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米軍シリア攻撃 原油価格高騰で日本経済に暗雲(週刊文春) 
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/325.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 9 月 06 日 14:57:48: AtMSjtXKW4rJY
 

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130906-00003078-sbunshun-bus_all
週刊文春 9月6日(金)13時1分配信


 米国はシリアへの軍事介入の準備を着々と進めているが、これが日本経済に新たな波乱要因をもたらしている。

 まず円高。かつては「有事のドル買い」と言われたが、米同時多発テロ事件以来、紛争当事国となった米国の財政悪化への懸念から、ドルではなく円が買われる傾向にある。今回も円が買われ、円相場は8月28日、一時1ドル97円を割り込んだ。

 円高になると株価が下がる。同日、日経平均株価は一時350円下落した。輸出関連株が円高で売られ、トヨタやコマツなどが下げた。

 そして最も影響が懸念されるのは原油価格だ。同日、1バレル117.34ドルと6カ月ぶりの高値をつけた。値上がりが急激なため、東京商品取引所は原油取引を停止する「サーキットブレーカー」を発動した。仏金融大手は「シリアの周辺国に混乱が波及すれば1バレル150ドルに高騰する」と警告している。原油が高騰すれば、電気料金や物価に跳ね返り、我々の生活を直撃する。

 逆に経済指標からシリア情勢を予測することもできる。「ニッケルの国際価格が上がれば戦争は拡大、落ち着いたままなら局地戦で終わる」(投機筋)というのだ。ニッケルは弾丸の薬莢(やっきょう)など武器に使われることから、価格は紛争の大きさを測る目安となる。2002年から07年にかけてニッケル価格は急騰し、約5倍になった。この間、イラク戦争が泥沼化し、アフガンへの米軍派遣も拡大した。大量の需要予測が価格を押し上げたというわけだ。

 だが今回はニッケルの価格は高騰していない。「地上戦に発展することはなく、米仏による短期的なミサイル攻撃で終わるという読みがあるから」(同前)という。

 しかし、シリアのアサド政権がイスラエルに攻撃を仕掛ければ、イスラエルは反撃する。そうなればイランも黙ってはいまい。紛争が拡大する懸念は依然としてある。

 フランスはアラブ産油国の権益を確保するために参戦するとみられているが、日本はフランスとともにトルコ、ヨルダンで原発の受注を目指している。シリアを震源に中東が混乱すれば、安倍首相の原発輸出戦略にも支障が出る。

 シリア情勢はけっして対岸の火事ではないのだ。

<週刊文春2013年9月12日号『THIS WEEK 経済』より>

有森 隆(ジャーナリスト)


 

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コメント
 
01. 2013年9月06日 15:21:56 : niiL5nr8dQ
コラム:リスク山積の秋到来、一本調子の円安困難に=佐々木融氏
2013年 09月 6日 14:14 JST
佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長(2013年9月6日)

今月に入って「日本株上昇・円安」の流れが再び始まったように見える。筆者はドル100円手前でもう少しもみ合いが続くと予想していたが、昨日あっさり7月25日以来の100円台に乗せてきた。

しかし、10月にかけては市場の不安定化を招きかねない要因が非常に多く、昨年11月から今年5月のような、ほぼ一本調子のドル円上昇はやや予想し難い。

1997年のアジア通貨危機、98年のロシア危機・LTCM破綻・日本の金融危機、2001年の米国での同時多発攻撃、02年のITバブル崩壊後の米株価最安値、08年のリーマンショックなど、世界の金融資本市場を大きく動かした事象の多くは9月から10月に発生している。市場参加者にとって、この季節は「悪い思い出」が比較的多い。

エマージング市場も引き続き不安定な状況にある。今後2カ月程度は、相場が思いのほか大きく動く可能性に細心の注意が必要だ。

そこで、ドル円相場の潜在的な主要変動要因について、以下に整理した。

●6日:米8月雇用統計

最初の重要イベントはこれだ。もっとも、翌週に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えているだけに、この結果だけで方向感が出るとは考えにくい。

●8日:オリンピック開催地決定

アルゼンチンのブエノスアイレスで行われている国際オリンピック委員会(IOC)総会は、現地時間7日(日本時間8日早朝)に2020年夏季オリンピックの開催地を決定する。東京に決まれば、日本時間の月曜日9日早朝から円は売られ、午前中から日本株は買われるだろう。もっとも、実際には7年も先の話であることから、動きは短期的なものにとどまると予想される。

