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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130910-00000770-playboyz-bus_all
週プレNEWS 9月10日(火)12時10分配信
「年内妥結を目指す」というアメリカの強い意向のもと、着々と進むTPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉。だが、日本のTPP参加は本当に国益につながるのだろうか? 「TPPの実態はアメリカと、その背後にいる多国籍企業の利益追求の仕組みでしかない!」と、食料問題の立場から警鐘を鳴らすのが『食の戦争 米国の罠に落ちる日本』だ。
巨大な農業資本による「食料市場」支配の実態や食の安全をめぐる懸念。遺伝子組み換え作物の危険性や「種子」の独占がもたらす問題など……。農林水産省で数々のFTA交渉にも関わった経験のある東大の鈴木宣弘教授が食料問題の「今」を多角的に分析。
グローバルな食料ビジネスの世界で、「食」を「武器」として操るアメリカの戦略と、そのアメリカの仕掛けた「罠」であるTPPにまんまとはまろうとしている日本の姿が浮かび上がってくる。鈴木氏に聞いた。
―こうしたテーマの本を、このタイミングで出版されたのは、TPPを意識してのことですか?
「はい、TPPの背後にあるのは、なんでもかんでも『規制緩和』して自由に取引できるようにすることを是とする考え方です。そうした考え方が、現実には『今だけ、金だけ、自分だけ』しか考えないような昨今の風潮へとつながって、社会にさまざまな歪みをもたらしています。
そうした歪みを『食料』という側面から明らかにすることで、もっと多くの人たちに危機感を共有してほしい。TPPに代表されるこうした流れに歯止めをかけなきゃいけないという思いから、この本を書きました」
―鈴木先生は農水省時代、2国間の経済協定であるFTAにも関わっています。それと比べてTPPは何が問題なのでしょうか?
「FTAというのは2国間の経済協定ですから、お互いの国の事情を考慮し、尊重する形で共通の利益を追求することができました。ところがTPPはそうした個々の国の事情より先に、大前提として『すべての規制、障害を取り除いてしまえ』という考え方が優先され、お互いのメリットを追求しようという姿勢が見られない。
規制緩和によって、いや、場合によっては医薬品の特許権のように、逆に一部の規制を強化してでも多国籍企業の利益を追求できる仕組みを参加国に押しつけようというのがTPPの本当の姿です」
―FTAでは可能だったお互いの立場を尊重するという姿勢が、多国間のTPPで生かされないのはなぜでしょうか?
「アメリカの資金の4割近くをコントロールできる1%の企業を中心に、その資金に支えられた政治家や官僚、研究者、メディアなどが利権でつながる“ムラ”を形成し、彼らの利益があたかもアメリカの国益であるかのように優先されているからです。
また、『食料』を『武器』として他国をコントロールしようというアメリカの政治的な戦略は、こうした多国籍企業の利害と一致しています」
―このままTPPが成立し、日本の参加が正式に決まった場合、「食の安全」は私たち消費者自身が守るしかないのでしょうか?
「安ければすぐ飛びつくのではなく、食料の安全性や品質を消費者自身がよく吟味する必要があるでしょう。
ただ、困ったことにTPPでは『遺伝子組み換え』の表示義務や『国産か輸入か』を表示するだけでも『不当な差別』として問題にされる可能性がある。そうなれば国民は自分の食べるモノを主体的に『選ぶ権利』や『手段』すら奪われかねないのです」
●鈴木宣弘(すずき・のぶひろ)
1958年生まれ、三重県出身。82年、東京大学農学部卒業。農林水産省、九州大学大学院教授などを経て、東京大学大学院農学国際専攻教授。数多くのFTA交渉にも携わる。著書に『TPPで暮らしはどうなる?』(共著、岩波書店)など
■『食の戦争 米国の罠に落ちる日本』
文春新書 746円
世界では今、「食の戦争」が進行している。アメリカとそれを支える一部の多国籍企業は、「食料」は最も安価な「武器」と考え、遺伝子組み換え作物の拡大、作物の種子支配を進める。無策の日本はどうするべきか。今そこにある“食料危機”の現実を伝える
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