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http://bylines.news.yahoo.co.jp/ogasawaraseiji/20130917-00028181/
2013年9月17日 13時57分 小笠原 誠治 | 経済コラムニスト
「借金が山のように膨れ上がってどうにかしなければならい。だから、増税をする」
それは筋が通っています。
「しかし、増税をすると、景気が悪くなるので、景気対策を打つ」
しかし、そう言われると、うーんと唸りたくなります。
景気対策を打つ必要があるのなら、増税をしなければいいでしょう? 或いは、増税の規模を小さくすればいいでしょう? 違います?
そもそも何故増税が必要になったのでしょう?
それは借金が増えたから。では、何故借金が増えたのでしょう? それは、景気が悪くなって税収が落ち込んだからであり、そしてまた、景気をよくするために何度も何度も景気対策を打ち続けているからです。
景気をよくするためと言って景気対策を打つ。だから、借金が増え、増税が必要になる。そして、増税すると景気が悪くなるからと言って、景気対策を打つ。
この素晴らしい循環が維持できれば、土建業者の方々は一生食いはぐれることはないでしょう。
だって、いつになっても公共事業が減ることはないからです。
もちろん、小泉政権誕生以降、土建業者さんたちは、事業の縮小で苦しんできたことは承知しています。そして、そのことは気の毒だとも思います。しかし、だからと言って、公共事業を増やし続ける力はこの日本にはないのです。
もちろん、そのように言う私も全て公共事業を否定するものではありません。というよりも、今起きているような異常気象のせいで、今後、益々自然災害が増加し、否が応でも災害復旧費は増えていくでしょう。だから、幾らお金があっても足りない、と。
そんなことが分かり切っているのに、来年4月に消費税を引き上げると景気を悪くしてしまう恐れがあるからといって、最低5兆円規模の景気対策が必要だと言い張る政治家たち。
何を考えているのか、と言いたい!
何度も言いますが、このように先ず規模が決まる景気対策ほど、無駄の固まりになるものはないのです。
何故ならば、中身よりも規模が大事であるからです。
5%から8%へ消費税を引き上げることによって8兆円ほど消費税の税収が増えると報じられています(私は、6兆円ほどではないかと思っていますが‥)。8兆円国民から召し上げるのであれば、最低5兆円ほど国民に返してもいいのではないか、と。
だったら、8%に引き上げるのではなく、6%への引き上げに留めればいいではないですか?
先に5兆円の景気対策をやると決めてしまうから、内容が疎かなものになってしまう。
役人は、政治主導で5兆円規模の景気対策をまとめるようにと、時間を区切って命じられれば、それに従わざるを得ません。そうなると、中身など構ってはいられない。いつもはシビアな主計局から早く予算を要求しろとむしろせかされる。おかしいでしょ? だから、勢い無駄な事業ばかりになってしまうのです。いつもは絶対認められそうもない事業が簡単に認められるのです。
そんなことをまたしても繰り返しているのです。
I am back.
やあ、久しぶり。よく戻ってきましたね‥なんてとても言えないのです。
以上
小笠原 誠治
経済コラムニスト
小笠原誠治(おがさわら・せいじ)経済コラムニスト。1953年6月生まれ。著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」「経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(いずれも秀和システム)など。「リカードの経済学講座」を開催中。難しい経済の話を分かりすく解説するのが使命だと思っています。
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