マイケル・クロハティー氏は「信頼性に必要なのは一貫性だ。疑問は今やFRBがことし緩和策縮小を開始するかどうかではなく、来年のいつごろ開始するかに移っている」と語る。 バーナンキ議長が近い将来の債券買い入れ規模の縮小を示唆した5月、米国では金利上昇が加速し、回復の兆しが強まっていた住宅市場に脅威を与えた。世界の市場も急落に見舞われた。 続いてバーナンキ議長は6月、年末までに緩和策縮小の開始を見込んでおり、2014年半ばの債券買い入れプログラム終了を視野に入れていると発言した。 わずか数カ月の間に米国10年債利回りは1%超も上昇。金利急騰の衝撃はFRB高官を驚かせ、今回の縮小開始の見送りを思いとどまらせるのに十分だったようだ。 18日の連邦公開市場委員会(FOMC)声明は「ここ数カ月間に金融市場の状況は引き締まりの傾向が観察され、もしこの状況が持続すれば、景気および雇用市場の改善ペースが鈍化する可能性がある」と指摘した。 量的緩和策を現状のまま据え置く予想外の決定を受けた安心感から、世界の市場は一斉に値上がりした。ここ数カ月間、大規模なFRBの量的緩和策が早期に巻き戻されるとの恐怖感から緊張に包まれていた状況が一転した。 FRBの判断の根拠が薄弱だというつもりはない。第3・四半期の経済成長率は第2・四半期の年率2.5%から鈍化し、8月の雇用統計も失望を誘う内容だった。同時に物価上昇率はFRBの目標である2%を大きく下回る水準で、量的緩和政策を継続する余地が十分に与えられたといっていい。 おそらくもっと重要なことは、FRBが成長率予測を大幅に下方修正し、来年は2.9─3.1%と6月時点の3.0─3.5%からに引き下げられたことだ。 <ハト派の合図ミス> 市場がテーパリング(量的緩和縮小)に備えていた理由の一つは、FRB幹部から9月縮小開始の期待形成を抑える発言がほとんどなかったからだ。 バーナンキ議長は7月の議会証言で、金利上昇が景気に悪影響を及ぼさないよう注視する姿勢を強調した。しかし、この発言について、FRBが早期の緩和策縮小に及び腰になっているサインと受け止めた連銀ウオッチャーはまれだった。 実際のところ、FRBで最もハト派とされるシカゴ地区連銀のエバンズ総裁は今月、月内の開始を支持する心構えがあると述べている。 エバンズ総裁はかサウスカロライナ州で記者団に対し、「景気は継続的に前進しており、十分な改善がみられると納得できる」と語った。 ピーターソン国際経済研究所のエコノミストでFRBの勤務経験もあるジョセフ・ギャグノン氏は「FOMCが決定した政策は、緩和策縮小の開始は経済指標次第だとするFRBのガイダンスと矛盾していはいない」と指摘する。 それでもギャグノン氏はFRBの市場へのシグナルの送り方に問題点があったことを認めた上で、「ここ数週間、FRBは9月のテーパリングは確実だという、市場に広まった見方を修正する努力を怠った」と話している。 今回の混乱で、かつてのようにFRBの透明性が一部に限られており、FRBが必ずしも手の内の全てを明らかにしていなかったグリーンスパン前議長の時代を懐かしく振り返るアナリストもいる。当時はFRB幹部自身が持つ将来見通しの不確実性を隠すこともできたのだ。 元FRBスタッフでカンバーランド・アドバイザーズのボブ・アイゼンベイス主席金融エコノミストは「FOMCの対話戦略は、フォワードガイダンスとコミットメントに依拠した洗練された経済モデルに強く影響を受けている。市場の意思決定に伴う不確実性を排除するための主要要素としてガイダンスとコミットメントを位置づけ、政策効果を高める手段とするモデルだ」と指摘する。 しかし、「政策変更とテーパリングは今後の経済指標が前提条件になるとのあいまいな主張からも分かるように、今回明らかになったのはFOMCが何よりも政策決定の上での裁量権を重んじているということだ。経済指標に頼るのはフォワードガイダンスではないし、コミットメントを裏付けるものにはならない」と述べた。 (Pedro Nicolaci da Costa記者) コラム:米QE維持でクロス円上昇のからくり=佐々木融氏 2013年 09月 19日 17:10 JST 佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長(2013年9月19日) 18日に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は、大方の予想に比べると、かなりハト派的な結果だったと言えよう。 第一に、量的緩和(QE)縮小は行われず、資産購入額は維持された。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見でも、資産購入のコストに関する言及はほとんどなく、FOMCが予想以上に景気回復に対して慎重な見方を持っている様子がうかがえた。また、差し迫る連邦債務上限問題がFOMCを慎重にさせた可能性もある。 第二に、政策金利の予想も控えめなものとなっている。