●9日:日本の4―6月期GDP2次速報値

1次速報値は前期比年率プラス2.6%であったが、JPモルガンはこれが同プラス3.6%へ上方修正されると予想している。強い数字が出れば日本株上昇・円売りで反応しそうだが、消費税引き上げはかなり織り込まれていることもあり、これも反応は限定的だろう。

●9日以降:米軍によるシリア攻撃の可能性

シリアに対する軍事攻撃を認める決議案は米議会が再開する9日以降に上院本会議で審議・可決され、その後下院でも審議・可決される可能性が高いと考えられる。決議案は作戦期間を60日間に限定し、地上軍の派遣は認めないなど規模を制限したものとなっているが、攻撃が開始されたとのニュースが流れれば、短期的には円が買われることになるだろう。

動きは一時的なものにとどまると考えられるが、その後の展開がイスラエルやロシアなども巻き込み、また結果的に原油価格が高騰するといった事態につながると、リスク回避志向の高まりや世界景気の鈍化を通じて、投資家の円買い戻し圧力が強まり、ドル円の下落トレンドがしばらく続く可能性もある。

●17―18日:FOMC

筆者は今回のFOMCで量的緩和(QE)縮小が開始されると予想しているが、市場はすでにこれを織り込んでいるだろう。QE1、QE2の時は、終了すると米金利は低下した。今回も同様の展開になる可能性はあると考えられ、そうなればドルはFOMC後にしばらく下落トレンドをたどるかもしれない。

もっとも、為替市場にとって一番重要なのは、QEではなく先行きの利上げ期待のほうである。6月のFOMCではメンバーの失業率や政策金利に対する見通しを受けて、米長期金利が上昇し、ドルも上昇した。

今回は新たに16年の見通しが示されることになるが、失業率に関する予想は一段と引き下げられ、政策金利予想は一段と引き上げられる可能性が高い。市場がこれに素直に反応するようであれば、米金利上昇・ドル上昇ということになるだろう。米金利とドルがどういう動きをして、19日の日本時間朝を迎えるかは、年末までのドル円の動きを占う上でも非常に重要であると考えられる。

<消費増税と法人減税は円安要因>

次に、ドル円相場に影響を与える10月以降の重要イベントを押さえておく。

●10月2日:消費税引き上げ決定の可能性

安倍晋三首相は消費税引き上げについて、最終的な判断を10月初旬に行う。報道によれば、10月1日の日銀短観の結果を見て、その翌日の2日にも決定される可能性が高い。予定通り消費税引き上げが決断されれば、海外勢による日本株買い・円売りが再開するかもしれない。

●10月上旬:環太平洋連携協定(TPP)交渉の重要局面

TPP参加をめぐる協議では、最終的にどこまで関税を撤廃し、自由化率を上げる必要があるかが明らかになってから、かなりの混乱が起こるのではないかと懸念している。

日本政府の交渉方針通り、重要5分野の農産品(コメ、麦、牛・豚肉、乳製品、甘味資源作物)の関税が全て維持されるならば、自由化率は93.5%となる。しかし、米国などは95%以上の自由化率を望んでくる可能性がある。また、シンガポール、ペルー、チリの3カ国は、日本との2国間協議で関税の全廃を提案している。

TPP交渉は10月7―8日にインドネシアのバリ島で行われるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を、交渉を進めていく上での重要なポイントと位置づけている。9月下旬から10月上旬に関税に関する交渉の内容が少しずつ漏れてくる可能性もある。

仮に重要5分野のうち、いくつかの品目で関税撤廃を余儀なくされることが明らかになれば、自民党内でもTPP参加に対する反対の声が高まり、政局が不安定化するリスクがある。このような事態は海外投資家から見て、日本株売り・円買い戻し材料と捉えられるだろう。

●10月:法人税減税議論に決着か

一部報道によれば、自民党は早ければ10月にも税制調査会で法人税の実効税率引き下げの議論に着手するという。確かに外国人投資家は法人税減税をポジティブに捉えており、今後もその可能性が高まったと市場が受け止めるような政治家のコメントや報道が流れた場合には、日本株は上昇、円は下落という反応が見られやすくなるだろう。

●10月半ばから11月初頭:米連邦政府の債務上限問題

ルー米財務長官は、8月26日に議会に書簡を送付し、米連邦政府による借金が10月半ばに借入枠の法定上限である約16.7兆ドルに達するとして、早期に上限を引き上げるように要請した(JPモルガンの米債券調査部は11月初めまでは持ち堪えられると見ている)。10月中にこの問題に対する懸念が高まれば、円が買い戻される可能性もある。

