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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130906-00018992-toyo-bus_all
東洋経済オンライン 9月6日(金)8時0分配信
「持続可能な財政構造を確立する取組みが、着実に進められることを強く期待する」――。直接口にはしなかったものの、日本銀行の黒田東彦総裁は5日の定例会見で、消費増税が予定通り行われるべきとの考えを強くにじませた。
■ 消費増税先送りの論議を強く牽制
日銀では政策委員の大勢見通しとして、2013年度の成長率をプラス2.8%、14年度をプラス1.3%、15年度はプラス1.5%としている。これは消費税が14年4月に8%、15年10月に10%と予定通り引き上げられることを前提にしており、「(所得増加から支出増加など)前向きな循環が維持され、潜在成長率を上回る成長を続ける可能性が高い」(黒田総裁)という見方だ。増税による景気腰折れを懸念し、14年4月の増税先送りを主張する向きもあるが、黒田総裁は「増税とデフレ脱却は両立する」と繰り返し述べている。
仮に消費増税が先送りされた場合、黒田総裁は、「影響を見通すことは難しい」としながらも、「財政運営に対する市場の信認をしっかりと確保する必要がある。それが失われると国として困難な状況に陥ることになりかねない。債券価格の下落(金利上昇)となった場合、できることは限られている」と述べた。要は、増税先送りで日本が信認を失い、国債が売りを浴びるような状況になれば、日銀としても手の施しようがないと言いたいわけだ。
■ 一度失った信認は回復できない
ただし、日本国債の9割以上は銀行や生命保険会社など金融機関を中心とする国内勢が保有している。増税が先送りされたとしても、もっとも保有割合が多い銀行は、貸出先がないためにやむなく国債投資を増やしているという事情がある。海外投資家の保有割合が多ければまだしも、国内の国債保有主体が直ちに売却に動き、債券価格が暴落するというシリアスな状況は起こりそうにない。黒田総裁も国債の保有構造を当然承知しているはずだが、あえて「できることは限られている」と言及したのは、増税予定の変更に対する”警告”ともみられる。
今回の金融政策決定会合では景気判断を「緩やかに回復している」と上方修正したが、会見は消費増税に関する質問がほとんどだった。黒田総裁がその中で繰り返し使ったのは「市場の信認」だ。仮に14年4月と15年10月の消費増税を見送り、時期と税率の引き上げ幅を見直すとなると、新たな法案を可決しなければならない。「私の意見ではない」と断ったうえで、黒田総裁は、「例えば1度決めたことをやめて、違う形でやるといった時、その違うことが本当に実行されると、市場が信認するかどうかは分からない」とも述べた。
安倍首相は10月1日に公表される日銀の短観(全国企業短期経済観測調査)の結果を踏まえて、消費増税の最終決断を行うという。次回の金融政策決定会合は同月の3日、4日で、その時には決断が下されているとみられる。政府と日銀は、「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現」を目的として、今年1月に共同声明を出した。
黒田総裁は、「われわれは声明に沿って思い切った金融緩和をしました。だから、あなたがた(政府)もしっかりやってください」と言いたげだが、果たして、日銀が期待する通りの決断を政府が下すのか。最終期限が迫っている。
井下 健悟
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