最もタカ派な3名の予想を除いた加重平均値で見ると、6月のFOMC時点での2015年末の予想値は1.03%だったが、今回のFOMCでは0.86%まで下方修正されている。 6月時点で2.0%と予想していた1名の委員が1.5%以下に下方修正し、同1.5%と予想していた3名の委員のうち2名が予想を下方修正したようである。この他、今回初めて示された16年末の予想値は1.88%となった。JPモルガン・チェースはこの数字が2%以上になると予想していたが、先行きの政策金利のパスについてもFOMCは意外に慎重なスタンスのようだ。 バーナンキ議長は資産購入額減少の前に、今後の経済指標(特に労働市場に関する指標)を確認し、金融環境の引き締まり(特にモーゲージ金利)が実体経済に与える影響を評価し、財政問題の進ちょくを確認したいとしている。しかし、現実的には10月29―30日の次回会合までに確認できそうなのは、最後の点に関してのみと考えられる。したがって、資産購入額の減少開始はその次の12月17―18日の会合まで待たなければならない可能性が高そうだ。 <米金利は低下、ドルは下落へ> 筆者は今回のFOMCで資産購入額の減少が決定されると予想していたが、それでも米金利は結局低下するだろうと見ていた。素直に考えれば、QE縮小はFRBによる債券購入額の減少を意味するため、「債券価格下落=長期金利上昇」と捉えられるが、過去2回(QE1、QE2)の例を見ると、米長期金利はいずれにおいても、QE開始直前に低下し、開始後に上昇に転じ、終了するかしないかくらいの時期から低下基調に戻るというパターンを繰り返している。 これは、QEが債券市場に与える影響は、需給よりも期待の方が強いためと考えられる。つまり、QEが始まる前には、実際にFRBは債券の購入を始めていないのに、市場参加者がQEに対する期待の高まりを受けて債券を購入するため金利は低下する。そして、実際にQEが開始される頃には買い持ちポジションが積み上がってしまっているので、市場参加者は債券を売り戻し、金利は上昇するのである。 この時、FRBは債券購入を開始しているが、それでも金利が上昇するほど、市場参加者の売り圧力は強くなる。その後、QE終了が近づくと、FRBが引き続き債券購入を続けているにもかかわらず、QE終了期待で市場参加者が債券を売る力の方が強くなり、金利は上昇するのである。そして、実際にFRBがQEを終了する頃には債券の売り持ちポジションが大きくなっており、買い戻しが始まると考えられる。 事実、今回も米10年国債利回りは今年5月以降、1.6%台から3.0%台まで大幅に上昇している。しかし、この間もFRBは毎月850億ドルの債券を購入し続けていた。つまり、FRBによる債券の大量購入は、需給を通じて米長期金利を低下させておらず、債券市場はむしろQE終了に対する期待の方に反応していたことが分かる。FRBが毎月、日銀を上回る額の債券を購入しているにもかかわらず、結果的に米長期金利が大幅に上昇してしまっていることは、FRBによる債券購入より、市場参加者がQE縮小を見越して債券を売った影響の方が強かったことを意味している。 今回は市場参加者がQE縮小を十分に織り込んだ時点、つまり債券の売り持ちポジションが大きくなっている状況で、予想に反してFRBが債券の大量購入を続けることを発表した。したがって、米金利の低下圧力はかなり大きくなる可能性があり、為替相場ではドル安圧力が強まることが予想される。 <対エマージング通貨では円安が進む可能性> 米金利低下、ドル下落の流れはドル円相場ではドル安・円高に寄与すると考えられるが、クロス円、特に対エマージング通貨ではむしろ円安方向への動きが期待できるかもしれない。 ここ数カ月間の為替市場で目立った動きは「米金利上昇=ドル高=エマージング通貨下落」だった。つまり、ドルは金利上昇で強い通貨となった一方、米金利上昇に対する懸念でブラジルレアル、トルコリラ、インドルピー、インドネシアルピアといったエマージング通貨は大きく売られていた。 米金利が上昇するとの懸念からエマージング通貨が売られるのは、エマージング通貨・資産への投資がドルを調達通貨として行われているからである。米金利が上昇することとなれば、調達コストが上昇してしまうため、投資家は「ドル売り・エマージング通貨買い」のポジションを手仕舞う(つまり「ドル買い・エマージング通貨売り」を行なう)ことになる。 また、円もドルと同じように調達通貨として機能し、エマージング通貨・資産への投資を支えている。したがって、エマージング市場の動揺は円の買い戻しにもつながる。この結果、円もエマージング通貨よりは強くなると考えられる。 しかし、米金利が今後低下することとなれば、こうした流れが反転するだろう。まず、ドルはこれまで買われた反動もあって、しばらく最も弱い通貨になる可能性がある。そして、その反対にエマージング市場は全体的に落ち着きを取り戻し、反発に向かうだろう。米金利が低下傾向に向かえば、エマージング市場には再びドルを調達通貨とした投資フローが戻ってくると予想される。そうなれば、円も再び資本調達通貨としての機能を取り戻し、弱い通貨となるだろう。 つまり、ドルは最も弱くなることが予想されるのでドル円相場ではドル安・円高方向に振れるが、円はエマージング通貨をはじめとするその他の通貨に対しては弱くなると予想されるため、クロス円は円安方向に振れると考えられるのである。 *佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の債券為替調査部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。
