★阿修羅♪ > 経世済民82 > 528.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
意外感ある日本株急騰、他市場はFOMC前に様子見(ロイター) 
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/528.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 9 月 18 日 23:03:50: AtMSjtXKW4rJY
 

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE98H04X20130918
2013年 09月 18日 17:02 JST


[東京 18日 ロイター] - 日本株は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に、意外感のある急騰となった。様子見気分が続くとみられていたが、仕掛け的な先物買いが入り、裁定買いを巻き込んで上値を広げた。米国やドイツの株価が上昇しており、FOMC後の株高を期待する買いとの見方もある。

ただ、為替や円債など他市場は小動き。マーケット全体としては5年続いた米量的緩和策の行方を見極めたいとのムードが強い。

<日本株の急騰、CTA関与の可能性>

ドル/円は99円台前半、10年日本国債利回りは0.7%前半の水準でほとんど動かないなか、日本株だけが急騰した。一時、日経平均.N225は300円を超える上昇となり、約1カ月半ぶりに1万4600円台を回復。「意外感のある急反発」(証券ジャパン調査情報部長の大谷正之氏)となった。

日本株だけが反応するような材料が出たわけではない。きょう設定の投信による買いとの見方もあったが、400億円程度の規模だ。きょう設定だからといって、買いが本日中に入るとは限らない。9月期末が接近してきたことで配当取りや再投資狙いの可能性もあるが、「300円高をもたらすようなインパクトがあるとは思えない」(国内証券)という。

現物株の東証1部売買代金は2兆円をわずかに上回った程度であり、買いの中心は先物だ。仕掛け的な先物買いが入り、先物価格が上昇。裁定買いが現物株に入ったという。「FOMCの結果判明までボラティリティ低下を予想していた投資家が多く、想定外の値動きで買い戻しを急いだ短期筋も多い」(準大手証券トレーダー)との指摘もあった。

先物買いの主体は不明だが、CTA(商品投資顧問業者)の売買を仲介することの多い欧州系証券などによる日経先物の買い手口が目立っている。ただ、1000─2000枚程度で圧倒的な量というわけではない。仕掛け的な先物買いに、他の短期筋が追随した可能性がある。

岡三証券・日本株式戦略グループ長の石黒英之氏も、意外感のある上昇だと指摘。「FOMCの結果次第では、日経平均が7月19日の高値1万4953円29銭をトライする可能性がある。ただ、さらなる上昇には安倍政権の政策がクリアになることが必要だ。増税の中身や経済対策、成長戦略などがどうなるかを確認しない限り、1万5000円を超える上昇は難しいだろう」と述べた。

<FOMC後の株高期待も>

米国のダウ.DJIやドイツのクセトラDAX指数.DAXが過去最高値圏で推移するなか、日本株の相対的な出遅れに注目した買いが入ったのではないかとの見方もあった。日経平均は5月23日の年初来高値1万5942円から9%低い水準にある。

「米国やドイツはFOMC後の株高を予想したような動きになっている。グローバルマネーが日本株にも流入したのではないか」(大手証券トレーダー)という。

ただ、日本株はバリュエーション的には割安感が乏しい。日経平均の予想株価収益率(PER)は15.8倍、株価純資産倍率(PBR)は1.3倍だ。9月中間期での業績修正やアベノミクスの成長戦略や構造改革を見極めたいとの声が、投資家から多く出ている。

バリュー投資が主体の米大手資産運用会社フランクリン・テンプルトン・インベストメンツのグローバル株式運用担当者のヘザー・アーノルド氏は「日本は現在、非常にエキサイティングな時期にある。利益率や株主還元に焦点を当てる企業が増えてきた」としながらも、現時点では、日本株は割高ではないが、割安でもないと指摘している。

<FOMCはフォワードガイダンスにも注目>

荒れる日本株をよそに、為替市場や円債市場はFOMCを前に様子見ムードを強めている。QE3縮小が本当に決定されるかにも不透明感が依然残っているほか、縮小幅だけでなく、利上げの指針となるフォワード・ガイダンスの強化があるかも焦点だ。議長会見も含め、いろいろな組み合わせが考えられるだけに、市場の反応も読みにくい。

外為どっとコム総研・調査部長・上席研究員の神田卓也氏は、フォワードガイダンスの強化が最大の注目点とする。「今の段階では1年半から2年の間に最初の利上げがあるだろうと予想されているが、失業率の目標が6.5%から6%に引き下げられれば、利上げ開始時期は当然後ずれすることになる。そうなると、ドル/円が基調として上昇を続けるのは難しくなってくる可能性が高い」という。

一方、楽天経済研究所シニア・マーケットアナリストの土信田雅之氏は、QE3縮小決定が市場予想通りであれば、材料出尽くしでいったん株売りになるとみている。「QE3の縮小が決定されるとすれば、米経済が堅調であるためだ。しかし、足元はやや弱い指標も出ている。今後の政策運営を占ううえで、市場の焦点は経済指標に移ってきそうだ」との見方を示している。

(伊賀 大記 編集:田巻 一彦)