ちなみに、11年夏のケースでは、年初から債務上限問題が意識され、7月上旬が新たな借り入れができなくなる期限とされていたが、それが8月2日に延ばされ、結局その期限当日に債務上限が引き上げられた。もっとも、その3日後の5日にスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は米国債の格付けを引き下げた。この年、ドル円は7月中旬から8月1日までに6%程度下落している。その後は介入警戒感や実際に円売り介入が行われたことで下げ止まった。米長期金利は債務上限が引き上げられた後、急速に低下傾向をたどった。

<サマーズFRB議長指名ならドル高は本当か>

最後に、時期ははっきりしないが、もう一つ注目のイベントを書き添えておきたい。米連邦準備理事会(FRB)の次期議長指名だ。

次期FRB議長は、大統領が「上院の助言と同意(上院出席議員の3分の2以上の賛成)」に基づいて任命を行う。大統領の指名は9月末から10月、上院での承認は年内となる可能性が高いだろう。

報道ではハーバード大学のサマーズ教授(元米財務長官)有利との声が優勢だが、オバマ大統領が10―12月の財政問題の解決を優先させるのであれば、政治的な衝突の少ないイエレン現FRB副議長を指名する可能性もある。

むろん、両氏の間にそれほど大きな政策の違いがあるとは考えられず、またそれ以外の経済・政治的要因のほうが市場へ与える影響も大きい。しかし短期的には、仮にサマーズ氏が指名されれば米金利上昇・ドル高、イエレン氏が指名されれば米金利低下・ドル安で反応する可能性が高いと考えられる。

*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の債券為替調査部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。


 


 


 


 


 


来週は新興国市場に動揺広がれば円高リスクの再燃も
2013年 09月 6日 14:21 JST
[東京 6日 ロイター] - 米量的緩和縮小(テーパリング)の開始時期をめぐる思惑、本邦GDP2次速報値、シリア情勢など、多くの未知数を抱える来週の外為市場では、テーパリング見通しが左右する新興市場の動向が焦点となりそうだ。

新興市場に動揺が広がればリスク回避姿勢が強まり、円高リスクの再燃につながる可能性がある。

予想レンジはドル/円が97.00―101.00円、ユーロ/ドルが1.2900―1.3300ドル。

<テーパリング>

8月の米雇用統計が予想の範囲内であったとの前提で、9月中にも決定される米テーパリングは、為替市場のみならず国際金融市場の最大関心事だ。

為替市場では、テーパリング観測によるエマージング市場の動揺がリスクオフの流れを引き起こしやすく、円高圧力の源泉となってきた。

「テーパリング観測が強まっているので、これによってエマージング市場の動揺が大きくなれば、シリア関連の地政学リスクと合わせ、リスクオフで円高方向に振れる可能性がある」と三井住友信託銀行、マーケット・ストラテジストの瀬良礼子氏は予想する。

同氏は、特に、通貨も含めて、インドやインドネシアの市場動向を注視している、と述べた。

<中国バブル>

エコノミストは中国への影響についても警鐘を鳴らす。

「中国が不動産バブルを抱えている状況で、米国がテーパリングを行うことで、中国市場からドルの引き揚げが起こり、意図しない引き締め効果をもたらす」と東海東京証券、チーフエコノミストの斎藤満氏は言う。

そもそも、中国の理財商品は不動産の値上がりを前提とするCDO(債務担保証券)の要素があり、米国の緩和縮小によって中国の不動産バブルが破裂すれば、中国版のリーマンショックのような状況を引き起こしかねない、と同氏は警告する。

中国大手銀の1―6月期決算によれば、多くの銀行で不良債権額が増えたことが明らかになった。シャドーバンキングの代表的な財テク商品である理財商品の残高も増えた。

中国銀行業監督管理委員会は6月末時点の全体の残高を9兆0800億元としており、3月末から8800億元増加している。

<米金利上昇>

一方、債券市場ではテーパリングを見込んだ米金利の急ピッチな上昇が続き、米10年国債利回りは2011年7月以来の3%台、米2年国債利回りは2011年5月以来の0.53%台まで上昇した。

「テーパリングは市場で織り込まれているが、長期金利上昇の影響は、今後、実体経済に効いてくるだろう。住宅市場は回復したとされるが、パートタイムだけが増え、フルタイムの就業機会が閉ざされているアメリカで、本当に住宅需要があるのか」(機関投資家)と疑問を呈する声も上がっている。

いずれにせよ、米国の住宅市況や消費が真に力強い自律的な回復をしているのか、年末にかけて試されるとみられる。

<米雇用統計、本邦GDP>

きょう発表予定の8月米雇用統計では、非農業部門雇用者数の予想中央値が前月比18万人増、と予想外に伸びが鈍かった7月の16万2000人増から加速する見通しで、失業率の予想中央値は7.4%と横ばいの見込み。

