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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130901-00010006-bjournal-bus_all
Business Journal 9月1日(日)15時15分配信
アベノミクスについては評価が分かれるところかもしれないが、「経済活性化を短期間に図る」という目的や方向性については賛成する人も多いだろうと思う。バブルの功罪についても、人それぞれの感覚の違いはあるだろうが、やはり経済が停滞し、デフレが続けば(モノの価格が落ちるので相対的に)現有資産の価値は上がるから、どうしても使うより貯めておけという風潮になる。
つまり企業や富裕層にもっとお金を使ってもらい、資金が還流されるようにするためには、適度なインフレを起こすほうがいい。そのための細かい方法について物申す立場にいるわけでもないので、ここでは割愛させていただくが、(バブル崩壊後の)後遺症を恐れ過ぎてもラチが明かないので、ここは積極的に波に乗ることを選ぶべきだろう。
まして、首尾よくバブル再到来となって、さらにもし東京オリンピック誘致が決定すれば、2020年までの延命は間違いがない。勝負するなら今、と腹をくくるべきだろう。
実際、複数の筋から聞いた話だが、来年から企業の投資が損金として認められそうだ。つまり課税されない。となると、利益の50%をむざむざ税金としてとられるくらいなら、一か八かでも投資に回したほうがいい。だからベンチャー企業などの資金需要に対して供給過多になるかもしれない。そうなれば、IPOを増やさなければ、市場にあふれた資金を回収できないから、上場条件の大幅な緩和もありそうだ。
要するに、14年には起業家にとって千載一遇のチャンス、大きな波が来る。逃したら、次はいつ来るかわからないほどの大きな波が来るといっていいだろう。
●20代前半の若者よ、起業するなら今!
世界で最も有名なベンチャー育成事業者(インキュベーター)であるYコンビネーターは、起業に最も適した年齢は、大学を卒業して1〜3年くらいまで、つまり22〜25歳くらいまでとしている。大学生だとまだ世の中を甘くみているし、あまり長く社会人生活を送っていると特定の色や癖に染まりやすいし、何より家族や住宅ローンなどの重荷を背負っている。大学を卒業したての23歳なら、仮に失敗して無職になったとしても取り返しがつく。これが43歳なら、仮に住宅ローンも家族もなかったとしても、ライフスタンダードを20代のそれに戻すことは難しい。デリバリーのピザやカップラーメンをコーラで流し込むような生活は無理だし、3〜4時間の睡眠時間で何カ月も働くことはできない相談だ。その上、失敗すれば無職の43歳だ。無職の23歳とは訳が違う。悲哀の極みというものだ。
人気ドラマの『半沢直樹』を観て、嫌なら転職したり起業すればいいのにと無責任に言う人がいるが、彼はストーリー上1968年生まれの設定、つまり45歳だ。もう少しで上層部に入れるか出向させられるかの状況にあるときに、銀行を辞めるという選択肢はないし、リスクを負って勝負する年齢ではないのだ。
逆に言えば、現時点でもしあなたが大学4年生だとしたら、目の前には大きなドアがあり、鍵はかかっておらず、中には刺激的でとびきりクールなカジノが開店を待っていると思えばいい。しかも、あなたが無一文であったとしても、あなたが優れたギャンブラーであるならば、賭け金を貸してくれる金持ちが周りに驚くほどたくさんいるし、しかも借りた金はギャンブルに勝って増やしたら倍返ししなければならないが、すったとしても返す必要はない。負けたらカジノから叩き出されるだけだ。そこが昔とは違う。負け犬になっても、その後の人生を台無しにする、ということはない。少なくとも23歳の若者には。
カジノで勝つことは容易ではないので、大抵の挑戦者は敗残者となって追い出されることになるが、勝てば今度は次から次へとやって来る他の若者にカネを貸す側に回れる。そうしてカジノが大きくなり、金持ちも増える。
あなたが23歳なら、一度負けてカジノを追い出されても、舞い戻る勇気があれば、そして失敗を糧にして経験値を上げていることが証明できれば、その後も何回かは勝負することが許されるだろう。だからこそ、14年から数年(もしかすると20年まで)続くであろう好景気に乗るか乗らないかは、その後の人生に大きな違いを生み出すことを、徹底的に頭に叩き込むべきだ。
さて、あなたが43歳なら、今からカジノに入ることも難しいし、失敗したら二度目はないだろう。だから、この話は無縁のものと考えてくれていい。しかし、何事にも例外はある。Yコンビネーターからは賞味期限切れとされても、年齢や環境を超えるアイデアと勇気があれば、挑戦者としてカジノに迎え入れてくれる誰かを見つけることができるかもしれない。
僕自身、実際そういうクレイジーな挑戦者を何人も知っている。14年の大きな波に乗れるかどうかは、乗ろうという意思があるかどうかにかかっている。それだけだ。
小川浩/シリアルアントレプレナー
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