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2013年9月19日 01:42:35 : niiL5nr8dQ
【第21回】 2013年9月19日 野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
金融緩和政策の空回りは続いている
 今年の4月から開始された「異次元金融緩和政策」は、所期の効果を発揮しているのだろうか?
 金融政策の最終的な効果は、実質金利の低下、為替レートの減価(円安)、経済成長率の上昇などに現われるはずだ。ただし、こうした指標は、金融政策以外の要因にも左右されるので、金融政策の効果だけを抜き出して評価するのが難しい。
 以下では、金利、為替レート、経済成長率などの目的変数より前の段階にある「マネーストック」や「貸出」について見ることとしよう。これらは、金融緩和政策の直接の結果として増加しているはずのものである。
 しかし、以下に示すように、これらの変数は、期待どおりには増加していない。その意味で、異次元金融緩和政策は「空回りしている」と評価せざるをえない。
マネーストックを自由に動かせるか?
 金融緩和政策が経済に影響を与えるのは、マネーストック(現金通貨+預金通貨)が増加するからである。それが、マネー市場でマネーに対する需給を緩和し、実質金利を低下させ、設備投資や住宅投資を増やすものと期待される。これが教科書に書いてある金融緩和政策の効果であり、異次元金融緩和もそうした効果を狙って行なわれたはずだ。
 しかし、中央銀行は、マネーストックを直接に動かすことはできない。中央銀行が買いオペレーションを通じて直接に影響を与えられるのは、マネタリーベース(現金通貨+日銀当座預金)である。マネタリーベースの増加が、銀行の貸出を増加させ、それが信用創造過程を通じて預金通貨をマネタリーベースの数倍増加させるものと期待されている。
 このため、経済理論では、マネーストックを政策変数として扱い、それが政策当局の意図によって自由に動かせると考えてきた。
 ケインズ経済学は、不況期における金融緩和政策の効果に対して否定的な立場をとり、財政拡大政策が必要であると論じた。ただし、金融政策に効果がないと考える理由は、マネーに対する需要が無限に大きい状態(「流動性のトラップ」)に経済が落ち込んでいるため、マネーストックが増加しても、実質金利に影響が及ばないということである。つまり、金融緩和政策でマネーストックが増加すること自体は、自明のこととして認めていたわけだ。
 しかし、現実には、「マネタリーベースを増加させても、マネーストックが期待どおりに増加しない」という事態が発生しうるのである。これこそが、2001年から日本銀行が実行した「量的緩和政策」の最大の教訓であった。
 つまり、日銀が買いオペレーションを行なってマネタリーベースを増大させても、効果がそこでストップしてしまって、経済に流通するマネーの量が期待どおりには増加しないのである。こうなるのは、上に見た信用創造の過程が働かないからだ。
 そもそも、マネタリーベースの増加がマネーストックを増加させるのは、つぎの2つの条件があるからだと考えられる。
(1)マネタリーベースの構成要素である日銀当座預金は貸出の準備金であるが、それが銀行貸出増加の制約になっている。
(2)民間企業からの借入需要が十分に大きい。
 しかし、現在の日本では、このいずれの条件も満たされていない。すなわち、
(1)日銀当座預金はすでに過剰準備の状態にあるため、当座預金が増えても、貸出が増えることにはならない。
(2)企業の資金需要が弱い。
 したがって、信用創造過程は働かず、そのため、マネーストックも顕著には増加しないのだ。
マネーストックの伸びは、金融政策にあまり影響されない
 マネーストックの対前年同月比の推移を見ると、図表1と図表2のとおりだ。
 2004年4月以降の期間について、マネタリーベースと同一目盛でマネーストックの伸び率を示すと、図表1のようになる。

 まず、マネタリーベースの伸び率は、金融緩和政策との関係で大きく変動している。すなわち、2006年に量的緩和政策の終了で伸び率が大きくマイナスとなり、包括的金融緩和政策の導入(2010年10月)と異次元金融緩和政策の導入(2013年4月)によって、大きくプラスになっている。とりわけ、異次元金融緩和政策の影響は著しい。
 それに対して、マネーストックの伸び率は、あまり大きな変化を示していない。マネタリーベースの伸び率の変化によってもあまり大きく影響されずに、ほぼ一定である。
 マネーストックだけについて、目盛を拡大して表示すると、図表2のとおりである。

 量的緩和政策の終了の際には、マネーストックの伸び率は低下した。M2(預金通貨+国内銀行等に預けられた預金)は、それまでの2%程度から0.5%程度に、またM3(預金通貨+全預金取扱機関に預けられた預金)はそれまでの1%程度からマイナス0.6%程度に低下した。このように、変化幅は1.5%ポイント程度である。他方で、マネタリーベースの伸び率の変化幅は、図表1で見たように20%ポイントを超えているので、その10分の1未満にすぎない。
 2010年の包括的金融緩和措置導入の際には、マネーストックの伸び率は上昇したものの、変化幅は0.5%程度と、わずかであった。
 異次元金融緩和政策の導入によって、M2もM3も伸び率が増加したのは事実だ。ただし、変化の幅は1〜1.5%ポイント程度である。マネタリーベースの上昇率は30%ポイント程度増加しているので、それに比べると20分の1以下だ。
 なお、つぎの諸点に注意が必要である。
 第1に、M2もM3も、伸び率は2013年3月からはかなり高い値になっている。これは、異次元金融緩和の導入前だ。したがって、最近の伸び率の上昇は、必ずしも異次元金融緩和によるものとは言えない。
 第2に、2009年秋および11年末から12年初めにかけても、マネーストックの伸び率は最近とさほど変わらない水準に達していた。したがって、異次元金融緩和が、これまでとまったく異なる成果を挙げているとは言えない。
 第3に、マネーストック増加の約半分は現金通貨の増加である。現金通貨はマネタリーベースにも含まれるので、これは、マネタリーベースが増加したことの直接の効果だ。
 第4の、そして最大の問題は、「そもそも、伸び率が1%ポイント程度高まることが、経済に重要な影響を与えるだろうか?」ということである。
 実際、マネーストックの伸び率は、リーマンショックを境にして、それまでよりも高まった。しかし、それが日本経済に好影響を与えたわけではないのである。
 M2で見ると、リーマンショック前には(量的緩和政策終了の影響は除いて)、2%程度の伸び率で推移していた。それがリーマンショック後には、3%程度の水準になった。M3で見ると、リーマンショック前の0.5〜1%程度が、リーマン後には2%程度になった。
 しかし、これによって経済が好転したかと言えば、決してそうではない。むしろ、リーマン前のほうが、日本経済は輸出を中心にして活況を呈していたのである。
マネタリーベースとマネーストックの増加額の比較
 以下では、マネタリーベースとの比較において、マネーストックの増加額がどう推移しているかを分析することとする。
 ここで、2008年5月に「マネーサプライ統計」から「マネーストック統計」へ概念が変更されたことに留意したい。
 ここでは、2001年に始まった量的緩和政策の影響も見たいので、旧系列をも示すこととする。M2については、旧系列と新系列はあまり大きな差はなく、ほぼ連続している。しかし、M3については、かなりの差があって接続しない。このため、後に示す図表4において、03年3月から04年5月まで、M3の増加額をゼロと置いてある。
 まず、図表3に示すマネタリーベースとマネーストック(M2)の対前年増加額の推移を見よう。

