04. 2013年8月29日 16:45:32
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焦点:ドル買い縮小の投機筋、シリア懸念で巻き戻し迫られる恐れ 2013年 08月 29日 15:18 JST [ニューヨーク 28日 ロイター] - ヘッジファンドなどの投機筋は過去1カ月間にドル買いに慎重な姿勢を強めてきたが、ドルの下値余地は限られてきた様子で、こうした取引は巻き戻しを迫られる恐れがある。日々の外為取引を大きく左右する投機筋は以前、ドル先物のロングポジションを積み上げていたが、1カ月余り前からはロングを削減してきた。このことは潜在的な売り圧力の減少となり、ドルの急激な下落を抑える緩衝剤として働きそうだ。 予想を下回る経済指標が出て米連邦準備理事会(FRB)の資産買い入れ縮小時期をめぐる不透明感が強まったことが、最近数週間のドル安の原因だった。 しかしここ数日間は、西側諸国によるシリア攻撃が懸念されて安全通貨としてのドルの地位が再確認された。わずか数週間後にFRBが資産買い入れ縮小に踏み切るとの見方が依然として強いこともドルを支えている。 米商品先物取引委員会(CFTC)の最新データによると、8月20日までの1週間は、ドル先物・オプション取引のロング・ポジションが5週連続で縮小して135億4000万ドルだった。6月末以降の最低で、5月末に記録したことしの最高額440億ドルをはるかに下回る。 最も大きく変化したのはユーロ/ドルで、7月初め以来、主にヘッジファンドを指す「ノン・コマーシャル・トレーダー」は65億ドルのネットショートから62億ドルのネットロングに転じた。2011年7月以来で最もユーロに強気のポジションとなっている。 RJOフューチャーズのシニア・コモディティ・ブローカー、マシュー・シリング氏は「人々は最近ユーロのロングを積極的に積み上げてきたが、ユーロ強気派の勢いは今後数週間で衰えると予想している。FRBの資産買い入れ縮小が順調に進めば、ドルは再び強気トレンドに入るはずだ」と述べた。 主要6通貨に対するドル指数は8月20日に過去2カ月間の最低水準に沈み、同じ日にユーロは半年ぶりの高値を付けた。 メロン・キャピタル・マネジメントのマネジングディレクター兼資産配分調査ヘッド、アンジュン・シュー氏は、同社が過去1カ月間にドルを買い進めて「相当な」オーバウエートにし、一方でユーロをショートにしてきたと説明。「FRBによる流動性吸収の決断はドルを強く支えるだろう。FRBが資産買い入れ縮小を発表するのは、景気回復への自信を強めているからであり、ドルは景気回復という面でも恩恵を受ける」と話した。 オプション市場の1カ月物リスクリバーサルは、投資家がユーロの下落に備えたプットオプションを購入していることを示している。今後1カ月間にユーロが下落すると予想しているわけだ。 ユーロは15日に重要な上値抵抗線と見られていた水準を突破したが、RBCキャピタル・マーケッツ(トロント)のチーフ・テクニカル・アナリスト、ジョージ・デービス氏は「上値を追う買いはほとんど見られなかった」と言う。 しかしマーク・インベストメンツのアクセル・マーク最高投資責任者はユーロを買い始めた。「FRBは資産買い入れ縮小を示唆しているが、欧州中央銀行(ECB)は流動性を吸収している。意図的にそうしているわけではないが、銀行が以前ECBから借り入れた資金を返済している」と説明する。 一方、ドルに対するショート・ポジションが最も膨らんでいるのは円と豪ドルで、最新の1週間のネットショートは円が92億ドル、豪ドルが57億ドルだった。 ファロス・トレーディングのマネジングディレクター、ブラッド・ベッチェル氏は「市場はまだドルの保有を選好しているが、対円、対豪ドル、対ポンドに重点を置くことで対象を選別している」と語った。 (Julie Haviv記者) 先行きの霧濃く弱い反発、描けないシリア攻撃後のシナリオ 2013年 08月 29日 15:56 JST [東京 29日 ロイター] - 日本株やドル/円は反発しているが勢いは鈍い。西側諸国によるシリアへの軍事攻撃の可能性は市場に織り込まれつつあるが、周辺地域への波及など、その後の展開は予想しにくく、明確なシナリオが描けないためだ。
