02. 2013年8月30日 18:59:27
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焦点:世界の対中投資が再び急増、逆風下の日本企業には課題も 2013年 08月 30日 15:48 JST [東京 30日 ロイター] - 世界の対中国直接投資が昨年の落ち込みから回復、再び勢いづいている。尖閣問題という逆風下にある日本も今年上半期は2ケタ増となった。しかし、投資額ではトップにある日本は、伸び率では韓国、米国、ドイツの後塵を拝しており、各国の追い上げは激しい。反日感情に神経を尖らせながらのビジネスを続ける企業もなお多いほか、主戦場となる内陸部への食い込みにも課題を抱えている。 <日中関係悪化でも日本からの投資は2ケタ増> 「尖閣問題(による反日暴動)以降途絶えていた日本企業の訪問が再び急増している」−−中国内陸部湖北省最大の都市・武漢市の委託を受けて日本企業の誘致窓口となっているシスプロ(大阪府)の興津一夫・武漢事務所長はこう語る。同氏によると、今年4月以降の進出案件が12件、うち6件が具体化した。 今年上期に日本企業が実施した対中投資額は約50億ドル。香港を除いたベースでは諸外国中最も多い。前年比では15%増と、尖閣問題があったにも関わらず、2ケタ増を示した。 中国問題に詳しいキャノングローバル戦略研究所の瀬口清之・研究主幹も「今年は尖閣問題によって日中関係が過去最悪の状態にあり、直接投資の伸びは昨年に比べて大幅に鈍化するか、または前年の水準を下回るのではないかと考えられていた」と指摘、「前年とほぼ同じ伸びに達した」と驚きを隠さない。 日本企業の中国現地法人の売上高は決して良い状況ではない。昨年10─12月期以来、製造業現地法人では前年比10%以上の大幅な減少が続いている。にもかかわらず、中国に投資をしようという進出の勢いは前年を上回っている。 <海外勢も投資再開、7%台に減速しても手綱緩めず> しかし、海外勢は日本以上の勢いで投資を再開している。韓国は19億ドルと規模はまだ日本に及ばないながらも伸び率は50%。米国は20%、ドイツは40%など、日本を大きく上回る。 昨年は世界経済が減速した影響もあり、世界の対中直接投資は前年比4%近く減少。加えて中国全体の成長率自体は、質の重視への政策転換もあり、従来の8%から7.5%へ目標を落としている。 各国が今年になって再び猛烈な勢いで投資を再開したのは、昨年の減速の反動もあるほか、中国消費市場の拡大ペースが他市場の追随を許さないからだ。日本貿易振興機構(JETRO)によれば、2012年1年間の名目のGDP増加額は約7400億ドルとトルコ1国分に匹敵しており、各国の進出企業は市場開拓をさらに強化する方向にある。 <主戦場の内陸部、小売業の進出活発化> 各国の中国ビジネスにとって、主戦場となっているのは成長率の高い内陸部。沿岸部の成長率が7%を割るほど減速している一方で、内陸部では、人口2800万人の重慶を始め、1000万人超の武漢や成都などの大都市が11─13%の成長を続けている。 人件費や不動産価格も沿岸部に比べて安く、労働集約型産業やローエンド製品の生産工程を沿岸部から移転するメリットが大きいと見られている。 日本企業は、内陸部には自動車産業が先んじて進出している。しかも投資は勢いが衰えておらず、ホンダ(7267.T)は 昨年武漢で第2工場が稼動、スズキ(7269.T)は重慶に第2工場を建設中だ。 注目すべき変化は、中国を消費地として開拓する動きが加速していることだ。四川省成都を中心に小売業の進出ラッシュが始まっている。食料品スーパーでは、フランスのカルフールが店舗数で圧倒的なシェアを持つが、日本の小売業も沿岸部から内陸部へと歩を進めつつある。 最近、日本企業の誘致に力を入れ始めているのが武漢市だ。ここでも流通業や小売業の進出が勢いがついてきた。昨年はユニクロが6店舗展開、無印良品を3店舗など相次いでオープンさせた良品計画(7453.T)では「東京都に匹敵する人口を擁する都市として、現状の店舗数はまだ拡大余地が大きい」(広報)とみている。2014年はイオン(8267.T)も武漢に中国内陸部初出店の計画だ。 <反日感情で神経質に、地元との連携不可欠> ただ、日本企業の間には、尖閣問題をめぐる反日暴動の後遺症があり、いまだに思い切った宣伝活動もままならないというハンディを抱えている。 