03. 2013年9月16日 13:12:39
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サマーズ氏がFRB議長候補辞退、議会承認の公算低く断念 2013年 09月 16日 12:28 JST[ワシントン 15日 ロイター] - オバマ米大統領は15日、ローレンス・サマーズ氏が、次期連邦準備理事会(FRB)議長候補を辞退したと発表した。 オバマ大統領は声明で「きょう、サマーズ氏と話をし、FRB議長候補を辞退するという彼の決断を受け入れた」と表明した。 サマーズ氏は、自身が指名された場合に議会の人事承認プロセスが難航し、大統領の経済運営やFRBに悪影響を及ぼす恐れがあるとの懸念から、選考候補からの辞退を決断した。 クリントン政権で財務長官を務め、オバマ政権第1期目では国家経済会議委員長を務めたサマーズ氏は、来年1月末に任期が満了するバーナンキ議長の後任の最有力候補とみられていた。しかし、90年代の金融規制緩和への支持や、ハーバード大学学長時代の女性差別的発言が批判されていた。 サマーズ氏大統領に送った書簡のなかで「自分のFRB議長就任承認のプロセスは厳しく、FRBや政権の利益、ひいては現下の景気回復の利益に資しないだろう、という結論を不本意ながら下した」と辞退の理由を説明した。 サマーズ氏が次期FRB議長に指名された場合に指名承認プロセスの第一段階となる上院銀行委員会で、民主党内からすでに4人の委員が反対票を投じる見通しとなっていた。 上院銀行委の民主党委員の側近は「政権は、サマーズ氏が承認される公算がないと認識した」と述べ「辞退は正しい選択肢だった」と指摘した。 サマーズ氏の次期FRB議長候補指名には、リベラル派の議員や進歩主義的団体も反対を表明していた。 Progressive Change Campaign Committeeの共同創設者アダム・グリーン氏は、サマーズ氏辞退の報道を受け、「サマーズ氏が過去に下した金融規制緩和決定などは、多く米国民の暮らしを苦しくした。彼がFRB議長になっていたら、とんでもないことになっていた」と述べた。 サマーズ氏と並ぶ次期FRB議長の有力候補はイエレンFRB副議長で、与党民主党の上院議員20人は、大統領にイエレン副議長の指名を促す書簡に署名している。 <高官人事で再びつまずく> サマーズ氏の辞退は、オバマ大統領が国務長官に続き重要人事で議会からの反対圧力に屈したことを意味する。国務長官人事(現在はケリー氏)では、当時のライス国連大使(現在は国家安全保障問題担当大統領補佐官)が有力視されていたが、リビアの米領事館襲撃事件をめぐる発言をきっかけに共和党からの批判が強まり、ライス氏が辞退した。銃規制など重要政策課題で譲歩を強いられ、当局の個人情報収集などが批判されている政権にとって、人事での後退はさらなる打撃だ。 次期FRB議長は、サマーズ氏かイエレン氏のどちらか、という見方が大勢だったが、オバマ大統領は、コーン元FRB副議長も候補として考えていると明らかにしている。FRBウォッチャーは、ファーガソン元FRB副議長やガイトナー前財務長官の名前も挙げている。 サマーズ氏もイエレン氏もFRB議長の資質を備えていると評価されている。ただ、金融市場は、サマーズ氏よりイエレン氏の方が、FRBの緩和政策を維持する期間が若干長くなるとみていた。 サマーズ氏は、ともに働く人や部下から強く信頼され、組織の地位に関係なくどんな人からの意見にも耳を傾けるとされる。一方で、率直でけんか腰との人物評もあり、それが今回災いした可能性がある。イエレン氏が議長に昇格すれば、物腰の柔らかいバーナンキ現議長の路線が踏襲されるが、サマーズ氏が就任すれば、全く異なるスタイルをFRBにもたらすと予想されていた。 オバマ大統領にとって、サマーズ氏の魅力は主に1期目にNEC委員長を務めた時の功績に基づいている。当時、サマーズ氏は、政権の金融危機克服やリセッション脱却に向けた施策立案に手腕を発揮した。 両氏と働いた経験を持つ人々によれば、大統領はサマーズ氏をクリエイティブな思考ができ、経済危機の対応能力が高いと評価している。ただ、友人のような関係ではないという。 http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE98F00520130916?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0 |