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所詮“島国”、身の丈の国家を目指そう 数年後に世界は失われた20年に突入する (世相を斬る あいば達也) 
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/503.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 9 月 17 日 14:52:00: igsppGRN/E9PQ
 

所詮“島国”、身の丈の国家を目指そう 数年後に世界は失われた20年に突入する
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/34605eab77c41d81040d9dae4797fb6d
2013年09月17日 世相を斬る あいば達也


 本日は多忙の為、筆者が一番納得しているエコノミスト、経済学者水野和夫氏の、最初に金融資本主義経済の頂点に至り、世界各国が日本追いつく関係だと云う事実を、的確に解説しているコラムがあったので、引用しておく。浜矩子、榊原英資なども日本経済の成熟をテーマに、色々と書いている。或る意味で、国家の責任を放棄して、マネーに身を委ねると云うアベノミクス(マネタリズム)の手法が取られたと云うこと自体が、成熟した国家経済を白状したようなものでもある。

 つまるところ、そこそこの現在の生活レベルをプラスマイナス10%程度に抑え込めれば、鎖国をしても日本はやっていけることを示している。勿論、完璧な鎖国などはあり得ないわけで、必要があれば、他国からものを買い、他国に売ることが出来ないと云う教条的ものではない。榊原英資なども「鎖国シンドローム『内向き』日本だから生きのびる」などと、筆者張りの本を出している。少なくとも、安倍自民の目茶苦茶な経済政策は、他国とのかかわりが強くなるばかりで、折角のシコシコ貯めこんだ、日本の国民や企業の金が、“おあし”が生えて、早々に失う悪魔の道である。


≪ 「金融抑圧」で説明できるか 日本の超低金利(水野和夫)日本大学国際関係学部教授

 日本の10年国債利回りが2.0%を下回って、この9月で17年目に入る。『金利の歴史』(原題 A History of Interest Rates 著者 Sidney Homer and Richard Sylla)によると、これまで国債利回りが複数年にわたって2.0%を下回ったのは、1611〜21年のイタリア・ジェノバと現在の日本の2カ国しかない。

 17世紀初頭のイタリア・ジェノバの最低利回りは1.125%、日本のそれは0.315%(2013年4月5日)と、当時のイタリアを大幅に下回る超低金利である。2.0%割れの期間はイタリアが11年、日本の場合は17年目に突入した。

 イタリアの経済学者カルロ・チポラは17 世紀初頭のイタリアの超低金利時代を「利子率革命」と名付けた。21世紀の日本で起きている超低金利は、利回り水準と期間において17世紀のイタリアをはるかに凌(しの)ぐのだから、「利子率革命」ということができる。なぜ歴史的な超低金利が起きているのかが問題であり、それいかんで超低金利時代がいつまで続くのかを予想することが可能となる。

  マーケットで有力なのが米経済学者カーメン・ラインハートらの唱えた「金融抑圧」説だ。ブレトンウッズ体制下の金融規制によって実質金利がマイナスに抑制されていたことと同じことが、金融自由化を押し占めた21世紀のバブル多発時代において、リスク管理強化などに原因を変えて起きているという。

 しかし、米国発の「金融抑圧」説が日本における「利子率革命」を説明できるかどうかは疑問だ。

■日本の長期金利低下の要因は「実物抑圧」

 日本では異次元金融緩和が黒田東彦日銀総裁の下で実施されている。その目玉はマネタリーベースと日銀の長期国債保有残高を2年で2倍にするという点にある。しかし、これまでのところ日銀の国債保有残高が増えるにつれて、銀行の日銀預け金が増えただけだ。

 中央銀行と民間銀行の連結バランスシートをつくれば、中央銀行の借り方(資産)に国債が、民間銀行の貸し方(負債)には預金が残り、日銀預け金が中央銀行と民間金融機関の間で相殺される。国債の保有者が民間金融機関から中央銀行へ移転しただけで、実体経済は何も変わっていない。

