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2013年09月03日 在野のアナリスト
日経平均は大幅高でした。シリア空爆が先送りになったこと、及びあまり語られませんが、福島原発の処理に国費470億円がつかわれ、汚染水問題の不透明感が払拭され、欧州系が値をとばした形です。ただ、イスラエルの実験? で欧州が崩れており、このシリア情勢の落ち着きを好感する相場が、そう長くつづくとは思えません。SQにむけた思惑、など振らされ易い展開がつづくのでしょう。
甘利経再担当相が、安倍氏に集中点検会合の結果を報告しました。以前、消費税増税を先送りしても、国債は暴落しないと述べましたが、その根拠は簡単で、尚且つその先にもっと大きな、国債暴落を引き起こしかねない事態が待ち構えているためです。簡単にいえば日銀が債券市場で7割超のメインプレイヤーである間は、格下げになろうと、金融機関も安心してもち続けられます。それに、金融庁から厳しく国債の売り叩きに加担するな、と厳命されるでしょうから、日本の金融機関は保有し続けるしかありません。日本の国債は格付けで動くような状況ではないのです。
債券市場を動揺させる、最大のイベントは日銀の金融緩和終了です。このとき、いくら金融庁が厳しく指導しても、金融機関の体力の問題、また当然、景気回復で金利上昇局面が想定されることから、益々金融機関に国債保有を増やすインセンティブは働きません。買い方が一気に減少する、このとき最大の売り崩しのタイミングが来ます。さらに、消費税を10%にしても、2020年までにプライマリーバランスは均衡していない。もし増税先送りぐらいで国債が暴落していたら、この三重苦を逃れる術はなく、日銀は半永久的に買いオペを通じて資金供給をつづけ、金融緩和することになります。そうなると、日銀のバランスシートへの懸念が、いずれ噴出する次のターゲットです。
2013年度の一般会計予算の歳入でみると、所得税13.9兆円、消費税10.6兆円、法人税8.7兆円、その他13.9兆円、公債金45.5兆円です。消費税を8%にしただけで、税収における最大の規模となります。よく財務省は、国民負担率(対国民所得比)が他のOECD諸国と比べても低く、増税の余地がある、という言い方をします。しかし日本の租税負担率が下がってきたのは、一部では減税の影響などもありますが、所得自体が少なくなっていること、労働人口の減少、などが挙げられます。一方、社会保障負担率は毎年上昇してきました。その結果、国際的にみると低位に見えてしまいます。
また、間接税を増やしても租税負担率には関係ないため、日本は依然として国民負担率が低い国、ということになります。しかし、国民の負担は社会保障費をはじめ、間接税といえど増えており、国民に重税感はことの外重くのしかかります。7月の法人企業統計が好調で、4-6月期GDPの上ぶれが示唆されますが、7-9月期は落ち込んでいるとみられ、反動減以上に景気に一服感も出る、とされます。
日本の税制全体を考える上で、日本は法人税の実効税率は高くても、企業の負担率は低い国である。一方で、間接税をふくめた国民負担は高い国である、ということなのです。法人税に特徴的なのは、毎年こつこつと利益をだす、マジメで優良な企業から積極的に税負担をもとめ、赤字にして税逃れをする企業の方が多い、という現実なのです。国民の所得税、社会保障費はほぼ企業が納めているため、マジメで優良な税負担者となっている。さらに、間接税という負担が重くなることで、この国はきちんと生きている人間がより生き難い、といった国に益々なってしまうことでしょうね。
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