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小さな産油国シリアの緊迫でブレント原油が高騰 英フィナンシャル・タイムズ紙(JBpress) 
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/207.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 8 月 30 日 12:17:13: AtMSjtXKW4rJY
 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38585
2013.08.30 2013年8月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 JBpress


 中東の標準からすると、シリアの石油産業は極めて小さい。内戦が3年目に入ろうとしている今、シリアの産油量はとっくの昔に微々たる水準に落ち込んでいる。

 だが、シリア政権の責任とされている化学兵器の使用に応じて西側諸国が空爆を協議し始めると、国際指標のブレント原油の価格はわずか2日間で7ドル、率にして6%以上も上昇した。

 ブレント原油は28日、1バレル117.34ドルという6カ月ぶりの高値をつけた。この原油高騰は、折しも新興国の通貨が対ドルで急落したタイミングで世界中の政府と企業、家計のエネルギーコストを上昇させている。

 原油はさらに上昇すると見る向きもある。ソシエテ・ジェネラルのアナリストらは、西側が空爆を実施したらブレント原油は恐らく1バレル125ドルに達し、生産に混乱が生じたら150ドルの高値をつける可能性があると話している。

 西側諸国によるシリア介入の公算が高まったタイミングは、原油市場が多くの人が予想していたよりずっとタイトな時期と重なった。

■原油市場が予想以上にタイトな時期に軍事介入が追い討ち

 北米のシェール革命で供給量が急増する一方、成長の鈍い世界経済の原油需要の伸びは比較的落ち着いていることから、十分な余剰生産能力が生じるはずだった。

 ところが実際は、北海やナイジェリアで相次ぎ生じた供給混乱のために、原油価格は夏中、上昇傾向をたどった。リビアではこの2カ月間で日量ほぼ100万バレルの原油生産が中断された。従業員のストライキと武装集団の活動で輸出ターミナルと油田が閉鎖に追い込まれたからだ。

 「現物市場は非常にタイトで、シリアに関するニュースの見出しはまさに、市場が本気で買い持ちに動くのに必要な合図だった」。20億ドル相当のコモディティー(商品)資産を抱え、ブレント原油の一段高を見込んだポジションを取る英国の資産運用会社ハーミーズのドナル・オシア氏はこう話す。

 原油市場では、シリア空爆の可能性は特に2つの国に関心を集めることになった。

 1つ目はシリアと隣接するイラク。日量300万バレルの原油を生産し、世界の供給量の3%以上を占める国だ。

 シリアでバシャル・アル・アサド大統領の体制と戦っているスンニ派戦闘集団は国境を越えて自由に活動している。8月半ばには、シーア派が支配するイラク南部のバスラに近いウム・カスル港の埠頭でトラック爆弾が爆発した。イラクの主な産油地域では一時的に暴力が落ち着いていたが、石油関連施設はシリアからの飛び火に脆いという不安が高まっている。

 米中央情報局(CIA)の元アナリストで現在はバークレイズに勤めるヘリマ・クロフト氏は「西クルナとズバイル(イラクの2大油田)が攻撃されたら、市場にとって大惨事となる。最近の攻撃は、地理にも人の力が及ぶことを示している」と言う。

 イラクのヌリ・アル・マリキ首相は28日、予想されるシリア攻撃に先駆けて、治安部隊に厳戒態勢を取らせたと述べた。

 注目すべき2つ目の国はイランだ。イランの原油生産と輸出は米国主導の制裁によって著しく阻まれているものの、同国はアサド体制の最大の支援者だ。

 一部のアナリストは、イランが西側の空爆に対抗してヒズボラによる報復を促す恐れがあると考えている。また、イランは核開発計画を巡る西側との対立の解決策をシリア紛争と結び付けるかもしれないし、原油タンカーの重要な中継地であるホルムズ海峡経由の輸送を混乱させる可能性もある。極端なことを言えば、イランはサウジアラビアといった湾岸産油国のシーア派のマイノリティに暴動を促すこともできるかもしれない。

 エナジー・アスペクツのチーフ政策アナリスト、リチャード・ マリンソン氏は「イランが自国の裏庭と見なしている地域で同国と一番密接な関係を持つ同盟国を攻撃すれば、様々な問題に対するイラン政府の行動に影響を与える」と指摘する。

■原油高騰を正当化するには無理がある?