 長期自然利子率は潜在成長率におおむね等しくなるのだから(「自然利子率について:理論整理と計測」日本銀行、2003年10月)、10年国債利回りが17 年にわたって2.0%以下で推移し、現在0.7%の利回りで推移しているというのは、1997年以降、日本の実体経済において「潜在成長率≒長期自然利子率」が成立しているからにほかならない(1997年以降、日本の潜在成長率は0.7%)。

 日本の利子率革命は「金融抑圧」によってではなく、いわば「実物抑圧」で生じているのである。「実物抑圧」は実物経済の成熟化で起きているのであって、この傾向は今後も変わらない可能性が大きい。すでに日本では資本ストックが過剰になっているからだ。

■景気回復でも1人当たり賃金は減少

 日本の資本係数(民間資本ストック/実質GDP)は世界で最も高く、10年国債利回りが2.0%を下回って以降、使用総資本利益率(ROA)は平均4.0%で推移している(±1倍の標準偏差でみれば3.2〜4.8%の範囲内)。実物投資のリターンが低下してきているので、実物投資金額はキャッシュフロー(内部留保利益と減価償却費の合計)の範囲内で十分賄うことができる。

 その結果、企業の内部留保利益はバランスシートの資産サイドに現金・預金として積み上がって、銀行は預金が増加し国債を購入するか、日銀預け金に回すことになる。日銀預け金の利息0.1%は、期間の短い2年ないし3年国債などの利回り1.0%台前半と大して変わらないので、民間銀行のポートフォリオからみれば、銀行のバランスシートは変化していないことになる。企業の内部留保利益は人件費を削減した上で増加しているので、勤労者世帯の預金は基本的 には増えない。勤労者の持ち分であるはずの預金が企業預金に化けている。21世紀になって2回の景気回復において、1人当たり賃金は減少しているのであ る。

 一方、年金の支払いなどで高齢者世帯は預金を増やしている。日銀の「資金循環勘定」によると家計の預金は2012年度に14.9兆円増加した。結局、家計の預金増の源泉は国の国債発行であるため、マクロベースでみれば、「日本国株式会社」の資産サイドで預金(法人、個人)が積み上がり、負債サイドで中央政府の負債である国債が累増している。

 日本銀行が「異次元金融緩和」と称して国債購入を今後2年で2倍に増やすことで需給が逼迫し、「金融抑圧」によって一見、国債利回りの超低金利が実現しているかのようにみえる。だが、国が発行した国債の資金が実物経済に消費支出や 設備投資増などの形で環流しないので、国債という負債と預金という資産が両建てで積み上がっているにすぎない。誰が国債を購入するのかは国債の価格(利回り)に関係ない。

■近代の到達点に先に着いた日本

 ただし、銀行預金はいつまでも増え続けるわけではない。モノはあふれていても、高齢化社会において今後サービス需要が高まることで、地銀の預金は2018年度に減少に転じると日銀は警告する(日本経済新聞13年4月24日)。その意味で消費税率の引き上げ(5%から14年4月に8%へ、そして15年1月に10%へ)を実施することで、日本国債の発行残高に占める外国人投資家の保有比率が一段と上昇することを防ぐことができる。日本に居住していない外国人投資家は事実上ゼロ金利に近い日本国債を長期保有してくれないので、日本は預金が減少に転じる前に年間の国債発行額を抑制する必要がある。

 企業が実物投資に、家計が個人消費支出に慎重なのは、すでに近代社会が成熟して、日本ではあらゆるモノが「過剰・飽満・過多」になっているからだ。この「過剰・飽満・過多」は米知識人スーザン・ソンタグによれば西欧文明が行く先の到達点だ。

 預金の減少以前に消費税を引き上げていけば、日本の超低金利時代は米量的緩和第3弾(QE3)の縮小や日本の量的緩和政策に関係なく続くことになるだろう。近代の成熟化した日本での金融政策は実態に追随し、国債市場を反乱させないことが重要な任務となる。日本が先に近代の到達点にたどり着いたのだから、米国で起きている「金融抑圧」を日本に当てはめても意味がない。今の日本の姿は10年後の米国なのである。 ≫(日経新聞:マネーブログ カリスマの直言)