 量的緩和政策の導入に伴って、マネタリーベースの増加額は急上昇した。これに伴ってM2の増加額も増加したのだが、M2の増加はすでに2000年から生じていたことに注意が必要である。また、03年以降のM2の増加額は、量的緩和政策導入前よりむしろ減少してしまった。
 量的緩和が終了した06年にはマネタリーベースは大きく減少した。M2も減少したが、減少額はそれほど大きくない。
 また、07年以降、M2の増加額は、量的緩和実施期間と同程度、あるいはそれ以上に増加した。とくに、リーマンショック以降はかなり水準が上がった。
 10年の包括的緩和政策の導入でマネタリーベースの増加額は増えたが、M2の増加額はほとんど影響を受けなかった。
 異次元緩和策の導入によって、マネタリーベースの増加額は急上昇した。M2の増加額も増加はしたものの、あまり大きな変化ではない。
 ところで、13年5月以降は、マネタリーベースの増加額が継続的にM2の増加額を上回っている。
 同様の現象は、00年2月、02年5月、11年5月に一時的に生じ、03年5月から04年3月にかけても生じた現象である。だから、初めての現象ではない。しかし、全期間を通じて見れば、異常な現象である。
 つぎに、マネタリーベースとマネーストック(M3)の対前年増加額の推移を見ると、図表4に示すとおりである。

 傾向は、M2の場合とほぼ同じである。
 すなわち、2001年に量的緩和の導入でマネタリーベースの増加額は増えた。これに応じてM3の増加額も増えたが、マネタリーベースの増加には追いつかなかった。
 増加額が量的緩和政策の導入後かえって減少してしまったことは、M2の場合より明確に表れている。
 01年におけるマネタリーベース増加額との関係での逆転現象も、M2の場合より明確に表れている。
 以下の諸点も、M2の場合と同様だ。
(1)06年に量的緩和が終了されたとき、M3も減少したが、マネタリーベースの減少ほどの大きな変化ではなかった。
(2)リーマンショック後にM3の増加額が増加した。
(3)包括的金融緩和政策の導入でマネタリーベースの増加額は急増したが、M3はあまり大きな影響を受けなかった。
(4)異次元緩和でマネタリーベースの増加額はきわめて増加したが、M3はあまり増えなかった。
(5)異次元緩和でマネタリーベース増加額との関係での逆転現象が生じた。
 量的緩和政策は、日本経済に影響を与えることがなかった。10年に導入された包括的金融緩和政策も、同様の結果に終わった。そして、そのことが批判の対象となったのである。異次元金融緩和政策は、そうした批判の上に登場したものであった。そして、日本経済を大きく変えるものとして期待された。
 確かに、マネタリーベースの増加額(または増加率)がそれまでと比べて顕著に増大したのは事実である。しかし、経済活動に影響を与えるはずのマネーストックで見れば、変化はごくわずかだ。その増加額(または増加率)が若干増加したのは事実だが、顕著なものとは言えない。また、この程度の増加額(または増加率)は、これまでにもあったことだ。
マネタリーベースに対するマネーストックの比率の低下
 以上の観察からわかるのは、「マネーストックはGDP成長率などの要因によって伸び率が決まり、マネタリーベースの変化にはあまり影響されない」ということである。つまり、マネーストックの伸びがGDPの伸びに影響を与えるのではなく、逆に、GDPの伸びがマネーストックの伸びに影響を与えるのである。
 マネーストック残高があまり大きく変化せず、他方で、金融緩和政策でマネタリーベースの残高は増加した。この結果、両者の比率は、傾向的に低下してきた。
 その状況を、図表5に示す。

