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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE98404920130905
2013年 09月 5日 13:57 JST ロイター
[ロンドン 4日 ロイター] - 投資家は何カ月も前から9月の嵐に備えてきたため、米連邦準備理事会(FRB)による資産買い入れの縮小といった突風で吹き飛ばされてしまう心配はなさそうだ。
9月は歴史的に米国株にとって最悪の月で、1928年以来、月間平均1.1%下落している。今年も荒れるのは確実とみられ、今さら意表を突かれる人がいるとは思えない。
この春にざっとイベントカレンダーに目を通しただけでも、9月に訪れそうな状況はかなり予想できたはずだ。
しかも1年半続いたFRBの資産買い入れプログラム(量的緩和)の縮小第一弾に向けて、市場は数カ月前から態勢を整えてきた。米量的緩和に翻弄されてきた新興国市場は急激な調整を経験した。連邦公開市場委員会(FOMC)の4日後に行われるドイツ総選挙が終われば、ギリシャ救済資金の手当てといった未解決のユーロ圏問題が政策議題として戻ってくるだろう。
米政府はデフォルト(債務不履行)を避けるため、10月半ばまでに連邦債務上限を引き上げる必要があり、9月は財政をめぐる論争も再燃しそうだ。加えて先月には、米主導による対シリア軍事攻撃の可能性が急浮上し、中東地域の安定と世界のエネルギー価格への影響が懸念されるようになった。
しかし数週間前から各種イベントの結果に思いをめぐらし、起債や株式発行を延期し、ヘッジ取引やポートフォリオの分散を進めてきた市場に、まだ不意を突かれる投資家が残っているだろうか。相場にはかなり織り込まれているのではないか。
インプライド・ボラティリティ指標は跳ね上がったが、米国株の場合は20%を下回り、6月の水準に戻ったに過ぎない。長期平均をわずかに上回る程度だ。
その上、トルコ株やインドルピーなど、急落した一握りの新興国市場と通貨を除けば、大半の主要株式・債券市場は過去2週間で3%未満しか下落していない。
もっとも、8月に相場の不安定化が限られた背景には、FRBが初めて「テーパリング(資産買い入れ縮小)」に言及した5月以来、世界市場がずっと大きな調整を終えていたことがある。
この動きを最も良く表しているのは、投資ファンドの8月のキャッシュ保有比率が過去1年間の最高水準に上昇したことかもしれない。これはロイターの資産配分調査で明らかになった。
調整はこれで十分だろうか。最大の問題は、FRBの動きが相場に織り込まれてしまったかどうかだ。
<テーパリング>
モルガン・スタンレーのストラテジストチームは、おそらく織り込まれたと考えている。同社の推計によると、急落した多くの新興国債券市場は、10年物米国債利回りが現在より約30ベーシスポイント(bp)高い3.2%に達したこをと織り込む水準だ。
米国、英国、ユーロ圏、日本が、新興諸国は「世界経済をけん引する」と想定している上、中国の景気減速についての懸念も後退した今、投資家は既に今月の相場波乱を十分覚悟しているとモルガンは感じている。
モルガンのチーフ・グローバル・エコノミスト、ヨアヒム・フェルズ氏は「市場は以前よりずっと片付いており、4、5月のような慢心は見られない。過去1、2週間、当社の大手顧客の間でリスク志向の復活が観察された。しかしこれは、今年の早い段階に見られたような『裸の』買いとは違う」と述べた。
ドイツ銀行のグループ・チーフ・エコノミスト、デービッド・フォルカーツ・ランダウ氏も9月は乗り切れると見ており、顧客に対して3日、先進国経済の回復を信じ続けるよう告げた。「一連のイベントがシステミックな脅威をもたらすとは予想しておらず、『9月のじたばた』は短命に終わるだろう」という。
アセットマネジャー自体の間では、大規模な波乱の可能性を疑うものはほとんどいない。しかしそれは確率の低いリスクシナリオに過ぎない。
FRBが予想通りに動くなら、ショック要因とはなりにくい。連邦債務上限をめぐる対立は騒がしいだろうが、大抵は土壇場になって解決される。ユーロ圏にはもちろん未解決の問題が残っているが、圏内全体の状況を一変させるほどの影響はない。シリアを取り巻く地域紛争の拡大は状況の再考を迫ろうが、今のところ最も可能性が高いのは、せいぜい米主導の限定的なシリア攻撃だ。
その上、先進国の実質短期金利が大幅なマイナスで、経済が全般に回復を続ける中で、ファンドマネジャーが高水準のキャッシュ比率を維持することは内在的に不安定だ。しかも、かつては「安全」だったソブリン債は、この局面では居心地の良い逃避先とは程遠くなっている。
シグマ・インベストメント・マネジメントのトム・ベケット最高投資責任者は「金利が過去最低水準の時に高いキャッシュ比率を維持するのは非常に注意を要する」と指摘。「われわれは今後数カ月間、このキャッシュの良い投資先を積極的に模索していく」と述べ、新興国資産と欧州株の買い増しを検討していると付け加えた。
9月は株価にとって歴史上最悪の月かもしれないが、10、11、12月は過去85年間の平均がいずれもプラスとなっている。
(Mike Dolan記者)
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