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株式日記と経済展望
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今回のシリア攻撃の目的は原油でもイスラエルの為でもシリア市民の為でもない。
原油価格を上げることが目的である!最高値1バーレル150ドルしたいところ。
2013年8月29日 木曜日
◆私には「お笑い草」の米英シリア攻撃 8月28日 増田俊男
http://www.chokugen.com/opinion/backnumber/h25/jiji130828_852.html
シリア政府軍が化学兵器を使って1,300名以上のシリア市民の大量殺害をしたということで無残な映像とニュースが流れているがすべて反体制派軍からの情報提供だから客観性は無い。そんな情報を流すメディアは知ってか知らずかアメリカの手先になっている。
こともあろうにシリア政府からの要請でダマスカス(シリアの首都)に国連の化学兵器査察団がいる8月21日に反体制軍に盗んできた化学兵器を使わせるとはCIAの程度は悪化の一途。さらに現場(グータ)に向かっている査察団の車輌を反体制派が狙撃するに至ってはお粗末このうえなし。
アメリカのケリー国務長官はシリア政府が化学兵器を使って多くの犠牲者を出したことに疑いの余地無し、ヘーゲル国防相はオバマ大統領の命令があればいつでもシリア攻撃の準備は整っているという。アメリカとイギリスのメディアは今週木曜日(8月29日)に英米軍がシリアに対してミサイル攻撃をするだろうと報道しているが気でも狂ったのだろうか。
2003年3月17日にブッシュ大統領は国連安全保障理事会を無視して英国と共にバクダットを火の海にした。アメリカは国連常任理事会でイラク攻撃のお墨付きはロシア、中国、フランス(いずれもサダム・フセインから広大な原油埋蔵地の利権をもらっていた)が反対するから取れない。だからどうしても国際世論のお墨付きを取らねばならない。
そこで国際世論の支持を得るため毒ガスを輸送しているイラクのトラックのビデオを国連安保理事会で見せたり、イラク兵が病院での幼児無差別殺害のシーンを涙ながらに話す少女の映像を繰り返し世界に報道するなどでなんとか米英の単独イラク攻撃の国際世論を作り上げた。
イラク攻撃が成功した後になってアメリカは、トラックで運んでいたのは毒ガスではなく水であったこと、また残忍なイラク兵の話をしたのは駐米クエート大使の娘さんでアメリカの広告会社が病院などのセットで作成した作品であったことを認めた。
情報の捏造のおかげでサダム・フセインを倒しロシア、フランス、中国の原油利権を我が物にした後、本当の打ち明け話をしてもNYダウが下がるわけでも無い。目的の為なら何でもありは日本を除くどこの世界でも政治の常識である。だから今回のシリア政府の化学兵器殺害も当てにならない。
第一シリア政府の要請で国連の化学兵器査察団がダマスカスに来ている時になんでシリア政府が化学兵器を使って市民を殺害するのか。マンガじみたセプテンバー・イレブンもそうであったが、本当にここ20年くらいCIAの質は落ち続けている。
かつてサダム・フセイン大統領は、「イラクの大量破壊兵器施設はイラク・イラン戦争の時我が国の同盟国であったアメリカが作ったのだから我々よりアメリカの方が詳しい。アメリカの情報により国連査察団の指示ですべての施設は破壊されたので我が国には大量破壊兵器は何一つ残っていない。
ブッシュ大統領は48時間以内に大破壊兵器を出さなければ攻撃するというが、無いものは出せない」と言ったが、ブッシュ大統領は宣言した通りバクダットを火の海にし、目的(ロシア、フランス、中国の原油利権奪取)を達成した。
今回のシリア攻撃の目的は原油(シリアは産油国では無い)でもイスラエル(敵の攻撃がなくなったら報復と言う名の領土侵犯が出来なくなる)の為でもシリア市民の為でもない。原油価格を上げることが目的である!