今月17、18日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)前に発表される最後の雇用統計であり、市場の関心が高い。

ポジティブサプライズとなれば米金利上昇でドル/円の上昇余地がある一方で、ネガティブサプライズとなれば、米金利低下からドル/円に下落圧力がかかるとみられる。

9日の午前8時50分には本邦4―6月のGDP2次速報値の発表が予定される。10月上旬に迫った安倍首相による消費税増税判断を控え注目されるが、6日の黒田日銀総裁の会見では、増税の影響で経済・物価が下振れた場合は、柔軟に政策対応する姿勢があらためて示された。

(森 佳子

 


 


 
9月日銀金融経済月報、「景気は緩やかに回復」に上方修正
2013年 09月 6日 14:12 JST
[東京 6日 ロイター] - 日銀は6日、9月の金融経済月報を公表し、景気の現状について「緩やかに回復している」とし、判断を引き上げた。上方修正は2カ月ぶりで、表現は2008年のリーマンショック後では最も強い表現になった。

日銀が金融政策を現状維持、景気判断「回復している」に上方修正 2013年9月5日
景気の現状判断、前月から据え置き=8月日銀金融経済月報 2013年8月9日
日銀決定会合で景気判断据え置き、政策現状維持 2013年8月8日
政府は景気「回復」明言に二の足、日銀との一体感にずれ 2013年7月24日

 


 

 

アングル:消費増税対策に1%還元案も、家計・企業に直接テコ入れ
2013年 09月 6日 14:44 JST
[東京 6日 ロイター] - 政府や自民党内で消費税率を予定通り来春に3%引き上げることを前提とした景気対策の議論が進み始めている。

官邸周辺の一部では、財政出動だけに頼らず、経済底上げを図る企業減税と家計へのテコ入れ策を組み合わせて、1%分を還元する案も浮上。昨年の3党合意に従い給付金を支給するほかに、所得減税の一時的実施案も議論の俎上にのぼる可能性がある。対策の規模について民間からは3兆─5兆円との指摘もあるが、消費増税1%分程度の還元策で3兆円弱との試算も浮上している。

<小刻み増税は困難、対策は下支えと成長戦略の組み合わせ>

消費増税の判断は安倍晋三首相が10月上旬に行うこととなるが、先月31日まで行われた消費増税判断のための有識者による点検会合について、出席者からは「予定通りの実施にゴーサインを与える会合」との印象が聞かれたほか、政府側出席者も「増税実施を前提に、タイミングとやり方の意見を聞く会合」と位置づけている。

増税方法については、1%ずつなど小刻み増税を推奨する意見も何人かから提案されたが、産業界の反対をはじめ、法律修正の手続きなど、政治コストが相当高くつくことへの指摘も多かったため、当初は小刻み増税が望ましいと考えていた政府側出席者の一人も「ほぼ芽がなくなった」との見方を示す。

むしろ官邸関係者の間では、3%の実施を前提に、増税に伴う景気の落ち込みには財政出動による公共事業、増税の負担を受ける家計へのてこ入れ、経済活性化に向けた成長戦略としての企業減税、という3つの組み合わせを検討する声が浮上している。関係者の一人は、安倍首相が10月上旬に増税実施を決断すれば、秋の国会ではこうした対策の組み合わせを議論したいとしている。

<大規模財政出動回避のため、家計への還元策も浮上>

3つの組み合わせのうち、公共事業など財政出動だけで景気をさせるとなると、3─5兆円程度と相当大規模な金額が必要とエコノミストの間では試算されている。しかし、増税で歳入は膨らむものの、大規模な財政出動は、財政再建の観点から好ましくないとの指摘も少なくない。 そこで浮上しているのが、家計への負担を緩和するための所得対策と企業減税による経済活性化策だ。

予定通りの消費増税で概ね9兆円程度の負担が生じる家計に対し、昨年の3党合意では低所得者に給付金を支給することになっているが、ここへきて、所得減税による一時的な還元策が浮上している。

点検会合で政府側の出席者だった高橋進・経済財政諮問会議民間委員は先月27日の会合で「(消費税率を)3%上げるが、そのうち1%分を財政支出ではなく、所得減税、法人減税で戻すのはどうか」と浜田宏一内閣官房参与に質問。浜田氏は「まったく賛成」と答えている。

政府が財政出動するよりも、家計や企業を直接てこ入れすることで、民間経済を底上げしようと狙いだ。アベノミクスの恩恵が少ないにも関わらず、きちんと納税している中所得者層にも還元できるメリットもある。さらに、消費税1%分の還元策であれば概ね2.7兆円程度となり、財政への影響も小幅に抑えられるとみている。