 M2の残高は、量的緩和導入前にはマネタリーベースの残高の10倍程度であった。量的緩和によってそれが6倍程度に低下した。終了によって8倍程度にまで回復したが、包括的緩和政策で再び低下し、最近では5倍を割るところまで低下している。つまり、1990年代の末に比べると、比率は半分以下に低下したわけである。
 M3は、量的緩和導入前にはマネタリーベースの19倍程度の残高であった。量的緩和以前から比率が低下し、量的緩和によってさらに低下し、10倍を割った。終了によって11倍程度にまで回復した。しかし、包括的緩和政策で低下し、最近では7倍を割るところまで低下している。つまり、90年代の末に比べると、比率は3分の1近くに低下したわけである。
 このように、M2もM3も、マネタリーベースに対する比率は、顕著に低下したのである。
 結局のところ、異次元金融緩和政策も、これまでの緩和政策と同様に、「マネタリーベースの増加だけで終わる」という意味で空回りしていると評価せざるをえない。
 しかも、効果がないだけではない。「マネーストックの増加額がマネタリーベースの増加額を下回る」という事実は、銀行の収益性の上で重大な問題をもたらすのである。
 これは、以上の推移を、銀行の貸出や資産構成の変化から見ると明らかだ。これについては、次回に述べることとする。
________________________________________
●野口教授が監修された経済データリンク集です。ぜひご活用ください!●

http://diamond.jp/articles/print/41896

02. 2013年9月19日 04:00:20 : niiL5nr8dQ
JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
いまだに残るリーマン・ショックの影
2013年09月19日(Thu) Financial Times
(2013年9月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

リーマンショックから5年、いまだに未完の米金融規制改革
去る9月15日でリーマン・ブラザーズの破綻から丸5年を迎えた〔AFPBB News〕

 我々の金融システムの過去と未来というテーマは、どちらも毒を含んでいる。その毒の強さは、大手投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻した5年前と何ら変わっていない。

 これが、米国でローレンス・サマーズ元財務長官が連邦準備理事会(FRB)議長の候補を辞退するよう強いられた一件から引き出すべき教訓だ。

 多くの民主党議員は、かつての金融の自由化が2007〜09年の金融危機につながったのであり、その自由化の責任者はサマーズ氏だと考えている。

 実際、金融危機の原因とその余波についての議論はまだ終わっていない。そもそも、この危機に起因する例外的な政策がまだ続いているのだから、その議論が終わるはずもないのだ。

リーマン破綻はそれほど重要な出来事ではなかった

 リーマン・ブラザーズの破綻からちょうど5年が経過したことは、我々がどうやって今に至り、今後どこへ向かうのかを考える良い機会になるだろう。例えば、リーマンの破綻はどれぐらい重要な出来事だったのだろうか? 実は、多くの人が思っているほど重要なことではなかった。その理由は2つある。

 2つのうち重要度が低い第1の理由は、金融の危機はいずれにしても目前に迫っていたというもの。より重要な第2の理由は、あの金融危機はバランスシートが過度に拡大していたことの表れだったということだ。そして、この傷んだバランスシートは現在、力強い景気回復がなかなか実現しない原因になっている。

 リーマン・ブラザーズを2008年9月に破綻させた決断は重要ではなかったと言っているわけではない。このショックを機に、金融市場では大変な取り付け騒ぎが起こった。その時のストレスの強さを示した指標の1つに、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)3カ月物とオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)レートのスプレッド(金利差)がある。

 (LIBORは銀行同士が無担保で資金を融通し合う時に使えるとされている金利で、OISレートはLIBORと同じ期間の政策金利の予想値。両者の差は、市場が考えている銀行のソルベンシー=支払い能力=を推し量る尺度とされた)

欧州中央銀、700億ユーロを緊急供給
5年前のリーマン破綻で世界の金融市場に衝撃が走った〔AFPBB News〕

 このスプレッドは当時、既に大きくなっていたが、リーマン破綻の当日からさらに拡大し始め、米国と欧州で金融ドミノが次々に倒れる中で拡大を続けた。このスプレッドで示されたストレスは、10月10日にピークに達した。

 10月10日に何があったのか? 

 実はこの日、ワシントンに集まっていた先進7カ国(G7)の財務相と中央銀行総裁たちが「システム上重要な金融機関を支援し、『その破綻を避けるため』(カギカッコの強調は筆者)、断固たる行動を取り、利用可能なあらゆる手段を活用する」と宣言したのだ。

 これにより、グローバル金融システムの中核部分が国の監督下に入った。これが民間のシステムだという考え方は幻想であることが露わにされ、納税者は突如、銀行家とは尋常でない高給をもらいながら暴走している公務員であることに気づかされたのだった。

なかなか訪れない力強い景気回復

 G7諸国の政府と中央銀行は、世界の金融市場のパニックに比較的迅速かつ効果的に対応した(ただし、ユーロ圏は2010年に大変な余震に見舞われた)。しかし、パニックの収束や銀行の再建を米国がやったように比較的迅速に進めるだけでは、力強い景気回復をもたらすことはできなかった。

 危機の打撃を受けたほかの大国よりも速いペースで回復してきた米国でさえ、危機以前のトレンドと比べた国内総生産(GDP)はずっと減少し続けた。2013年第2四半期の米国のGDPは、危機前のトレンドが続いた場合の額より14%も少なく、英国では18%も少なくなっている。

 また、この景気回復期間に生じた所得の大部分は、所得水準の最も高い階層が手に入れている(これは実行された政策のせいでもある)。これでは、人々の間に不満が広がるのも無理はない。

 パニックを引き起こす可能性があった金融機関はリーマンだけではなかった。破綻して同じくらい破壊的な影響を及ぼす可能性は、どの銀行にもあったのだ。

 リーマン破綻の最大のインパクトは、隠れていた損失が明らかになったことだったが、これは必然だった。今では、その後の景気低迷の理由も明らかになっている。各国の経済は、不動産価格の上昇によって促された借金頼みの消費に依存していた。パニックは、この需要創造エンジンが停止した結果だったのだ。

 どこまでも上昇し続ける資産価格に自らの繁栄を賭けていた金融機関は苦境に陥った。全く同じ賭けをしていた国々も、そうした借金頼みの国々にあれこれ売り込むことに賭けていた国々も苦境に陥った。