ドル99円前半、実需の売りが上値抑える 2013年 09月 20日 12:46 JST [東京 20日 ロイター] -正午のドル/円は、前日のニューヨーク市場午後5時時点と比べてドル安/円高の99円前半。短期筋の利益確定売りに加え、半期末を前に予定しているヘッジにめどをつけたい輸出企業の売りなどが相場を圧迫した。 <実需の売りが上値抑える> 正午までのドル/円は99.27─99.56円のレンジで取引された。仲値公示付近までは日経平均株価.N225が底堅く推移するなかで、クロス円、ドル/円ともにしっかりとしていたが、その後はジリジリと値を下げる展開となった。 大手邦銀関係者によると、きょうは25日がスポット応答日にあたるため、ここを目指した一部大手輸出企業の売りや、半期末を控え予定しているヘッジにめどをつけたい輸出企業の売りなどが出た。短期筋の利益確定売りも観測された。 ドル/円をめぐっては、米連邦公開市場委員会(FOMC)の量的緩和(QE3)縮小見送りを受け急落した97.76円から1日も経たずにFOMC前の水準まで戻したが、ここからの上値追いには慎重な投資家が目立つ。 個人投資家は押し目待ちのスタンスにあるといい、市場では「押し目を拾って売り抜けるというスタンスに変わりはないが、きのう安値をみているので、98円より上の買いはパラパラという感じだ。一方、上値は100円は重いとみているようで、その手前に大口の売りオーダーが入っている」(上田ハーロー)との声が出ていた。 <ドイツ選挙控え上げ一服> 正午までのユーロ/ドルは1.3528─1.3538ドルの狭いレンジで取引された。約7カ月ぶり高値圏で推移したが、ドイツ連邦議会(下院)選挙を22日に控え、積極的な売買は手控えられた。 市場では「連立相手の支持率がいまひとつで、波乱になる可能性も否定できない。このところリスクオンの動きが激しかっただけに、ネガティブニュースに反応しやすくなっており、注意が必要だ」(外為アナリスト)と警戒する声が出ていた。 最新の世論調査では、メルケル首相率いる中道右派連合の支持率が、野党陣営を引き続き上回っているものの、その差はわずかとなっている。 FGワーレンが実施したポリトバロメーター調査によると、メルケル氏のキリスト教民主・社会同盟の支持率は40%で、前回調査(13日)から変わらず。連立相手の自由民主党(FDP)の支持率は5.5%と、前回から0.5ポイント低下した。 一方、野党陣営は社会民主党(SPD)が1ポイント上昇の27%、90年連合・緑の党が2ポイント低下の9%、左派党は0.5ポイント上昇の8.5%となった。 反ユーロを掲げる政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は4%で前回から変わらず。議席確保に必要な5%を下回っている。 (ロイターニュース 志田義寧) 日本経済、積極的な金融刺激策の継続がカギに=PIMCO 2013年 09月 20日 06:56 JST 9月19日、債券ファンド最大手の米パシフィック・ インベストメント・マネジメントは、向こう1年間の世界経済について慎重ながらも楽観的な見通しを明らかにするとともに、日本経済については積極的な金融刺激策の継続がカギになるとの見方を示した。写真は都内の株価ボード(2013年 ロイター/Toru Hanai)
[ニューヨーク 19日 ロイター] - 債券ファンド最大手の米パシフィック・ インベストメント・マネジメント(PIMCO)は19日、向こう1年間の世界経済について慎重ながらも楽観的な見通しを明らかにするとともに、日本経済については、積極的な金融刺激策の継続がカギになるとの見方を示した。 世界経済の今後1年間の成長率見通しは2.25─2.75%とし、今年6月末までの1年間の伸びである2.2%を多少上回ると予想。米経済については同2.0─2.5%とし、6月末までの同1.7%から拡大を見込む。 日本経済については、積極的な金融刺激策が継続されるかにかかっていると指摘。マネジング・ディレクターのサーミル・パリク氏は「成長の足かせにつながるような、政策の変更もしくは方針転換が行われた場合、先行きの日本経済に予想を超える大きな下押し圧力がもたらされるだろう」と述べた。 新興市場国については、中国、ロシア、メキシコ、ブラジルの成長が最も高くなる見通しで、インド、トルコ、インドネシアは今後、国際的な各種バランスシートによる下支えが必要になるかもしれないと述べた。将来の政策決定に関しては特に中国の動きが注目されるとした。 法人実効税率下げ、給与増に回る保証なければ困難=麻生財務相 2013年 09月 20日 12:40 JST [東京 20日 ロイター] - 麻生太郎財務相は20日、閣議後の会見で、消費増税による景気の腰折れを回避するための経済対策をめぐり焦点に浮上している法人実効税率の引き下げについて、コメントできる段階ではないと述べた。
