02. 2013年9月09日 14:55:28
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JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]米国より成果が大きかった中国の財政刺激策 2013年09月09日(Mon) Financial Times (2013年9月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) デトロイト市が財政破綻、米自治体では過去最大 破産申請した米デトロイト市〔AFPBB News〕 今や正式に破綻都市となったデトロイトでは、州間幹線道路の1つを空港までの短い区間で拡幅する以外、建設工事が行われている形跡はあまり見当たらない。 実際、不振に喘ぐこの都市には概して、そのプロジェクト以外、2008年の金融崩壊を受けて成立した7890億ドル規模の米国再生・再投資法の成果を示せるものがない。 デトロイトは5億ドルを超える資金を受け取ったが、輸送機関や建設に使われたのは、そのわずか20%だった。 だが、これはデトロイトだけの話ではない。もしかしたらワシントンは例外だが、この法律から持続的な利益を得ている米国の都市は事実上1つもない。「資金の大半は、投資ではなく消費に向かった」と米連邦準備理事会(FRB)のある高官は言う。特にインフラに関しては、この資金に見合った成果を示すものはほとんどない。 対照的に地球の反対側では、中国の中央政府が2008年11月に打ち出した財政刺激策は、使われた資金に見合った成果が多々ある。刺激策の規模は正式には4兆元だが、実際にはむしろ1兆1000元に近い(この数字には、その大半がやはりインフラの財源として使われた7兆元の地方政府支出は含まれていない)。 むしろ一部のエコノミストは、中国は支出の成果として手に入れたインフラが多すぎると言う。まだ姿を表わさない乗客を待つ鉄道路線や、まだ入居者がいないマンションなどが多すぎるというのだ。 米中の景気刺激策、既存の不均衡を強める結果に 経済規模で世界第1位と第2位の座を誇る米中両国の財政政策は、鏡に映したように対称的だ。ある意味で、両国の景気刺激策は、既存の経済的不均衡を――反対方向にだが――強めてしまった。そしてどちらも、失われた機会を象徴している。 米国の計画では、インフラのための資金不足に加え、政府が支援する所得移転が今では予算削減や増税に道を譲っているために、再生・再投資法は景気回復のための持続的な触媒役を果たしていない。乗数効果はなかった。 一方、中国では、政府の計画は同じことの繰り返しと見られてきた。国有企業に対する過去の過剰投資に逆戻りし、さらなる過剰生産能力が、投資の代わりにサービスや内需の方向にシフトする必要のある経済モデルを強化してしまう事態だ。 11月の米失業率は8.6%、2年8か月ぶりの水準に低下 企業の人員削減や賃金抑制が刺激策の効果を相殺してしまった〔AFPBB News〕 米国の財政刺激策のほとんどは、州政府と地方政府への移転支出、減税、失業給付の延長、食料配給券のような貧困者対策に向かった。 だが、所得支援を提供するこうした政府の取り組みは、労働者を解雇し、賃金を抑えることで利益率と収益を確保する企業の対策に圧倒されてしまった。支援金を民間部門からの雇用の提供と結び付ける方が良かった。 「財政刺激策は、一時的な措置である速やかな所得支援と所得移転を、インフラのような動きの遅い対策と混ぜ合わせるように設計されていた」。JPモルガンのチーフエコノミスト、ブルース・カスマン氏(ニューヨーク在勤)はこう言う。 「だが、この措置は、必要なものに比べると全く不十分だった。ただ、インフラであれば、時間とともにその恩恵が利益を生み続けていただろう。恩恵が薄れることはなかったはずだ」 経済において政府が果たす重要な役割 デトロイトには今、この街をより明るい未来に向かわせる助けとなる明確な触媒役がない。民間部門も官民パートナーシップも、大きな希望を与えてくれない。ここから得られる1つの教訓は、政府は今でも経済において、特にインフラや新たな取り組みのための元手資金を提供する上で、不可欠な役割を果たしているということだ。 デトロイトとシカゴ、トロントとを結ぶ高速鉄道があれば、不振に喘ぐこの都市ははるかに良い状態になるだろう。 一方、カナダは、自動車のサプラインチャーンを機能させ続けるために、隣接するウィンザーからデトロイトへの新しい橋を建設するための資金を提供している。自動車はオールドエコノミーだと考えられているかもしれないが、そのサプライチェーンの40%はこのつながりに依存している。 