 この余波を目の当たりにした時、我々は驚くべきだったのだろうか? 答えはノーだ。なぜなら、数人の優秀なエコノミストたちはこの悲惨な事態に至る可能性を事前に警告していたからだ。

重要国が借金頼みの経済成長に依存してしまった理由

 では、重要な国々はなぜ、借金頼みの経済成長にあれほど依存してしまったのだろうか? この問いに対する最良の答えは、ベン・バーナンキFRB議長が2005年に指摘していた世界的な貯蓄過剰、特に1990年代のアジア金融危機後に途上国がため込んだ貯蓄にある。

 この過剰がずっと悪化してきたことは、2つのシンプルな指標から見て取れる。1つは、安全と見なされている証券の実質利回りであり、これは物価連動国債の利回りで計測できる。もう1つはグローバル・インバランス(世界の経常収支不均衡)だ。

FRB、公定歩合を0.75%に引き上げ
FRB(写真)をはじめとする中央銀行は、国内にバブル経済を醸成する政策を取るしかなかった〔AFPBB News〕

 自国の経済を縮小させる力が世界経済から及んできたため、各国の中央銀行、特にFRBはこれに金融政策で対応したが、この政策は国内にバブル経済を醸成することにより機能した――。

 貯蓄過剰がもたらした結果をごくシンプルに説明するなら、このようになるだろう。中央銀行に課せられた使命を考えれば、そうするしかなかった。

 総債務残高が爆発的に増加したのは、経済の潜在供給力(外国からの純供給を含む)を吸収するのに十分なレベルの家計支出を生み出すために、不動産と金融セクターの両方でレバレッジが引き上げられた結果だった。

マネーをタダで供給し、しかも大量に創り出す中央銀行

 これは、ウエストウッド・キャピタルのダニエル・アルパート氏が『The Age of Oversupply(過剰供給の時代)』という素晴らしい新著で論じている、過剰な潜在供給力の世界だった。この世界は今でも残っているし、むしろ以前より甚だしいものになっている。

 もう何年も前から日本や米国、英国、ユーロ圏――要するに高所得国の世界全体――の中央銀行はマネーをタダで供給するのみならず、マネーを大量に創り出している。それでも景気は弱いままだ。

 少しでも上向けば、英国で見られるように、金融パニック以前の水準をいまだに下回っている経済に新しい夜明けがやって来たともてはやされる。米国の経済パフォーマンスは英国のそれより良好だが、以前に比べれば明らかにお粗末だ。

 しかし、リーマンの破綻がこれらのすべてを引き起こしたわけではない。元凶は経済の不均衡であり、同社の破綻はその1つの症状だったのだ。

 悪いことに、我々が知っていると思われる景気回復の方法は例の信用創造の機械を再稼働させることであり、米国と英国ではそれがついに始まりつつある。

悪い景気回復も、回復しないよりはマシだが・・・

 悪い景気回復でも回復がないよりはマシだという原則に基づき、筆者は金融政策への過度の依存を、利用可能な手段のうち最も悪くないものとして容認している。外国の重商主義や、投資と財政赤字を忌避する国内政策などに苦しむ国々にとっては、それ以外の方法はほとんど存在しないように思われる。

 しかし、この金融政策の舵取りは本当に難しい。そう考えれば(これが唯一の理由ではないが)、ホワイトハウスはもういい加減にFRBの新議長を指名してもいいころだ。新議長には、唯一利用可能なこの政策を理解し、その有効性を信じている人物を起用しなければならない。

 もちろん、この任にはジャネット・イエレン現副議長を充てるべきである。

By Martin Wolf
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/38735


 


 

JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
揺れるルピア相場、インドネシアに不穏な既視感
2013年09月19日(Thu) Financial Times
(2013年9月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 インドネシアの通貨ルピアの下落が1997〜98年のアジア金融危機の苦い記憶を呼び覚ました。当時、ルピアの暴落は多額の米ドル建て債務を抱えた企業を破綻に追い込み、銀行業界の足をすくい、インドネシアを政治的、社会的混乱に陥れた。

 米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和策によりドル金利が低く維持されてきたため、インドネシアその他の新興国の企業は、ここ数年でドル建て債務を積み上げてきた。

 そのため、金融刺激策を段階的に縮小し始めるFRBの計画に対する懸念は、ブラジルからインドネシアに至るまで世界各地の新興国の通貨を急落させた。

 今年5月にFRBの緩和縮小議論が浮上して以来、アジアの主要通貨で最も大きな打撃を受けたのがルピアで、ルピアの対ドル相場は13%近く下落した。通貨安は、折しもインドネシア企業が人件費と投入コストの急上昇に直面している時に、ドル建てローンの返済コストを押し上げた。

アジア危機当時とは異なる点

 しかし、1990年代後半の危機に向かう過程とは異なり、企業と銀行は借り入れの金額と期間について節度を保っており、ドル建ての収入がない多くの企業はヘッジ戦略を採用している。

 「我々は1997〜98年の危機から多くの教訓を学んだため、企業債務の規模と借り入れの期間は現在、かなり安全に見える」 。ジャカルタのシンクタンク、パラマディナ公共政策研究所(PPPI)のウィジャヤント所長はこう言う。同氏は多くのインドネシア人と同様、名前を1つしか使わない。

 ドル建て債務とルピア建て収入が多い企業では、今後、利益率が圧迫されるだろう。一方、比較的弱い企業と銀行は必然的に、ルピアがさらに大幅に下げるリスクにさらされている。

