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法人税減税での意見対立
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52511839.html
2013年09月13日 在野のアナリスト
安倍首相の「完全にコントロール」発言で、東電幹部は「コントロールできていない」との発言を「トラブル発生の認識」としました。菅官房長官も東電の認識を示していますが、イイワケが意味不明すぎます。トラブル発生により終息への道筋が見えないことを「完全にはコントロールされていない」と云うのです。最近、メディアは『完全』を抜いて表記しますが、「完全に…」を抜くと、意味が変わってしまいます。IOC委員の意見も確認して、「完全に…」を抜くかどうか、そこに重点が置かれていたかどうかを示した後、そうした記載をするかどうかを示すべきです。
つまり、これは野党がうまくやれば、1ヶ月は審議を止められる、臨時国会が飛びかねないほどの意味を秘めるのです。メディアが勝手に内容を変えていいものではありません。臨時国会の会期中は国際会議も多く、閣僚の出席も滞りがちで、大した内容は審議できない。さらに、政府は福島原発問題の委員会開催すら拒否している現状で、この発言があり、集中攻撃は確実なのです。そのとき、トラブルが発生しても大体コントロールできていればいい、というIOC総会とは違う意味の解釈になりかねない報道をくり返せば、そのうち国際社会から手痛いしっぺ返しを喰らうでしょう。
法人税減税の判断で、麻生財務相と甘利経再担当相との相違がめだってきました。麻生氏の言葉を借りれば、3割しか企業への好影響はないのだから、やっても無意味となります。ただでなくとも個人偏重、法人の税負担が軽い日本で、見かけの実効税率だけを議論しても意味がありません。
例えば、先々週発表された4-6月期法人企業統計では、全産業の売上高は前年比0.5%減でした。小売が堅調、堅調と云われてきた割りに「おや?」という数字です。ビール出荷も多い、とされながら今夏は最終的に前年比マイナスに沈みました。しかし経常利益は、全産業で前年比24%増。これはほとんど円安と、不動産取引の活発化によるもので、非常に脆弱な景気回復といえます。逆にいえば、金融政策の押し上げ効果、という側面が強く、ここで消費税増税をして、消費が減退をおこせば経常利益の回復を打ち消してくるでしょう。さらに円安にならないと、来年は増収効果が得られない点もマイナスです。法人税減税の効果がでにくい、それが来年の情勢です。
しかし9月の月例経済報告では、景気認識を「緩やかに回復」と上方修正されました。消費税増税の前に懸念を示せない、という判断が働いたものと思われます。設備投資が非製造業を中心に回復傾向だから、という理由が示されていますが、この設備投資は建設業、小売の新規出店に伴うものが主で、こちらは大盤振る舞いをした国土強靭化計画の効果、が大きいと思われます。
法人企業統計では、明らかに今の経済は政策効果によって押し上げられた面があり、刺激策が切れた時点で、終了してしまう脆弱さがあります。企業に減税しても、縮む経済環境下では防衛的になることが想定され、浮揚効果はない。もし法人税減税をするなら、今は法人税を支払っていない、損失との相殺で免除されている企業への、税負担を求めるべきなのでしょう。個人から吸い上げ、企業に還元する姿勢では、日本の景気は急落することがほぼ確実でしょう。景気対策で5兆円をばら撒いても、それは同じです。企業間のバランスを調整する、そうした議論にならない限り、今の安倍政権の議論の方向性では、来年の落ち込みは避けがたくなってくるのでしょうね。
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