企業向け減税では、すでに投資減税に向け与党税制調査会が動き始めている。加えて、中長期課題とされてきた法人税減税についても、復興増税の1年前倒し廃止により、同時に実施される可能性もありえるとの声も関係者から聞こえている。法人減税はキャッシュフロー増加に直結するため、それを設備投資や賃金に回すことへの期待もある。

<政府内には、所得減税に否定的な見方>

ただ、政府部内には時限的な所得減税については否定的な見方が多い。ある政府筋は「時限的所得税減税は現実問題として難しい。(時限措置を)なかなか戻せない。であれば、むしろ、歳出面で、『給付金』で対応するほうが政策としては合理的だ」としている。

森信茂樹・中央大学教授も所得税を払っていない低所得層への対策が焦点の時に「所得税減税では逆進性対策にならない」とし、所得税減税は「難しい」と指摘。低所得者対策は「簡素な給付金」での対応が望ましいとしている。

<甘利経済再生相「十二分な対応が必要」>

増税による景気悪化を防ぐための今年度補正予算について、自民党税調幹部の宮沢洋一参議院議員は5日、BSフジの番組で、年末に今年度補正予算を決めることになると明言した。

具体策について宮沢氏は、消費税引き上げに伴う住宅ローン減税の拡充措置を講じても効果が限定的な所得層を対象とする住宅取得に関する給付措置や、逆進性の強い消費税導入時の暫定的措置として実施が決まっている「簡素な給付金」などの低所得者対策をあげ、「成長戦略に資する財政出動も、もろもろ入ってくる」と見通した。

具体的な規模感については、先週の集中点検会合でも、予定通りの3%引き上げに対して1%分の激変緩和措置を求める声がある一方、「5兆円程度」(岩田一政・日本経済研究センター理事長)との指摘までまちまち。甘利経済再生相は点検会合最終日の31日に「足らずに失敗することはあっても、やり過ぎて失敗することはない」と述べ、十二分な対応が必要との認識を示している。

税制面からの対応では、自民・公明両党の与党税制協議会が秋の臨時国会に提出が予定される投資減税案について9月中のとりまとめを確認。来週以降、議論を本格化させ、生産性向上を促す設備投資促進税制や事業再編促進税制などの具体化を詰める。

一方、産業界の要望が強い法人実効税率の引き下げについて自民・宮沢氏は「今の日本の財政状況、経済状況からすると、まず、必要な政策減税をしていくことにならざるを得ない。従って、復興の付加税までいかない話だ」と述べ、否定的な考えを示している。

日本の法人実効税率(東京都の場合)は国税と地方税の合計で35.64%と、国際水準に比べて高い。加えて、14年度末までの3年間は、東日本大震災の復興特別法人税として法人税額の10%を上乗せしており、企業の実質的な負担水準は38.01%となっている。政府が消費増税の是非をめぐって有識者に意見聴取した「集中点検会合」でも、復興の付加分の廃止による実質的な法人税率下げを求める声が上がっていた。

(ロイターニュース 中川泉 吉川裕子 編集 石田仁志
 


 


 

 