 だが、一部の人の見るところ、こうした問題はあくまで理論上のものであり、今週の原油高騰を正当化するには無理があるという。

 現物を扱う大手石油商社の幹部は、ブレント原油の上昇相場が長続きするかどうか疑わしいと考えており、「付加的な生産が影響を受ける場所がどこか分からない」と言う。

 原油トレーダーらによれば、ブレント原油の上昇は少なくとも部分的には、他の資産から原油に資金が流れ込んだことが原因だという。

 大手銀行で原油トレーディング部門を率いる責任者は「普段は市場に参加していない人たちが現在原油を買っている」と述べ、シリア紛争に対する西側の介入への不安で他の市場が急落しているため、株式や外貨のファンドマネジャーらが原油をヘッジとして利用している可能性があると話している。

By Ajay Makan
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コメント
 
01. 2013年8月30日 22:59:53 : niiL5nr8dQ
インド、4−6月成長率は09年来最低-ルピー安で見通し不透明

  8月30日(ブルームバーグ):インドの4−6月(第2四半期)経済成長は2009年10−12月(第4四半期)以来の緩慢なペースに減速した。中銀に利上げを迫るルピー下落に、政府が歯止めを掛ける必要性が高まった。
中央統計局が30日発表した第2四半期国内総生産(GDP)は前年同期比4.4%増。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト44人の予想中央値は4.7%増だった。1−3月(第1四半期)の成長率は4.8%。
ルピーは今年に入りドルに対して16%下落。過去最大規模の経常赤字と米金融当局の緩和縮小見通しが、インドからの資金逃避を促している。インド準備銀行(RBI、中央銀行)は通貨防衛とインフレ抑制を目指し、7月に利上げを実施。投資を回復させると公約し成長てこ入れを図るシン首相に逆風を送っている。
DBSグループ・ホールディングスのエコノミスト、ラディカ・ラオ氏(シンガポール在勤)は統計発表前に、「流動性引き締めの措置が長期化すれば、景気は一段と減速する恐れがある」と指摘。中銀総裁に来月就任するラグラム・ラジャン氏による政策目標の明確化が待たれていると述べた。
28日に過去最低の1ドル=68.845ルピーを記録したルピー相場はこの日、前日比1.4%高の1ドル=65.705ルピーでムンバイ市場での取引を終えた。
原題:Indian Growth Slows to Four-Year Low as Rupee Drop DimsOutlook(抜粋)
更新日時: 2013/08/30 21:52 JST


米個人消費支出:7月は前月比0.1%増−所得も0.1%増

  8月30日(ブルームバーグ):米商務省が発表した7月の個人消費支出(PCE)は前月比0.1%増加。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は0.3%の増加だった。個人所得は前月比0.1%増加した。
原題:Consumer Spending in U.S. Increased in July for a ThirdMonth(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Michelle Jamrisko mjamrisko@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2013/08/30 21:34 JST


ユーロ圏の8月景況感指数は大幅上昇、7月失業率は依然高水準
2013年 08月 30日 19:45 JST
[ブリュッセル 30日 ロイター] - 欧州委員会が30日発表した8月のユーロ圏景況感指数は95.2と、7月の92.5から大幅に上昇した。一方、7月のユーロ圏失業率は12.1%と、依然として高水準にとどまっている。

比較的経済力が弱い国の失業率が高水準のままとなっており、回復する北部と苦境にあえぐ南部の差が際立っている。

景況感指数は4カ月連続で上昇。上向き傾向は特にドイツやオランダで顕著だが、イタリアやフランス、スペインにも見られる。

ゴールドマン・サックスのエコノミスト、ディルク・シューマッハー氏は「危機の最も深刻な段階および最も厳しい緊縮期間は過ぎた」と指摘した。

一方、欧州連合(EU)統計局が発表した8月のユーロ圏のEU基準消費者物価指数(CPI)速報値は、前年同月比1.3%上昇し、エネルギー価格の低下を主因に前月の1.6%上昇から低下した。

インフレ圧力の低下は、家計の消費力を高め、景気の後押し要因となるほか、欧州中央銀行(ECB)による低金利政策の継続を可能にする。

一方、失業率は国によって状況が異なる。

ドイツでは5%強にとどまるものの、ギリシャでは28%近くに達したほか、スペインでは26%を超えている。

ユーロ圏全体で失業者数は前月に比べ1万5000人減少したが、25歳未満の若者の失業者数は350万人となっている。

シンクタンク「ブリューゲル」のグントラム・ウォルフ氏は「欧州南部のネガティブな力から逃れられない」と指摘。「銀行部門のぜい弱さや低迷する成長、高失業率は依然として脅威だ」と述べた。