税率の引き下げが設備投資や雇用拡大、給与引き上げにつながる保証がなければ世間で通用しないと慎重な見方をあらためて示した。 政府は復興特別法人税を1年前倒しで廃止する方針を固めており、法人実効税率(東京都)は2014年度に現行の38.01%から35.64%に下がる。さらに政府内では、競争力を強化し成長を底上げする狙いから、さらなる実効税率の引き下げの検討を模索する動きがある。 これに対して麻生財務相は「代替財源を今すぐ見つけることは難しい」とした上で、「実効税率を引き下げた場合に、それによって出た利益が設備投資や雇用の増大、給与引き上げに回る保証を経営者がするか。内部留保がたまるだけなら意味がない」と難色を示し、「簡単に『はい』と言える話ではない」と語った。 その上で麻生財務相は「日本企業が海外と競争していく点から、長期的な課題として検討しておかなければならない問題だ」とし、中長期の課題と位置付けた。 復興特別法人税の廃止に関しては「これを前倒しする話がないわけではない」としながらも、「内部留保に回るだけなら世間で通らない」と注文を付けた。 所得税の復興増税分の扱いについては、25年間で7兆円を見込んでおり、「それに匹敵するものはない」とし、付加分の撤廃について「やりたいという話にはつながっていかない」とはねつけた。 麻生財務相はきょう安倍晋三首相と会談し、経済対策の内容について詰めを行う。焦点の法人実効税率引き下げについてはあらためて慎重な見解を示すとみられる。 (吉川裕子;編集 山川薫) 法人減税で賃上げへ好循環つなげる=甘利再生相 2013年 09月 20日 12:50 JST [東京 20日 ロイター] - 甘利明経済再生相は20日午前の閣議後会見で、経済対策の中に盛り込む復興特別法人税の前倒し廃止について、賃上げなどにつなげて「経済の好循環」を作り上げることが狙いだとし、復興予算は別途確保するとの考えを示した。 再生相は「企業業績は上がったが賃金は上がらない、物価は上がっていくが賃金が上がらないとなれば、アベノミクスは成功しない。その部分を(安倍晋三首相は)非常に心配している」と説明。「いかに政府が環境整備をして好循環を作るか。そうした考えの中での検討項目のひとつだ」と述べた。 政府・与党内では、時限措置の復興特別法人税を廃止することに慎重論も根強いが、再生相は「被災地の予算を取り上げることはない。その予算を確保した上で、1年前倒して行われる」と主張。特別法人税の廃止は「賃金改善につなげていくとの順序で議論されている」としながら、「被災地に迷惑をかけることは微塵もない。名目賃金が上がる姿を早く作り出し、経済が伸びていく実感を持ってもらう取り組み」だと説明した。 法人実効税率そのものの引き下げに関しては「経済産業相を中心に検討してもらうことになる。(日本経済の)中長期の方向性を照らして(考えて)いった方が、海外からの投資を増やすことなどにも貢献する」としたが、実際の引き下げは「いつ、どのくらいできるかは日本経済の回復状況と関連する」と述べるにとどめた。 きょう午後に初会合が開かれる政労使会議に関しては「何か強制的なことを決め打ちする場ではないが、日本が抱える課題と解決に向けての共通認識を、日本経済を支えるすべての者が持つこと」に期待を示した。「企業業績が賃金や下請代金に跳ね返ること、成熟産業から成長産業への失業なき労働移動、そういうスムーズな資源配分を可能にするような知恵を出し合ってもらい、認識を共有していく」ことが狙いだという。 安倍晋三首相が19日、東京電力(9501.T)福島第1原発の5号機と6号機を廃炉とするよう東電に要請したことについては「国民感情と安定的なエネルギー政策の双方を勘案してなされた決断と思う。尊重したい」と話した。 (ロイターニュース 基太村真司:編集 山川薫) トップニュース 日経平均小幅高、円安好感も利食い売りに上値重い プーチン大統領、2018年再出馬は「可能性否定しない」 関連ニュース ドル指数が約7カ月ぶり低水準で推移、FRB緩和縮小見送りで 2013年9月19日 焦点:通貨安による輸出増加を期待する新興国、効果は限定的 2013年9月9日 米国株式市場・序盤=小動き、米経済指標に注目集まる 2013年9月5日
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