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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97S05J20130829
2013年 08月 29日 15:56 JST
[東京 29日 ロイター] - 日本株やドル/円は反発しているが勢いは鈍い。西側諸国によるシリアへの軍事攻撃の可能性は市場に織り込まれつつあるが、周辺地域への波及など、その後の展開は予想しにくく、明確なシナリオが描けないためだ。
米金融緩和政策の行方も米連邦準備理事会(FRB)次期議長の選任をめぐり、さらに不透明感が増している。先行きの「霧」は濃く、ショートカバー中心で積極的なリスクオンは乏しい。
<シリア攻撃、周辺地域への波及を懸念>
市場がシリア情勢を警戒するのは、米国などの軍事攻撃が連鎖的に周辺地域に広がる可能性があるためだ。イスラム教のシーア派とスンニ派の対立が武装勢力を巻き込んで先鋭化するおそれがあるほか、イランとイスラエルの緊張関係にも影響しかねないとみられている。シリアの産油量は小さいが、中東全体に混乱が拡大すれば、原油供給体制に障害が出る。
「シリアへの攻撃は、応戦が飛び火して、イスラエルとアラブの対立に発展する可能性がある。市場では攻撃後のシナリオが依然描けておらず、ショートカバーが中心の株やドル/円の反発だ。混乱が広がれば、日本株も2番底をつけにいく可能性がある」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券・投資情報部長の藤戸則弘氏)という。
28日の市場で米ダウは反発したが、原油高を材料にしたシェブロン(CVX.N: 株価, 企業情報, レポート)やエクソンモービル(XOM.N: 株価, 企業情報, レポート)などエネルギー株の上昇が大きく、歓迎される動きではなかった。米WTIの中心限月10月物は中心限月として約2年4カ月ぶりに110ドル台で終了。ガソリン価格などの上昇を通じ、米消費を圧迫する懸念が強まっている。
7月の米住宅販売保留指数など米経済指標はさえなかった。「金融相場」といえども、中東の地政学的リスク懸念が強いなかでは、指標悪化を米量的緩和第3弾(QE3)縮小観測の後退材料として好感するムードにはならない。
日経平均.N225は反発したが、上値は重く1万3500円は回復できなかった。ドルも前日の海外市場では全面高になったが、「安全通貨」の円やスイスフランには利益確定売りが出ただけで、「有事のドル買い」が対円でも進み始めたわけではなく、円高警戒は残る
JPモルガン・チェース銀行チーフFXストラテジストの棚瀬順哉氏は「『9.11』以降は『有事のドル買い』は発生しておらず、有事に際してもっとも目立つのはそれまで積み上がってきたポジションを巻き戻す動きだ。シリア情勢に加えてエマージング市場の不安定さがくすぶる中で、マクロ経済環境が一定だったとしても、円ショートを巻き戻す動きには注意が必要だろう」と述べている。
<もやもやする米金融緩和の行方>
米国の金融政策に不透明感がさらに強まってきたことも投資家の手を引かせている。QE3縮小決定時期が9月と12月で予想が分かれているほか、次期FRB議長も当初、イエレンFRB副議長が有力視されていたが、ここにきてサマーズ元財務長官が優勢との見方も強まってきたためだ。
CNBCテレビは27日、関係筋の話として、サマーズ元財務長官が数週間以内に次期連邦準備理事会(FRB)議長に指名される公算だと報じた。またイエレンFRB副議長について、関係筋3人は、ホワイトハウス内でイエレン氏に関する詳細な審査はまだ始まっていないと証言している。ホワイトハウスでの正式な審査手続きは、大統領が候補者を選定した段階で米連邦捜査局(FBI)が身辺調査を行う。
ハト派と目されるイエレン氏に対し、サマーズ氏はQE3など現在の金融緩和策の効果に懐疑的とみられている。指名されれば、QE3縮小決定や利上げの時期が近くなるとの警戒感が強くなるため「株価にとっては、少なくとも短期的にはマイナス要因」(国内証券)という。
米金融政策の引き締め観測の強まりは、中東の地政学的リスクも合わさり、新興国からの資金流出を加速させかねない。ブラジルは通貨防衛とインフレ対策のため、3回連続で50ベーシスポイントの利上げを決めたが、減速する同国経済にさらにダメージを与え、かえってレアル安要因になるおそれもある。
「名目金利がゼロに張り付くなか、いまの金融政策にとって重要なのは市場の期待形成だが、過去の例をみてもFRB新議長が就任した当初は市場とのコミュニケーションはなかなかうまくいかない。市場や経済が不安定ななかで新議長はいきなり試練を迎えるかもしれない」と第一生命経済研究所・首席エコノミストの熊野英生氏は話している。
(伊賀 大記 編集:北松 克朗)
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