ユーロ圏:8月インフレ率1.3%に低下−エネルギー値下がりで

  8月30日(ブルームバーグ):ユーロ圏の8月のインフレ率はエコノミスト予想以上に低下した。域内経済は過去最長のリセッション(景気後退)を脱して勢いを増しつつあるが、エネルギーの値下がりが影響した。
欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が30日発表した8月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)は前年同月比1.3%上昇。伸び率は7月の1.6%から下がり、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト38人の予想中央値 (1.4%)にも届かなかった。
インフレ率はこれで、欧州中央銀行(ECB)が目安とする2%弱の水準を7カ月連続で下回っている。同中銀のドラギ総裁は先月、「抑制された」インフレ見通しに基づき、ECBは政策金利を「長期にわたり」現行またはそれを下回る水準にとどめると発言。政策委メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁は29日、域内経済が改善の兆候を示す中でも利下げの可能性はまだあるとの見解を示した。
発表によると、エネルギー価格は前年同月比で0.4%下落。7月は1.6%上昇だった。食料とアルコール、たばこの価格は3.3%、サービス関連コストは1.5%それぞれ上がった。
原題:Euro-Area Inflation Slowed to 1.3% in August on EnergyPrices(抜粋)Eurozone August Flash Consumer Prices: Summary (Table) (抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ブリュッセル Patrick Henry phenry8@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Fergal O’Brien fobrien@bloomberg.net
更新日時: 2013/08/30 19:42 JST


ユーロ圏7月失業率12.1%、前月と同水準−過去最悪にとどまる
  8月30日(ブルームバーグ):ユーロ圏の7月の失業率 は前月から変わらずで、過去最悪にとどまった。4年目に入った債務危機がもたらした負の遺産の排除は困難を極めるもようだ。
欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が30日発表した7月のユーロ圏失業率 は12.1%と、6月と同水準。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト31人の予想中央値とも一致した。若年層の失業率は24%に悪化した。
ソシエテ・ジェネラルのシニアエコノミスト、アナトリ・アネンコフ氏(ロンドン在勤)は「ユーロ圏全体で雇用見通しは極めて暗い」と指摘。「政策をめぐる高い不透明感と分断されたままの金融市場が大きな向かい風として域内に残る中で、数カ国では一段の財政再建が必要になると思われる」と語った。
別のアナリスト調査によれば、ユーロ圏の失業率は2015年末まで12%を下回らない見込み。
原題:Euro-Area Unemployment Rate Holds at Record 12.1% AmidExpansion(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:マドリード Angeline Benoit abenoit4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Fergal O’Brien fobrien@bloomberg.net
更新日時: 2013/08/30 19:20 JST


ロンドン外為:円上昇,新興市場通貨売り終わっていないと懸念
  8月30日(ブルームバーグ):ロンドン時間30日午前の外国為替市場では円が上昇。新興市場通貨を急落させた市場の混乱はまだ終わっていないとの不安を背景に、質への逃避が進んでいる。
シリアに対する差し迫った軍事行動の可能性は後退したものの、円はユーロに対して一時、約1週間ぶりの高水準まで買い進まれた。インド・ルピーの月間下落幅は1992年以来で最大となる見込み。
ロンドン時間午前10時49分現在、円は対ドルで0.2%高の1ドル=98円12銭。対ユーロは0.2%高の1ユーロ=129円93銭。一時は20日以来の高値の129円61銭となった。ドルは対ユーロで小動きの1ユーロ=1.3242ドル。前週末比では1%高。
ルピーは前日比0.9%高の1ドル=66ルピー。月初来では8.5%安。
原題:Yen Rallies on Bets Emerging-Market Rout Not Over; KroneSlides(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:エディンバラ Lukanyo Mnyanda lmnyanda@bloomberg.net;ロンドン Kevin Buckland kbuckland1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Dobson pdobson2@bloomberg.net
更新日時: 2013/08/30 19:12 JST


02. 2013年8月31日 11:14:02 : e9xeV93vFQ
過去最大の売り越しとなった海外資本の米国債投資
全文紹介
2013/08/30
調査部 塚田 裕昭

