06. 2013年8月28日 15:20:58
: niiL5nr8dQ
FRB次期議長、サマーズ氏指名なら共和党議員の支持獲得が鍵 2013年 08月 28日 14:45 JST [ワシントン 27日 ロイター] - オバマ米大統領が米連邦準備理事会(FRB)の次期議長候補にサマーズ元財務長官を選ぶ場合、民主党内の造反議員に対処するとともに、共和党議員を何人か味方につける必要がありそうだ。上院ではオバマ大統領の民主党が過半数を握っているが、どの候補を選んでも承認を得るのは厳しい闘いとなりそうだ。 多くの議員は2007─09年の経済危機時にFRBが採った前代未聞の措置に不満で、FRBの資産買い入れプログラムを権限の逸脱とみる議員もいる。有力候補のサマーズ、イエレンFRB副議長のどちらが選ばれても、こうした心理が逆風となるだろう。 それでもイエレン氏の方が承認を得るのはまだ容易かもしれない。上院の民主党議員の過半数はイエレン氏への支持を示唆したり、同氏の能力について信頼感を内々に表明している。 サマーズ氏は横柄な人柄に加え、クリントン政権下の財務長官として金融規制緩和を進めたことが批判を浴びている。多くの民主党議員は、この規制緩和が10数年後に金融危機の引き金を引いたと考えている。 対照的に、イエレン氏は消費者団体やリベラル派から、住宅バブルの脅威を予見したとして称賛を浴びている。民主党議員らが支持しているため、大統領はサマーズ氏の場合ほど多くの共和党議員に頼る必要はないだろう。 サマーズ氏はハーバード大学長時代の女性蔑視発言でも非難にさらされた。しかし支持派は金融危機に対処した経験と発想の大胆さを評価している。 ホワイトハウスは次期議長候補をこの秋に発表する方針を明らかにしている。CNBCテレビは「チーム・オバマ」筋の話として、数週間中にサマーズ氏が指名されそうだと報じた。 <上院銀行委員会が最初のハードル> オバマ大統領がサマーズ氏を選んだ場合、最初のハードルは上院の銀行住宅都市委員会の通過だろう。 同委員会は民主党12人、共和党10人だが、民主党のうちシェロッド・ブラウン議員(オハイオ州)とジェフ・マークリー議員(オレゴン州)の2人は党内きっての反サマーズ派だ。消費者を代表しウォール街を厳しく批判するエリザベス・ウォーレン議員(マサチューセッツ州)も銀行委員会の一員だ。 ブラウン議員は、イエレン氏の指名を求める書簡をオバマ大統領に送っており、ロイターに対してサマーズ氏に反対票を投じる意向を表明した。マークリー議員はサマーズ氏に強い疑念を抱いていると述べた。 ウォーレン氏は銀行と証券に垣根を設ける「グラス・スティーガル法」の現代版導入を訴えている。サマーズ氏が財務長官時代の1999年に廃止に手を貸した法律だ。 ブラウン氏が実際に反対票を投じれば、ホワイトハウスは上院本会議に送付するために委員会内で少なくとも共和党議員1人の賛成を取り付ける必要が生じる。 ウォーレン、マークリー両議員も反対すれば、事態はますます困難になる。 大統領は、バーナンキ議長の2期目の続投に賛成票を投じたボブ・コーカー議員(テネシー州)とマイク・ジョハンズ議員(ネブラスカ州)の2人の共和党議員をあてにできるかもしれない。 しかし銀行委員会の共和党議員は、金融危機時のFRBの役割を批判しており、どの候補が指名された場合でもそうした考え方が判断に投影されそうだ。共和党のデービッド・ビッター議員に至ってはバーナンキ議長の2期目続投に反対票を投じている。 <政治> 委員会を通過して上院本会議に舞台が移れば、サマーズ氏の承認はより円滑になるだろう。本会議には予算問題でオバマ大統領に積極的に協力している共和党議員が数名いる。リンゼー・グラム議員やジョン・マケイン議員などだ。 仮に上院議員のだれかが承認を阻止するために動議を出した場合、これらの共和党議員が助け舟を出し、大統領は否決に必要な票数を獲得できるかもしれない。動議が出される可能性は高く、否決するには指名承認に必要な51票を上回る60票が必要となる。上院の構成は民主党54議席、共和党46議席。 ただ、サマーズ氏の任命には政治問題が逆風となるかもしれない。共和党議員らが仮にサマーズ氏の規制緩和や金融政策に対する姿勢を受け入れたとしても、クリントン、オバマの両民主党政権で果たした政治的役割については例外視する可能性がある。 グリーンスパン前FRB議長、バーナンキ現議長、イエレン現副議長の3人はいずれも、過去の政権で大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務めた経歴を持つが、このポストは過度に政治的だとは考えられていない。 対照的にサマーズ氏は、クリントン政権時の財務長官であり、オバマ大統領に対しては最初の大統領選でアドバイザーを務めた。その後、オバマ政権の国家経済会議(NEC)委員長として金融危機への対応を指揮した。 ジョージ・W・ブッシュ政権のホワイトハウス高官だったトニー・フラット氏は「共和党上院議員がサマーズ氏の金融政策姿勢に肯定的な考えを持ったとしても、反対する理由はほかにたくさんあり、その筆頭が政治だ。サマーズ氏はほかでもなく、政治的に仕えた人物から任命されることになるのだから」と述べた。 (Rachelle Younglai記者) |