内陸部への販売網展開による成功例と言われるダイキン工業(6367.T)でも、中国関連事業への取材受付やPRを避けているほか、日本企業であることを前面に出さないような販売方法を模索する企業もある。 また内陸部市場を沿岸部とはビジネス環境が異なることもあり、進出には慎重さもうかがえる。 内陸部攻略の難しさについて、セブンイレブン・ジャパン(3382.T)では「まず物流に欠かせないインフラ整備が沿岸部に比べて遅れている。また、顧客ニーズの把握や流通オペレーション、物流工場など、販売網構築のための見極めが難しい」(広報)という。進出実現には、現地企業との連携により、情報やマーケティングが欠かせないとしている。同社では今後新たに重慶で展開するにあたり、三井物産、地元食品企業と提携した。 JETROは、中国での販路拡大には良いパートナーと連携することが成功のカギだと指摘する。また、売上をさらに拡大するためには、進出日系企業のみならず、非日系外資系企業や中国地場企業にも販売を強化していくことが必要だと指摘している。 瀬口氏も、内陸部の販路拡大でうまくいっていない日本企業も多いと指摘。情報の獲得には中国人の活用が欠かせないと指摘。日本企業の多く採っている事業部制からエリア制に移行し、中国人トップを据えて現地化をはかっていこと重要だとみている。 (ロイターニュース 中川泉 編集 北松克朗) メルセデス、中国高級車市場は今年2桁成長と予想=幹部 2013年 08月 30日 18:46 JST [成都 30日 ロイター] - ドイツ自動車大手ダイムラー(DAIGn.DE)の高級車メルセデス・ベンツ部門の中国販売責任者、ニコラス・スピークス氏は30日、中国高級車市場について今年2桁台の成長を見込んでいると述べ、メルセデス販売網を小都市に拡大する意向を示した。 スピークスによると、メルセデスは今年、新たな販売店を75店開設し、そのうちほぼ半数は小都市に開く予定。 同氏は記者団に対し、「われわれは主要な競合相手に、販売店開設の面で、少し出遅れている。過去にわれわれは北京や上海などに力をいれてきたが、ディーラー網を拡大する必要を認識している」と語った。 スピークス氏は、中国の今年の全体の自動車需要は前年比で約10%増加する見通しだとしながら、「高級自動車市場はそれを超すとわたしは考えている。2桁成長となるだろう」と述べた。 詳しい数字を聞かれると、13─15%程度の成長だと語った。 ダイムラーは今後2年で中国に20億ユーロ(26億7000万ドル)を投資する戦略を公表しており、メルセデス網の拡大はこの戦略の根幹をなす。 メルセデス・ベンツ部門による中国での自動車販売は、今年の見通しである23万台から、2015年までに30万台超に引き上げることを目指している。この目標が実現されれば、メルセデスにとって中国は世界で最大の市場となる。現在は、ドイツ、米国に次いで3番目となっている。
アングル:監視委、ファンド販売会社の検査強化 2013年 08月 30日 18:09 JST [東京 30日 ロイター] - 証券取引等監視委員会は、虚偽の運用実態を示して顧客を勧誘していた米MRIインターナショナルなどの不正が相次いでいることを踏まえ、ファンドの販売などを手がける第二種金融商品取引業者(二種業者)の集中検査に乗り出す。地方の財務局から検査官の応援を得て、業者が集まる首都圏の検査体制を強化する。 二種業者は、投資家から募った資金で投資や事業をし、得られた収益を投資家に分配する「集団投資スキーム(ファンド)」の持ち分の販売などを手掛ける。2013年7月末時点で、1274社が登録している。 現時点で具体的に疑義のある業者の情報があるわけではないが、検査を通じて業界の現状を把握し、課題の抽出を進めるねらいがある。 <ネットの普及で業者が首都圏に集積> 監視委は、集中検査のために地方の財務局から検査官の応援を得て、首都圏の二種業者を担当する検査官を「倍増」(監視委幹部)し、監視委と関東財務局の検査体制を強化する。 これまで業者は各地に分散し、地方の業者の検査は当該地の財務局が担ってきた。しかし、インターネットの普及により、本拠地の所在にかかわらず全国の顧客を対象に営業できるようになった。 今では大多数の業者の拠点が首都圏にあるため、検査体制もこうした変化に合わせる。 