I.今月のトピックス
  〜過去最大の売り越しとなった海外資本の米国債投資


米財務省が 8 月 15 日に公表した「国際資本統計」によると、2013 年 6 月の海外資本の
対米証券投資(長期)はネットで−778 億ドルと過去最大の売り越しとなった(図T-1)。
証券別の内訳を見ると、米国債がネットで−408 億ドルと過去最大の売り越しとなり、こ
のことが証券投資全体での大幅な売り越しにつながった(図T-2)。米国債の売買動向をグ
ロスで見てみると、米国債の発行残高が増え、クロスボーダーの取引量が売り買い共に高
水準となる中、6 月は海外資本の米国債購入の減少が、米国債売却の減少を上回って(図
T-3)、ネットのマイナス幅が増大した。米連邦準備委員会(FRB)のバーナンキ議長が、5
月の上下両院合同経済委員会で、現行の資産買い取り規模減額の可能性に言及したこと、6
月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で経済指標の動向次第としながらも年内の
証券購入ペースの緩和を示唆したことが、米国債のネットでの大幅な売り越しにつながっ
た。米長期金利の動向を見ても、5 月以降、上昇傾向で推移しており、特に、FOMC 後のバ
ーナンキ発言があった 6 月中旬以降に急速な上昇をみせている(図T-4)。
米国債の売買動向を国・地域別にみると、ネットでの最大の売り越し先は英国であり、
バハマ、ケイマン諸島、ブラジルと続いている(図T-5)。一方で、中国、日本などは、6
月に米国債を買い越している。また、売買主体を公的部門と民間部門を分けてみると、民
間部門が大幅に売り越している。機を見るに敏な投機資金が、バーナンキ発言をきっかけ
として、英国やカリブ諸国などを通して米国債を大量に売却したようだ。


II.国際金融市場、国際マネーフローの動向

1.主要先進国の金利と為替相場〜主要国の金融政策は現状維持
○政策金利
◆ユーロ圏
・ECB(欧州中央銀行)は、8 月 1 日の理事会で政策金利(リファイナンス金利)を 0.5%
に据え置いた(図U-1)。
◆英国
・BOE(イングランド銀行)は、8 月 1 日の MPC 会合で政策金利を 0.5%に据え置いた。
また、資産買入プログラムの買入規模を 3,750 億ポンドに据え置いた。
◆米国
・FRB(連邦準備制度理事会)は 7 月 30,31 日に開催した FOMC で、モゲージ担保債券
(月額 400 億ドル)と国債(同 450 億ドル)の買い入れを継続することを決定した。
また、フェデラルファンド金利誘導目標水準を 0〜0.25%に据え置くことを決定し
た。
◆日本
・日本銀行は 8 月 7,8 日の金融政策決定会合で、「マネタリーベースが、年間約 60〜70
兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う」現状の金融政策の維持を決
定した。
○長期金利(国債 10 年物利回り)
・米、独、英など主要国の長期金利は、7 月はほぼ横ばいで推移した後、8 月に入って
やや上昇した。日本の長期金利は、低下基調で推移した(図U-2)。

○金利(3 ヶ月物)差と為替相場
◆日本と米国
・7 月の短期金利(3 ヶ月物)は、ドル金利が小幅低下、円金利が横ばい圏で推移し、
金利差も小幅縮小した(図U-3)。8 月は、金利差はほぼ横ばいで推移した。
・ドル円相場は、7 月から 8 月上旬にかけて円高基調となった後、円安方向に転じた。
◆日本とユーロ圏
・7 月上旬にユーロ金利が小幅低下し、日-ユーロの金利差も小幅縮小した(図U-4)。
7 月中旬以降は、ユーロ金利が小幅上昇し、金利差はほぼ横ばいとなった。
・7 月のユーロ円相場は円安基調で推移した。8 月は一進一退で推移している。
◆日本と英国
・7 月は、円金利、ポンド金利ともほほ横ばい圏で推移し、金利差もほぼ横ばいで推
移した(図U-5)。8 月に入り、ポンド金利が小幅上昇し、金利差も小幅拡大した。
・7 月のポンド円相場は、一進一退で推移の後、8 月中旬以降は円安基調となっている。
○実質実効為替相場
・6 月の実質実効為替相場は、円、ドル、ユーロ、ポンドのいずれもが上昇した。

