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消費税の免税業者は優遇されているというのは本当か? 小笠原 誠治 
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/426.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 9 月 13 日 14:22:00: igsppGRN/E9PQ
 

http://bylines.news.yahoo.co.jp/ogasawaraseiji/20130913-00028090/
2013年9月13日 13時35分 小笠原 誠治 | 経済コラムニスト


消費税の増税が決まりかけているみたいですが‥そして、そのための露払いとして、先日、政府は各界の有識者から意見を聞いたところですが‥しかし、そうやって消費税増税に関して、高邁な意見を垂れる方が多い割には、消費税の基礎的知識が欠如した専門家も多いのではないでしょうか。

ズバリお聞きします。消費税の免税業者というのがあるでしょ? 年間の課税売上高が1000万円以下の事業者は、消費税の納税義務が免除されているでしょ? どう思いますか、このような免税業者について?

売上高が年間1000万円以下の零細業者なのだから、そう細かいことを言わなくてもいいじゃないか‥みたいな感覚でいるのではないですか? 優しい人柄ですね。

えっ、違うのですか?

消費者は、どんなに貧しくても、商品を買えば必ず消費税を支払わされるのに、その一方で、消費税を受け取ったそうした商店が、幾ら零細とは言えその税金をポッポにしまいこんでしまうのは怪しからん?

そのような思いでいる人が大変多い気もするのです。

今まで、免税業者についてよく知らなかった人でも、このような話を聞くと、少しずつ腹立たしくなるかもしれません。例えば、この先、消費税が10%にもなった場合には、その10%分がその免税業者のポッポに入ってしまうのか、なんて‥

しかし、もし、貴方が、そのようにお感じになっているとしたら、それは大変な誤解なのです。実は、免税業者の懐には、本来国に支払われるべきお金が残る筈がないのです。ひょっとしたら、少しはあるかもしれませんが、殆どないと言っていいでしょう。

それは何故なのか?

理由をお示ししましょう。例えば、ある小売店が、1個80円の商品を税込みで84円で仕入れて、そして、それを税込で105円で売っていたとしましょう。

その店がお客さんから受け取る代金は、105円。そのうち消費税分が5円になる訳ですから、5円が国に入ることになる訳ですが、その小売店は、仕入れの段階で4円分の税を支払っているので、新たに国に納める税は1円になります。

ですから、その小売店の課税売上高が1000万円を超していれば、国に納める税金は、その商品1個を売り上げる毎に1円になるのです。

では、その小売店が免税事業者に該当すれば、どのようになるのでしょうか?

その小売店は、1円分の納税が免除されるだけの話です。何故かと言えば、この小売店は、確かにお客さんから受け取った代金のうちの5円分は消費税として国に納めるべきものなのですが、既に小売りの段階で4円分を支払っているので、差し引きの1円分について、国に納めることが免除されるだけだからです。

これだけ知っただけでも、随分怒りが収まったでしょう?

しかし、これだけではまだ真実を語ったとは言えないのです。

というのも、もしこの零細な小売店が、近所の同業者や大型スーパーなどと競合関係にあれば、少しでも安い価格を設定することを余儀なくされ、そうなれば、その商品を105円ではなく104円、或いはそれよりも安く売ることさえあるからなのです。

もし、104円で売るとすれば、この零細な小売店の懐には、消費税に充てられるお金が少しも残る訳ではないのです。

プラス、零細な小売店というのは、仕入れの量が少ないので、卸から有利な条件で商品を仕入れることなどできないことにも留意しなければなりません。お酒やウィスキーの価格が、小さな小売店と大型の安売り店とでは、とんでもないほどの価格の差がついているのをご存じだと思うのです。

つまり、同じ商品でも、零細な小売店は84円で仕入れる一方、大型スーパーは、74円で仕入れるかもしれない。それが現実なのです。

だから、同じ商品であっても、零細な小売店ほど高いのが普通。しかし、だからと言って、零細な小売店の利益率の方が高いとは言えないのです。結局、大型スーパーなどが安売りをするので、零細な小売店にも常に価格を引き下げるさせる圧力がかかるのです。

