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株価の電光掲示板前に陣取る中国人投資家ら。資産運用に積極的だ=中国・上海(ロイター)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130902/frn1309020751000-n1.htm
2013.09.02
★(5)
あちらこちらで聞かれるようになった中国経済の危機説。その最も大きな要因とされるのが、財テク商品「理財産品」だ。
年利10%前後という高利回りの理財は、個人投資家から一般庶民に至るまで、幅広い人気を集めてきた。そのため、預金量の低い銀行が、資金力確保の手段として組成してきたという側面もある。その理財の総額1兆5000億元(約24兆円)分が6月末に償還期限を迎えたが、いずれはデフォルトする理財が続出するのではという懸念は尽きない。
中国では、経済が停滞して魅力的な金融商品がなくなると、「まさか」というものがマネーゲームの対象となることがある。リーマン・ショック以降の株価低迷時には、ただの石までが投機の対象となったほどだ。
そのころ、上海市内のある骨董(こっとう)街を訪れたことがあるが、露天商たちが路上に大小さまざまの石を並べ、変わった色形であったり、何かに似ているというだけで、数百元、数千元という強気の値段が付けられていた。
伊達や酔狂ではない。もともと庶民的な宝石だったひすいは当時、年1000%ほどで価格が上昇し続けていたのだ。私の目には、そこらの河原で拾えそうな石にしか見えなかったが、行き交う人々は、将来大化けする逸品を探そうと、目をこらしていたのだった。
さらにこれまでには、ニンニク、ショウガ、ゴボウなどの生鮮食品も投機対象となり、そのたびに価格は乱高下した。一般生活者にとっては迷惑な限りだろう。
中国経済の行く末は気がかりではあるが、次はどんな驚きの品が投機先として選ばれるのか、ひそかに楽しみにしている。
ちなみに現在、広告会社経営でそこそこの成功を収めた知り合いの中国人男性は、プーアル茶への投機を行っている。彼によると、年代ものの高級プーアル茶の相場は、ここ3年で約5倍になったという。彼に「すでに使い切れない金を持っているのに、なぜ資産運用を続けるのか」と聞いたことがある。
「中国でお金を持っていても、家と車を買えばもう使い道がない。かといって手元に置いていても、インフレの進行でその価値はどんどん目減りするので負けは確定となる。資産防衛のためには積極的な資産運用を続けるしかない」というのが彼の答えだった。
マネーゲームに熱中する中国人は、一見すると貪欲に見えるが、満たされることのない、ある種の貧しさを抱えているのかもしれない。
■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県生まれ。上智大経済学部卒。2004年に渡米し、出版社・新聞社勤務を経てフリーライターに。07年から中国・広州で取材活動を開始し、08年に帰国。中国の社会問題を週刊誌・月刊誌などで執筆している。著書に『週刊SPA!』誌上での連載「中華人民毒報」をまとめた『中華バカ事件簿』(扶桑社)などがある。
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