○金利やマネーの動きを左右する株価、景気、インフレ率
【株価】
・主要国の株価は、7 月はおおむね堅調に推移したが、8 月は総じて軟調な展開となっ
た(図U-7)。
【実質 GDP 成長率】
・4−6 月期の実質 GDP 成長率(前期比年率)は、日、米、英、ユーロいずれもでプラ
ス成長となった、ユーロ圏は 7 四半期ぶりにプラス成長となった(図U-8)。
【消費者物価上昇率】
・6 月の消費者物価指数(総合)は、日、米、英、ユーロで前年比プラスとなった。(図
U-9)。米、英、ユーロでは 7 月も前年比プラスが続いている。
【原油価格】
・原油相場(WTI、期近物)は、7 月にエジプトの政治情勢の混乱などから上昇し
た。その後は、おおむね横ばい圏での推移となったが、8 月下旬にシリア情勢の悪
化により再び上昇した(図U-10)。


  2.世界の流動性

○世界の外貨準備(通貨当局が保有する対外資産)
・世界の外貨準備は、前年比で見て増加が続いている(図U-11)。アジア諸国の外貨
準備は、このところ概ね横ばい圏で推移している(図U-12)。
○世界の通貨当局の米国債・政府機関債投資残高
・6 月の世界の通貨当局による米国債保有残高(FRB カストディ残高)は、前年比で
7.4%の増加となった(図U-13)。
○主要先進国のマネーストック
・7 月の日・米・ユーロのマネーストックは、いずれも前年比で増加した(図U-14)。
イギリスのマネーストック(6 月)は、2 ヶ月ぶりに前年比で増加となった。

3.中国とロシアの貿易収支〜7 月の中国の貿易収支は 178 億ドルの黒字
・7 月の中国の貿易黒字は、前年比 29.5%減の 178 億ドルであった(図U-15)。
・6 月のロシアの貿易黒字は、前年比 1.6%減の 136 億ドルであった。


4.オフバランス取引での円ポジション〜シカゴでの円ポジションは売り超
○シカゴ通貨先物市場での投機筋(非商業目的)による円のネットポジション
・シカゴ市場での円のネットポジションは昨年 11 月以降、売り超の状態が続いている。
7 月に売りの超過幅がやや拡大した後、8 月に入り縮小に転じた(図U-16)。


  5.日本をとりまく資本移動
 
○日本の対外証券投資(日本人投資家の海外資産への投資)
・7 月は 3 兆 2,087 億円の流出超過(買い越し)となった。株式が売り越されたが、
中長期債、短期債が買い越されて、国内から資金が流出した。
・7 月の外貨建て投資信託残高は、債券型が減少したが、株式型、その他型が増加し、
トータルで前月に比べ 842 億円の増加となった。
○日本への対内証券投資(外国人投資家による対日証券投資)
・7 月は 1 兆 920 億円の流出超過(売り越し)となった。株式、中長期債が買い越さ
れたが、短期債が売り越されて、資金が国外に流出した。

  6.米国をとりまく証券投資

○対米・対外証券投資
・6 月の海外資本による対米証券投資は、ネットで 778 億ドルの売り越し(資金流出)
となった。米国債、政府機関債、社債、株式のいずれもが売り越された。
・一方、米国資本は外国株式を買い越したが、外国債券を売り越してネットで 110 億
ドルの資金を流入させた。
・このため、6 月は差し引き 669 億ドルの米国からの流出となった。
○海外資本の米国債保有残高(ストック)
・6 月の海外資本による米国債保有残高は 5 兆 6,006 億ドルと前月比で減少した。
・ストック残高を国・地域別にみると、大きい順に、中国 1 兆 2,758 億ドル、日本 1
兆 834 億ドル、カリブ諸国 2,908 億ドル、石油輸出国 2,568 億ドル、ブラジル 2,537
億ドルとなっている。
図U-20 対米・対外証券投資の動向


  7.世界的不均衡
   

○米国の経常収支赤字(グローバルインバランス)
・2013 年 1-3 月期の経常赤字は 1,061 億ドル(年率 4,246 億ドル、GDP 比 2.7%)と
前期比で拡大した(図U-21)。
○米国の貿易赤字(国際収支・財サービスベース)
・2013 年 6 月の貿易赤字は、342 億ドル(季調値)と前月比で縮小した(図U-22)。
・最大の赤字を計上している中国向けの貿易赤字は 266 億ドルと前年に比べて赤字幅
が縮小した。

○ドル相場
・ドル相場は、7 月以降、対主要国でドル安基調で推移している(図U-24)。

  8.アジアの株価・為替相場

○アジア主要国の株価
・アジア株は、総じて見ると 8 月中旬以降、軟調な展開となっている(図U-25)

