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2013年 08月 29日 11:45 JST
[ニューヨーク 28日 ロイター] - ほんの数日前までは、米連邦準備理事会(FRB)が9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和縮小を開始することは、ほぼ確実とみられていた。しかし今では、投資家はそれほど確信を持てないでいる。
シリアへの軍事介入が現実味を帯びるなか、世界の株式市場は下落。新興市場は売られ、原油価格は6カ月ぶりの水準に上昇した。さらに、米債務上限をめぐる与野党の攻防も、今秋に本格化する見通しだ。
シャプドレーヌ・フォーリン・エクスチェンジのマネジングディレクター、ダグラス・ボースウィック氏は「緩和縮小を開始するというのは大きな決定。現在のように不透明感が強いなかでは、非常に難しい」とし「市場は、12月に先送りするとの見方に傾いている」とみている。
シリアへの攻撃が実行されれば、中東からの供給に支障が出るとの懸念から、ブレントは1バレル=117.34ドルと、6カ月ぶり高値をつけた。
仏金融大手ソシエテ・ジェネラル(ソジェン)は、シリアをめぐる混乱が拡大し供給が滞った場合、ブレントは150ドルに上昇する可能性があると見込む。石油価格の上昇はガソリンの値上がりにつながりそれ以外の支出が減少、FRBの判断にも影響する可能性がある。
SLJマクロ・パートナーズのマネジングパートナー、スティーブン・ジェン氏は「FRBが9月に行動を起こす可能性は低下した」とみみている。その理由として「世界の一部で戦争が起こる可能性があり、そうなれば原油価格は大幅に上昇するだろう」と指摘。「確かに、FRBが行動する可能性は残っている。しかし、原油価格が現行水準からバレルあたり20ドル上昇すれば、(緩和縮小を)今実施しようとは思わないだろう」としている。
ただ、アナリストの一部では、シリアへの軍事介入が行われても空爆や駆逐艦からのミサイル発射に限定されるならば、金融市場やFRBの行動にそれほど影響しないとの見方もある。シティグループのアナリストは、その場合は「深刻な供給問題」が起こる可能性は低いと指摘した。
FRBが緩和縮小を先送りするならば、新興市場にとっては一時的にはプラスとの声もある。しかし、緩和縮小が不可避とみられるなかで、市場の変動がますます大きくなるだけかもしれない。
ドイツ銀行の外為戦略グローバルヘッド、アラン・ラスキン氏は「緩和縮小が先送りされれば、短期的にはプラスの反応があるかもしれないが、最終的には影響はマイナス」と指摘。「FRBが新興市場の通貨を間接的に支援しようとすれば、緩和縮小を長期的に先送りするとでも明言するほかないが、それは起こらないだろう」との見方を示した。
<決定要因は8月雇用統計>
一部ストラテジストは、米財政をめぐる与野党の攻防のほうがより心配される問題と指摘する。連邦債務は10月半ばに上限を超える見通しだ。共和党は社会保障支出の削減を求めるが、ルー財務長官は、債務上限引き上げと引き換えに歳出削減を交渉するつもりはないとしている。
債務上限問題をめぐっては2011年にも与野党が激しく対立。米国債の格付けが初めて引き下げられるという事態を招いた。今回もデフォルト(債務不履行)観測が広がれば、市場が大きく動揺するのは必至だ。
プルデンシャル・フィナンシャルのマーケットストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「債務上限をめぐる議論が過熱し、消費者の信頼感を冷やすほど状況が不透明になったとFRBが判断したり、原油価格が上昇して一段の心理悪化や購買力低下を招いたりした場合、FRBは当初想定より小幅な緩和縮小を発表する可能性がある」と見込んでいる。
一部のエコノミストは、来週発表される8月雇用統計が決定要因としている。FRBにとって緩和縮小の条件は、米経済と労働市場の改善。最近の住宅や耐久財に関するデータは失望を招く内容だった。
コーナーストーン・マクロのエコノミストはリサーチノートで「緩和縮小への最も深刻な障害は、米経済にFRBが望んでいるほどの持続的な回復が見られないこと」と指摘。「あらゆるリスクを考慮すると、まずは、150億ドル程度の小幅な措置になる可能性がある」と予想している。
(Wanfeng Zhou記者;翻訳 吉川彩;編集 田中志保)
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