従って、免税所業者は、消費税を納めなくていいとは言っても、消費税分を懐に入れている訳では決してないのです。仮に消費税を懐に入れることができる小売店があったとしたら、付近には同業者が全くいないような地理的条件にある場合などだけでしょう。

そして、そうして仮に消費税分を懐にいれることができたとしても、先ほどの例で言えば、5円分が丸々懐に入る訳ではなく、1円分しか懐に入らないのです。それに、仮に1円分が余分に懐に残ることあっても、そもそも零細業者は、先ほども述べたように、卸から有利な条件で仕入れることができないので、通常の納税業者ほど利益を上げることができないのが普通です。

ということで、消費税に関しては、如何にも零細な小売店が優遇されているかの感があるのですが、実際には、殆どそのような恩恵を被ってはいないのです。

以上


小笠原 誠治
経済コラムニスト

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)経済コラムニスト。1953年6月生まれ。著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」「経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(いずれも秀和システム)など。「リカードの経済学講座」を開催中。難しい経済の話を分かりすく解説するのが使命だと思っています。


 

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コメント
 
01. 2013年9月13日 14:41:31 : VbWAbFllIA
日本の消費税は世界的に見るとかなり特殊。
インボイスを採用していないので内容が良く分からない。
免税業者は結局自分で被るものが多くあまり得では無い。
一方で流通で支配的な業者はかなりの益税があると言われているが
これも霧の中。

将来、消費税を15%にする時にはやはり欧米並のインボイスを
導入する必要が有るだろう。


02. 2013年9月13日 16:47:24 : 5YSOM8gWne
 年間売り上げ1000万円以下の業者は、起業間もない業者が多いとみるべき。
零細店と言えども、年間売り上げ1000万以下なら利益率20パーセントとみて
も200万円にしかならない。これでは益税どころか存続ができない。

 起業での消費税について、例えば、特許を取りこれを製品販売する為に起業したとする。製品開発と顧客開発で1年をついやし、この間の部材仕入れで支払った消費税は、免税業者は、還付を受ける事が出来ない。

 消費税は、納税業者以外の買い物にかかる税で有り、納税業者は納税の義務を負うが還付制度により1円たりとも拠出しない仕組みだ。なのに起業間もない業者は、免税業者故に消費税を拠出していることになる。因みに起業後5年の生存率は25パーセントでその厳しさが数字に顕れている。
 ここでも、消費税制は、既得権層に有利になる税制に成っている。


03. 2013年9月13日 16:50:25 : nJF6kGWndY

>消費税に関しては、如何にも零細な小売店が優遇されているかの感があるのですが、実際には、殆どそのような恩恵を被ってはいない

苦しい言い訳

増税で、他の事業者は明らかに不利になっているのに、さらに益税が増える

当然、一族経営の偽装小規模事業者が増え、増税効果も小さくなる上に

日本全体の小売りや流通は非効率化する


>>01

消費税を廃止できない限り、そうすべきだろうな



04. 2013年9月13日 19:34:21 : NDlxJ8RCcI
輸出戻し税こそは大企業が受け取っているマイナス税。

これこそが大問題です。消費税の負の部分はここに集約されている。
消費税とは強いもののみが徳をする悪の税政です。


大マスコミが決して国民に知らせようとしない「輸出戻し税」
の存在こそ、1人でも多くの国民に知らせなければならない。


05. 2013年9月13日 21:55:21 : rdWfUYZ97U
どんなに零細も会社なら赤字でも住民税は7-8万はとられますから
小さいほど負担率が大きい部分ある

06. 2013年9月13日 21:57:14 : niiL5nr8dQ
#豆腐業界は、M&Aで大型化することもなく、長期保存豆腐を規制によって潰したり、消費者のことを全く考えておらず、頭にあるのは目先の利益だけ
これでは将来は無い