日本株5日ぶり反落、五輪不透明や円安一服−不動産など売り 

  9月6日(ブルームバーグ):午前の東京株式相場は5日ぶりに反落。2020年夏季オリンピックの開催地決定を控え、東京招致への不透明感から直近の上げが目立っていた不動産や建設、セメントなど内需関連株中心に安くなった。米国の雇用統計を控える中、為替の円安一服も加わり、高く始まった輸出関連株も軟調。
TOPIX の午前終値は前日比10.50ポイント(0.9%)安の1147.34、日経平均株価 は158円69銭(1.1%)安の1万3906円13銭。
香港のバンテージ・キャピタル・マーケットのエクイティ・デリバティブ・ヘッド、シチュアート・ビーヴィス氏は「きょうの売りはアグレッシブな売りというより、リスクマネジメントという用心深い動きだ」と指摘。米雇用統計は、「緩和縮小を進めるかどうかを決める鍵。米10年債への注目も集まっており、金利3%ではマーケット心理に悪影響を及ぼしている」と話していた。
きょうの日本株は上昇して始まったものの、前日まで4日続伸した反動に加え、日本時間今夜には米国の金融政策に影響を及ぼす8月の雇用統計発表、アルゼンチン現地時間の7日には東京が立候補する20年夏季オリンピックの開催都市決定を控え、徐々に持ち高整理の売りに押された。週明け9日の取引開始前には、消費税増税の実施判断に向け重要視される日本の4−6月国内総生産(GDP)の改定値公表もある。日経平均の下げ幅は一時、200円を上回った。
マドリードに勢いの報道
幅広い業種が下げる中、特に下げが顕著だったのは不動産。東証1部33業種の下落率で1位、TOPIXの下落寄与度で2位だった。20年夏季オリンピックについて、海外メディアの間ではマドリードに勢いが出ているという見方が出ている、とNHKは報じた。スペインの現地紙エル・ムンドは、国際オリンピック委員会(IOC)の委員98人のうち、50人がマドリードを支持したと報じた。
SBI証券の鈴木英之投資調査部長によると、「マーケットはISM非製造業の雇用指数の結果などから、米雇用統計は極端に心配していないため、きょうはむしろオリンピックの結果の方を気にしている」と言う。マドリード優勢との報道もあり、「落選すると、日本株全体が調整に入る可能性もある」と懸念を示した。
午前の東京外国為替市場のドル・円相場は、早朝に一時1ドル=100円20銭台まで円安方向に振れた後、99円70銭台まで動きが反転。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によると、米雇用統計は18万人の雇用増、失業率は前月と同じ7.4%が見込まれている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは、きのうの米経済統計を受けて「米景気の回復は勢いを増してきており、マーケットは早期の量的緩和縮小が確実だろうと織り込んできている」とした半面、仮に米雇用統計が予想より大きく下振れすれば、「株安・円高につながる」と見ていた。
東証1部の業種別33指数 は、鉄鋼を除く32業種が下落。不動産、パルプ・紙、水産・農林、その他金融、証券・商品先物取引、保険、繊維、石油・石炭製品、サービス、建設が下落率上位に並んだ。不動産や建設は、8月月初から前日までの33業種のパフォーマンス上昇率上位に並び、いずれも同期間のTOPIXの上昇率2.3%を上回っていた。水産に関しては、韓国の水産物規制による影響も不安視された。
東証1部の売買高は概算で11億6643万株、売買代金は8728億円。値上がり銘柄数は297、値下がりは1326。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net
更新日時: 2013/09/06 12:00 JST

 


02. 2013年9月06日 16:15:04 : niiL5nr8dQ
五輪決定待たず円高・株安に、海外勢が取引縮小に傾く
2013年 09月 6日 13:24 JST
[東京 6日 ロイター] - 2020年夏季五輪の開催地決定を週末に控え、東京マネーマーケットは、その決定を待たずに円高、株安と、これまでの期待がはげ落ちるような動きをみせた。

海外勢の一部が利益を確定するのに取引を縮小しているとみられ、日経平均は一時1万3900円を割り込んだ。世界的な景気回復期待を背に大崩れの状況は回避されそうだが、東京での開催そのものが見送られれば、想定以上に株価が値下がりする可能性もある。

6日午前の東京市場で日経平均は5日ぶりに反落した。取引が始まった直後は円安を背景に輸出株が買われたが、買いの勢いが失速した。日経平均は一時216円安となる場面があった。

市場では「前日までに4日続伸していたうえ、今晩発表の8月米雇用統計や2020年夏季五輪の開催地決定など週末の重要イベントを控え、ポジションを手仕舞う動きが広がった」(国内証券)との見方が出ている。「1万4500円どころのオプション取引など、前のめり気味な株買いポジションが巻き戻された影響が大きい」と、ある邦銀幹部は指摘する。

もっとも値動きそのものは底堅かった。「世界景気の回復を背景とする先高期待は依然強く、現物市場での大口売りは見られない」(準大手証券トレーダー)との声があり、下値を売り込む動きは限られたためだ。

「13日のメジャーSQ(特別清算指数)算出を前に、裁定買い残が足元で減少傾向にある。売り圧力の低下がうかがえ、売りが売りを呼ぶ展開は避けられている」と、立花証券・顧問の平野憲一氏は言う。

<円安ピッチも失速>

ドル/円も、ニューヨーク市場午後5時時点からはドル安/円高の99円後半で推移。8月米雇用統計の発表や五輪開催地決定を前に、ロングポジションを落とす動きが入ったという。

市場関係者の話では、輸出企業の売りも入っているものの、上値を圧迫しているのは「投機筋によるロングの利食い」が中心だったという。

「このところ海外勢が大量に日本株を買っていて、そのヘッジでドル/円も買っていた。この流れに乗ってロングにしていた投機筋が8月米雇用統計やオリンピック開催地決定前にひとまずポジションを落としている」と、別の銀行関係者は指摘する。輸出企業の売りは100─101円台に入っているが、「ほとんどは100円台にある」という。