 格付け機関フィッチ・レーティングスによれば、最も厳しい利益圧迫に見舞われるのは恐らく不動産会社だ。

 大手デベロッパーのうち最もリスクに無防備なのが、アラムステラ、ジャバベカ、リッポーカラワチの3社だ。これらのデベロッパーはルピア建て収入を生み出すプロジェクトの資金を賄うためにドル建てで借り入れを行ったからだ。

 それでも各社は為替ヘッジを行っているし、タイミングにも恵まれ、借り入れコストが今より低かった今年上半期に重要な資金調達を終えていた。

 フィッチのアナリスト、アーリン・サリム氏(ジャカルタ在勤)は「こうした企業は債務の償還・返済予定が順当で、利益率は低下するが、まだ十分安心していられる」と言う。

 投資家がインドネシア経済の脆弱性に不安を募らせたことから、最近の相場反発にもかかわらず、世界で発行されたインドネシア企業の社債価格は5月半ば以降7.2%下落しており、平均利回りが年初時点の6.33%から8.23%へと跳ね上がった。これに対し、ドル建ての新興国社債の平均利回りは6.23%だ。

業種や個別企業により耐久性にバラツキ

 一部の企業は他社より嵐を乗り切りやすい立場にある。石炭輸出業者のアダロ・エナジーやインディカ・エナジーなどのドル建て収入がある企業は、債務を返済するための外貨収入源を持つ。

 製薬大手のカルベ・ファルマや農業・食品大手のジャプファ・コンフィード・インドネシアなどの外貨のミスマッチが大きい企業は、インドネシア国内で市場トップの座にあり、今後1年間でこうしたコスト上昇分の一部を顧客に転嫁できるはずだ、とサリム氏は指摘する。

 多額の債務を抱える企業の一部は、最近の混乱の前から苦境に陥っている。大きな影響力を持つバクリー家が経営する企業帝国傘下のバクリーランド・デベロップメントは、同社が1億5500万ドル相当の社債をデフォルト(債務不履行)したと主張するヘッジファンドの集団から訴訟を起こされている。

 フィッチによると、銀行セクターでは、ヘッジされていない外貨エクスポージャー(対外資産と対外債務の差)は平均して銀行の自己資本の2%程度にとどまっている。自己資本比率が約18%、不良債権総額が約2%という状況にあって、銀行セクターは耐久性が高そうに見える。

 だが、ある地元銀行の経営者は、インドネシアの銀行「大手4行」――バンク・マンディリ、バンク・セントラル・アジア、バンク・ネガラ・インドネシア、バンク・ラクヤット・インドネシアの4行は融資と預金の4割以上を牛耳っている――の相対的な強さが一部中小銀行の弱さを覆い隠している可能性があると警鐘を鳴らす。

 世界銀行の民間セクター支援機関である国際金融公社(IFC)でインドネシア担当のカントリーマネジャーを務めるサルベシュ・スリ氏は、ルピアの今後の見通しが不透明なため、インドネシア企業はまだ困難を脱していないと言う。

 だが、差し当たり、投資家が最も懸念するのは、システム全体に影響を与える企業破綻の可能性よりも利益率の低下だ。

By Ben Bland
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/38729


03. 2013年9月19日 04:30:13 : niiL5nr8dQ

FOMC政策金利予測:大半は2015年の初回利上げを予想 
  9月18日(ブルームバーグ):米連邦公開市場委員会(FOMC)が発表した政策金利予測によると、大半の会合参加者は初回利上げが2015年に決定されると見込んでいる。
米連邦準備制度理事会(FRB)理事5人と地区連銀総裁12人を対象にまとめた予測中央値では、2016年末時点のフェデラルファンド(FF)金利 誘導目標は2%となっている。完全雇用と物価安定が実現した際のFF金利は4%が妥当だと予測されている。
原題:Most Fed Participants See First Interest-Rate Rise in 2015(抜粋) 
更新日時: 2013/09/19 03:42 JST

次期米FRB議長、イエレン氏が最有力候補=ホワイトハウス当局者
2013年 09月 19日 03:26 JST
 

 

FOMC:月850億ドルの資産購入維持、回復の証拠が必要 
  9月18日(ブルームバーグ):米連邦公開市場委員会(FOMC)は17−18日に開催した定例会合後に声明を発表し、毎月850億ドルの債券購入ペースを維持する方針を示した。市場では購入規模の縮小が予想されていたが、金融当局は購入規模縮小には景気回復のさらなる証拠が必要だとの見解を示した。
原題:Fed Refrains From QE Taper, Keeps Bond Buying at $85Billion(抜粋) 
更新日時: 2013/09/19 03:19 JST


 


米FRB、金融緩和を継続
朝日新聞デジタル 9月19日(木)3時14分配信
 【ワシントン=五十嵐大介】米連邦準備制度理事会(FRB)は18日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場に大量のお金を流す「金融緩和」を現状のまま続けることを決めたと発表した。

 市場では、金融緩和の規模を縮小するのではないかと予想する専門家が多かった。

 FRBは2008年の金融危機後、市場に流すお金の量を金融政策の目安にする「量的緩和」を導入し、断続的に大規模な金融緩和を進めてきた。昨年9月からは量的緩和の第3弾(QE3)を始め、直近では毎月850億ドル(約8・4兆円)の国債などの金融資産を買い上げ、市場に大量のお金を流している。

朝日新聞社
【関連記事】
米雇用、19万5千人増 緩和縮小を後押し 6月
米の就業者数19万5千人増加 6月、緩和縮小を後押し
「日本の農業収入、半分が政府支援」 OECDが指摘
ダルビッシュモデルのグラブ アシックスが限定発売
無線で大容量データやり取り BD記録再生機を発売へ
最終更新:9月19日(木)3時14分朝日新聞デジタル

