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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130906/dms1309060742002-n1.htm
2013.09.06 「日本」の解き方
日本時間8日早朝に2020年夏季五輪の開催都市が発表される。もし東京に決まった場合、経済的にどのような影響が考えられるだろうか。
五輪をイベントと考えた時、1984年のロサンゼルス五輪以降は商業的に黒字となる「儲かるイベント」だ。
五輪の収入は、(1)TV放映権料金(2)スポンサー収入(3)入場料収入(4)記念グッズの販売が主な内容だ。東京の場合、ロンドン五輪のように既存施設が多く、新規のスタジアム建設などのコストがさほどかからないので、基本的に税金をあまり使わずに五輪運営することができる。その結果、大会収支も黒字になるだろう。2週間も国民を感動させる五輪は現在の数少ない有力なプロジェクト案件と考えたほうがいい。
この「お祭り」に関わる経済効果は、大会収支だけではない。まず、五輪の直接効果といわれるものがある。前回の16年に立候補した時のデータであるが、五輪施設建設費、観客らの宿泊・飲食費などで1兆3000億円、その1次波及効果として五輪特需に増えた需要でさらに1兆円、その2次波及効果として五輪関連産業の労働者に消費拡大などで6000億円と、合計で2兆9000億円が、東京五輪の経済効果といわれている。
ただし、これは生産額ベースの話で重複計上もある。儲けを表す付加価値誘発額にすると半分程度の1兆4000億円程度になる。
五輪は、ほとんど税金を使わないが、経済効果としては「公共事業」に相当するものがある。ただし、一定の前提をおいた上での計算である。その前提の妥当性など検証すべき点は多いことに留意すべきである。
五輪開催のデメリットとしては、無理な施設建設などでの環境破壊がある。ただし、これについては既存施設が多く、開発型五輪でない東京の場合には問題にならないだろう。既存施設の活用はコストカットにもなるので一石二鳥である。
五輪の効果は、経済的なものだけではない。2週間ほど、東京が世界から注目されるので、格好の都市PRとなる。
政治的にはどうだろうか。東京に決まった場合、五輪誘致という火中の栗を拾った猪瀬直樹東京都知事は、末永く記憶されるだろう。また、ブエノスアイレスにまで乗り込んで、五輪誘致をした安倍晋三首相にとっても、栄誉となるだろう。なにしろ、16年の開催地がリオデジャネイロに決まった時には、米国のシカゴも立候補していて、オバマ大統領とオバマ大統領夫人が最終プレゼンテーションしても、シカゴは落選したのだ。
スペインのマドリード、トルコのイスタンブール、東京が最終選考に残っている。当初は初のイスラム圏ということで優勢だったイスタンブールは、治安面で問題があり、マドリードと東京の争いだといわれている。マドリードは12年、16年に続いて3回連続立候補都市だ。16年には、東京の3位より上位でリオデジャネイロに次いで2位なので難敵だ。東京に決まることを強く期待したい。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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