さらに、自動車の電子頭脳は完全にニューエコノミーだ。クリーンエネルギー構想に対する政府の資金供与を含め、デトロイトが他人の資金を使って育てられるシーズはいくつかある。 一方、大方のアナリストは、中国はインフラ重視の姿勢をもう少し弱めるべきだったと考えている。巨大な高速輸送路線や地下鉄路線を減らし、もっと消費を拡大させるべきだったという。 少なくとも中国の道路や鉄道は米国よりずっと先進的 北京で地下鉄5路線開通、渋滞緩和に期待 地下鉄の切符代はコストを反映していないかもしれないが・・・(写真は地下鉄のホーム)〔AFPBB News〕 だが、その見方は部分的にしか正しくない。北京の地下鉄利用者が首都の中心部から50キロ離れた頤和園に2元で行くことができれば、切符代は地下鉄のコストを反映していないかもしれないが、ここには社会財も関係している。 「汚染、交通渋滞、食品の安全性、質の高い医療の不足は、どれも投資拡大を求めている」とモルガン・スタンレーのアジア経済調査部門共同責任者ヘレン・チャオ氏は言う。 どちらの国も思考をもっと大胆にする必要があるが、中国は少なくとも――米国のものよりもはるかに一流先進国らしい道路や鉄道の上を――正しい方向に進んでいるという期待がある。 By Henny Sender
中国8月CPIは前年比+2.6%で伸び横ばい、PPIは‐1.6% 2013年 09月 9日 11:31 JST [北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が発表した8月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.6%上昇した。上昇率は市場予想と一致し、7月の2.7%からほとんど変わらなかった。前月比では0.5%の上昇、予想は0.4%上昇だった。 8月の生産者物価指数(PPI)は前年比1.6%低下した。予想は1.8%の低下。7月は2.3%の低下だった。前月比では0.1%上昇した。 8月の食品価格CPIは前年比4.7%上昇、食品以外は同1.5%上昇した。 中国国家統計局の8月製造業PMIは51.0に上昇、予想上回る 2013年9月1日 1-7月の中国鉱工業部門企業利益は11.6%増、増益ペース加速 2013年8月27日 7月の中国CPI、予想若干下回る:識者はこうみる 2013年8月9日 第2四半期の豪PPI、前期比+0.1%・前年比+1.2% 2013年8月2日
中国の銀行が迫られる巨額の不良債権処理、外国人投資家は商機狙う 2013年 09月 9日 14:28 JST [香港 9日 ロイター] - 中国の銀行は大規模な不良債権の処理を再び迫られているが、処理の効率性は高まりそうにない。不良債権買い取りに特化した外国人投資家が虎視眈々(たんたん)とチャンスを狙っているものの、中国当局が大々的に外資に門戸を開く兆候は見られない。 エコノミストの中には、1990年代後半のアジア金融危機を受けた前回の不良債権処理時に比べ、一段と大規模な不良債権処理が求められるとの見方もある。プライスウォーターハウスクーパース(PwC)がメディア報道を基に算出したところによると、1999─2007年における銀行の不良債権処理額は約3230億ドルだった。 外国人投資家による不良債権買い取りを禁じる根拠はないが、不良債権処理の事情に詳しい関係者らによると、1999─2007年当時と同じぐらい外国人投資家にとっての環境は厳しいという。 PwCの推計によると、2006年までに外国人投資家が買い取った不良債権額は265億ドル、不良債権処理のため中国国有4大銀行により創設された4機関が売り出した不良債権全体の約18%に当たる。 2002年から2007年までにゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー、UBSといった投資銀行はこれら4機関から数十億ドルの不良債権を買い取った。 公表されているデータによると、銀行業界全体の6月末時点の不良債権額は5395億元(881億ドル)、不良債権比率は0.96%となり、7四半期連続で上昇した。 豊富な資金を持つ外国人を締め出せば、中国の納税者が最終的に再び泥をかぶることになりそうだ。不良債権が金融システムを損なえば、中国の大手行は貸出ペースを落とすだろう。景気の主要なけん引役であり、雇用創出面での存在感も大きい中小企業の成長が損なわれかねない。 今のところ、中国が外国人への開放促進を検討していることを示す兆候はほとんどない。 ロイターは8月、中国がローン債権の流動化に向け新たな取引システムの導入を試験運用している、と報道。不良債権の流動化につながるとの観測が浮上した。ただ、現時点で外国人がこのシステムに参加できるかどうかは不明のままとなっている。