Yahoo!ニュース関連記事
NYダウ最高値更新、量的緩和維持で買い(読売新聞)3時45分
FOMC政策金利予測:大半は2015年の初回利上げを予想(Bloomberg)3時42分
米FOMC、月額850億ドルの資産購入継続を決定写真(ロイター)3時25分
独連邦債利回り上昇、米FOMC声明発表控え(ロイター)2時35分
米QE縮小は歓迎すべき、カナダ経済は転換点に接近=中銀総裁(ロイター)1時56分

◆量的緩和を当面維持
・ FRB量的緩和縮小踏み切らず - NHK(9月19日)
・ 米FOMC、月額850億ドルの資産購入継続を決定 - 市場では今回、資産買い入れ額の縮小が決定されるとみられていただけに、予想外の結果となった。 ロイター(9月19日)

◇量的緩和を縮小するとみられていた
・ 米FOMC始まる、量的緩和の小幅縮小決定へ - ロイター(9月18日)
・ [用語]FOMC(米国) - 米国の金融政策の最高意思決定機関。楽天証券

◇米国の量的緩和政策とは
・ 米国の量的緩和政策 - 金融大学
・ アメリカの「QE3」とは? なぜ注目?/木暮太一のやさしい経済ニュース解説 - 「みんなが安く、大量にドルを借りることができるようにする政策」。投資家がドルを借りて、それを新興国の通貨などに替え、新興国に多額のお金が投資された。THE PAGE(9月13日)
バックナンバー
量的緩和 米国民4分の3知らず(18日) / 次期FRB議長 イエレン氏有力(17日) / サマーズ氏 FRB議長を辞退(16日) . 


 


米債務上限引き上げ法案、オバマケアの実施延期盛り込む=共和党幹部
2013年 09月 19日 02:13 JST
[ワシントン 18日 ロイター] - 米下院共和党指導部は18日、債務上限引き上げ法案に医療保険制度改革(オバマケア)の実施延期を盛り込む方針だと明らかにした。

共和党のベイナー下院議長は、債務上限の引き上げをめぐる今後の協議は、同党が2011年に上限引き上げの条件に歳出削減を求めた状況と「何ら変わらない」と述べた。

カンター下院院内総務は、医療保険制度改革法の実施延期を盛り込んだ債務上限引き上げ法案を来週明らかにする方針を示した。

院内総務によると、共和党はカナダ西部のオイルサンド油田と米メキシコ湾岸の精製施設を結ぶパイプライン「キーストーンXL」の建設計画の承認および税制度改革の道筋も、上限引き上げ法案に盛り込む意向だと述べた。

また共和党議員によると、同党の継続予算法案は、現行の自動歳出削減を反映した12月15日までの予算で、オバマケアの実施に必要な費用は含まれない見通し。

指導部は、同法案の下院本会議での採決を20日に予定している。


ポルトガルの長期格付け、引き下げの可能性−S&P
9月18日の欧州マーケットサマリー:株上昇、5年ぶり高値付近

イタリア連立政権、付加価値税増税なら崩壊の可能性=自由国民党幹部 1:59am
シリア反体制派が化学兵器使用した証拠を国連安保理に提出へ─ロ外相 12:40am
中国、ブロードバンド網の拡大に3230億ドル投資へ 2013年 09月 18日 23:52 JST
中国、空気汚染を減らす新たな方法を見つける必要=世銀総裁 2013年 09月 18日 23:37 JST
NY外為市場・序盤=ドルはレンジ内の取引、FOMC声明発表控え 2013年 09月 18日 23:06 JST

 

 


 


 
8月米住宅着工・許可件数は1戸建て好調、回復継続を示唆
2013年 09月 19日 02:19 JST
[ワシントン 18日 ロイター] - 米商務省が18日発表した8月の住宅着工件数は、前月比0.9%増の年率89万1000戸となった。集合住宅が大幅減となったことが重しとなり、市場予想の91万7000戸を下回った。

ただ1戸建て住宅については着工件数が半年ぶり、許可件数は約5年ぶりの高水準となり、住宅ローン金利の上昇にもかかわらず、住宅市場が底堅さを維持していることを示した。

RBSのエコノミスト、ガイ・バーガー氏は「住宅ローン金利の上昇という逆風にもかかわらず、住宅建設は堅調さを保っている。おそらく在庫のひっ迫や(住宅需要としての)安定的な世帯形成ペースといったファンダメンタルズの力強さが支援している」と述べた。

7月分の住宅着工件数は、前回発表の89万6000戸から88万3000戸に下方修正された。

8月の集合住宅の着工件数は11.1%減の26万3000戸。

一方、1戸建て住宅は7.0%増の62万8000戸で、2月以来の高水準となった。

住宅着工許可件数は3.8%減の91万8000戸と、市場予想の95万戸を下回った。

集合住宅の許可件数が15.7%減少し、全体を圧迫した。半面、1戸建て住宅の許可件数は3%増え、2008年5月以来の高水準となった。

集合住宅の着工件数、許可件数がともに減少した背景には、住宅ローン金利の上昇で開発業者が新規プロジェクトにより慎重になっていることがあるとみられている。

第3・四半期の住宅建設は第2・四半期から減速が見込まれるが、今年の成長率に依然寄与するとみられている。家屋建設は国内総生産(GDP)全体の3.1%に過ぎないが、1戸建て住宅が1件建つごとに、1年間の雇用契約が3人分創出されるとアナリストは推測している。