米金融緩和政策の行方も米連邦準備理事会(FRB)次期議長の選任をめぐり、さらに不透明感が増している。先行きの「霧」は濃く、ショートカバー中心で積極的なリスクオンは乏しい。 <シリア攻撃、周辺地域への波及を懸念> 市場がシリア情勢を警戒するのは、米国などの軍事攻撃が連鎖的に周辺地域に広がる可能性があるためだ。イスラム教のシーア派とスンニ派の対立が武装勢力を巻き込んで先鋭化するおそれがあるほか、イランとイスラエルの緊張関係にも影響しかねないとみられている。シリアの産油量は小さいが、中東全体に混乱が拡大すれば、原油供給体制に障害が出る。 「シリアへの攻撃は、応戦が飛び火して、イスラエルとアラブの対立に発展する可能性がある。市場では攻撃後のシナリオが依然描けておらず、ショートカバーが中心の株やドル/円の反発だ。混乱が広がれば、日本株も2番底をつけにいく可能性がある」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券・投資情報部長の藤戸則弘氏)という。 28日の市場で米ダウは反発したが、原油高を材料にしたシェブロン(CVX.N)やエクソンモービル(XOM.N)などエネルギー株の上昇が大きく、歓迎される動きではなかった。米WTIの中心限月10月物は中心限月として約2年4カ月ぶりに110ドル台で終了。ガソリン価格などの上昇を通じ、米消費を圧迫する懸念が強まっている。 7月の米住宅販売保留指数など米経済指標はさえなかった。「金融相場」といえども、中東の地政学的リスク懸念が強いなかでは、指標悪化を米量的緩和第3弾(QE3)縮小観測の後退材料として好感するムードにはならない。 日経平均.N225は反発したが、上値は重く1万3500円は回復できなかった。ドルも前日の海外市場では全面高になったが、「安全通貨」の円やスイスフランには利益確定売りが出ただけで、「有事のドル買い」が対円でも進み始めたわけではなく、円高警戒は残る。 JPモルガン・チェース銀行チーフFXストラテジストの棚瀬順哉氏は「『9.11』以降は『有事のドル買い』は発生しておらず、有事に際してもっとも目立つのはそれまで積み上がってきたポジションを巻き戻す動きだ。シリア情勢に加えてエマージング市場の不安定さがくすぶる中で、マクロ経済環境が一定だったとしても、円ショートを巻き戻す動きには注意が必要だろう」と述べている。 <もやもやする米金融緩和の行方> 米国の金融政策に不透明感がさらに強まってきたことも投資家の手を引かせている。QE3縮小決定時期が9月と12月で予想が分かれているほか、次期FRB議長も当初、イエレンFRB副議長が有力視されていたが、ここにきてサマーズ元財務長官が優勢との見方も強まってきたためだ。 CNBCテレビは27日、関係筋の話として、サマーズ元財務長官が数週間以内に次期連邦準備理事会(FRB)議長に指名される公算だと報じた。またイエレンFRB副議長について、関係筋3人は、ホワイトハウス内でイエレン氏に関する詳細な審査はまだ始まっていないと証言している。ホワイトハウスでの正式な審査手続きは、大統領が候補者を選定した段階で米連邦捜査局(FBI)が身辺調査を行う。 ハト派と目されるイエレン氏に対し、サマーズ氏はQE3など現在の金融緩和策の効果に懐疑的とみられている。指名されれば、QE3縮小決定や利上げの時期が近くなるとの警戒感が強くなるため「株価にとっては、少なくとも短期的にはマイナス要因」(国内証券)という。 米金融政策の引き締め観測の強まりは、中東の地政学的リスクも合わさり、新興国からの資金流出を加速させかねない。ブラジルは通貨防衛とインフレ対策のため、3回連続で50ベーシスポイントの利上げを決めたが、減速する同国経済にさらにダメージを与え、かえってレアル安要因になるおそれもある。 「名目金利がゼロに張り付くなか、いまの金融政策にとって重要なのは市場の期待形成だが、過去の例をみてもFRB新議長が就任した当初は市場とのコミュニケーションはなかなかうまくいかない。市場や経済が不安定ななかで新議長はいきなり試練を迎えるかもしれない」と第一生命経済研究所・首席エコノミストの熊野英生氏は話している。 (伊賀 大記 編集:北松 克朗) ドル97円後半、シリア情勢織り込みつつリスク回避ムード継続 2013年 08月 29日 16:00 JST [東京 29日 ロイター] - 東京外為市場午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べて小幅ドル高/円安の97円後半。午前の取引では本邦輸出勢による月末のドル売りが散見されたが、シリア情勢の緊迫化を市場が徐々に織り込みつつあるなか、午後に入ってドルは緩やかに上昇した。 ドルは実需の売りを受け正午にかけて97.45円まで下落。その後「97円半ば以下には実需の買いニーズがあることを確認し、下げ止まって反発した」(外銀)。午後3時半までのドルの高値は97.91円だった。 市場では「シリア情勢は、織り込みつつある」(同)との声も聞かれるが、新興国市場の不安定化も収束しておらず「リスク回避姿勢が和らいだというよりは、売られ過ぎの反動といった感じで、積極的にリスクをとるようなムードではない」(国内金融機関)との見方が多い。 <ドル/円の方向性> ドル/円をめぐっては、消費税問題と米テーパリング(資産買い入れ規模の縮小)問 題にシリア問題が加わったことで先行きが読みにくくなっているが、市場では「シリア情勢がよほど深刻化しない限りは、ここから95円を目指すというよりも、100円を目指す可能性の方が高いのではないか」(大手邦銀)との声が多い。 この関係者は、消費税やテーパリングは市場予想通り実施されると予想。シリア問題に関しては、イスラエルが巻き込まれるかどうかがポイントとした上で「報復がなく終われば、すでにマーケットが織り込んでいるので、さらに売られるということはないだろう」との見方を示した。 一方、JPモルガン・チェース銀行のチーフFXストラテジスト、棚瀬順哉氏は、「9.11」以降は「有事のドル買い」は発生しておらず、有事に際してもっとも目立つのはそれまで積み上がってきたポジションを巻き戻す動きだとしたうえで、「シリア情勢に加えてエマージング市場の不安定さがくすぶる中で、マクロ経済環境が一定だったとしても、円ショートを巻き戻す動きには注意が必要だろう」と述べた。 <ブラジルレアル> 米連邦準備理事会(FRB)の緩和縮小観測を背景に、ブラジルなど新興国からの資金流出が加速し、その結果、新興国の通貨は軒並み下落、輸入物価上昇を通じたインフレの高進が問題となっている。 ブラジルレアルは1ドル=2.3445/2.3470レアルの気配。前日の中南米市場終盤には2.3468レアル付近だった。ブラジル中銀が22日に為替介入プログラムを発表して以降、レアルは上昇基調を保っているが、前日の利上げ発表後は上昇が一服している。 レアルは8月21日に2.4550レアルまで下落し、2008年12月以来の安値を付けた。日本国内ではレアルを組み入れた投資信託が販売されており、レアル安と金利高によってそれらの投資商品に損失が出たとみられる。 ブラジル中央銀行は28日、政策金利をこれまでの8.50%から50ベーシスポイント(bp)引き上げ9.00%とした。インフレの抑制と投資家の信頼感回復に向けて、金融引き締めのペースを維持した。政策金利はこれで、1年4カ月ぶりの高水準となった。中銀は、今回の利上げについて、継続している政策金利の調整プロセスの一環との姿勢をあらためて示し、追加利上げに含みを持たせた。 (ロイターニュース 森佳子)
キング牧師演説から50年、米大統領「経済格差の解消は未完」 2013年 08月 29日 16:41 JST [ワシントン 28日 ロイター] - 米公民権運動の黒人指導者マーチン・ルーサー・キング牧師が「私には夢がある」と人種差別撤廃を訴えた演説から50年を迎えた28日、演説会場となったワシントンのリンカーン記念堂で式典が開かれた。 式典で演説したオバマ大統領は、キング牧師の演説が平等な社会の実現に向けて闘った数百万人の米国人を勇気付けたと指摘。「彼らが行進したから、米国はより自由で公平な国になった」と称賛した。50年前のこの日、差別撤廃を求める「ワシントン大行進」も行われた。 その一方で、経済格差の解消は公民権運動に残された「未完の仕事」だとし、キング牧師が掲げた目標達成の必要性を強調した。式典にはカーター、クリントン両元大統領のほか、キング牧師の家族らが出席した。 |