豆腐業界の真実(消費税の転嫁問題)
2013/09/12 (木) 11:58


 今朝、NHKのニュースを見ていたら、お豆腐屋さんが大変だと言っていました。

 何が大変なのかと言えば、消費税が現在の5%から8%に引き上げられたときに、それに連動してその増税分を価格に転嫁できるかどうかが不確かであるからだ、と。むしろ納入先のスーパーなどから価格の据え置きを求められ、結局、増税分を自分たちで負担しなければいけない羽目になりそうだ、と。

 例えば、現在、税込みで105円の価格がついている豆腐が、増税にも拘わらずそのまま105円で売られるとすれば、豆腐の製造業者は、スーパーに卸す価格を引き上げることができない一方で、原料となる大豆などに支払う価格は増税の分だけ高くなるのですから、そのしわ寄せが豆腐の製造業者にかかることになるのです。

 可哀そうだと思いますか?

 確かに可哀そうだと言えば、可哀そう。

 では、どうしたらいいのか?

 価格転嫁がスムーズに行くように監視をしたらどうかとか、或いは、価格転嫁ができやすくするためにカルテルを結ぶことを認めたらどうか、なんてことが今言われているのです。

 では、中小零細のお豆腐屋さんに価格の据え置きを求める大手スーパーは悪なのでしょうか? そのようなスーパーは、ブラック企業と呼ぶべきなのでしょうか?

 しかし、現実はそう単純でもないのです。

 仮に、社会主義国家と間違いそうなくらい国家の介入を推進している現政権が、お豆腐屋さんの保護に本格的に乗り出したとしましょう。例えば、豆腐の価格への転嫁を認めないようなスーパーの名前を公表するなどして、徹底的に監視することにしたとします。そして、それによって豆腐の価格への転嫁が実現できたとしましょう。

 では、豆腐屋さんは、それでハッピーになれるのか?

 しかし、仮に豆腐の価格が上がったことによって、豆腐の売れ行きが落ちたとしたらどうでしょうか? ハッピーどころか、豆腐屋さんの中には、廃業に追い込まれるところが出るかもしれません。

 従って、価格の転嫁が望ましいとしても、同時に、豆腐の価格を上げても需要が落ちない保証がなければ、そのような価格の監視が意味を持つことはないのです。

 では、豆腐の価格と需要は、どのような関係にあると言っていいのでしょうか?

 そのことについて考えるために一つの事実をお示ししたいと思います。実は、豆腐業界は、今年の春くらいから「助けて!」と声を挙げているのです。というよりも、以前から中小零細業者が多い豆腐の製造業者は生き抜くのが大変な状態が続いていると言った方がいいかもしれません。

 以前から厳しいということは、何も税の価格への転嫁が難しいからというだけではないということです。

 そもそも家計の豆腐への支出額が平成10年頃をピークに減少傾向にあるのです。

 それには少子高齢化の影響があるでしょうし、また、近年、家庭で料理を余り作らない世帯が増えているようなことも影響しているかもしれません。いずれにしても少しずつ食べる豆腐の量が減っている、と。

 では、今年になって豆腐業界が急に助けてくれと悲鳴を上げたのはどういう訳なのでしょうか?

 それは主に円安を理由として原料の大豆の価格が高騰していることが原因なのです。

 つまり、そもそも需要が弱含んでいるので、原料高が起きてもなかなかそれを価格に転嫁することができない。だから、豆腐業界が、なかなか利益が出せない体質になってしまっているのです。

 その上、来年4月に消費税が増税されれば、価格転嫁が難しいので、さらに経営悪化が危惧されるという訳なのです。

 問題の本質が少しずつ分かり始めたのではないでしょうか?