 


 
ドイツなど中核国債が下落、FOMC決定控え−英国債も下げる 
  9月18日(ブルームバーグ):18日の欧州債市場ではドイツなど中核国の国債が下落した。米金融当局が大幅な量的緩和縮小は見送るとの観測から、域内で比較的安全とされるこれら国債の需要が後退した。
スペイン10年債のドイツ10年債に対する上乗せ利回り(スプレッド)が縮小し、ここ2年で最小の幅となった。オーストリアとオランダ、フィンランドの国債は続落。ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によると、米連邦公開市場委員会(FOMC)は国債の月間購入額を50億ドル減の400億ドルとし、住宅ローン担保証券(MBS)については400億ドルで据え置くとの予想が示された。
ダンスケ銀行(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、アラン・フォンメイレン氏は「米当局は利回りの大幅上昇を回避するため、ハト派的な姿勢を取ろうとするだろう」と発言。さらに、「単に資本を守るよりも、ある程度のリターンを得られるのはどこかに投資家が注目する平常時の状況に戻りつつある。こうした過程が進行中で、ドイツ債利回りにはもう少し上昇圧力がかかるだろう」と続けた。
ロンドン時間午後4時23分現在、ドイツ10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.01%。一時2.02%と、13日以来の高水準 となった。同国債(表面利率2%、2023年8月償還)価格は0.37下げ99.955。
ドイツ10年債とスペイン10年債のスプレッドは4bp縮小し240bp。一時は2011年7月5日以来で最小となる239bpまで縮まった。イタリア10年債とのスプレッドも4bp縮小の240bp。一時は8月23日以来で最小の237bpとなった。
英国債市場では10年債相場が下落。同利回りは7bp上昇の3%と、11日に達した11年7月27日以来の高水準(3.05%)に近づいた。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格はこの日0.54下げ93.595。
イングランド銀行(英中央銀行)がこの日公表した今月の金融政策委員会(MPC)の議事録によれば、景気見通しの改善に伴い、一段の刺激策は必要ないとメンバー全員が判断していた。
原題:Germany Leads Europe’s Bonds Lower Before Fed TaperingDecision(抜粋)Pound Advances to Eight-Month High on BOE Minutes as Gilts Slide(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:エディンバラ Lukanyo Mnyanda lmnyanda@bloomberg.net;ロンドン Emma Charlton echarlton1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Dobson pdobson2@bloomberg.net
更新日時: 2013/09/19 01:53 JST

 

 


 

バーナンキ議長のおかげ−超緩和で米企業利払い70兆円節減 

  9月18日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)が景気刺激を狙い講じたこれまでに例のない金融緩和策のおかげで、アップルからベライゾン・コミュニケーションズに至る米企業が節減することができた利払いは、約7000億ドル(約69兆4800億円)に上っている。
米リーマン・ブラザーズ・ホールディングス破綻前の5年間の米社債利回りは平均6.14%だったが、過去4年間は同4.6%に低下。借り入れ額10億ドルごとに年間1540万ドルの支払いを軽減できた計算になる。ブルームバーグのデータによれば、企業はFRBによる超緩和策に乗じて過去最低水準にある金利の恩恵を受けようと、より長期での借り入れや借り換えを行うとともに、これまでに5兆1600億ドル相当の社債を発行して資金調達した。
米食品スーパーチェーン、クローガー のマイケル・シュロットマン最高財務責任者(CFO)は「当局の刺激策は米経済全般にとって大きな救いとなった」と指摘。「低めの金利での借り換えが可能だったことから、破綻を免れた企業も恐らくある」との見方を示した。同社は金融危機前と比べて利払い負担を8000万ドル程度減らすことができたと試算している。
バーナンキ議長率いるFRBが2008年12月以降、事実上のゼロ金利政策を維持し、3兆ドルを超える規模の債券購入 を行ってきたことで、アップルやベライゾンなど2000社余りの借り手企業は合わせてスイス一国の経済規模(6320億ドル)を上回る額の利払いを節減した。
利払い負担を減らせた企業は、自由になった資金を事業や雇用の拡大に充てた。JPモルガン・チェースによると、今年4−6月期の設備投資額は前年同期比8.7%増の6990億ドルと、約10年ぶりの高水準に上った。また、米国の投機的格付け企業のデフォルト(債務不履行)率が3%未満に低下したことで、本来であれば調達が困難な企業も資金確保が可能となった。このような企業のデフォルト率は09年には13%を超えていた。
景気が回復しつつある中で、FRBは早ければ、18日まで開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和の縮小を決める可能性がある。
原題:Bernanke Saves Companies $700 Billion as Apple to VerizonBorrow(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Lisa Abramowicz labramowicz@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Alan Goldstein agoldstein5@bloomberg.net
更新日時: 2013/09/18 14:40 JST


04. 2013年9月19日 04:50:13 : niiL5nr8dQ
米短期金利先物、FOMC声明受け急上昇
2013年 09月 19日 04:28 JST
[18日 ロイター] - 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明の発表を受け、米短期金利先物が急上昇した。連邦準備理事会(FRB)が成長率予想を引き下げ、月額850億ドルの債券買い入れを継続する方針を示したことから、政策金利の引き上げは2015年までないとの見方を織り込む水準となっている。

CMEグループのFEDウオッチによると、2015年1月の利上げ確率は52%となった。

声明発表前は、最初の利上げは早ければ2014年10月になるとの見方を織り込んでいた。


 



  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

 次へ  前へ

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民82掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民82掲示板
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