出来たら今までの最高値1バーレル150ドルしたいところ。アメリカは2005年から始まったシェールガス・オイル革命で世界最大のエネルギー輸出国を目指しているが生産が急ピッチ過ぎて2012年から天然ガスと原油価格が下がってしまい開発投資が鈍って来た。2017年からエネルギー輸出国になり世界の経済を牛耳るには一気にシェールガス・オイル開発を進める必要があり、その為には原油価格を急騰させなくてはならない。
そこでかねがねシリアの化学兵器を戦争材料に使うべく国際世論操作を進めて来ていよいよ実行と言うところまできたが今週木曜日(29日)に米英軍はシリア攻撃をするという情報を流したら原油価格は一気に108ドルまで上がって、直ぐに下がってしまった。
イラク攻撃の時と違って私のように「すべてお見通し」の人が市場でも多くなり、今や8月中の最安値105ドルまで下がってしまった。これではシリア攻撃をしても市場に笑われるのが落ちだからシリア攻撃など出来る訳がない。いよいよCIAもシリア撤退ですね。
(私のコメント)
中東情勢は日本から遠いこともあり日本の関心は薄いのですが、原油の80%を中東に頼っているから経済に対する影響は大きい。シリアやエジプトの混乱はアメリカが背後で操っていることは明らかですが、オバマ大統領はあまり関与したがらない。できる事はミサイルを撃ち込むことぐらいですが、問題解決を厄介にするだけだ。
アメリカにとって中東の存在価値は石油にありますが、アメリカ国内でのシェールガス・オイルの開発はアメリカが石油ガスの輸出国になる可能性を秘めている。その為には石油やガスの価格を上げることが求められますが、その為にシリアやエジプトが使われている。リビアやイラクもまだ安定したとはいえず、民主化がかえって混乱を招いている。
シリアやエジプトに関与しているのはアメリカばかりでなく、サウジアラビアをはじめとする湾岸諸国ですが、シーア派の勢力拡大はサウジと始めとして湾岸諸国の脅威だ。しかしアメリカができる事は反体制派を支援する事だけであり、直接手を出すことはできない。アメリカハスでのイラクやアフガニスタンで手一杯であり、国内でも世論も介入には反対意見が多い。
国連安保理の賛成も得られず、単独介入もイラクで懲りているので、化学兵器を使ったという工作が行われていますが、シリア政府がわざわざアメリカの介入を招くような化学兵器を使うだろうか。シリア政府にはロシアや中国が支援していますが、アメリカが介入すればロシアや中国との対立が深まる。
アメリカが狙っていることは、緊張状態を高めることで石油価格を上げる事であり、中東諸国同士でドンパチしてくれることが一番望ましい。イスラエルも絡めばイランも乗り出してくる可能性がある。すべてが石油価格を上げるための紛争であり、仕掛けているのはCIAだろう。イラク戦争のころとは違って、アメリカはガスや石油を自給できる体制にしたい。
その為にはガスや石油価格が上昇しなければシェールガスやオイルの採算が取れない。サウジなどの産油国にしても石油価格の下落は望ましくはなく、適度の緊張状態があった方が都合がいい。サウジは反モルシー大統領でありエジプト軍を支持し、シリアにも反アサド政権で反政府軍を支援している。その点ではアメリカとサウジの意見は一致している。
しかし中東諸国で民主的な親米政権はあるのだろうか? アラブ諸国が民主国家になればどうしても宗教勢力が強くなり、反世俗的な政権になりやすい。むしろ軍事独裁政権のほうが世俗的であり宗教勢力を抑え込んできた。アメリカの取ってはそこがジレンマであり、エジプトも軍事独裁政権を倒したらイスラム同胞団が政権を取ってしまった。
だからアサド政権を倒しても宗教勢力が政権を取るだけであり、シーア派が政権を取ったらかえって厄介なことになるだろう。このように中東問題は一筋縄では解決が難しくなり、アメリカもイラクやアフガニスタン介入で引くに引けないジレンマを抱えてしまった。アメリカにしてもこれ以上手は広げられないからシリアには直接介入はできない。
安倍総理が盛んに中東外交を展開していますが、集団的自衛権としてアメリカが手を引いた後は日本の自衛隊が後を埋めるのだろうか。バーレーンには海賊対策として自衛隊が派遣されていますが、湾岸諸国の海域をP3Cなどの哨戒活動などで強化していくのだろうか?
中東諸国にとっては、原子力エネルギーに対する関心が高く、安倍総理はトルコやUAEとの原子力協定に締結しましたが、日本国内やアメリカ国内の動きとは逆行する動きだ。サウジにしても石油が底を尽きかけて、できるだけ石油を温存するには原子力に頼るしかない。
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