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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130831-00003057-sbunshun-bus_all
週刊文春 8月31日(土)13時1分配信
TPP(環太平洋経済連携協定)交渉が本格化している。8月23日には、年内の交渉妥結を目指す共同声明が発表された。しかし、日本にとって最大の命題である関税交渉については、米国、オーストラリアとの2国間協議が先送りされる見通しで、安倍政権が死守するとする農業分野の「重要5品目」(コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖)の関税交渉は9月以降にずれ込むことが確実。そんな中……
「よっしゃ、分かった! 」
京都選出の自民党有力議員はブルネイでのTPP交渉の最中、ある農業団体幹部から陳情を受け、こう豪語したという。
「陳情の中身は、国が公的資金3000億円を投じてファンドを組成し、農家を支援する構想。表向きはファンドの体裁ですが、実質的には公的資金による農業補助金にほかなりません」(自民党関係者)
日本の農作物には高い関税が課せられている。たとえばコメは1キロ当たり341円の従量税が課せられており、従価税に換算すると平均778%もの関税率となる。その障壁がTPPで大きく引き下げられることに、農業団体は危機感を募らせている。先の自民党有力議員は「建設国債を増発してファンドの財源を確保するよう財務省に働き掛けよう」と、早くも水面下で動き出している。
彼らが補助金獲得に動くのには理由がある。実は米国は自国の農業に巨額の補助金を付けて保護している。米国農家の収入の3割は補助金との試算もある。補助金は隠れた関税障壁といえる。
「米国は、補助金は関税ではないので問題ないと強弁している。ならば日本も同様の補助金で農業を守ってもいいのではないか」(農業団体幹部)というのが彼らの論理だ。
自民党はTPP参加に伴う農業分野への影響を軽減するため、戸別所得補償制度に代わる新たな補償の枠組みとして、来年度から5000億円規模の交付金制度を創設する方向で検討中だ。3000億円の救済ファンド構想はそれと呼応するもので、まさに米国の補助金制度の日本版である。
国民の利益のための自由化だったはずが、業界への補助金という名の公的資金導入へすり替わる。TPPは1970年代の日米繊維交渉を彷彿とさせる様相を呈してきた。
<週刊文春2013年9月5日号『THIS WEEK 経済』より>
森岡 英樹(ジャーナリスト)
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