ただ、この体制は、集中検査のための一時的な措置にとどまる見通し。金融庁は例年、市場の不正監視のため検査官の拡充を予算要求しているが、大幅な増員は期待しにくい。検査体制の見直しは、中長期的な課題として残る。 <多様なビジネス、実態見えにくく> 監視委は、AIJ投資顧問の巨額年金詐欺事件を踏まえ、投資一任業者への一斉検査を実施している。これと並行して二種業者の集中検査も進める。二種業者は事業内容や投資先が多様で、ビジネスの実態が見えにくい面がある。集中検査では、業界の現状や問題点を詳細に把握し、行政上の課題や対策をあらためて洗い出す。 これまでに監視委が二種業者の処分を勧告した事例としては2013年4月、資産運用会社の米MRIインターナショナルの米国での事業のファンド持ち分を、二種業者として営業していた日本支店が虚偽の運用実態を示して販売し、1000億円規模の資金を消失した疑いが発覚。金融庁が登録取消の処分を出した。 8月には、二種業者が虚偽の説明をしてファンド持ち分を販売し、そこで得た資金が無登録貸金業の資金源になっていたことが明らかになり、登録取消になった。 (平田紀之)
来週の外為市場、米雇用統計控えポジション傾けにくい 2013年 08月 30日 18:11 JST [東京 30日 ロイター] - 来週の外為市場は、8月米雇用統計の発表を週末に控え、神経質な展開になりそうだ。前哨戦となる経済指標の強弱に素直に反応する可能性が高いが、雇用統計までは積極的にポジションを傾けにくい。
シリア情勢については、展開次第で一時的にリスクオフに傾いたとしても、相場への影響は限定的との見方が多い。 予想レンジはドル/円が96.50―100.50円、ユーロ/ドルが1.3100―1.3400ドル。 今週の外為市場はシリア情勢に揺さぶられた。リスクオフムードが強まる中で、ドル/円は約2週間ぶり安値となる96.81円まで下落。その後は買い戻されたものの、「リスク回避姿勢が和らいだというよりは、売られ過ぎの反動といった感じで、積極的にリスクを取るようなムードではない」(国内金融機関)との見方が多く、上値も限られた。 来週もこうした地合いが継続しそうだ。シリア問題の先行き不透明感がぬぐえないことに加え、週末には8月米雇用統計の発表も控えており、積極的に上値を追える雰囲気にはない。市場では「シリア情勢は短期的に収束する可能性が高まっているが、万が一長期化した場合のリスクもやはり考えておかなければならない」(外資系証券)と警戒する声が出ていた。 来週は米経済指標の発表が相次ぐ。3日に8月米ISM製造業景気指数USPMI=ECI、5日に8月全米雇用報告(ADP)USADP=ECI、米新規失業保険申請件数USJOB=ECI、8月米ISM非製造業景気指数USNPMI=ECIなどが予定されているが、中でも注目されるのは6日に発表される8月米雇用統計USNFAR=ECIだ。 ロイター調査では、非農業部門雇用者数は前月比17万5000人増となり、前月の16万2000人増から伸びが加速する見通し。失業率は前月と同じ7.4%と予想されている。 米経済指標をめぐっては、これまでは結果が良ければ米緩和縮小懸念からリスクオフに傾き、株安/円高という展開もあったが、9月テーパリング(資産買い入れ規模の縮小)の織り込みが進む中で、足元の反応はまちまちとなっている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ為替ストラテジスト、植野大作氏は「指標の強弱に素直に反応するのではないか」と指摘、強ければドル買い、弱ければドル売りに傾くと予想している。 シリア問題については、過去を振り返ると「地政学的リスクに対する思惑を材料にした売買の賞味期限はそれほど長くない」ことから、影響は限定的との見方を示した。 ドル/円は、5月高値と6月安値を起点とした三角もちあいが煮詰まってきており、8月米雇用統計がレンジブレイクのきっかけになる可能性がある。 IG証券マーケットアナリスト、石川順一氏は「雇用統計で良い結果が出ればトライアングルの上限を突破して100円台を目指す可能性が高まる」との見方を示した。 (ロイターニュース 志田義寧)
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