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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130917-00019596-toyo-bus_all
東洋経済オンライン 9月17日(火)8時0分配信
新世代リーダー予備軍とも言える10代の優秀な若者は、どんな未来を描いているのか。「スーパーIT中学生」「スーパーIT高校生」として早くから独自の道を切り拓いてきたデジタルクリエーターの灘高生が、未来予測を発信。ITや政治、経済、教育、ときにはアイドルや女の子ネタまで、感度の高い移り気なアンテナがキャッチするまま書き連ねる。
Tehuの言葉 「テレビ業界は、首の皮一枚しかつながっていない」
■ 「オールナイトニホン」が視聴者数1位に
今回は、映像メディアの未来について論じます。
先日、アップルによる新型iPhoneの発表会が、米カリフォルニア州クパチーノのアップル本社で行われました。ボクはアップルの新作発表会があるたびに、インターネットで「Tehuのオールナイトニホン」という番組を配信し、発表会の内容を同時通訳しながら解説しています。
ニッポン放送から怒られるラインぎりぎりの番組名からもわかる通り、深夜0時から4時までぶっ続けで、深夜ラジオのテンションで放送。スタッフは原則ナシで、企画、広報から出演、音声、映像まで、すべてボクひとりでやっています。「デジタル何でも屋」なので、とても安上がりですね。
ありがたいことに、先日の放送では視聴者数累計が6万人超、ユーストリームの競合番組が10以上ある中で、栄えある第1位となりました。中3の時に始めてから3年半、アップルファンのみなさまから強くご支持をいただける番組になりました。放送はこちらからご覧になれます。
■ 視聴者の集中力がアップするユーストリーム
さて、こうして多くの視聴者を持つネットメディアを持つようになると、どうしてもその影響力がどれぐらいあるのか、どうすれば影響力を増すことができるのか、なんてことを考えるようになります。
現在、ボクのツイッターのフォロワーは2万人弱。ユーストリームで番組を放送すれば、数時間で5〜10万人が視聴してくれる。月間数千万PV(ページビュー)の「東洋経済オンライン」での連載コラムなど、恵まれたことに様々なメディアを持っています。この中で、自分の意志をもっとも直接的に伝えられるのはどれでしょう?
やはりユーストリームの番組だと思います。五感のうち、視・聴の2つを使い、さらにライブ感を演出することで視聴者の集中力がアップするので、注意を引きつけてビジネスを展開したりするのには最適です。
■ ネットの生放送メディアは過渡期の真っただ中
ネットにおける生放送メディアは、ニコニコ生放送とユーストリームによる個人単位での放送によって裾野が急激に広がりました。最近ではツイキャスのような、「放送」と呼ぶべきかどうか悩むほど手軽に「ダダ漏れ」ができるサービスも現れています。
ただ、ここ最近の広がりはまだまだ過渡期の真っただ中で、一つひとつのコンテンツが別々のチャンネルで動いています。「テレビと違って選択の自由がある」として、ネットの利点の一つとして挙げられていますが、一方でコンテンツの配信側からすると、なかなか自分たちのチャンネルにたどり着いてもらえません。ユーストリームなどの運営側が多くのチャンネルから厳選して、新たなぶっ続け放送番組を作るようになるのは時間の問題でしょう。
■ コンテンツが「集まる」動きが起こる
ケーブルテレビ局の「シアター・テレビジョン」は、放送枠のオークションを行って、個人コンテンツでも(公序良俗の定めはもちろんあるでしょうが)放送できる面白い企画をしていました。
個人コンテンツがあふれているネットでも、こうした「集まる」動きは遠くない将来に起こると思います。 集まることができるチャンネルの数は限られており、それに選ばれるために番組間での競争も起こるに違いありません。
■ テレビ局は爆破スイッチを持った者たちを意識せよ
低規模低予算でも良い番組がたくさん生まれるようになれば、ユーザーにとっては素晴らしいことです。良い番組が生まれて、視聴者が増えて、時間帯別の視聴者層の分析が進めば、テレビコマーシャルがネット配信に流れ込むことも多くなるでしょう。
テレビ局は、これから景気が良くなれば、コマーシャル需要はまた増えるだろうと楽観的に見ているかもしれませんが、これまでテレビ局のみで独占していた市場に、致命的な爆破スイッチを持った者たちがすでにスタンバイしていることを大いに意識すべきです。一歩間違えれば、視聴者も広告主もごっそり奪われてしまいます。
何より一番こわいのは、数千万人に対して商売をやっているからこそ儲かるビジネスモデルを作ってしまったがために、視聴者が減少すると、ネットよりも視聴者数が依然多くても潰れてしまう日が来ること。なんやかんや言って、テレビは現状を甘く見すぎです。
■ フルハイビジョン映像を送受信できる時代へ
ネット映像メディアは、引き続き個人の参入による分離・小型化と、人気コンテンツの集合化が進むでしょう。
向こう10年でネットワークも大幅に進化します。投資や作業が膨大な有線ではなく、LTEやWiMAXなどの無線ネットワークが飛躍的な進化を遂げる。インターネットでも1080iのフルハイビジョン映像を何のためらいもなく送受信できる時代が近くに来ています。そうなったとき、テレビ局はいったい何をするのでしょうか?
ボクが企画にかかわっている「毎日キングコング」は、お笑いコンビのキングコングが1日1本、様々なチャレンジをしてユーチューブに動画を投稿するというコンテンツです。テレビ業界の人々が、局の壁を飛び越えていい仕事をしています。
■ テレビはオンデマンド配信で小銭を稼ぐしかなくなる
お笑いも、テレビ局がかかわる必要はありません。大がかりな番組も、お金があって視聴者さえいればテレビ局じゃなくても視聴者に届けることは可能です。独自検証も行わずに会見内容を抽出するだけのニュース番組なんて、アナウンサーをひとり雇ってしまえばできてしまう。
おそらく、テレビは過去50数年間で放送したすべてのコンテンツをオンデマンド配信して小銭を稼ぐ程度の著作権商売しかできなくなるのではないでしょうか。
テレビ業界は、もはや首の皮一枚しかつながっていません。主にネット業界で活動してきたボクとしては、ネット系企業のどこかが早くその首を絞めてやればいいのに…… と思っています。そんな自分がちょっとおそろしくもありますが、ネットの成長には最大限の拍手を送りたい。
■ ネットが万能と思うな
ただし、ネット映像メディアで活動していくクリエイターの方々にひとつだけクギを刺しておきます。ネットがテレビを潰す日が来ても、ネットが万能だとは思わないでください。
テレビだけでなく、ネットにも絶対に流れない「ヒミツ」が世の中にはたくさんあります。「ネットが世界の中心」「ネットで何もかもが解決する」と甘く見た段階で、ボクたちはテレビと同じ末路をたどることになるでしょう。
Tehu
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