○アジア主要国の為替相場
・アジア通貨は、インドネシアルピー、マレーシアリンギット、タイバーツ、インドネ
シアルピー、フィリピンペソなど新興国通貨で、8 月以降に通貨安が進んだ(図U-26)。
http://www.murc.jp/thinktank/economy/fncm/money_flow/mf_1307


03. 2013年8月31日 11:21:10 : e9xeV93vFQ
≪来週のポイント≫
米QE3規模縮小開始判断の試金石:米雇用統計、ベージュブックが発表される
バーナンキ米 FRB 議長が 14 年 1 月に任期を迎えることから、同議長が米FOMC 終了後に記者会
見を行うのは 9 月、12 月のあと2回である。また、10月以降は米債務上限問題や予算問題などで議会
が紛糾する可能性もあることから、9 月のFOMCで米量的緩和策第3 弾(QE3)規模縮小に関する何ら
かの決定があるとの見方が強まっている。そのため、FOMC の参考資料となる地区連銀経済報告(ベ
ージュブック、4 日)や「雇用統計(8 月)」(6 日)には特に注目が集まる。なお、コンセンサス中央値(30
日現在、Bloomberg まとめ)は、非農業部門雇用者数は前月から18.0万人増と 7月の16.2 万人増から
伸び拡大、失業率は 7.4%と 7 月と変わらず、と予想されている。
日豪英欧で金融政策決定会合が開催される
3日にオーストラリアで、4〜5 日まで日本と英国で、5日にユーロ圏の金融政策決定に関する会合が
開催される。今回の各国会合で特に注目すべき内容はないものの、米QE3の規模縮小観測や直近の
経済成長率に対して金融政策の面からどう景気を支えていくか、声明や要人発言に注目したい。
主な経済指標
日本では、2 日に「法人企業統計調査(4〜6 月期)」が発表される。緩やかに輸出が回復する一方、
設備投資に対する鈍さが依然残るものとみられる。
米国では、3 日に「製造業 ISM 指数(8 月)」が発表される。コンセンサス中央値によると、54.0 と、7
月の 55.4 から低下すると予想されている。7月の指数は 11 年 1月以来の高水準となったが、8月も引
き続き高水準で推移するものと予想され、米景気の回復が製造業に波及しつつあるとみられる。


2.債券市場
入札日 銘柄 (回号) 表面利率 発行予定額 応札倍率 テール 最低価格 最高利回
8/27 20年利付国債 (#145R) 1.7% (1.7%) 1.2兆円 3.39倍 (2.61倍) 6銭 (6銭) 100.10円 1.689%
8/29 2年利付国債 (#332) 0.1% (0.1%) 2.9兆円 5.55倍 (9.27倍) 0.0銭 (0.5銭) 99.975円 0.112%
(資料) 財務省ホームページより農中総研作成。表面利率及び応札倍率、テールの(  )内数値は前回入札の値
寺林 暁良
◎相場概況 (8/26〜8/30 前場)
今週の長期金利(新発 10 年国債利回り)は、シリア情勢懸念による「質への逃避」や国債入札結果
の好調などから、週を通じて低下した。
長期金利は、週を通じて低下した。背景としては、引き続き日銀買い入れオペへの期待が根強いほ
か、シリア情勢懸念による「質への逃避」が債券相場を支えたことや、27日の 20年国債入札と 29日の 2
年国債入札の結果がともに順調だったこと、月末で投資家の調整需要が重なったことなどが挙げられ
る。週末には一時0.705%と、約 3 ヶ月半ぶりの低水準を付けている。
イールドカーブは、全期間で先週から低下した。30 日 11:00 時点の新発 10 年国債(#329)利回りは、
0.705%(先週末比▲5.5ベーシスポイント)。同 11:02時点の 10 年国債先物(中心限月9 月物)は、144
円 46 銭(同+75 銭)。
◎来週の相場予想 (9/2〜9/6)
シリア情勢懸念が高まる中で「質への逃避」が続くとみられるほか、日銀買入れオペへの期待感も根
強いことから、引き続き低水準での推移が続くと思われる。4〜5 日の日銀金融政策決定会合は現状維
持が見込まれ、大きな材料にはならないだろう。また、3日には 10年国債入札が行われる。