注目される五輪招致。「東京招致が見送られれば投機的な円買いが膨らみ、日経平均は一時的に500円近く値下がりする可能性もある」と、ある大手証券の関係者はみている。

(山口 貴也 編集:内田慎一)


 


 

 
基調判断を「改善」に上方修正=7月景気動向指数
2013年 09月 6日 15:16 JST
[東京 6日 ロイター] - 内閣府が6日に発表した7月の景気動向指数速報によると、景気の現状を示すCI(コンポジット・インデックス)一致指数は前月比0.9ポイント上昇し、106.4となった。生産関連指標が好調で2カ月ぶりに上昇した。

内閣府では基調判断を「改善を示している」に上方修正、景気拡張の可能性が高いとの認識を示した。

基調判断の上方修正は2カ月ぶり。前月までは「上方への局面変化を示している」だった。「改善」としたのは2012年5月以来、1年2カ月ぶり。

一致指数のプラスに寄与したのは6系列。鉱工業生産財出荷指数、生産指数、大口電力使用量などの生産関連指標の上昇が大きく寄与した。マイナスは4系列で、商業販売額(小売業)、耐久消費財出荷指数、所定外労働時間指数、中小企業出荷指数が影響した。ただ、寄与度が最も大きかった商業販売額については、営業日が前年の7月に比べ1日少なかったことや、天候不順、バーゲン時期の前倒しなど特殊要因がが影響した。

一方、景気の先行きを示す先行指数も前月比0.6ポイント上昇の107.8と、2カ月ぶりに上昇した。東証株価指数、鉱工業生産財在庫率指数、中小企業売り上げ見通しDI,原油高など日経商品指数の4系列がプラスに寄与した。マイナスは消費者態度指数、最終需要財在庫率指数、長短金利差、新規求人数、新設住宅着工床面積の5系列だった。

7月の完全失業率3.8%、有効求人倍率は0.94倍に改善 2013年8月30日
ユーロ圏の8月製造業PMI改定値は51.4、速報値から上方修正 2013年9月2日
8月のユーロ圏景況感指数は95.2、前月から上昇=欧州委 2013年8月30日
6月米20都市圏住宅価格指数は上昇、市場改善継続示す 2013年8月28日


03. 2013年9月06日 17:34:29 : nJF6kGWndY
コラム:緩やかな円安再開へ、日米金利差に再注目=内田稔氏
2013年 09月 6日 17:22 JST
内田稔 三菱東京UFJ銀行 チーフアナリスト(2013年9月6日)

量的緩和(QE)縮小観測から米国の長期金利が上昇し、ドル円と最も相関が高い10年国債でみた名目金利差は、5月下旬の1%強から現在2%を超えて拡大している。

また、日本のデフレ脱却が徐々に進展し、円の実質金利も低下。実質金利差もドル高円安を示唆している。しかし、肝心のドル円は昨日、7月25日以来の100円台に一時乗せたものの、依然として上値は重く、膠(こう)着感は強い。金利差拡大の割にドル円の上昇が鈍いとの指摘が多いのは、当然のことだ。

結論から言えば、筆者は今後、緩やかながらも円安が再開するとみている。ドル円と日米金利差の相関を考察するうえでは、実は以下の点に留意する必要がある。

まず、いくら名目金利差が拡大しても、市場が動揺し、リスク回避の円買いが想起されてしまうと、ドル円の上昇は困難となってしまう。

米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長がQE縮小の可能性に言及した5月22日以降、総じて株式相場や新興国市場の混乱が続いており、この間のドル円と10年の名目金利差との相関係数は「マイナス0.2」と逆相関にすらある。一方、ドル円と日経平均株価との相関係数は「プラス0.72」と高い。5月以降のドル円は、金利差よりもリスク資産の動向に強い影響を受けてきたことになる。

9月17―18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)にて、QE縮小開始が宣言されると予想しているが、しばらくは緩和マネーの逆流により、リスク資産や新興国市場からの資本流出を警戒する必要があるだろう。

実際、米国からみた非居住者が発行したドル建てCPの発行残高をみると、5月22日を境に減少に転じているのがわかる。いわゆる、ドルキャリーの解消途上というわけだ。

しかし、こうした動きがそういつまでも続くわけではないだろう。米国のQE縮小は、経済情勢に鑑みつつゆっくりと進むとみられる。まずは、いつから始まるのかという「When」の不透明要素が除去されると、資本流出の程度は和らぐだろう。そのとき、ドル円は金利差拡大に反応しやすくなるはずだ。