米FRB、新たな政策手段にリバースレポの導入検討 2013年 09月 9日 13:53 JST [ニューヨーク/ワシントン 8日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は超緩和的な金融政策の出口戦略として、新たな政策ツールの導入を検討している。FRBが、既存の手法ではこの微妙な局面に対応できないと考えていることの表れと言えそうだ。 米国の金融システムは現在、流動性が過剰な状態にあり、これを放置すれば将来的にはFRBが望む以上に金利が押し下げられる可能性がある。こうした金融システムの過剰流動性を吸収するために検討されているのがこの新たなツールだ。成功すれば、FRBが最終的に金融引き締めに踏み切った際、より円滑な移行が可能になるとされている。 市場関係者らは、FRBが近く利上げを開始する可能性は低いとみている。しかし、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、現在月額850億ドル規模の債券買い入れプログラムを縮小するという、超緩和時代の終結に向けた最初の措置をとると広く予想されている。 市場は現在、長年の金融緩和を受けて銀行の準備預金が積み上がるという前例のない状態。そのため、政策転換はそれほど容易ではなく、短期金融市場をゆがめることにもなりかねないと懸念する声が出ている。 バークレイズのストラテジスト、ジョセフ・アベイト氏は「フェデラルファンド(FF)金利を再び政策手段とするための措置は、予想されるゆがみにより効果が発揮されない可能性もある」と指摘している。 新たなツールが導入される可能性は、7月FOMCの議事録で浮上した。議事録では、「固定金利・金額無制限の翌日物リバースレポ・ファシリティー」が有用である可能性があるという点で、当局者の間で意見の一致を見た、とあるだけで、それ以上の説明はない。 この仕組みでは、FRBが保有債券の一部を買い戻し条件付きで売却し、銀行システムや短期金融市場から一時的に資金を吸収する。FRBはインセンティブとして、銀行などに何らかの翌日物金利を支払う。 <FF金利は象徴的存在に> リバースレポは目新しいものではない。FRBは現在も、準備預金の管理における通常のプロセスで資金吸収手段として実施している。 新しいのは「金額無制限」の資金吸収という点や、FRBが銀行だけではなく、より幅広いカウンターパーティーと取引を行うところだ。 また、FRBがこのリバースレポに伴って支払う金利は、入札で決まるのではなく固定金利となる見通しだ。この金利は、FRBが年に8回決定するフェデラルファンド(FF)金利誘導目標に連動する可能性もあり、FRBがその時々で適切と判断する金利になる可能性もある。 つまり、リバースレポ金利が公式な借り入れコストの事実上の下限となり、その結果FF金利は象徴的存在に追いやられるかもしれない。 (Jonathan Spicer記者、Pedro da Costa記者;翻訳 吉川彩;編集 山川薫)
豪下院選は野党保守連合が勝利、6年ぶり政権交代 2013年 09月 8日 08:16 JST [シドニー/キャンベラ 7日 ロイター] - オーストラリアで7日投開票された下院選挙は、自由党のアボット党首率いる野党勢力、保守連合(自由党と国民党)が与党・労働党に勝利し、6年ぶりの政権交代が実現した。 新首相に就任するアボット党首は、シドニーで支持者を前に勝利宣言し、「きょうからオーストラリアは新たな管理体制へ移行することを宣言する。再び企業に開かれた国になる」と述べた。 今回の選挙では、オーストラリア経済が資源ブームの終えんを迎えつつある中、軌道修正を迫られる経済運営が最大の争点となった。 アボット党首は、歳出抑制や労働党が導入した炭素税の撤廃、難民対策などを公約に掲げ、メディア王のルパート・マードック氏もアボット党首に支持を表明していた。 一方、労働党の得票率は2004年以来で最悪となった。ラッド首相は地元のブリスベーンで敗北宣言し、党首を退任する意向を示した。 選挙管理当局者によると、これまで開票率およそ80%の時点で、保守連合の得票率は52.6%と、150議席中88議席以上を獲得する見通し。 ラッド首相は2010年、一度は首相の座をギラード前首相に奪われたが、総選挙直前の2013年6月、党首選で再び党首に選出され、首相の座に返り咲いていた。こうした党内の対立が有権者離れを招く要因となった。 |