◎相場概況 (8/26〜8/30前場)
日経平均株価は、シリアに対し米軍等が軍事介入する懸念からリスクオフの展開となったが、週末にか
けてシリア情勢に対する緊迫感が後退したことや値ごろ感から一部買い戻しが入った。
週明け26日は反落、米株が堅調だったことで買いが先行した場面もあったが、売買代金が1.2兆円と取引
が低調な中、利益確定売りも出てもみ合った。27 日は続落、シリアで化学兵器使用疑惑が浮上し、米欧によ
るシリアへの軍事介入が警戒されたものの、個別株への買いも入り、下げ幅は抑えられた。28 日は大幅続
落、シリアに対し米などが軍事介入するとの観測が広がり、米株安・ドル安となった流れを受けて売りとなっ
た。29日は4営業日ぶりに反発、シリア情勢に対するリスクセンチメントにあまり変化はなかったが、先物主導
で値上がりし、値ごろ感からの買いも入った。30日午前は反落、米4〜6月期GDPの改定値が市場予想を上
回る上方修正となったことや、新規失業保険申請者数が減少したことなどを手掛かりに買いが先行したもの
の、依然くすぶるシリア情勢を見極めたいとの思惑で、ポジションを整理するなど様子見姿勢が強まった。
業種別では、33業種中1業種で前週末比上昇。
<前場終値>日経平均:13,369.49(前週末比▲291.06)、TOPIX:1,107.56(同▲34.07)

◎来週の相場予想 (9/2〜9/6)
国内外で注目のイベントや指標が控えているが、一番の焦点は米雇用統計(6 日)の内容。QE3 の規模縮
小開始を決定するに足るだけの結果であるか、注目される。足元の注目イベント・指標は 9月第2〜3週に控
える日本の2 次QE(GDP第2 次速報値)、米FOMC、ドイツ総選挙まで継続するため、当分の間は方向感が
出にくく、また様子見姿勢が強まり、もみ合う展開が継続するとみられる。


4.外国為替市場
◎相場概況 (8/26〜8/30 前場)
 
ドル・円相場は、週初はシリア情勢の緊迫化を受けて、円高、その後は予想を上回る米経済指標から
円安に。
週初は 26 日のNY時間に米耐久財受注が予想を下回る数字であったこと、米ケリー国務長官のシリア
情勢を巡る発言を受けて、98 円台半ばに。その後は日本及びアジアの株安によるリスクオフの流れから
98円台前半まで円高が進んだ。週央はシリアへの西側諸国の軍事介入懸念から円買いが進み、97円前
半へ。週後半にかけては、97円台後半で推移した。30 日前場は、米GDP改定値が速報から上方修正さ
れたため、円安になり、98円台半ばで推移。
ユーロ・円相場はシリア情勢への懸念によるリスクオフから一時円高が進んだもののその後横ばい
週初は 131 円台後半で方向感なく推移。その後はリスクオフにより 131 円台前半まで円高が進
んだ。27 日欧州時間には独 IFO 景況感指数が 16 ヶ月ぶりの高水準となったものの、週央はシリ
ア情勢懸念が一段と強まり、130 円台前半まで円高が進んだ。30 日前場は、リスクオンになった
ものの、有事のドル買いが意識され、対円ではほぼ横ばいの130円台前半で推移。
来週は 9月の FOMC を前に米経済指標に対するマーケットの関心が一段と強まっていると思われる。
また、シリアへの軍事介入があれば、円高となると考えられる。96円から 99円のレンジでの推移を予想。


5.海外市場
◎相場概況 (8/23〜8/29)
【米国】
米国の長期金利(10年債利回り)は、先週末に発表された7月の新築住宅販売件数が市場予想を下回っ
たことや週明け後も7月の耐久財受注が予想外に落ち込んだことに加え、シリアへの攻撃が差し迫っている
との観測が強まったことから、27日には2.71%と約2週間ぶりの水準まで低下。しかし、その後は4〜6月期
の実質 GDP(改定値)が上方改定されたほか、シリア情勢に対する過度の警戒感が後退したこともあり、29
日は 2.76%(先週比12bp 低下)となった。また、株式相場も下落し、ダウ工業株30 種平均は 27 日に 1 万
4,776ドルと6月25日以来約2ヶ月ぶりの安値を付けた。しかし、その後はやや値を戻し、29日は1万4,840
ドル(先週比122ドル安、0.8%下落)で取引を終了した。
【欧州】
イタリアのレッタ政権の持続に関する不透明感のほか、ギリシャに対する第 3 次支援の思惑が継続したこ
と等で、周辺国債は引続き全般に重い動きとなった。こうしたなか、先週末にユーロ圏の消費者信頼感指数
の改善(23 日)等を受けて利回りがやや上昇したドイツ国債は、週後半に向けて利回りが低下した。週を通
じ 10年ゾーンで、イタリア国債、ギリシャ国債は各7bp、23bpの利回り上昇。またドイツ国債は7bpの低下。
一方株式は、ストックス欧州600指数の1.1%の下落に対し、うち銀行セクターは2.1%の下落となった。
【中国】
上海総合指数は、中国国家統計局の報道官である盛来運氏が、週明け 26 日に外国人記者クラブで 13
年度の経済成長目標である 7.5%を達成できるとの見方を示したほか、27 日に 7 月の工業セクターの企業
純利益は前年比14.4%と6月(同7.3%)から伸びが高まったことを受けて大幅反発。しかし、その後は中国
人民銀行(中央銀行)が資産証券化をさらに拡大させると発表したものの、シリアに対する米国等による軍事
介入の可能性が強まったことなどから小幅下落に転じた。