 水野和夫(みずの・かずお) 日本大学国際関係学部教授。1953年愛知県生まれ。77年早稲田大学政治経済学部卒業。80年早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了。2012年埼玉大学大学院経済科学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。   1980年八千代証券(国際証券、三菱証券などを経て現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)入社。2000年国際証券執行役員、02年三菱証券チーフエ コノミスト、05年三菱UFJ証券チーフエコノミスト、10年三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミスト、同年退社。同年内閣府大臣官房審議 官、11年内閣官房内閣審議官。13年より現職。  主な著書に「100年デフレ」(日本経済新聞出版社、2003年)「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」(日本経済新聞出版社、2007年)「終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか」(日本経済新聞出版社、2011年)など。


 

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コメント
 
01. 2013年9月17日 15:42:45 : L3oWjvNiyM

小さい政府論が、そもそもの間違い。

経済への国家の役割を大きくせにゃいかん。

高度強靭化、国防、財政出動の大規模化。

半社会主義、混合経済、修正資本主義が正しい未来だ。


02. 2013年9月17日 16:05:15 : LkxE6PtRSk
文脈とはほとんど関係なく いきなり「米知識人」として

スーザン・ソンタグが 出てくるが

この著者は一度でもソンタグの『キャンプについてのノート』や

『ラディカルな意志のスタイル』を読んだことがあるのだろうか。

彼女は 経済などには なんの興味もない 

マルセル・デュシャンやローリングズトーンズの名前以上に

    唐突です。。。


03. 2013年9月17日 19:37:50 : nTm10EWWGs
金融界のいう経済成長とは、国民生活の向上を指すことは二の次、
国家も含め誰かの負債とそれに見合う利子を付加した預金通貨を増やすことである。

利子付預金通貨は負債担保に見合う以上は発行しないから、全体ではつねに利息分は不足する。
その不足分の通貨を補うには常日的に誰かが負債を増加させ通貨を創らねばならない。


04. 2013年9月17日 21:16:36 : aFixCpQaXe
現在の生活レベルを維持しながら鎖国するのは無理。日本は元々自然環境が豊かではない国だった事を忘れてはならない。
もっとも米軍が駐留してる限り鎖国なんて夢のまた夢だろうが。