 確かに、消費税増税に伴って豆腐の価格を引き上げることが難しい状況にあるのはそのとおりでしょう。しかし、そもそも大豆の価格が上がっても価格への転嫁が難しいのですから、消費税の増税分を価格に転嫁するのが難しいといっても、それはある意味当然なのです。

 従って、仮に消費税増税分の豆腐の価格への転嫁がスムーズに進むように政府が監視したところで、本質的な解決策には決してなり得ないでしょう。つまり、価格は上がっても売り上げが落ちるだけの結果になりかねないのです。

 しかし、多くの豆腐業界関係者は、そこまでは考えない。ただ政府に頼ることしか考えない。これでは、豆腐業界の将来は決して明るくはならないのです。

 真の解決策は、少しくらい高くても、消費者が跳びつきたくなるような豆腐を製造することです。そして、少しくらい値上げしても消費者離れが起きない豆腐を製造することです。

 仮に、そのような豆腐であれば、どれだけ円安で原料の大豆の価格が高騰しようとも、価格への転嫁がスムーズに進むでしょう。そして、どれだけ消費税率が引き上げられても価格への転嫁が進むでしょう。

 それが問題の本質であるのに、価格の転嫁が進むことを政府にお願いする豆腐業界。

 昭和30年代半ばには全国で約5万軒あった業者が、現在では1万軒を切るまで減少するなか、「第3回ニッポン豆腐屋サミット」が今年6月に徳島市内で開かれたと言います。どうにかして豆腐業界を活性化したいとの思いで全国から約90人が集まり、熱い議論が交わされたと言います。

 どんな意見が出たと言うのでしょうか?

 「おいしい豆腐を作るだけではなく、消費者に味を知ってもらうための営業力が大切だ」「均質化が進むことは業界にとって致命的」

 全くそのとおりなのです。他の豆腐と見分けがつかないような豆腐だから安く買い叩かれてしまう。

 豆腐は、栄養価の高い食品であり、我々日本人の食生活にはなくてはならないものになっていたということが、進歩を止めてしまったのです。何も努力しなくても売れていたので工夫することが少なくなったのでしょう。

 しかし、幾ら豆腐の需要が弱含んでいるとはいえ、国内には根強い豆腐ファンがいることも事実です。特に遺伝子組み換えの大豆を使っていない国産大豆を原料にした豆腐であれば、少しくらい高くても喜んで買いたいという人も多いのです。

 下着でもシャツでも、海外製の安い商品ばかりが店頭に並ぶようになって久しい訳ですが‥しかし、安ければよい、という考え方から消費者が脱皮し始めている気もするのです。少々高くても、品質のよい国産の下着やシャツに対する需要が再び生まれる気配があるのです。

 豆腐にしても、ただ安いだけでは訴える力はないのです。

 お豆腐屋さんの奮闘を期待しています。

 以上


07. 2013年9月13日 22:42:32 : VbWAbFllIA
>>06
豆腐屋さんの奮闘も分かるのだが、日本は取引にインボイスを
導入していないので転嫁問題が出て来る。
インボイスは日本語では受け渡し伝票と言われ品物とそれにかかる税を
書いてあるのでこれで次々に税を受け渡して行く仕組み。
これだと中間の誰かが税を被るなどと言うことは無い。
香港などでも買い物をすれば普通にインボイスを渡してくれるし、これで
外国人は出国の際に税の還付を受ける。

日本でも最初の3%導入時に検討されたがその当時はまだ
コンピュータ会計が拡がっておらず、時間とコストがかかる
と言うことで従来の売り掛け伝票で行くことになった。
これが中間でだれかが被らざるを得なくなる大きな理由。
日本も早急にインボイスの導入をはかるべきである。


08. 2013年9月14日 01:57:16 : oER8WrfMzQ
課税業者は105円の物を売った場合に、売上は100円、税額5円という計算になるが
(仕入れ値70円+3.5円ならば利益30円、税収入1.5円)
非課税業者は105円のものを売った場合に売上は105円と計算されてしまうのだから
(仕入れ値同情なら、利益31.5円、税収入ゼロ)
場合によっては課税業者より不利にならないか?

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