6.指標分析・注目点
@ 今週のレビュー
今週に入り、ようやく猛暑も収まってきた日も出てきたが、報道によれば、省エネ型のエアコン・扇風機
の需要は堅調であったほか、ビール類の出荷も好調だったとのことである。後述のとおり、7 月の消費統
計はやや不調であったが、8 月分では盛り返してくる可能性もあるだろう。とはいえ、今後の残暑が長引け
ば、秋冬物商戦が不調となる恐れもある。株価の上値も重く、消費マインドも一時ほどの勢いはない中で、
本調子とは言えない日本経済が消費税増税を乗り切れるのかどうか、心配である。今週開催されている
「今後の経済財政動向等についての集中点検会合」(26〜31 日)では、参加者の過半数が予定通りの消
費税増税を支持する意見を表明している。たしかに、財政健全化は重要な課題であるが、それに向かっ
て正面突破することがよい結果につながるとは限らない点が難しいところである。増税慎重派の浜田内閣
官房参与は「意見の大小を比べてもダメで、それよりも、事実に反証されないような意見であるほうが重要」
と提出資料に記しているが、数年前まではデフレを容認する日銀を支持した有識者が大多数であったが、
現在ではデフレ脱却の重要性をほとんどの人が認めている状況を皮肉っているように見える。なお、甘利
経財相は 9 月短観が最後の判断材料と述べており、最終判断は 10月初旬までずれ込む可能性もある。
以下、今週発表された経済指標について振り返ってみたい。7 月の鉱工業生産は前月比 3.2%と、2 ヶ
月ぶりに上昇、6 月分で落ち込んだ分を取り戻した。なお、「季節指数の歪み」を調整すれば、東日本大
震災後のピークにかなり接近した可能性が高い。先行きは、製造工業生産予測指数によれば緩やかな
上昇見通しとなっている。
7月の雇用関連指標も概ね堅調。失業率は 3.8%、とそれぞれ08 年 10 月、08 年 5 月以来の水準まで
改善した。とはいえ、6 月分と同様、就業者がほぼ横ばいで推移している中で、失業者が非労働力人口
に振り替わった形での失業率低下であり、3.8%という数字が示すほど労働環境が好転しているとは言え
ないだろう。逆に、今後、景気回復局面の中で失業率が下げ渋る場面もありうるだろう。
一方で、7 月の消費関連指標は弱かった。商業
販売統計によれば、小売業販売額指数は前月比
▲1.8%(実質ベースでは▲2.1%)と 2 ヶ月連続で
低下。また、家計調査によれば、全世帯・実質消
費支出(除く住居等)も同▲0.4%と同様に 2 ヶ月
連続の低下。いずれも 4〜6 月平均を割り込んで
いる。8 月の猛暑効果でどの程度挽回するのか、
注目しておきたい。
最後に物価であるが、7 月の企業向けサービス価格は前年比 0.4%と 3 ヶ月連続のプラス。情報通信
(同▲0.9%)、不動産(同▲1.5%)、広告(同▲1.2%)は依然として前年比マイナスながらも、運輸(同
2.7%)が上昇傾向を強めているほか、金融・保険(同 0.8%)、リース・レンタル(同0.4%)、諸サービス(同
0.5%)も引き続きプラスで推移。一方、7 月の全国消費者物価は前年比 0.7%と 2 ヶ月連続の上昇となっ
た。これを牽引したのがエネルギー関連であるが、その周辺でも下落圧力が解消する動きとなっている。
www.nochuri.co.jp/weekly/pdf/130830.pdf


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