次に、ドル円と名目金利差との水準的な関係だ。両者の相関が一気に高まった2002年以降でみると、足もとの10年債でみた名目金利差から推計したドル円はおよそ97円程度となる。

つまり、ここまでの動きは、金利差拡大の割にドル円の上昇が鈍いのではなく、昨秋以降、金利差を無視して上昇したドル円に、今ようやく実際の金利差が追いついてきたということだ。ここからの金利差拡大には、ドル円も上昇しやすくなると予想される。

<年度末に105―110円到達も>

最後に、ドル円と相関が高い日米実質金利差だ。たとえ「2年で2%という目標」が達成されなくても、デフレを脱する過程で、円の実質金利が低下すると、それが円安に波及しよう。

重要な点は、ドル円と相関が高い実質金利差の算出に用いるのは、日銀が「物価安定の目標」として参照している「生鮮食品を除く総合指数」ではなく、「食料及びエネルギーを除く総合指数」であるということだ。つまり、ドル円が一段と上昇するには単なる輸入インフレではなく、広範な物品におよぶインフレが必要となる。

したがって、今後のポイントは、輸入インフレが価格転嫁を通じて、経済全体へと波及するのかどうかとなってこよう。その点については、懐疑的な見方が多いのが現状だろう。実際、賃金の上昇による理想的なインフレが進むかどうか、なお予断を許さない。全国に1カ月先行して発表される東京都の「食料及びエネルギーを除く総合指数」をみると、6月から8月まで3カ月続けて、「前年比マイナス0.4%」で横ばいとなっている。価格転嫁が進むまで、今しばらく時間を要するだろう。

ただ、6月の日銀短観の「企業の販売価格判断」は、規模や業種を問わず、販売価格の上昇を見込む企業が増えていることを示している。景況感の改善を踏まえ、前向きな「引き上げ」を予想するものから、原材料価格の上昇を踏まえ、やむを得ない価格転嫁を予想するものまで混在しているのだろうが、企業の物価観が変化しつつあることに変わりはない。

以上を踏まえると、市場の緊張が和らぐ局面では、従来よりもドル円は名目金利差の拡大に素直な反応を示すだろう。また、徐々にではあるが、デフレを脱却する過程で、円の実質金利も低下し、緩やかなドル円の上昇を後押しするだろう。貿易収支の赤字といった、需給環境を踏まえても、年度末にかけて105円から110円をうかがうと予想している。

むろん、リーマンショック前後の記憶から、市場参加者の間でリスク回避局面でのドル円急落が警戒されている点は理解できる。現在も地政学リスクが意識されているほか、世界経済の先行きにはなお多くの不確実性が残っている。不測の事態が生じた場合、ドル円が最大どこまで崩れるのかという潜在的な恐怖心は根強いだろう。

たとえば、パリバショックやベアー・スターンズ証券の実質破綻を受け、ドル円は07年8月から08年3月までの間に2割以上も下落した。いったん持ち直した後のリーマンショック後も、やはり2割以上の下落をみた。今に置き換えると、最大で80円程度に達する計算だ。

しかし、前回も指摘したが、「リスク回避の円高」の多くは、円ショート解消に伴う円の買い戻しだ。このため、ドル円の最大深度を予測するうえでは、現時点での円ショートの規模感を当時と比べることが一助となろう。その場合、これまで多くの文献などで紹介されている「在日外銀の本支店勘定」の「資産」と「負債」の差額をみるのが有効だ。

それによれば、足もとの円ショートは、おそらく07年のピーク時と比べ、3割程度に過ぎない。このため、過去起きたような2割を超えるドル円の下落は想定しがたい。当時と異なり、今の日本は貿易赤字国でもある。極めて強いショックが加わる場合も、90円割れは買い場となろう。

*内田稔氏は、三菱東京UFJ銀行の市場企画部グローバルマーケットリサーチチーフアナリスト。1993年、東京銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、国内外での外国為替のトレーディングやセールスを経て、2007年よりリサーチを担当。


04. 2013年9月06日 18:23:55 : KO4C9oEhYU
G20出席のシリア爆撃反対各国が口をそろえて経済的影響が大きすぎると言っているのに一番影響を受けそうな日本が賛成に回るのは本当にどうかしている。日本政府は日本国民よりアメリカ様の方が大切だと言う証拠である。こんな政府であっていいのだろうか。私だけが文句を言っても何の価値もないだろうが、みんな目を覚まして欲しい。おかしい事に気が付いて欲しい。

05. 2013年9月07日 07:09:13 : 2llPPpCFnC
>04に同意。

オリンピック招致どころの話じゃねえだろ!


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