05. 2013年9月17日 22:03:44 : niiL5nr8dQ
【コラム】デフレを懐かしむ日が日本にやって来る−ペセック

  9月17日(ブルームバーグ):インフレ率引き上げに取り組む日本銀行の黒田東彦総裁にとって、心配すべきことがある。白川方明前総裁が正しかったらどうなるかということだ。
2011年6月、当時の白川総裁はマネタリーベース倍増を求める強い圧力を受けていた。黒田総裁は今年3月の就任後直ちにこの方針を打ち出したが、当時の白川総裁はこれを拒否。その理由を尋ねられた時、人口高齢化の中で高齢者の収入が物価上昇によって浸食されるからだと答えた。政治家はこれを責任逃れの言い訳だととった。安倍晋三首相が就任後最初に行ったのは日銀総裁の交代だった。
しかし、白川前総裁は正しかったかもしれない。国際通貨基金(IMF)の研究者、パトリック・イマム氏は「Shock from Graying:Is the Demographic Shift Weakenig Monetary PolicyEffectiveness」という論文で、日本とドイツ、ある程度は米国でも、高齢化が金融政策の効果を弱めるという説得力ある根拠を示した。
なぜかと言うと、政策金利は長期の期待と短期の行動に影響を与える。利下げは住宅購入や起業、高価な耐久財への消費を促し、来年は今年よりも株式投資への魅力が増しているという期待を生むはずだ。しかしそのような消費行動や株式投資を行うのは若い人が中心だ。ここに日本の問題がある。日本国民の4人に1人が65歳を超え、60年までには40%にまで増える見込みだ。
良いデフレ
問題は高齢化ばかりではない。日本国民はデフレ下での生活に慣れたばかりか、デフレを楽しむようになってしまっている。ノーベル賞受賞の経済学者、故ミルトン・フリードマン氏はデフレ禍について怖い警告を出していた。つまり金融資産に打撃を与え、債務返済の負担は増大、企業利益は抑えられ、消費者信頼感は低下、税収も減るというものだ。
しかし、良いインフレというものがあるように、日本も良いデフレから恩恵を受けていた。1990年までには日本のバブルは資産価格ばかりではなく、経済全体に及んでいたようだ。食品価格や交通費、サービスや電力、通信、教育、娯楽、衣料品の価格 も高騰していた。
一方、この20年は日本 の政府も銀行も企業も物価安定に貢献してきた。デフレは家計にとって隠れた減税のように働き、物価は節度を取り戻した。
藻谷浩介氏は2010年の著書、「デフレの正体−経済は『人口の波』で動く」で、日本は「非貨幣的デフレ」に陥っていると説明、その理由として、数十年にわたって上昇し過ぎた国家のコスト構造を挙げ、さらに高齢化する国民が物価上昇よりも下落を望んでおり、デフレが日本病の症状であって原因ではないことを日本の政治システムが理解していない点を指摘している。
パラドックス
同著書は量的緩和でデフレを克服できるという説は「信仰のようなもの」とも論じている。奇妙に聞こえるが、日本デフレは罰であるのと同じくらい、望んで選ばれたものであった。不安定化をもたらす大規模な改革を避けるために政府は負債を積み上げた。債券の名目利回りを押し下げるデフレはこの負担を背負いやすくする。
これが、安倍首相と黒田総裁が直面しているパラドックスだ。債務 が国内総生産(GDP)の250%に接近し、10年物国債の利回り1%未満という日本で、持続的なインフレが始まったら債券投資家がどう反応するかということがこれまでずっと焦点だった。しかし、多くが高齢者となりつつある1億2600万人の国民がインフレ下でどう生き抜くかも同じくらい重大な問題だ。
環境適応
富士通総研シニアエコノミストのマーティン・シュルツ氏は、「日本では誰もがデフレ環境に適応してしまっている。家計は所得が伸びなくても生活水準が上がることに慣れ、企業は市場拡大に努めなくてもコスト削減で生き延びられ、政府はファイナンス全般で低金利を必要としている」と指摘。「これら全てを反転させるのは容易でないだろう」と語った。
安倍首相が「第三の矢」を実践することが重要なのはこのためだ。第一の矢である黒田総裁の大規模緩和は市場に歓迎された。第二の矢の財政政策の効果は2020年夏季五輪開催の準備によって押し上げられるだろう。しかし企業の賃金引き上げ、個人所得増大につながるような規制緩和は最重要だ。この第三の矢がなければ日銀政策は本当には奏功しない。
「簡単なのは紙幣を印刷し始める部分だけだ。最初の1年は誰もそれで傷付かないからだ」とシュルツ氏は言う。「しかし物価が上昇し始めれば、その時点での人々の感じ方次第だ。ただコストが増大したと感じるか、あるいは明るい未来を示すものだと感じるかだ。政府が望むような感じ方を国民がしなければ、期待が経済をインフレ軌道に乗せる前に世論が日銀に緩和をやめさせてしまうだろう」と同氏は予想する。
黒田総裁が大規模緩和策の正しさを証明するには、安倍首相からの支援が早急に必要だ。
(ペセック氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストです。コラムの内容は同氏自身の見解です)
原題:Japanese Might Just Miss Deflation When It’s Gone: WilliamPese(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:Tokyo William Pesek wpesek@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Nisid Hajari nhajari@bloomberg.net
更新日時: 2013/09/17 10:19 JST


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